有価証券報告書-第71期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)Mission・Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題
Ⅰ.当社グループのMission・Vision
当社および当社グループは、「ヘルスケアにおける新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」というMissionのもと、「人々の健康に寄り添い、信頼とイノベーションを通じて、ヘルスケアの発展に貢献するグループを目指す」というVisionを掲げ、事業環境が急激に変化する中、将来の飛躍的な成長のために、医療領域に留まることなく広くヘルスケア領域へと事業を展開しております。
Ⅱ.中期計画「H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~」の概要
当社は、将来の飛躍的かつ持続的な成長に向けて、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画『H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~』(以下、「本中期計画」)を2020年9月に策定いたしました。
①当社グループを取り巻く事業環境と本中期計画の重要テーマ
当社グループを取り巻く事業環境は、高齢化や先端的医療の導入等による医療費の伸長が見込まれる中、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制により、国内臨床検査市場は今後も厳しい状況が継続するものと見込まれます。一方、医療費の抑制策が進む中、病院および病床再編に伴う在宅医療や予防医療のニーズの拡大、先進医療技術の向上やIT技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活者の行動変容や患者様の受診抑制等、足元の流動的な環境変化にも適切な対応が求められております。
一方、海外臨床検査市場においては、新興国を中心に成長しているものの先進国では社会保障費抑制による低成長が継続しております。また、各国の制度変更等による薬事関連コストが増加する等、厳しい事業環境が継続しております。
このような事業環境の中、当社は、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画『Transform! 2020』(以下、「前中期計画」)において推進してきた成長基盤の整備、組織と業務の変革を土台として、下記3点を本中期計画における重要テーマとして掲げグループ一丸となって推進してまいります。
・新セントラルラボの稼働
・OEM事業の強化
・ヘルスケア×ICT
②企業価値向上へのストーリー
当社グループは、CLT事業およびIVD事業を有する世界的にみても稀有なグループ企業であり、これらの事業に滅菌関連事業(SR事業)を加えた既存コア事業のほか、在宅・福祉用具事業をはじめとする新規育成事業の拡大・強化に取り組んでおり、幅広い事業展開を行っております。これらの事業活動により高付加価値または新しい価値を創出していくことが、当社グループの企業価値を向上させるものと考えております。
・コア事業の価値創造ストーリー
既存コア事業それぞれの有する無形資産を基にグループシナジーを最大限活用し、顧客提供価値の最大化を図ってまいります。
CLT事業およびIVD事業においては、検査の早期開発、開発評価、承認取得を、グループR&D機能も活用し一体となって進めることにより、新規臨床検査の早期実用化を実現してまいります。このCLT・IVD価値創造モデルは、今般のSARS-CoV-2抗原検査の早期実用化と収益への貢献により、あらためて実証されたと考えております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、検査の重要性および当社グループが行うCLT事業が医療を支える社会インフラであるということも社会的に広く認識されたと自負しております。
今後は、中央材料室および手術室における滅菌サービスを提供するSR事業と合わせて、グループとしての総合提案を行っていくことで、顧客提供価値を最大化し、グループの企業価値を向上してまいります。

・グループの事業展開
既存コア事業については、病院を中心とした医療機関へのグループ総合提案等により着実な成長を果たすとともに、先端領域の検査拡充、次世代プラットフォームの開発等、更なる成長のための施策に取り組んでまいります。
また、既存コア事業における検査情報のデジタル化を推進するとともに、PHR(Personal Health Record)を含むICT(Information and Communication Technology)サービスツールを導入・推進することにより、事業を通じて得られる様々なデータの利活用と医療/健康情報プラットフォームの確立を目指し、ヘルスケア×ICT領域へと事業展開を進めてまいります。

・ヘルスケア×ICTサービスの展開
地域医療や予防医療の一層の充実が求められる中、当社は、在宅事業やセルフメディケーション・健保事業等を新規育成事業として強化しており、これらのサービスとICTを融合させた新たなサービスを展開してまいります。
また、開業医向け業務支援SaaS(Software as a Service)と、生活者向けのPHRを当社グループで一体的に提供することで、医療の場における検査結果のさらなる活用をサポートし、CLT事業における開業医向けサービスの付加価値向上に取り組んでまいります。

③本中期計画における重要施策
本中期計画は、新型コロナウイルス感染症への対応および新セントラルラボ稼働に向けた構造改革を実行していくフェーズと、新セントラルラボの稼働後の投資の回収および収益拡大を果たす2つのフェーズに分かれます。
