有価証券報告書-第90期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 14:34
【資料】
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【項目】
194項目
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
①人材戦略
当社グループでは人的資本の取組みを推進していますが、現段階においては、グループ会社間で人事制度・情報管理基盤が必ずしも統一されていないことから、連結ベースでの定量的なデータ把握が限定的となっています。このため、以下の人的資本に関する記載のうち、「4)指標及び目標」については、当社単体のデータを基に開示しています。
今後は、グループ・ガバナンスの強化および人事データ基盤の整備を進め、連結ベースでの開示の拡充を図ってまいります。
1)ガバナンス
当社グループは、持続的な企業価値向上のためには人的資本への戦略的投資が不可欠であるとの認識のもと、当社の取締役会が人財戦略の推進を以下の様な施策によって監督しています。
・年1回、人的資本関連指標の達成状況についてモニタリングを実施
・人財戦略を経営戦略と結びつけ、人員配置・育成・異動を全社視点で最適化するため、定期的に「人財最適化検討会」を開催し、その内容を報告
・取締役のスキル・マトリックスの項目に、サステナビリティ・ESGや人的資本活用を監督するために必要となるスキル等を含め、取締役候補選任に活用
・スキル等の向上のため、トップマネジメント研修を実施
2)戦略
当社グループの中長期ビジョンとして掲げている「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」を実現するため、「人財方針」を人財戦略の基本方針として、国内の基盤強化と海外展開を支える人財ポートフォリオを新たに設定し、これを重点的に育成する人財戦略を推進しています。なお、2025年度の当社の1人あたり教育研修投資額は67,827円となっています。
人財ポートフォリオ機会・リスク
グローバル人財海外拠点の運営人財プール不足への対応
イノベーション人財異なる事業の技術や知見の融合による価値創造
DX人財労働人口減少に伴い、生産性向上や業務プロセス変革による労働者不足への対応
経営人財・マネジメント人財変革を牽引する人財プール不足への対応

(ア)グローバル人財
海外勤務に興味のある人財の採用を積極的に行うほか、社員の語学学習の支援や海外での実践型体験学習を実施して教育を充実させ、海外拠点の運営にも貢献できる人財プールの形成を進めています。2030年度までにグローバル人財比率20%を目標として取組みを進めており、2025年度の比率は15.4%となりました。
(イ)イノベーション人財
人財方針の一つ「個性を尊重し、高めあうこと」は、多様な経験・知識・スキルを持つ人財が対話・協働することで、新たな価値創造につながるという考え方に基づいています。当社グループの幅広い事業領域を活かして、異なる事業領域の技術や知見を融合することで高付加価値の領域開拓が期待されます。当社グループではこのようなイノベーション人財を育成するため、活発なジョブローテーションや部門横断の情報交換等を推進しています。
(ウ)DX人財
将来的な採用難に伴う労働力不足を見据えて、多能工化や業務標準化による省人化を当社グループ共通の重要課題と位置づけています。生産部門のDX人財育成を優先的に行っており、DX専任チームを設置して、工場の省人化や生産性向上を推進しています。
(エ)経営人財・マネジメント人財
当社では、年次・等級・役職別の経営幹部研修・階層別研修を通じて、各階層に適したマインドや一般教養、スキルの獲得を支援しています。当社グループ全体においても一部このような教育研修を取り入れています。
一方で、経営人財には越境経験や修羅場経験、外部スクールを通じた変革推進力が必要であると認識し、人財の選抜を実施し、教育を進めています。
マネジメント人財については、多様性を前提とした登用を進め、特に女性の活躍に向け女性社員に対するキャリア研修や意見交換会を実施しています。2026年度までに女性管理職比率10%を目標として取組みを進めており、2025年度の比率は7.1%となりました。
(オ)従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントの向上は、人財の定着、生産性向上、および挑戦を促進する組織風土形成といった人財ポートフォリオを充実させる重要な人財戦略と捉えています。これは、人財方針の一つ「主体的に考え、行動すること」に基づく、従業員一人ひとりが挑戦し、成長実感を得られる環境づくりです。
社員の希望や満足度の把握として、年1回の自己申告制度や労働組合との定期協議を行っています。
主な施策として、ダイバーシティ&インクルージョンや健康経営に取り組んでいます。
