有価証券報告書-第73期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/21 10:02
【資料】
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【項目】
174項目
(重要な会計上の見積り)
(1)投資有価証券の評価および貸付金の評価
投資有価証券の評価および貸付金の評価においては、会計上の見積りを必要としております。これらのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC(以下、BMGL)に対する投資有価証券および長期貸付金であります。
米国関連会社であるBMGLに対する投資有価証券は、5,459百万円(前連結会計年度末は6,293百万円)であり総資産の1.8%(前連結会計年度末は2.2%)を占め、同社に対する長期貸付金は4,340百万円(前連結会計年度末は3,978百万円)であり総資産の1.5%(前連結会計年度末は1.4%)を占めております。BMGLは、遺伝学的検査において先駆的地位にあるBaylor College of Medicineと研究、開発、商業化において産学連携関係を構築し、遺伝学的検査を米国で提供することを目的として2015年2月に設立され、当社の米国子会社(100%子会社)であるH.U. America, Inc.(以下、HAI)を通じて間接所有しております。
HAIおよびBMGLは、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(実務対応報告第18号)に従い、一部の項目を除き米国会計基準に準拠して会計処理を行っております。当該投資有価証券は、米国会計基準ASC323「投資-持分法及びジョイントベンチャー」に基づき持分法を適用し、未分配損益に対する当社グループの持分額を取得価額に加減算した金額を計上しています。投資に関する損益は税引後の金額で計上され、未実現内部利益を控除した金額が持分法による投資損益に含まれています。また、個別の投資の価値が下落し、その下落が一時的でないと判断される場合には、公正価値まで減損します。公正価値の算定は、主に外部専門家を利用し、BMGLの事業計画に基づいて行います。
公正価値の算定に用いるBMGLの事業計画は、将来の予測であり不確実性が存在することから一定の仮定を置いております。当連結会計年度のBMGLの業績は増収であり、かつEBITDAについても事業計画と比較して好業績となっており、翌事業年度以降も事業環境が著しく悪化する状況になく、減損の兆候を示す事象は生じていないと判断しております。また、将来の事業開発等を目的とした資金調達は、株式公開による資金調達を計画しております。従って、当連結会計年度において米国会計基準ASC323-10-35-31に基づき、BMGLへの投資に減損の兆候は生じていないと判断し、投資有価証券の減損は不要と判断いたしました。
翌連結会計年度において、BMGLの業績が事業計画を達成できない場合、または資金調達が予定通りに実施できない事象が発生した場合には、BMGLの公正価値が低下し、BMGLの投資有価証券に係る評価損を計上する可能性があります。
貸付金は、米国会計基準ASC310「債権」およびASC450「偶発事象」に基づき評価しております。貸付金の減損発生に関する客観的証拠がある場合には、実効金利により割引いた将来のキャッシュ・フロー見込額を算定し、将来のキャッシュ・フロー見込額が貸付金の帳簿価額を下回る場合は、貸倒引当金を計上します。
長期貸付金が全額回収されない可能性が高まったかどうかの判断においては、投資有価証券の評価と同様に、事業計画の達成状況および資金調達の可否を重要な仮定としており、これらの仮定については前述のとおりです。その結果、長期貸付金が全額回収されない可能性は高くなく、長期貸付金の減損発生に関する客観的証拠は識別されないと判断しております。従って、当連結会計年度においてBMGLに対する長期貸付金に係る貸倒引当金の計上は不要と判断いたしました。
翌連結会計年度において、BMGLの業績が事業計画を達成できない場合、または資金調達が予定通りに実施できない事象が発生した場合、もしくはBMGLのキャッシュ・フローに重要な影響を与える事象が発生した場合には、長期貸付金が全額回収されない可能性が高まり、貸倒引当金を計上する可能性があります。
(2)企業結合により計上した無形資産およびのれんの評価
企業結合により当連結会計年度末の連結財務諸表にのれんとして4,198百万円を計上しており、総資産の1.4%を占めております。また、無形資産として6,291百万円を計上しており、総資産の2.1%を占めております。無形資産の内訳としては商標権310百万円、技術関連資産797百万円、顧客関連資産1,111百万円および仕掛中の研究開発4,072百万円となっております。企業結合により取得したのれんは、被取得企業の今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力として、取得原価と被取得企業の識別可能資産および負債の企業結合日時点の時価との差額で計上しております。
(ADx NeuroSciences NV)
無形資産のうち、商標権および技術関連資産については、企業結合日の時価について、ロイヤリティ免除法により、この無形資産を保有することにより避けることが出来る将来発生すると見込まれる費用の現在価値によって算定しております。