これを前提として、「新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減」、「CLT事業における固定費削減および収益性改善」、「コア事業におけるグループ一体化戦略の推進」、「IVD事業におけるOEM事業の拡大」および「新規育成事業およびその他(ENB事業)の収益化」を本中期計画における重要施策と定め、グループ一丸となって実行してまいります。
1.新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減
当社は、2022年1月の稼働開始を予定している新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減を本中期計画における最重要施策と位置付けております。
新セントラルラボは、将来の事業環境においても高品質な検査サービスを継続して提供するために建設するものであり、一般検査においては全自動化による業務効率化と24時間稼働による大量処理が可能となり、また特殊検査においては最先端の検査項目に対応する設備・環境を整備し、AI技術やロボティクス等を導入することで、徹底した業務効率化とさらなる品質向上を追求いたします。
検査の自動化等により、2025年3月期には、2020年3月期と比較して、新セントラルラボ単体で一般検査では15%、特殊検査では7%の原価の低減を見込んでおります。
2.CLT事業における固定費削減および収益性改善
新セントラルラボの稼働を踏まえ、全国的なラボ再編を実施してまいります。まず、2021年3月にエスアールエル福岡ラボラトリーを移転リニューアルし、福岡県福岡市にSRL Advanced Lab. FMAを開設いたしました。今後は、新セントラルラボに加え、2024年3月期に新関西ラボを開設することで3拠点体制を確立し、検査の集約化を図ってまいります。併せて、地域の医療需要を考慮し、顧客ニーズに対応したラボ体制を構築すべく、地域毎にSTAT(Short Turn Around Time)ラボを設置し、迅速検査への対応を強化してまいります。
また、外部とのアライアンス推進によるシェアリング・ロジスティクスの構築やグループ内の集荷機能および拠点の統合を進めることにより、集荷・物流に係るコストの最適化を図ってまいります。
これらの施策を通じて、高品質な検査を提供することに加え、コスト競争力の向上と検査結果報告の短縮化によりお客様に選ばれる検査会社となり、更なるシェア向上を果たしてまいります。
3.コア事業におけるグループ一体化戦略の推進
3-1グループ営業統合
当社は、2020年9月に、株式会社エスアールエル、富士レビオ株式会社および日本ステリ株式会社の国内営業部門およびマーケティング部門を統合したH.U.フロンティア株式会社(以下、「H.U.フロンティア」)を設立し、2020年10月1日より営業を開始いたしました。
H.U.フロンティアは、当社グループがかねてより進めてきたグループシナジーの強化をより加速するために設立されたものであり、医療を取り巻く環境が急速に変化する中、当社グループがもつ受託臨床検査サービス、臨床検査薬の製造販売、医療器材の滅菌サービスなど幅広い事業をもって、顧客ニーズに応じて様々なサービスや総合的なソリューションを提供してまいります。
また、各社の顧客基盤を一元化することで、セグメント間のクロスセル拡大や既存顧客への拡販を強化するほか、各社がもつ高い技術力を活用し、最適な新サービスや製品の開発も行うことで、グループ一体での顧客提供価値の最大化を目指してまいります。
3-2グループ内販拡大
引き続き検査ラボや院内顧客に対するルミパルス製品の内販拡大を推進するとともに、原価率の高い検査試薬や使用量の多い試薬の開発を進めグループ内での内製化を推進し、CLT事業のコスト削減およびグループ全体でのキャッシュ・フロー改善に取り組んでまいります。
3-3R&Dの強化
グループ内のR&D機能を統合し知の共有を図るとともに、グループ全体最適のR&D戦略を推進し、機動的な技術の導入・開発の加速を推進してまいります。
4.IVD事業におけるOEM事業の拡大
IVD事業における海外戦略は、ルミパルス製品の拡販を中心に取り組んでまいりましたが、後発のプレーヤーとしてグローバル大手企業と競争し収益を拡大していくことは非常に難しく、また、各国における規制等の変更により薬事関連のコストが増大しております。このような事業環境の中、海外ルミパルスに関しては、展開地域および項目に関する選択と集中を進めてまいります。一方、IVD事業の強みである免疫分野の良質な原材料・試薬開発技術および、国内CLT事業におけるルミパルス製品の採用実績をもとにした信頼性と評価を活用することで、OEM事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
5.ENB事業の収益化
当社は、グループの企業価値の更なる向上を目指し、既存事業との技術的関連性や事業シナジーが見込まれる予防・在宅市場の広がり等を鑑み、新規事業の育成を強化しております。
各事業については、投資額をコントロールしつつ、2022年3月期の単年度黒字化(もしくはそれに準ずる収益性の実現)を目指してまいります。また、事業開始から3年経過後を目途に、各事業の成長性や収益性、既存事業とのシナジーを勘案し、選択と集中を実行してまいります。
④2025年3月期の経営数値目標(連結)
本中期計画において、売上高の着実な成長と利益率の追求のみならず、資本効率の向上と安定的なキャッシュ・フローの創出を果たすべく、下記のとおり経営数値目標を掲げております。
・2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
・2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標
(※)リース債務を除く
⑤セグメント別計画
1.CLT事業
CLT事業においては、収益性の改善を最重要課題として認識しており、「③本中期計画における重要施策」に記載のとおり、新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減、全国ラボ再編、集荷物流機能の合理化、営業統合によるグループ総合提案等の施策を通じて、収益構造を抜本的に改善してまいります。
