有価証券報告書-第61期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します」の具現に向けて、長期ビジョン「HOPE100(Aim for Health Of People and our Enterprises)」のもと、中長期的な企業価値向上の視点で、医療用医薬品事業とヘルスケア事業※1を複合的に組み合わせ、事業リスクの分散を図り、健全かつ持続的に成長する「健康生活応援企業」への進化を目指しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループは、中核子会社である杏林製薬㈱の創業100周年に当たる2023年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を策定し、対象期間(2010年度~2023年度)を3つのステージに分け、現在、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(2016年度~2019年度)」のもと、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。
近年、医療用医薬品事業を取り巻く外部環境は、ジェネリック(以下、GE)80%時代の到来、薬価制度の抜本改革等により市場構造が急速に変化しつつあり、一層厳しさを増しています。さらにその中で、当社グループは、2016年度に主力品の特許満了を迎え、これまでに経験したことのない大きな経営環境の変化に直面しました。
このように変動が大きい環境のもとでは、既存の考え方だけで課題に対応することは困難であり、これまでの業務遂行の仕組みをダイナミックに創り変え、過去の延長線上にはない新たな取り組みを創造・実行していくことが必要となります。長期ビジョン実現に向けたセカンドステップと位置付ける中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」では、ステートメントを「長期ビジョン実現に向けて、変革(変化と革新)を行い、持続成長を図る」としています。2019年度は、当年度の成果と課題を踏まえ引き続き以下の事業戦略と組織化戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成に邁進いたします。
①事業戦略(Strategy)
医療用医薬品事業では持続成長を可能とする医薬事業モデルの進化を図り、ヘルスケア事業※1では核となる事業作りに向け、4つの重点戦略、2つの育成戦略を推進いたします。
(a)重点戦略
・創薬力の強化:ファースト・イン・クラス創薬への取り組み
・新薬群比率の向上:新薬群の普及の最大化による新薬群比率の大幅な向上
・特色を活かしたGE事業の推進
・ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革
(b)育成戦略
・海外進出:自社で創出した革新的な新薬の展開(欧米への早期導出)、アジアを中心に将来の直接的進出(医療用医薬品及びヘルスケア事業※1)の礎を築く
・ヘルスケア事業※1:環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る
②組織化戦略(Organization)
当社グループは長期ビジョンにおいて、社員を大切にし、人と組織を活力化することが事業戦略を遂行し、成果を具現するための最重要課題と位置付けています。「ステージ2」においても、社員にとって「働きがいNo.1企業」の実現を目指し、人材マネジメントの基本方針のもと、グループ各社の人材マネジメントシステム(採用、配属、育成、評価、異動、報酬、福利厚生等)の再構築と人材育成の強化に取り組みます。
③目標とする経営指標(Performance)
2019年度を最終年度とする中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」では、連結売上高 年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上を数値目標としていますが、キノロン系合成抗菌剤「KRP-AM1977X」の開発における進捗の遅れ、導出先による免疫調節剤「KRP-203※2」の開発中止、及びデザレックスの一時供給停止による売上減少により業績推移は想定を下回り、売上高1,141億円、営業利益91億円を2019年度の連結業績予想の数値といたしました。
「ステージ2」における資本政策については、業績回復を一定程度見通すことの出来る状況を迎えたこと、及び当社グループの財務基盤の現状を考慮して、2018年度に資本の効率化及び株主価値のさらなる向上を図る政策に転換しました。健全な財務基盤を維持しつつ、成長投資と株主還元を通じて資本効率の向上を図ることを基本方針とし、株主還元につきましては、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。詳細は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
[中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」の進捗と2019年度の取り組み]
事業戦略の中の重点戦略において、最重要課題と位置づけ推進している創薬力の強化では、わたらせ創薬センターとActivX社の連携による自社創薬に、国内外の製薬企業・アカデミア・ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えて、既存創薬プラットフォームの活性化、新技術(ペプチド、遺伝子治療など)の活用に努めました。今後も創薬テーマの選択と集中を進め、重層的なプログラム開発に取り組むと共に、外部創薬テーマの積極的な探索・導入を行い、ファースト・イン・クラス創薬に向けて、確実に歩みを進めます。
新薬群比率の向上では、2018年度に定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス」及び自社開発の新薬である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の販売を開始しました。それに加え、2019年度はキノロン系合成抗菌剤「KRP-AM1977X」の上市を目指します。今後は、主力製品である喘息治療配合剤「フルティフォーム」と併せて、新薬群による市場創造に取り組み、成長軌道の獲得に最大限、注力いたします。
特色を活かしたGE事業の推進では、2016年度に販売を開始したモンテルカスト(キプレス)オーソライズド・ジェネリックのGE内シェア50%以上の継続と共に、次なるAGの展開を推進していきます。
ローコスト強化では、新生産子会社キョーリン製薬グループ工場㈱に当社グループの生産機能を集約し、2018年4月1日より、本格稼働いたしました。工場稼働率の平準化と資産の効率活用に取り組み、引き続き高品質の製品を安定的かつ低コストで供給する競争力のあるグループ生産体制の構築に努めてまいります。
育成戦略として推進するヘルスケア事業では、環境衛生領域の主要製品「ルビスタ」の売上が増加しました。今後も、環境衛生に関わる事業の拡大と収益力の向上に努めます。また2018年度に参入した診断事業では、感染症の起炎菌及びウイルスを特定する体外診断用医薬品の開発を進め、次の核となる事業への成長を推進いたします。
※1:環境衛生、一般用医薬品他
