有価証券報告書-第17期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/27 10:45
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138項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績
① 経営成績の状況及び分析
当社は、創薬事業においては、アンメット・メディカル・ニーズの高い未だ有効な治療方法が確立されていない疾患を中心に、特にがん、免疫炎症疾患を重点領域として画期的な新薬の開発を目指して研究開発に取り組み、また、創薬支援事業においては、新たなキナーゼ阻害薬創製のための製品・サービスを製薬企業等へ提供するため、営業活動に取り組んでおります。
2019年12月期の成果といたしましては、2019年6月に米国のギリアド・サイエンシズ社(以下、ギリアド社)と、当社が研究開発した新規がん免疫療法の創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、その対価である契約一時金20百万ドルを第2四半期連結会計期間に売上計上いたしました。当社は今後、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドルを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。また、当社は、上記ライセンス契約とは別に、ギリアド社による当該プログラムの開発をサポートするために、当社が開発した脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を有償で、ギリアド社に一定期間、独占的に供与します。
当社が開発し、シエラ・オンコロジー社(以下、シエラ社)に導出した、がんを標的とするCDC7阻害剤AS-141 (シエラ社の開発コード:SRA141)につきましては、米国においてIND申請(新薬臨床試験開始届)が完了しており、シエラ社は大腸がんを対象とした治験開始(フェーズ1/2)に向けた準備を進めています。当該フェーズ1試験においてSRA141が最初の患者に投与されたときに、マイルストーンとして4百万ドルが当社に支払われる契約となっています。シエラ社は、SRA141の開発を引き続き前進させるため、様々な選択肢を戦略的に検討中と発表しており、当社はSRA141の治験が早期に開始されることを期待しております。
当社の2つのBTK阻害剤ポートフォリオのうち、炎症性免疫疾患を対象として開発を進めているBTK阻害剤AS-0871については、2019年12月にオランダ当局にCTA(Clinical Trial Application, 臨床試験許認可申請)を提出いたしました。2020年2月にオランダ当局及び倫理委員会による承認を受けており、欧州での臨床試験の開始が可能となりました。本試験は当社初の自社臨床試験であり、現地での試験準備が整い次第、健康成人を対象として臨床試験(フェーズ1試験)を開始する予定です。一方、イブルチニブ耐性の血液がんを治療標的とした次世代BTK阻害剤AS-1763についても、前臨床試験を実施中であり、2020年中のIND申請、その後の自社臨床試験開始に向けて、鋭意準備を進めております。
当社のもう一つの事業の柱である創薬支援事業においては、2019年12月期の売上高は1,079,423千円となり、年間売上高を10億円以上とする目標を達成いたしました。米国では新興バイオベンチャー向けを中心に、キナーゼタンパク質、アッセイキット、プロファイリング受託など自社開発製品・サービスの売上が拡大し、また、中国でもキナーゼタンパク質の販売が好調に推移しました。さらに、創薬事業における上記ギリアド社とのライセンス契約に関連し、同社による当該プログラムの開発をサポートするため、当社の脂質キナーゼ阻害剤に関する創薬基盤技術を一定期間、独占的に同社に供与することとなり、2019年12月期の売上には、これに関連した売上も含まれています。
以上の結果、2019年12月期の売上高は3,207,423千円(前連結会計年度比325.0%増)となりました。地域別の売上は、連結ベースで国内売上高が259,249千円(前連結会計年度比23.4%減)、海外売上高は2,948,174千円(前連結会計年度比608.5%増)となりました。損益面につきましては、営業利益が977,778千円(前連結会計年度は1,144,519千円の営業損失)、経常利益は957,161千円(前連結会計年度は1,159,223千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は828,289千円(前連結会計年度は1,210,573千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
各セグメントの状況は次の通りです。
1) 創薬事業
当社独自の研究開発から見出された化合物を含む新規がん免疫療法の創薬プログラムに関して、ギリアド社と、当該プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結し、その対価として契約一時金20百万ドル(2,128,000千円)を第2四半期連結会計期間に売上計上しております。また、前臨床研究段階にある創薬プログラムを中心に研究開発に積極的に先行投資を行い、当事業の研究開発費は1,187,160千円(前連結会計年度は1,084,685千円)となりました。その結果、売上高は2,128,000千円(前連結会計年度は50,000千円)、営業利益は577,230千円(前連結会計年度は1,261,987千円の営業損失)となりました。
2) 創薬支援事業
キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス及びセルベースアッセイサービスの提供等により、創薬支援事業の売上高は、1,079,423千円(前連結会計年度比53.2%増)と過去最高の売上高を達成し、営業利益は400,547千円(前連結会計年度比241.0%増)となりました。売上高の内訳は、国内が259,249千円(前連結会計年度比10.2%減)、北米地域は634,205千円(前連結会計年度比154.0%増)、欧州地域は86,898千円(前連結会計年度比8.3%減)、その他地域が99,070千円(前連結会計年度比38.3%増)であります。
② 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として、継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高伸び率、売上総利益率及び営業利益を重要な経営指標としております。
当連結会計年度の創薬支援事業は、売上高が前連結会計年度比53.2%と大幅に伸長いたしました。売上総利益率も、自社開発製品・サービスの販売が好調だったため、前連結会計年度比で改善しております。また、営業利益は400,547千円となり、前連結会計年度から241.0%増、283,079千円増加いたしました。
③ 当社グループの損益構造について
当社グループは、キナーゼ阻害薬(*)等を創製するための研究開発ならびにその基盤となる技術である「創薬基盤技術」を強化するための研究開発へ積極的に先行投資し、将来の飛躍的な成長を目指しております。そのための研究開発に係る費用は、創薬支援事業が生み出すキャッシュ・フロー及び創薬事業における導出契約やマイルストーン達成に基づく一時金収入、ならびに資本市場等から調達した資金等により充当しております。
創薬支援事業の業績は黒字を継続し安定的に推移しているものの、創薬事業からの収益は、導出契約の成否、導出先製薬企業等における開発(*)の進捗、導出活動の進捗及び当社の研究開発の進捗等により影響を受け安定的でないことから、当社グループの短期的な損益については赤字となる傾向があります。
しかしながら、当社グループは、中長期的な経営方針に基づき、さらなる成長軌道に乗せ、当社の企業価値を高めるために、積極的に当社創薬事業に先行投資を行い、研究開発を推し進めてまいります。そのための資金を獲得するために、創薬支援事業からの収益力をさらに高めるとともに、当社にとって最適な資金調達方法を検討し、研究開発資金の確保に努めてまいります。
第14期、第15期、第16期及び第17期のセグメントごとの売上、研究開発費及び営業損益は、以下の通りです。
(単位:千円)
回次第14期(連結)第15期(連結)第16期(連結)第17期(連結)
決算年月2016年12月期2017年12月期2018年12月期2019年12月期
売上高811,598657,516754,6913,207,423
創薬支援事業712,670657,516704,6911,079,423
創薬事業98,92850,0002,128,000
研究開発費513,430670,8611,140,8411,281,980
創薬支援事業2,70324,82656,15594,820
創薬事業510,727646,0351,084,6851,187,160
営業利益(△損失)△423,977△699,060△1,144,519977,778
創薬支援事業192,059142,804117,468400,547
創薬事業△616,036△841,864△1,261,987577,230

④ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
創薬支援事業1,010,684148.3

(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.創薬事業については、生産を行っていないため記載しておりません。
2) 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
創薬支援事業80,26786.0

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.創薬事業については、商品仕入を行っていないため記載しておりません。
3) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
創薬支援事業1,437,610206.8397,9021,001.9
創薬事業2,128,0004,256.0
合計3,565,610478.4397,9021,001.9

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
創薬支援事業1,079,423153.18
創薬事業2,128,0004,256.00
合計3,207,423425.00

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
小野薬品工業株式会社90,29412.0
A社2,435,23075.9

(注) 1. 当連結会計年度における小野薬品工業株式会社の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2. 前連結会計年度におけるA社の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、一部の社名の公表は控えさせて頂きます。
(3) 財政状態
当社グループの連結の財政状態の概要につきましては、以下のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、5,376,610千円となり、前連結会計年度末に比べて3,606,520千円増加となりました。その内訳は、現金及び預金の増加3,559,801千円等であります。
負債は1,523,088千円となり、前連結会計年度末と比べて640,451千円増加となりました。その内訳は、未払金の増加141,131千円、前受収益の増加310,706千円、未払法人税等の増加101,423千円等であります。
純資産は3,853,522千円となり、前連結会計年度末と比べて2,966,069千円増加となりました。その内訳は、株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加2,131,795千円、親会社株主に帰属する当期純利益828,289千円の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。
また、自己資本比率は71.5%(前連結会計年度49.7%)となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,559,801千円増加し、4,915,056千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は1,477,773千円(前年は1,128,026千円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益913,059千円、未払金の増加125,437千円、前受収益の増加310,706千円、減価償却費9,394千円及び減損損失44,101千円の計上の差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は40,945千円(前年は58,314千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出41,881千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は2,121,748千円(前年は687,522千円の増加)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入2,071,741千円によるものであります。
(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

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