さらに、先進医療技術の向上、地域包括ケアシステムの進展や医療におけるICTツールの重要性が高まる等、CLT事業を取り巻く環境は刻々と変化しており、CLT事業が環境変化に対応し飛躍的な成長を果たすべく、「商品力の強化」および「医療機関および生活者へのICTツールの導入」に関しても重要施策として掲げております。
(商品力の強化)
特殊検査に強みを持つ受託臨床検査会社として、がんゲノム、血液疾患、感染症や希少疾患等、最先端かつ医療需要の大きい疾患分野の新規項目の導入を推進してまいります。また、将来的に需要が拡大することが予測される再生医療・細胞医療領域への進出を図ってまいります。
一方、収益性の面では、ルミパルス試薬の採用項目拡大、外注項目の内製化および不採算項目の整理等を通じて、コスト競争力を向上してまいります。
(医療機関および生活者へのICTツールの導入)
開業医、生活者の双方のニーズに合致したICTツールを提供してまいります。開業医には、これまで提供してきた検査結果システムに加え、業務支援システムを提供し、生活者には、個人のヘルスケア情報を一元管理できるPHRを提供してまいります。なお、2021年3月に、利用者の安全な国際渡航やPCR検査陰性証明書発行手続きの迅速化等に貢献すべく、新型コロナウイルスPCR検査のデジタル証明書「コモンパス」と当社グループが提供するスマートフォン向けPHRアプリ「ウィズウェルネス™」とのデータ連携を実装いたしました。
当社グループが提供するICTツール間を連携させることで、開業医と生活者との間に新しい接点を創出する等、診療効率と患者様サービスの向上に資する新たな価値を創出してまいります。
(CLT事業における2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
2.IVD事業
「③本中期計画における重要施策 4.IVD事業におけるOEM事業の拡大」に記載のとおり、IVD事業の強みを活かすとともに、生産体制の拡充と社内リソースの再配置等により、OEM事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
国内事業については、H.U.フロンティアによるグループ総合提案および営業力強化、内外販におけるルミパルス試薬の項目拡販、CLT事業向けの項目内製化・導入推進および、マニュアル製品の選択と集中による固定費の最適化により、国内事業の成長と収益性の改善を図ってまいります。
海外ルミパルス事業については、地域の選択を行うとともに、独自性のあるアルツハイマー関連項目に注力してまいります。
また、新型コロナウイルス感染症により需要を再認識したエスプライン製品をはじめとするPOCT(Point Of Care Testing)を強化してまいります。具体的には、検体種別(唾液、鼻前庭、無痛採血等)の拡大や感染症項目のラインナップ強化等により商品力を強化していくほか、H.U.フロンティアによるCLT事業の顧客への販売を進めるとともに、生産キャパシティを拡充してまいります。なお、2021年1月に富士レビオ旭川工場が稼働を開始いたしました。さらに、次世代プラットフォーム開発に関しても推進してまいります。
(IVD事業における2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
3.SR事業
病院の経営環境が厳しさを増す中、医療現場のニーズに応えるとともに、医療現場の効率化やコスト削減に資するサービスを積極的に提案してまいります。
重点施策としては、営業統合によるグループ総合提案、手術室を含めた全面受託化の深化および、継続的なオペレーションの改善により収益拡大を図ってまいります。また、労働集約型ビジネスであることを鑑み、人件費の最適化を図ってまいります。
(SR事業における2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
4.ENB事業
「③本中期計画における重要施策 5.ENB事業の収益化」に記載のとおり、各事業の成長性や収益性、既存事業とのシナジーを勘案し、選択と集中を実行してまいります。
5.持分法適用関連会社
(Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC)
2021年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査に加え、がんや先天性疾患に関わる遺伝学的検査の受託数の増加により増収増益となり、営業損益は黒字となりました。2022年3月期につきましては、引き続き売上成長を図るとともに、第三者からの資金調達(Private Placement)およびその先の株式公開に向けて事業を推進してまいります。
(中国平安JV(深圳平安好医医学検験実験室))
三位一体モデル(健診クリニック、画像センター、検査ラボ)を引き続き推進していくことで、当初計画通り、2023年3月期の持分法投資損益の黒字化を目指してまいります。
⑥財務戦略と財務規律
本中期計画においては、安定的なキャッシュ・フローの創出と健全な財務規律の維持を重要なテーマとして掲げ、下記のとおり財務戦略を実行してまいります。
1)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等による営業キャッシュ・フローの改善
2)ファイナンスリースおよび不動産ファイナンスの活用
3)不動産売却の推進
(財務規律)
(※)2025年3月期
なお、2021年3月31日付で、新セントラルラボ稼働後を見据えた経営資源の有効活用と財務体質強化の一環として、当社の子会社である株式会社エスアールエルの八王子ラボ群の一部および富士レビオ株式会社の八王子事業所に該当する土地・建物について譲渡を行っております。
Ⅲ.サステナビリティに関する取り組み
①SDGsへの貢献
当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、以下4つのSDGsターゲットの達成に貢献いたします。



