有価証券報告書-第54期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/12/19 14:26
【資料】
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【項目】
114項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「優れた医薬品を通じて、人々の健やかな生活に貢献する」、「富士製薬工業の成長はわたしたちの成長に正比例する」ことを経営理念としております。今後も引き続きこの経営理念の下に、良質な医薬品の開発・製造・販売を通じて、顧客、仕入先、株主、従業員、地域・社会の各ステークホルダーに対する責任を果たしつつ、さらに充実、発展してまいりたいと考えております。
(2)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、その独自性を活かして成長を続けるために、競合企業に対して優位性を保つための「ブランド力」「競合力」を向上させることが最優先課題であります。また、会社の成長に伴い多様化する課題に対して、部門間連携を向上させ組織力を高めるとともに、専門知識教育を始め人材育成に取り組みます。さらに、健全な経営によって適切な利益を確保するためにも、工場の効率化と生産性向上に努めてまいります。
ジェネリック医薬品は、国民医療費抑制の重要施策として今後も供給数量が増加することが見込まれますが、一方で安定供給への対応や薬価のより一層の引き下げなども想定されるなかで、当社グループとしては、グローバルプレイヤーに対抗できるコスト競争力の強化、収益性が高いブランド薬、バイオシミラー等へのシフト、グローバル市場への展開、急成長を支える経営基盤の確立が、喫緊の経営課題であると認識しております。
そこで当社グループは、中期経営計画のテーマを『Fuji Pharma ブランディング』とし、以下のとおり取り組んでおります。
①一人ひとりと会社と製品のブランド戦略を強力に推進
医療関係者、患者の皆さまをはじめ全てのステークホルダーから、私たち社員一人ひとりと会社と当グループ製品に対する信頼、安心、評価を高めます。
経営理念とミッションに基づいた人材育成の推進、財務戦略やITなど会社機能の強化、そして、主要製品の価値の最大化によって、人と会社と製品のブランド化を推し進めます。
②ブランド薬を中心にする新たなステージと体制を構築
これまでのジェネリック中心のビジネスから脱却し、既存製品に新規のブランド薬=新薬・ブランドジェネリック(長期収載品)・バイオシミラーによって事業計画、経営戦略を組み立てます。
会社機能を刷新して事業運営体制を再構築し、ブランド薬とジェネリックで独自の相乗発展モデルを創り上げます。
③グローバルな Fuji Pharma グループの事業展開を実現
富山工場とOLIC社を起点にして、国内外の製薬企業とのアライアンス戦略を軸に、海外市場への展開をさらに推進します。
2018年1月より稼働を開始したOLIC社の注射剤製剤棟による、グローバルな新規CMOビジネスを拡大し「Sustainable Leading CMO in APAC」を目指します。
(3)対処すべき課題
医薬品業界を取り巻く環境は、各国の財政悪化、社会保障費財源確保の問題を背景とする薬剤費抑制政策や、安全性や品質に関する規制の強化、マーケティング活動の変容など、厳しい環境となってきております。「経済財政運営と改革の基本方針2017」においては、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」(2016年12月20日)に基づき、「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」を両立し、「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」を実現することが発表されました。
そのような環境のもと、当社といたしましては、2015年9月期を初年度とする5ヶ年の中期経営計画「Fuji Pharma ブランディング」を着実に実現するべく、以下の課題を重点的に取り組み、外部環境に左右されない独自の強みを持った企業基盤の構築に取り組んでおります。
①国内外他社との戦略的提携によるパイプライン(開発品目)の充実
②戦略領域における新薬、バイオシミラー等の付加価値の高い製品の拡充
③グループ間の連携強化による安定供給体制の拡充並びに品質の更なる向上
④医薬品情報の収集・提供体制の充実
⑤経営管理体制の強化(内部統制システムの強化、コンプライアンスの徹底、リスク管理体制の確立、ITシステムの整備)
⑥会社経営、新規事業立ち上げのための人材育成
⑦富士製薬工業グループとしての連結経営体制の一層の充実