また、その他に、チャレンジを推奨する支援として目標面接制度や各種表彰制度、新入社員が職場に早くなじめるよう先輩社員とのメンター制度、等級・役割に基づく公正な人事評価制度の運営等を進めています。
<ダイバーシティ&インクルージョン>当社では2015年度から「ダイバーシティ推進」を掲げ、企業価値向上に向けて多様な人財の採用・育成を進め、誰もが働きやすい環境を整備しています。また、多様な経験や考えを持つ従業員が互いに意見を言い合える、心理的安全性の高い職場づくりに取り組んでいます。これによりイノベーションを促進し、新たな価値を創造する企業を目指しています。
サステナビリティ委員会では「ダイバーシティ部会」を設置し、ダイバーシティ上の課題について定期的に議論を行っています。また、当社グループ全体でコンプライアンスの意識の向上に努め、不当な差別や各種ハラスメントを根絶し、お互いのプライバシーを尊重する職場づくりに取り組んでいます。
ワークライフバランスとして、「仕事と家庭の両立支援」や「男性の育児への参画」を推進しています。育児・介護の休業、短時間勤務、フレックスタイムのほか、在宅勤務やカムバック制度等の多様な働き方を選択可能にしています。2025年度は男性の育児休業取得率100%を目標に取り組み、実績は95.2%となりました。また、平均取得日数についても「1カ月以上」を目標に掲げた結果、56.8日となりました。
<健康経営>当社は2018年度に「健康経営」を導入し、代表取締役社長をトップとして人事部と総務部が推進部門となり取り組んでいます。従業員とその家族の日頃の健康を保持・増進するための活発な職場環境づくりを標榜しており、従業員エンゲージメントの視点のほか、アブセンティーズム(心身の不調による欠勤)やプレゼンティーズム(健康状態による生産性低下)の改善に取り組んでいます。
具体例としては、ストレスチェック実施後の管理者教育の強化、産業医や保健師との連携、団体長期障害所得補償保険(GLTD)の導入などを行っています。
健康経営の継続的な取組みが評価され、2026年3月には経済産業省と日本健康会議が共同で開催する「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に5年連続で認定、その中で上位500社に与えられる「ホワイト500」にも3年連続で認定されました。
3)リスク管理
当社グループは、人財不足や専門性の継承が、事業継続および成長に影響を及ぼす重要なリスクであると認識しています。特に海外事業を担う人財の不足は中長期的な競争力低下につながる可能性があります。
これらのリスクに対応するため、計画的な人財育成、後継者育成、働きやすい職場環境整備を人財戦略の重要課題と位置づけ、その進捗を継続的にモニタリングしています。また、取締役会に実施状況を報告し、課題がある場合には基本方針を追加・変更しています。
4)指標及び目標
指標目標実績
2024年度2025年度
グローバル人財比率2030年度 20%13.0%15.4%
女性採用比率2026年度 35%24.6%24.6%
女性係長比率2026年度 15%14.0%13.6%
女性管理職比率2026年度 10%4.0%7.1%
男女の勤続年数の格差2026年度 1.2年1.4年1.2年
男性育児休業等取得率2025年度 100%96.2%95.2%
男性育児休業平均取得日数2025年度 1カ月以上42.7日56.8日

なお、指標及び目標の今後の設定の追加・変更に向けて現在検討を進めています。
②従業員給与等の額及び内容の決定に関する方針
人財ポートフォリオに基づく人財の育成に繋げるため、給与においては職能資格等級をベースとし、能力の習熟と発揮された成果に基づいて賃上げを行っています。評価制度の運用に際しては、説明責任を果たすとともに、制度の公平性及び納得性の確保に努めています。
賃上げ、賞与の平均水準の決定に当たっては、従業員エンゲージメントへの配慮を踏まえて労働組合との協議のもと決定することとしています。
加えて、グローバル人財やイノベーション人財への重点投資として、国内・海外転勤者の手当面で配慮を行っています。
また、当社では、従業員が知的好奇心をもって主体的に学ぶことを支援する「自己啓発支援制度」を設けています。この制度を通じて得た学びが現場で実践され長期的な成果につながることを期待しています。
<自己啓発支援制度>
特別公開講座・公募型で自主的にチャレンジできる当社で最もハイレベルな自己啓発支援。
・外部ビジネススクールに参加し高度なビジネス実践知識を身につけると共に、社外と情報共有し意識を高める。
・メニューにマネジメント系講座と専門分野系講座を用意。
会社奨励資格・社内で奨励する資格試験に合格した場合、受験料を全額補助。
通信教育講座・約150の通信教育メニューから、自己啓発としてスキルアッププログラムを選んで受講可能。
・受講料を最高50,000円まで補助。
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