(3.8) (8.2) (9.1) (12.4)
②国連グローバル・コンパクトへの参加
当社グループは、2019年3月に国連グローバル・コンパクトに署名し、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる10の原則を支持しています。以降、年次活動報告(Communication on Progress)においてActiveレベルを継続しています。

③マテリアリティの特定
当社グループは、中長期的な企業価値に影響を与える要素を、ESGの観点だけでなく、顧客資産、知的資産やブランドを含めた無形資産全般を対象として、マテリアリティ(重要課題)を定義しています。
(2020年に改定したマテリアリティ)
④CSRロードマップ
CSR活動においては、2019年度にCSRの考え方を一新するとともに、環境・社会領域における延べ10の関連方針を整備いたしました。そして、2020年10月には2020年度から2022年度までのCSR活動に関わるKPIおよび3カ年目標を「CSRロードマップ」として定め、公表いたしました。
(CSRロードマップ (2020年度―2022年度))
⑤グループ環境長期目標
2030年に向け、CO2排出量の原単位削減および廃プラスチックのリサイクル率に関する長期目標を策定しました。
(グループ環境長期目標 (2020年度―2030年度))
Ⅳ.2022年3月期の計画
①2022年3月期の見通しについて
2022年3月期につきましては、PCR検査や空港検疫所における高感度抗原定量検査等の新型コロナウイルス感染症関連検査の増加に伴う増収等により、下記のとおりとなる見込みです。
※1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
※2 ROIC=NOPAT(営業利益-みなし法人税)/ 投下資本 [(純資産+有利子負債(リース債務含む)
+ その他の固定負債)の期首・期末残高の平均]
②2022年3月期計画の骨子
本中期計画の2年目にあたる2022年3月期について、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等 」に記載のとおり、重要テーマに取り組んでまいります。
・新セントラルラボの稼働
2022年1月の第1期稼働と2022年5月の全面稼働に向けた検証を開始いたします。なお、あきる野プロジェクトの正式名称および愛称を下記のとおり決定いたしました。
〈正式名称〉
H.U. Bioness Complex(H.U. ビオネス コンプレックス)
※H.U.グループの「ヘルスケアビジネスの複合体」という意味を表し、“Bioness(ビオネス)”は、“Bio(命のデータの蓄積)”と“Business(業界にイノベーションを起こす創造力)”を表現した造語です。
〈愛称〉
AkirunoCube(アキルノキューブ)
※「あきる野市」を意味する“Akiruno(アキルノ)”と建物形状を表した“Cube(キューブ)”を組み合わせたネーミングです。
・OEM事業の強化
OEM事業における中長期な需要拡大を見据え、グローバルでの主要拠点における生産体制を強化してまいります。
・ヘルスケア×ICT
診療所向け業務支援SaaS(Software as a Service)である「医’sアシスト™」のサービス拡充および顧客基盤の拡大を推進するとともに、スマートフォン向けPHRアプリ「ウィズウェルネス™」については、顧客基盤拡大および健保組合への導入推進によりユーザー数の拡大を推進してまいります。
Ⅴ.株主還元と成長への投資
各事業から生み出される利益および資金につきましては、主たる配当のKPIとして連結自己資本配当率(DOE)6%レベルを目指し、その上でキャッシュフロー、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。
また、内部留保にかかる資金は、中長期的な成長に向けた投資を最優先として充当してまいります。
(1)Mission・Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題
Ⅰ.当社グループのMission・Vision
当社および当社グループは、「ヘルスケアにおける新しい価値の創造を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する」というMissionのもと、「人々の健康に寄り添い、信頼とイノベーションを通じて、ヘルスケアの発展に貢献するグループを目指す」というVisionを掲げ、事業環境が急激に変化する中、将来の飛躍的な成長のために、医療領域に留まることなく広くヘルスケア領域へと事業を展開しております。
Ⅱ.中期計画「H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~」の概要
当社は、将来の飛躍的かつ持続的な成長に向けて、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画『H.U. 2025 ~Hiyaku(飛躍) & United~』(以下、「本中期計画」)を2020年9月に策定いたしました。
①当社グループを取り巻く事業環境と本中期計画の重要テーマ
当社グループを取り巻く事業環境は、高齢化や先端的医療の導入等による医療費の伸長が見込まれる中、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制により、国内臨床検査市場は今後も厳しい状況が継続するものと見込まれます。一方、医療費の抑制策が進む中、病院および病床再編に伴う在宅医療や予防医療のニーズの拡大、先進医療技術の向上やIT技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活者の行動変容や患者様の受診抑制等、足元の流動的な環境変化にも適切な対応が求められております。
一方、海外臨床検査市場においては、新興国を中心に成長しているものの先進国では社会保障費抑制による低成長が継続しております。また、各国の制度変更等による薬事関連コストが増加する等、厳しい事業環境が継続しております。
