有価証券報告書-第46期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 13:04
【資料】
PDFをみる
【項目】
143項目

有報資料

当社は、2020年5月に3ヵ年中期経営計画「変革」(Revolution into the Future)を発表いたしました。「変革」の初年度である2020年度にはハンター症候群治療薬イズカーゴ®の日本での製造販売承認取得のほか、研究開発において多くの進捗を達成しただけでなく、グロウジェクト®のさらなる成長を支え、かつイズカーゴ®発売に向けた営業体制の抜本的改革などの「変革」を実現いたしました。
2021年度には、イズカーゴ®の日本国内およびブラジル連邦共和国での上市、グローバル臨床第3相試験の推進のほか、ハーラー症候群治療薬JR-171のグローバル臨床第1/2相試験を推進してまいります。さらに、ポンペ病治療薬JR-162、サンフィリッポ症候群A型治療薬JR-441、サンフィリッポ症候群B型治療薬JR-446、スライ病治療薬JR-443のほか、複数のライソゾーム病治療薬について臨床試験準備に向けたステージに進むものと考えています。
また、国内においても持続型成長ホルモン製剤JR-142の臨床第2相試験を推進するほか、グロウジェクト®のSHOX異常症に伴う低身長に対する開発については製造販売承認申請に向けた準備を行ってまいります。また、アストラゼネカ社の新型コロナウイルスに対するワクチンの原液製造については、バイオ医薬品製造技術を有する企業としての社会的責任を果たし感染収束に向けた一助となるべく、引き続き鋭意取り組んでまいります。
さて、薬価制度の予見性の低下や少子高齢化など、わが国の製薬業界を取り巻く状況は厳しさを増しております。また、世界的にも新薬開発パイプラインの拡充を目的としたM&Aの活発化など競争環境の変化はますます激しくなってきております。イズカーゴ®をはじめとするライソゾーム病治療薬によるグローバル展開を目指す当社にとって、このような経営環境において持続的、安定的に成長を続けるため、引き続き「変革」を推し進め以下の課題に対処してまいります。
最重要経営課題「品質保証体制の質・量的拡充」
中期経営計画「変革」では、ライソゾーム病領域における研究開発を着実に進捗させるほか、希少疾患領域における当社の重要性がさらに高まることを見据え、「品質保証体制の質・量的拡充」を最重要経営課題といたしました。近年、医薬品に対する信頼を損ねる事例が相次ぎ、安定供給と品質に対する製薬企業の姿勢が改めて厳しく問われております。迅速かつ安定的に高品質の製品を臨床現場に提供することは製薬企業の最も重要な責務であり、企業の存立を左右する重大な課題と認識しております。さらに、2021年度より発売するイズカーゴ®をはじめとして、今後当社が研究開発を進めるJ-Brain Cargo®を適用したライソゾーム病治療薬は、いまだ治療法のない中枢神経症状を呈するライソゾーム病に対する初めての治療法となる可能性があります。
また、製品、開発品目の増加によりサプライチェーンが今後ますます広がります。そのような問題認識のもと、希少疾患治療薬の開発を進める製薬企業として、迅速かつ安定的に高品質の製品を提供する責務に重要性を認識し、これまで以上に品質保証体制の質的・量的拡充に努めてまいります。
「既存製品の持続的成長のための取り組み」
既存製品の収益はライソゾーム病治療薬や全ての研究開発の原資を構成するため、その持続的成長は引き続き重要な経営課題であると認識しております。特に売上高の約半分を占めるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト®」の収益基盤を強化することが極めて重要と認識しております。
成長ホルモンを販売する各社における適応追加、疾患啓発等の活動により、現在においても成長ホルモン市場は拡大を続けております。一方、成長ホルモンは主に小児の成長障害に使用されておりますが、日本国内における少子化により近い将来、市場全体の成長が減少に転じることを予測しております。
当社では、病院市場の開拓、他社との差別化を目的とした専用注入器の開発、使い勝手の良い剤型の開発を通じて日本国内におけるシェア拡大を続けてまいりました。今後、電動デバイスという特性を活かし、スマートフォンアプリを介して臨床現場と患者さんをつなぎ、治療満足度のさらなる向上を目指してまいります。このような活動のほか、効果的・効率的な情報提供活動をさらに推し進めることで、想定される市場規模の減少、薬価改定の影響を吸収し、売上高の維持、成長を図ってまいります。