商標権の時価の算定において用いた主要な仮定はロイヤリティレート、割引率および事業計画における収益であります。割引率については加重平均資本コストを使用しております。
技術関連資産の時価の算定において用いた主要な仮定はロイヤリティレート、割引率および取得した技術によって獲得可能と見込まれる収益であります。割引率については、対象技術の再現が非常に困難なこと等からリスクは限定的であることを考慮し、加重平均資本コストにリスクプレミアムを減算することにより算定しております。
無形資産のうち、顧客関連資産については、企業結合日の時価について、超過収益法により、対象となる顧客関連資産を活用して行われる事業活動から得られると見積もられる将来のキャッシュ・フローから、当該将来キャッシュ・フローの獲得に貢献する資産以外の資産が寄与する部分(キャピタル・チャージ)を控除した超過収益の現在価値によって算定しております。
顧客関連資産の測定に用いた主要な仮定は割引率、陳腐化率および事業計画における収益であります。割引率については顧客喪失のリスクは低いことを勘案し、加重平均資本コストにリスクプレミアムを減算することにより算定しております。陳腐化率については既存の顧客の喪失割合等により算定しております。
(Fluxus, Inc.)
無形資産のうち仕掛中の研究開発については、企業結合日の時価について、超過収益法により、対象となる仕掛中の研究開発を活用して行われる事業活動から得られると見積もられる将来のキャッシュ・フローから、当該将来キャッシュ・フローの獲得に貢献する資産以外の資産が寄与する部分(キャピタル・チャージ)を控除した超過収益の現在価値によって算定しております。
仕掛中の研究開発の用いた主要な仮定は割引率、陳腐化率、陳腐化期間および事業計画における収益であります。割引率については、加重平均資本コストを使用しております。陳腐化率および陳腐化期間については、該当の研究開発の内容および技術の優位性等を総合的に勘案して算定しております。事業計画における収益については、開発品の上市やグローバル企業とのパートナーシップ締結を含むマイルストンの達成時期およびその確率、上市後の売上高および売上原価の予測を加味しております。
当社グループは、上記の企業結合時の無形資産の時価およびのれんの額の算定に用いた見積および前提条件は合理的であると考えております。
しかしながら、これらの見積および前提条件は、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、見積および前提条件の見直しが必要となった場合には翌連結会計年度以降の連結財務諸表において当該企業結合により取得した無形資産およびのれんの金額に重要な影響を与える可能性があります。
(3)固定資産の評価
当連結会計年度末において、有形固定資産は80,214百万円(前連結会計年度末は76,520百万円)、無形固定資産は45,373百万円(前連結会計年度末は34,406百万円)であり、そのうち、当社および国内子会社の有形固定資産は66,819百万円(前連結会計年度末は63,822百万円)、無形固定資産は31,587百万円(前連結会計年度末は30,923百万円)です。また、固定資産に係る減損損失を221百万円(前連結会計年度末は2,173百万円)計上しております。
当社および国内子会社の有形固定資産・無形固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に準拠して、資産又は資産グループに減損の兆候がある場合には、減損損失を認識するかどうかの判定を行います。当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識すべきと判定し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。割引前将来キャッシュ・フローの見積りは、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方を見積期間として算定します。また、回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額とし、正味売却価額は資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除しています。使用価値は資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定します。
回収可能価額、すなわち正味売却価額および使用価値は、将来の予測であり不確実性が存在するため、一定の仮定を置いて算定しております。正味売却価額は、観察可能な市場価格が無い場合には、主に外部専門家による鑑定評価額を入手しております。使用価値の算定の基礎となる翌連結会計年度予算および中期経営計画は、新型コロナウイルス感染症については、一定の影響が続くと仮定し、H.U. Bioness Complexの稼働等による収益拡大を想定しております。また、中期経営計画の最終年度以降は最終年度の業績が継続すると仮定し、さらに長期的な予測における不確実性を考慮して、中期経営計画の数値に過去の計画の達成状況に応じてストレスを加味した数値を見積りに使用しています。
翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合や、将来キャッシュ・フローに重要な影響を与える事象が発生した場合には、追加の減損損失を計上する可能性があります。

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