このような事業環境の中、当社は、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画『Transform! 2020』(以下、「前中期計画」)において推進してきた成長基盤の整備、組織と業務の変革を土台として、下記3点を本中期計画における重要テーマとして掲げグループ一丸となって推進してまいります。
・新セントラルラボの稼働
・OEM事業の強化
・ヘルスケア×ICT
②企業価値向上へのストーリー
当社グループは、CLT事業およびIVD事業を有する世界的にみても稀有なグループ企業であり、これらの事業に滅菌関連事業(SR事業)を加えた既存コア事業のほか、在宅・福祉用具事業をはじめとする新規育成事業の拡大・強化に取り組んでおり、幅広い事業展開を行っております。これらの事業活動により高付加価値または新しい価値を創出していくことが、当社グループの企業価値を向上させるものと考えております。
・コア事業の価値創造ストーリー
既存コア事業それぞれの有する無形資産を基にグループシナジーを最大限活用し、顧客提供価値の最大化を図ってまいります。
CLT事業およびIVD事業においては、検査の早期開発、開発評価、承認取得を、グループR&D機能も活用し一体となって進めることにより、新規臨床検査の早期実用化を実現してまいります。このCLT・IVD価値創造モデルは、今般のSARS-CoV-2抗原検査の早期実用化と収益への貢献により、あらためて実証されたと考えております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、検査の重要性および当社グループが行うCLT事業が医療を支える社会インフラであるということも社会的に広く認識されたと自負しております。
今後は、中央材料室および手術室における滅菌サービスを提供するSR事業と合わせて、グループとしての総合提案を行っていくことで、顧客提供価値を最大化し、グループの企業価値を向上してまいります。

・グループの事業展開
既存コア事業については、病院を中心とした医療機関へのグループ総合提案等により着実な成長を果たすとともに、先端領域の検査拡充、次世代プラットフォームの開発等、更なる成長のための施策に取り組んでまいります。
また、既存コア事業における検査情報のデジタル化を推進するとともに、PHR(Personal Health Record)を含むICT(Information and Communication Technology)サービスツールを導入・推進することにより、事業を通じて得られる様々なデータの利活用と医療/健康情報プラットフォームの確立を目指し、ヘルスケア×ICT領域へと事業展開を進めてまいります。

・ヘルスケア×ICTサービスの展開
地域医療や予防医療の一層の充実が求められる中、当社は、在宅事業やセルフメディケーション・健保事業等を新規育成事業として強化しており、これらのサービスとICTを融合させた新たなサービスを展開してまいります。
また、開業医向け業務支援SaaS(Software as a Service)と、生活者向けのPHRを当社グループで一体的に提供することで、医療の場における検査結果のさらなる活用をサポートし、CLT事業における開業医向けサービスの付加価値向上に取り組んでまいります。

③本中期計画における重要施策
本中期計画は、新型コロナウイルス感染症への対応および新セントラルラボ稼働に向けた構造改革を実行していくフェーズと、新セントラルラボの稼働後の投資の回収および収益拡大を果たす2つのフェーズに分かれます。
これを前提として、「新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減」、「CLT事業における固定費削減および収益性改善」、「コア事業におけるグループ一体化戦略の推進」、「IVD事業におけるOEM事業の拡大」および「新規育成事業およびその他(ENB事業)の収益化」を本中期計画における重要施策と定め、グループ一丸となって実行してまいります。
1.新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減
当社は、2022年1月の稼働開始を予定している新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減を本中期計画における最重要施策と位置付けております。
新セントラルラボは、将来の事業環境においても高品質な検査サービスを継続して提供するために建設するものであり、一般検査においては全自動化による業務効率化と24時間稼働による大量処理が可能となり、また特殊検査においては最先端の検査項目に対応する設備・環境を整備し、AI技術やロボティクス等を導入することで、徹底した業務効率化とさらなる品質向上を追求いたします。
検査の自動化等により、2025年3月期には、2020年3月期と比較して、新セントラルラボ単体で一般検査では15%、特殊検査では7%の原価の低減を見込んでおります。
2.CLT事業における固定費削減および収益性改善
新セントラルラボの稼働を踏まえ、全国的なラボ再編を実施してまいります。まず、2021年3月にエスアールエル福岡ラボラトリーを移転リニューアルし、福岡県福岡市にSRL Advanced Lab. FMAを開設いたしました。今後は、新セントラルラボに加え、2024年3月期に新関西ラボを開設することで3拠点体制を確立し、検査の集約化を図ってまいります。併せて、地域の医療需要を考慮し、顧客ニーズに対応したラボ体制を構築すべく、地域毎にSTAT(Short Turn Around Time)ラボを設置し、迅速検査への対応を強化してまいります。
また、外部とのアライアンス推進によるシェアリング・ロジスティクスの構築やグループ内の集荷機能および拠点の統合を進めることにより、集荷・物流に係るコストの最適化を図ってまいります。
これらの施策を通じて、高品質な検査を提供することに加え、コスト競争力の向上と検査結果報告の短縮化によりお客様に選ばれる検査会社となり、更なるシェア向上を果たしてまいります。