その他の品目についても、事業環境の変化に応じて適切に対応することにより、売上高の維持、成長を図ってまいります。
「基礎研究の拡充」
製薬業界において新たな基盤技術が医薬品として実現するには基礎研究を含め10年を超える歳月を要します。当社の最重要課題であるライソゾーム病における一連の治療薬の開発は、研究開発が順調に進捗すれば今後10年程度で概ね完了するものと予測しております。そのため、ライソゾーム病治療薬開発の後を見据えた新たな基盤技術創出を目的とした基礎研究への取り組みを強化いたします。また、J-Brain Cargo®は抗体により構成されているため、低分子や核酸等を脳に送り届けるためには特別な工夫が必要です。一方、脳への薬物送達技術はライソゾーム病だけでなく、様々な疾患に応用が可能であり、低分子や核酸を脳に送達することで新たな治療効果につながる可能性があります。
当社では、新たに研究本部にトランスレーショナルリサーチ推進ユニットを創設し、低分子や核酸といった低~中分子化合物を効率的に脳に送達しうる技術開発のための基礎研究を進め、他社に導出しうる新たな基盤技術を創出し、安定的な収益の柱を確立してまいります。
「生産・研究への積極的な設備投資の検討・着手」
当社は2021年3月に新型コロナウイルスワクチン原液新工場の建設用地として、神戸市有不動産を取得いたしました。本用地に建設する新工場では、新型コロナウイルスワクチンだけでなく今後の感染症に対する治療薬について、厚生労働省令和2年度ワクチン生産体制等緊急整備事業に基づいて国の求めに応じて製造することとなりますが、余剰の生産キャパシティについては当社のライソゾーム病治療薬の製造に充てる可能性があります。
今後の一連のライソゾーム病治療薬の研究開発を加速させ、早期の臨床入り、上市を可能とするため、必要な設備投資については、中長期的な予測のもと、事業環境を注視しながら積極的に進めてまいります。
「エビデンス構築を含む製品戦略の立案」
ライソゾーム病治療に取り組んでいる世界中の臨床現場に有用な情報を提供することは、ライソゾーム病領域において治療薬を開発する製薬会社の重要な責務であり、また、当社の事業価値向上につながることから、エビデンス構築を含む製品戦略の立案を重要課題として進めてまいります。
例えば、J-Brain Cargo®を利用したライソゾーム病治療薬では、中枢神経症状の改善による予後の改善が期待されます。しかしながら、短期間の治験では長期的なモニタリングが必要な予後に関するデータを取得することは困難です。このようなデータは臨床現場にとっては極めて重要であるため、2021年度より日本およびブラジル連邦共和国において上市が見込まれるイズカーゴ®においても積極的、戦略的な情報収集活動を行ってまいります。
また、ライソゾーム病には中枢神経症状のみが主症状であるために、特定が困難な疾患が存在いたします。このような疾患においても当社のライソゾーム病治療薬は有用である可能性があることから、早期発見、早期治療につながる活動も当社にとって重要な責務と認識しております。
「業務および組織構造改革」
2020年度以降、当社のグローバル活動は本格化し、創業50周年を迎える2025年には、あらゆる面で大きな変化を遂げていなければなりません。一方で、当社の価値の源泉は当社の企業文化に共感する「チームJCR」一人ひとりであると確信しており、これは本格的なグローバル時代においても変わることなく「モノづくり」「研究」における新たな価値創造の源泉であり続けます。
当社では、「チームJCR」の企業文化の維持発展には顔の見える範囲に規模を抑えることが重要と考えております。2020年度末において当社グループの社員数は732名に達し、前中期経営計画初年度である2015年度に比して約200名増加いたしました。さらに、2021年度より開始する新たな生産設備増強や研究開発の順調な進捗に伴い、一層人員規模が拡大することとなります。今後のグローバル化を見据え、急激な業容拡大期にあっても一定規模の人員で業務を行えるよう、付加価値の高い業務への注力、業務プロセスの電子化の推進や必要な組織構造改革を進めてまいります。また、今後の発展を支える「チームJCR」一人ひとりのさらなる成長のための人財育成を進めてまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。