※2:2006年、ノバルティス(本社:スイス)に導出。同社が開発戦略上の視点から開発の中止を決定し、開発権を返還しました。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します」の具現に向けて、長期ビジョン「HOPE100(Aim for Health Of People and our Enterprises)」のもと、中長期的な企業価値向上の視点で、医療用医薬品事業とヘルスケア事業※1を複合的に組み合わせ、事業リスクの分散を図り、健全かつ持続的に成長する「健康生活応援企業」への進化を目指しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループは、中核子会社である杏林製薬㈱の創業100周年に当たる2023年を見据えた長期ビジョン「HOPE100」を策定し、対象期間(2010年度~2023年度)を3つのステージに分け、現在、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(2016年度~2019年度)」のもと、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。
近年、医療用医薬品事業を取り巻く外部環境は、ジェネリック(以下、GE)80%時代の到来、薬価制度の抜本改革等により市場構造が急速に変化しつつあり、一層厳しさを増しています。さらにその中で、当社グループは、2016年度に主力品の特許満了を迎え、これまでに経験したことのない大きな経営環境の変化に直面しました。
このように変動が大きい環境のもとでは、既存の考え方だけで課題に対応することは困難であり、これまでの業務遂行の仕組みをダイナミックに創り変え、過去の延長線上にはない新たな取り組みを創造・実行していくことが必要となります。長期ビジョン実現に向けたセカンドステップと位置付ける中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」では、ステートメントを「長期ビジョン実現に向けて、変革(変化と革新)を行い、持続成長を図る」としています。2019年度は、当年度の成果と課題を踏まえ引き続き以下の事業戦略と組織化戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成に邁進いたします。
①事業戦略(Strategy)
医療用医薬品事業では持続成長を可能とする医薬事業モデルの進化を図り、ヘルスケア事業※1では核となる事業作りに向け、4つの重点戦略、2つの育成戦略を推進いたします。
(a)重点戦略
・創薬力の強化:ファースト・イン・クラス創薬への取り組み
・新薬群比率の向上:新薬群の普及の最大化による新薬群比率の大幅な向上
・特色を活かしたGE事業の推進
・ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革
(b)育成戦略
・海外進出:自社で創出した革新的な新薬の展開(欧米への早期導出)、アジアを中心に将来の直接的進出(医療用医薬品及びヘルスケア事業※1)の礎を築く
・ヘルスケア事業※1:環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る
②組織化戦略(Organization)
当社グループは長期ビジョンにおいて、社員を大切にし、人と組織を活力化することが事業戦略を遂行し、成果を具現するための最重要課題と位置付けています。「ステージ2」においても、社員にとって「働きがいNo.1企業」の実現を目指し、人材マネジメントの基本方針のもと、グループ各社の人材マネジメントシステム(採用、配属、育成、評価、異動、報酬、福利厚生等)の再構築と人材育成の強化に取り組みます。
③目標とする経営指標(Performance)
2019年度を最終年度とする中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」では、連結売上高 年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上を数値目標としていますが、キノロン系合成抗菌剤「KRP-AM1977X」の開発における進捗の遅れ、導出先による免疫調節剤「KRP-203※2」の開発中止、及びデザレックスの一時供給停止による売上減少により業績推移は想定を下回り、売上高1,141億円、営業利益91億円を2019年度の連結業績予想の数値といたしました。
「ステージ2」における資本政策については、業績回復を一定程度見通すことの出来る状況を迎えたこと、及び当社グループの財務基盤の現状を考慮して、2018年度に資本の効率化及び株主価値のさらなる向上を図る政策に転換しました。健全な財務基盤を維持しつつ、成長投資と株主還元を通じて資本効率の向上を図ることを基本方針とし、株主還元につきましては、DOE(株主資本配当率)を勘案して、安定した配当を継続します。詳細は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
[中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」の進捗と2019年度の取り組み]
事業戦略の中の重点戦略において、最重要課題と位置づけ推進している創薬力の強化では、わたらせ創薬センターとActivX社の連携による自社創薬に、国内外の製薬企業・アカデミア・ベンチャー企業とのオープンイノベーションを加えて、既存創薬プラットフォームの活性化、新技術(ペプチド、遺伝子治療など)の活用に努めました。今後も創薬テーマの選択と集中を進め、重層的なプログラム開発に取り組むと共に、外部創薬テーマの積極的な探索・導入を行い、ファースト・イン・クラス創薬に向けて、確実に歩みを進めます。
新薬群比率の向上では、2018年度に定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス」及び自社開発の新薬である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の販売を開始しました。それに加え、2019年度はキノロン系合成抗菌剤「KRP-AM1977X」の上市を目指します。今後は、主力製品である喘息治療配合剤「フルティフォーム」と併せて、新薬群による市場創造に取り組み、成長軌道の獲得に最大限、注力いたします。
特色を活かしたGE事業の推進では、2016年度に販売を開始したモンテルカスト(キプレス)オーソライズド・ジェネリックのGE内シェア50%以上の継続と共に、次なるAGの展開を推進していきます。
ローコスト強化では、新生産子会社キョーリン製薬グループ工場㈱に当社グループの生産機能を集約し、2018年4月1日より、本格稼働いたしました。工場稼働率の平準化と資産の効率活用に取り組み、引き続き高品質の製品を安定的かつ低コストで供給する競争力のあるグループ生産体制の構築に努めてまいります。
育成戦略として推進するヘルスケア事業では、環境衛生領域の主要製品「ルビスタ」の売上が増加しました。今後も、環境衛生に関わる事業の拡大と収益力の向上に努めます。また2018年度に参入した診断事業では、感染症の起炎菌及びウイルスを特定する体外診断用医薬品の開発を進め、次の核となる事業への成長を推進いたします。
※1:環境衛生、一般用医薬品他
※2:2006年、ノバルティス(本社:スイス)に導出。同社が開発戦略上の視点から開発の中止を決定し、開発権を返還しました。