3.コア事業におけるグループ一体化戦略の推進
3-1グループ営業統合
当社は、2020年9月に、株式会社エスアールエル、富士レビオ株式会社および日本ステリ株式会社の国内営業部門およびマーケティング部門を統合したH.U.フロンティア株式会社(以下、「H.U.フロンティア」)を設立し、2020年10月1日より営業を開始いたしました。
H.U.フロンティアは、当社グループがかねてより進めてきたグループシナジーの強化をより加速するために設立されたものであり、医療を取り巻く環境が急速に変化する中、当社グループがもつ受託臨床検査サービス、臨床検査薬の製造販売、医療器材の滅菌サービスなど幅広い事業をもって、顧客ニーズに応じて様々なサービスや総合的なソリューションを提供してまいります。
また、各社の顧客基盤を一元化することで、セグメント間のクロスセル拡大や既存顧客への拡販を強化するほか、各社がもつ高い技術力を活用し、最適な新サービスや製品の開発も行うことで、グループ一体での顧客提供価値の最大化を目指してまいります。
3-2グループ内販拡大
引き続き検査ラボや院内顧客に対するルミパルス製品の内販拡大を推進するとともに、原価率の高い検査試薬や使用量の多い試薬の開発を進めグループ内での内製化を推進し、CLT事業のコスト削減およびグループ全体でのキャッシュ・フロー改善に取り組んでまいります。
3-3R&Dの強化
グループ内のR&D機能を統合し知の共有を図るとともに、グループ全体最適のR&D戦略を推進し、機動的な技術の導入・開発の加速を推進してまいります。
4.IVD事業におけるOEM事業の拡大
IVD事業における海外戦略は、ルミパルス製品の拡販を中心に取り組んでまいりましたが、後発のプレーヤーとしてグローバル大手企業と競争し収益を拡大していくことは非常に難しく、また、各国における規制等の変更により薬事関連のコストが増大しております。このような事業環境の中、海外ルミパルスに関しては、展開地域および項目に関する選択と集中を進めてまいります。一方、IVD事業の強みである免疫分野の良質な原材料・試薬開発技術および、国内CLT事業におけるルミパルス製品の採用実績をもとにした信頼性と評価を活用することで、OEM事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
5.ENB事業の収益化
当社は、グループの企業価値の更なる向上を目指し、既存事業との技術的関連性や事業シナジーが見込まれる予防・在宅市場の広がり等を鑑み、新規事業の育成を強化しております。
各事業については、投資額をコントロールしつつ、2022年3月期の単年度黒字化(もしくはそれに準ずる収益性の実現)を目指してまいります。また、事業開始から3年経過後を目途に、各事業の成長性や収益性、既存事業とのシナジーを勘案し、選択と集中を実行してまいります。
④2025年3月期の経営数値目標(連結)
本中期計画において、売上高の着実な成長と利益率の追求のみならず、資本効率の向上と安定的なキャッシュ・フローの創出を果たすべく、下記のとおり経営数値目標を掲げております。
・2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標
| 2021年3月期(実績) | 2025年3月期(目標) | |
| 売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) | 18.2% | 6%以上(※) |
| EBITDAマージン | 17.0% | 18%以上 |
| 営業利益率 | 11.4% | 10%以上 |
| ROE | 16.0% | 12%以上 |
| ROIC | 8.7% | 8%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
・2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標
| 2021年3月期(実績) | 5年間累計(目標) | |
| 営業キャッシュ・フロー | 356億円 | 1,500億円以上 |
| フリー・キャッシュ・フロー(※) | 73億円 | 500億円以上 |
(※)リース債務を除く
⑤セグメント別計画
1.CLT事業
CLT事業においては、収益性の改善を最重要課題として認識しており、「③本中期計画における重要施策」に記載のとおり、新セントラルラボの安定稼働と自動化による原価低減、全国ラボ再編、集荷物流機能の合理化、営業統合によるグループ総合提案等の施策を通じて、収益構造を抜本的に改善してまいります。
さらに、先進医療技術の向上、地域包括ケアシステムの進展や医療におけるICTツールの重要性が高まる等、CLT事業を取り巻く環境は刻々と変化しており、CLT事業が環境変化に対応し飛躍的な成長を果たすべく、「商品力の強化」および「医療機関および生活者へのICTツールの導入」に関しても重要施策として掲げております。
(商品力の強化)
特殊検査に強みを持つ受託臨床検査会社として、がんゲノム、血液疾患、感染症や希少疾患等、最先端かつ医療需要の大きい疾患分野の新規項目の導入を推進してまいります。また、将来的に需要が拡大することが予測される再生医療・細胞医療領域への進出を図ってまいります。
一方、収益性の面では、ルミパルス試薬の採用項目拡大、外注項目の内製化および不採算項目の整理等を通じて、コスト競争力を向上してまいります。
(医療機関および生活者へのICTツールの導入)
開業医、生活者の双方のニーズに合致したICTツールを提供してまいります。開業医には、これまで提供してきた検査結果システムに加え、業務支援システムを提供し、生活者には、個人のヘルスケア情報を一元管理できるPHRを提供してまいります。なお、2021年3月に、利用者の安全な国際渡航やPCR検査陰性証明書発行手続きの迅速化等に貢献すべく、新型コロナウイルスPCR検査のデジタル証明書「コモンパス」と当社グループが提供するスマートフォン向けPHRアプリ「ウィズウェルネス™」とのデータ連携を実装いたしました。
