有価証券報告書-第68期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 15:02
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123項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念、経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは「医療における新しい価値の創造を通じて、人々の健康に貢献する。」という企業理念のもと、事業活動を行っております。
臨床検査業界は、先進国における医療費抑制と経済成長の減速に伴い成長が鈍化しておりますが、一方で、高齢化の進展、国内開業医市場の拡大、新興国市場の成長、先進医療技術の向上やIT技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
このような状況の中、当社グループは、将来の飛躍的かつ持続的な成長に資する施策を優先的に検討したうえで、各事業の成長戦略及び地域戦略を抜本的に見直すことといたしました。
かかる戦略の実行に向け、当社は、2020年3月期を最終年度とする中期計画『Transform!2020』(以下、「本中期計画」)を策定いたしました。本中期計画においては、グループ一体化によるシナジーの活用、成長基盤の整備、組織と業務の変革を重点的に進めるとともに、本中期計画の重点施策である「既存事業の強化」、「R&Dの強化」、「海外戦略の強化」及び「アライアンス戦略の推進」を、グループ一丸となって実行してまいります。
なお、売上成長施策が計画より遅延したこと及び成長のための先行費用が生じたこと等により、本年5月には、本中期計画の最終年度である2020年3月期の経営数値目標を修正致しましたが、引続き本中期計画の重点施策の実施に取り組んでまいります。
修正後の本中期計画の概要は以下のとおりです。
Ⅰ 2020年3月期の経営数値目標(連結)
単位:億円
(四捨五入)
修正前
(2017年11月28日修正)
修正後
(2018年5月10日修正)
2020年3月期目標CAGR (%)※12020年3月期目標CAGR (%)※1
売上高2,2208%2,0705.7%
営業利益2903%250△2.4%
EBITDA※2450-3802.3%
ROE※310%以上-10%以上-
ROIC※410%以上-8%以上-

※1 CAGR:年複利成長率。但し、修正後のCAGRは2017年3月期の実績からMiraca Life Sciences, Inc.の実績を除外して計算しております。
※2 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
※3 ROE=当期純利益 /(自己資本の期首・期末残高の平均)
※4 ROIC=NOPAT(営業利益-みなし法人税)/ 投下資本 {(純資産+有利子負債(リース債務含む)+ その他の固定負債)の期首・期末残高の平均}

Ⅱ 本中期計画の重点施策とセグメント別計画の概要
①CLT(受託臨床検査)事業
・院内検査事業への積極投資
院内検査については、効率的な運営に対する需要がより高まることから、標準化された運営パッケージに基づく提案型営業を強化し、新規顧客の獲得を進めてまいります。
また、院内検査の受託を契機に、医療機関との取引をさらに強固なものとし、院外特殊検査領域における当社の強みをさらに強化してまいります。
・国内開業医市場の獲得
首都圏においては、サービスレベルの改善とグループ内における市場開拓ノウハウやツールの共有による営業力の向上により、開業医市場の獲得を加速してまいります。また、TAT(ターンアラウンドタイム)短縮のためのサテライトラボの設置を進める一方、集荷物流の効率化を進めてまいります。近畿圏においては、グループ会社である株式会社日本医学臨床検査研究所を活用した市場開拓を加速してまいります。
さらに、市場のニーズをふまえ、高品質な検査サービスを効率的に低コストで提供するための総合的なセントラルラボの構築に着手いたします。
・国内健診市場の獲得
企業健保組合に対して運営効率化ニーズに対応したソリューションを提供する一方、利便性向上のための採血プラットフォームを提供することにより、健診市場におけるシェアを高めてまいります。
・新たな検査サービスの開発
ニーズが拡大する次世代シーケンサーを用いた検査や質量分析応用技術など新規領域の開発を進める一方、医療機関やKOL(キーオピニオンリーダー)の方々との協業により、他社に先駆けた先進的な検査サービスの開発を加速することで、特殊検査領域における強みをより強固なものにしてまいります。
②IVD(臨床検査薬)事業
・ルミパルス事業の国内シェア拡大
国内においては今後大型機の世代交代に伴う設置需要の増加が見込まれることから、営業力を強化し、機器設置を加速させるとともに、L2400の優位性を高めるべく、機器の改良と試薬項目の開発・改良を加速いたします。
・ルミパルス事業の海外展開の強化
既に自社販売体制を構築済みの欧州等の地域においては、各国の医療ニーズに適合した項目開発を加速し、シェアの拡大に努めます。
また、インドを始めとする新興国展開においては、各国の薬事承認取得の難易度を考慮したうえで優先順位を定め、戦略製品であるG600Ⅱの投入による地理的拡大のスピードを高めてまいります。
・他社との提携による海外販売チャネルの構築
これまでの海外展開の成果と課題を検証し、各国でのルミパルス製品の浸透を加速するために、他社との提携による販売チャネルの構築に着手いたします。
・次世代プラットフォーム開発
総合型の次世代プラットフォームを開発すべく、R&Dに積極的に経営資源を投下してまいります。
③HR(ヘルスケア関連)事業
・滅菌事業
持続的な成長を実現するために、業務の自動化・標準化を進めるとともに、人材の育成と事業構造の再構築に注力いたします。
・治験事業
新薬向け治験検査に依存した事業構造を転換し、臨床研究サポート事業を今後の売上成長のドライバと位置付け、新たな市場の獲得による成長を実現してまいります。
④R&Dの強化
基礎研究の領域では、これまでグループ内で分散して行われてきた活動を集約し、新たにみらか中央研究所を設立し、自社での基礎研究体制の強化とグループ企業・外部機関との協業強化(オープンイノベーション)により生み出されたシーズを、将来の成長ドライバとなる製品・サービスの開発につなげます。
また、IVD事業においては、ルミパルス製品の新規項目開発・改良、海外展開に必要な薬事申請及び次世代プラットフォーム開発のための活動を加速します。
⑤株主還元と成長への投資
各事業から生み出される利益及び資金については、連結配当性向として、特別損益等特殊要因を除外し計算した親会社株主に帰属する当期純利益に対し50%以上を基準に、株主配当を実施してまいります。
また、内部留保にかかる資金は、中長期的な成長に向けた投資を最優先として充当してまいります。
(2)環境・品質に関する施策