当社グループが提供するICTツール間を連携させることで、開業医と生活者との間に新しい接点を創出する等、診療効率と患者様サービスの向上に資する新たな価値を創出してまいります。
(CLT事業における2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
| 2021年3月期(実績) | 2025年3月期(目標) | |
| 売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) | 16.4% | 5.5%以上(※) |
| EBITDAマージン | 15.4% | 17%以上 |
| 営業利益率 | 10.3% | 9%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
2.IVD事業
「③本中期計画における重要施策 4.IVD事業におけるOEM事業の拡大」に記載のとおり、IVD事業の強みを活かすとともに、生産体制の拡充と社内リソースの再配置等により、OEM事業の強化・拡大に取り組んでまいります。
国内事業については、H.U.フロンティアによるグループ総合提案および営業力強化、内外販におけるルミパルス試薬の項目拡販、CLT事業向けの項目内製化・導入推進および、マニュアル製品の選択と集中による固定費の最適化により、国内事業の成長と収益性の改善を図ってまいります。
海外ルミパルス事業については、地域の選択を行うとともに、独自性のあるアルツハイマー関連項目に注力してまいります。
また、新型コロナウイルス感染症により需要を再認識したエスプライン製品をはじめとするPOCT(Point Of Care Testing)を強化してまいります。具体的には、検体種別(唾液、鼻前庭、無痛採血等)の拡大や感染症項目のラインナップ強化等により商品力を強化していくほか、H.U.フロンティアによるCLT事業の顧客への販売を進めるとともに、生産キャパシティを拡充してまいります。なお、2021年1月に富士レビオ旭川工場が稼働を開始いたしました。さらに、次世代プラットフォーム開発に関しても推進してまいります。
(IVD事業における2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
| 2021年3月期(実績) | 2025年3月期(目標) | |
| 売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) | 24.8% | 4.5%以上(※) |
| EBITDAマージン | 31.8% | 25%以上 |
| 営業利益率 | 25.6% | 20%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
3.SR事業
病院の経営環境が厳しさを増す中、医療現場のニーズに応えるとともに、医療現場の効率化やコスト削減に資するサービスを積極的に提案してまいります。
重点施策としては、営業統合によるグループ総合提案、手術室を含めた全面受託化の深化および、継続的なオペレーションの改善により収益拡大を図ってまいります。また、労働集約型ビジネスであることを鑑み、人件費の最適化を図ってまいります。
(SR事業における2021年3月期の実績と2025年3月期の経営数値目標)
| 2021年3月期(実績) | 2025年3月期(目標) | |
| 売上高CAGR (2021年3月期実績は対前年成長率) | 13.7% | 9%以上(※) |
| EBITDAマージン | 8.6% | 12%以上 |
| 営業利益率 | 7.3% | 9%以上 |
(※)5か年(2020年3月期-2025年3月期)
4.ENB事業
「③本中期計画における重要施策 5.ENB事業の収益化」に記載のとおり、各事業の成長性や収益性、既存事業とのシナジーを勘案し、選択と集中を実行してまいります。
5.持分法適用関連会社
(Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC)
2021年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査に加え、がんや先天性疾患に関わる遺伝学的検査の受託数の増加により増収増益となり、営業損益は黒字となりました。2022年3月期につきましては、引き続き売上成長を図るとともに、第三者からの資金調達(Private Placement)およびその先の株式公開に向けて事業を推進してまいります。
(中国平安JV(深圳平安好医医学検験実験室))
三位一体モデル(健診クリニック、画像センター、検査ラボ)を引き続き推進していくことで、当初計画通り、2023年3月期の持分法投資損益の黒字化を目指してまいります。
⑥財務戦略と財務規律
本中期計画においては、安定的なキャッシュ・フローの創出と健全な財務規律の維持を重要なテーマとして掲げ、下記のとおり財務戦略を実行してまいります。
1)キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等による営業キャッシュ・フローの改善
2)ファイナンスリースおよび不動産ファイナンスの活用
3)不動産売却の推進
(財務規律)
| 2021年3月期(実績) | 2025年3月期(目標) | |
| (リース債務を除く)純有利子負債 /EBITDA倍率(倍) | 0.6倍 | 1.3倍以下(※) (本中計期間中2.5倍以下を維持する) |
| 自己資本比率(%) (不動産ファイナンスを除く) | 45.6% | 40%以上 |
(※)2025年3月期
なお、2021年3月31日付で、新セントラルラボ稼働後を見据えた経営資源の有効活用と財務体質強化の一環として、当社の子会社である株式会社エスアールエルの八王子ラボ群の一部および富士レビオ株式会社の八王子事業所に該当する土地・建物について譲渡を行っております。
Ⅲ.サステナビリティに関する取り組み
①SDGsへの貢献
当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、以下4つのSDGsターゲットの達成に貢献いたします。



(3.8) (8.2) (9.1) (12.4)②国連グローバル・コンパクトへの参加
当社グループは、2019年3月に国連グローバル・コンパクトに署名し、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる10の原則を支持しています。以降、年次活動報告(Communication on Progress)においてActiveレベルを継続しています。

③マテリアリティの特定
当社グループは、中長期的な企業価値に影響を与える要素を、ESGの観点だけでなく、顧客資産、知的資産やブランドを含めた無形資産全般を対象として、マテリアリティ(重要課題)を定義しています。
(2020年に改定したマテリアリティ)
| 大項目 | 中項目 | マテリアリティ |
| 成長基盤 | - | ブランドマネジメント カスタマーリレーション 知的財産 |
| ESG | 環境 | 気候変動 循環型社会 |
| 社会 | すべてのステークホルダーとの関係性 CSR調達 健康増進 人権 ダイバーシティ 働きやすい職場環境 レジリエンス | |
| ガバナンス | 腐敗防止/コンプライアンス リスクマネジメント コーポレート・ガバナンス 情報セキュリティ |
④CSRロードマップ
CSR活動においては、2019年度にCSRの考え方を一新するとともに、環境・社会領域における延べ10の関連方針を整備いたしました。そして、2020年10月には2020年度から2022年度までのCSR活動に関わるKPIおよび3カ年目標を「CSRロードマップ」として定め、公表いたしました。
(CSRロードマップ (2020年度―2022年度))
| 領域 | 目標 | |
| 定量的目標 | 環境 | CO2:7%削減(2017年度比) リサイクル率:15%向上(2017年度比) CDP:B評価以上 |
| 人権・人材 | 課長以上の女性管理職20% ホワイト500の取得 | |
| 調達 | UNGCセルフアセスメントツール:優良回答群90% | |
| 定性的目標 | 社会貢献 | 臨床検査の普及啓発 継続40年 |
| コミュニケーション | ESG説明会の開催 第1回 | |
| BCP | 新セントラルラボラトリー稼働 (高いレジリエンスの実現) |
⑤グループ環境長期目標
2030年に向け、CO2排出量の原単位削減および廃プラスチックのリサイクル率に関する長期目標を策定しました。
(グループ環境長期目標 (2020年度―2030年度))
| 領域 | 目標 |
| CO₂(Scope1・2)排出量 売上原単位 | 20%削減(基準:2017年度比) |
| 主要事業所の廃プラスチックリサイクル率 | 90% |
Ⅳ.2022年3月期の計画
①2022年3月期の見通しについて
2022年3月期につきましては、PCR検査や空港検疫所における高感度抗原定量検査等の新型コロナウイルス感染症関連検査の増加に伴う増収等により、下記のとおりとなる見込みです。
| 単位:億円 四捨五入) | 2021年3月期実績 | 2022年3月期予想 | ||||
| 上期 | 下期 | 通期 | 上期 | 下期 | 通期 | |
| 売上高 | 986 | 1,245 | 2,230 | 1,210 | 1,210 | 2,420 |
| EBITDA※1 | 141 | 238 | 379 | 235 | 170 | 405 |
| 営業利益 | 81 | 172 | 254 | 170 | 85 | 255 |
| ROE | - | - | 16.0% | - | - | 13.8% |
| ROIC※2 | - | - | 8.7% | - | - | 7.8% |
※1 EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
※2 ROIC=NOPAT(営業利益-みなし法人税)/ 投下資本 [(純資産+有利子負債(リース債務含む)
+ その他の固定負債)の期首・期末残高の平均]
②2022年3月期計画の骨子
本中期計画の2年目にあたる2022年3月期について、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等 」に記載のとおり、重要テーマに取り組んでまいります。
・新セントラルラボの稼働
2022年1月の第1期稼働と2022年5月の全面稼働に向けた検証を開始いたします。なお、あきる野プロジェクトの正式名称および愛称を下記のとおり決定いたしました。
〈正式名称〉
H.U. Bioness Complex(H.U. ビオネス コンプレックス)
※H.U.グループの「ヘルスケアビジネスの複合体」という意味を表し、“Bioness(ビオネス)”は、“Bio(命のデータの蓄積)”と“Business(業界にイノベーションを起こす創造力)”を表現した造語です。
〈愛称〉
AkirunoCube(アキルノキューブ)
※「あきる野市」を意味する“Akiruno(アキルノ)”と建物形状を表した“Cube(キューブ)”を組み合わせたネーミングです。
・OEM事業の強化
OEM事業における中長期な需要拡大を見据え、グローバルでの主要拠点における生産体制を強化してまいります。
・ヘルスケア×ICT
診療所向け業務支援SaaS(Software as a Service)である「医’sアシスト™」のサービス拡充および顧客基盤の拡大を推進するとともに、スマートフォン向けPHRアプリ「ウィズウェルネス™」については、顧客基盤拡大および健保組合への導入推進によりユーザー数の拡大を推進してまいります。
Ⅴ.株主還元と成長への投資
各事業から生み出される利益および資金につきましては、主たる配当のKPIとして連結自己資本配当率(DOE)6%レベルを目指し、その上でキャッシュフロー、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を実施してまいります。
また、内部留保にかかる資金は、中長期的な成長に向けた投資を最優先として充当してまいります。