当社グループは、環境保全・改善に万全をつくし、自然及び地域社会との共生に努めるとともに、お客様に選ばれ愛される企業グループであり続けるために、国際規格ISO14001認証のもと、各種の環境活動に取組んでおります。
一方、商品品質では、富士レビオ株式会社において、国際規格ISO9001、ISO13485、CEマーキングの認証のもと、品質マネジメントシステムの維持向上を目指しております。
また、株式会社エスアールエルにおいて、米国臨床病理協会(CAP)、公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)の臨床検査室認定制度(ISO15189)の認定のもと、お客様にご安心いただけるサービスを提供できるよう、品質の向上を追求し続けております。
(3)株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社取締役会は、当社株式の買付提案等を受け入れるかどうかは、最終的には、当社株主のみなさまの判断に委ねられるべきものであり、当社株主のみなさまが適切な判断を行うためには、当社株式の買付け等が行われようとする場合に、当社取締役会を通じ、当社株主のみなさまに十分な情報が提供される必要があると考えます。
そして、対価の妥当性等の諸条件、買付けが当社グループの経営に与える影響、買付者による当社グループの経営方針や事業計画の内容等について当社株主のみなさまに十分に把握していただく必要があると考えます。
しかし、当社株式の買付け等の提案の中には、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値・株主共同の利益に照らして不十分又は不適切であるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れをもたらすものも想定されます。
このような企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある不適切な大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。
当社は、平成19年5月23日に開催された当社取締役会において、以上の内容を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針とすることを決定いたしました。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社では、中期経営計画の着実な実行、積極的な株主還元、及びコーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じて、企業価値・株主共同の利益の向上に取組んでいます。以下に掲げるこれらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現に資するものと考えています。なお、以下に掲げる取組みは、その内容から、株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものでないことは、明らかであると考えています。
1.中期経営計画の実行を通じた企業価値・株主共同の利益の向上の取組み
臨床検査業界は、先進国における医療費抑制と経済成長の減速に伴い成長が鈍化しておりますが、一方で、高齢化の進展、開業医市場の拡大、新興国の成長、先進医療技術の向上や情報処理技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
このような状況の中、当社グループは、将来の飛躍的な成長に資する施策を優先的に検討したうえで、各事業の成長戦略および地域戦略を抜本的に転換しました。
かかる戦略の第一段階として、当社は、2020年3月期を最終年度とする中期計画(以下、「本中期計画」)を策定いたしました。本中期計画においては、競争力強化のための基盤構築と構造改革を重点的に進めるとともに、これと並行して短期的な成長を実現するために有効な施策を逐次投入してまいります。本中期計画の概要は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)企業理念、経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりです。
2.積極的な株主還元を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み
当社では、将来の経営環境の変化とM&A・研究開発など将来の成長機会への投資に備え、必要な内部留保を充実させながら、配当を中心に株主のみなさまに積極的な利益還元を図っていくことを目標としています。
3.コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み
当社では平成17年6月より委員会設置会社(現・指名委員会等設置会社)に移行し、監督と執行を明確に分離し、業務執行を迅速に展開できる執行体制を確立しております。コーポレート・ガバナンス体制の観点からは、取締役7名のうち5名を独立性の高い社外取締役とし、法令に従って監査委員会、報酬委員会、指名委員会を設置してさらなる経営の透明性確保、公正性の向上を目指した取組みを継続しています。インセンティブ・報酬の観点からは、企業価値・株主共同の利益を向上させることを最重要課題と位置付け、執行役に対する業績連動型報酬制度を導入するとともに、業績との連関が高くない退職慰労金制度を廃止し、また株主のみなさまと執行役その他従業員の利益を共有化する目的から株式報酬制度を導入しております。これら執行役・取締役に対する報酬は有価証券報告書、事業報告にて開示しております。その他、株主総会の活性化及び議決権行使の円滑化に向けた施策として、株主のみなさまが適切な議決権行使をしていただく時間を確保する目的から招集通知を株主総会の3週間以上前に発送するとともに、株主総会集中日を回避するなど、さまざまな施策を実施しています。また、これら適切なガバナンス体制の維持・強化の重要性から、内部統制システムの基本方針を定め、監査委員会による監査体制の強化、子会社・関連会社を含めた管理規程の整備を進め企業集団における業務の適正を確保するための体制を構築するなど、さらなる整備強化を進めております。
Ⅲ.上記の取組みが上記Ⅰの基本方針に沿うものであり、株主共同利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由
上記の取組みは、当社の財産を最大限に活用し、収益の維持・向上に必要な内部留保の確保と株主のみなさまへの利益還元の適正な配分を図り、また、適切なコーポレート・ガバナンス体制の維持・強化を図るものであり、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資するものであります。したがいまして、上記の取組みは、基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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