四半期報告書-第119期第3四半期(平成26年10月1日-平成26年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済を概観すると、全体として緩やかな回復基調が継続しています。米国では、個人消費が底堅く推移する等、総じて景気回復が続きました。欧州では、英国で景気回復傾向が持続していることに加え、ユーロ圏でもドイツがけん引する形で持ち直しの動きが続きましたが、一部に一服感がみられました。アジアでは、中国で景気拡大のテンポは緩やかになっているものの、台湾の景気が緩やかに回復する等、総じて堅調な成長を維持しています。日本においては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動影響もありましたが、全体として和らぎ、基調的に緩やかな回復が続いています。
当社グループはこれまで進めてきた事業構造転換の結果、安定的に利益やキャッシュを創出できる経営基盤を構築しました。当連結会計年度からは、この強固な経営基盤をベースに、中期経営計画「VISION2016」(平成26年度~平成28年度)を達成すべく、「ヘルスケア」、「高機能材料」、「ドキュメント」の3事業分野を成長ドライバーとし、拡販活動や新製品の市場投入により、売上・シェア・利益の拡大を進めております。また、その他の事業においてもビジネス規模と市場での優位性を維持するとともに、あらゆる企業活動において生産性向上と効率化を進め、全事業における収益性向上に向けた取り組みを加速しております。
当社グループの当第3四半期連結累計期間における連結売上高は、デジタルカメラの高級機種へのシフトに伴い販売台数が減少した光学・電子映像事業とフラットパネルディスプレイ材料事業で売上が減少したものの、フォトイメージング事業、メディカルシステム事業、電子材料事業、ドキュメント事業等で売上を伸ばし、1,815,166百万円(前年同期比2.3%増)となりました。国内売上高は733,664百万円(前年同期比0.2%増)、海外売上高は1,081,502百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
営業利益は、各事業における収益性の改善や減価償却方法の変更に伴う影響等により、124,425百万円(前年同期比24.9%増)となりました。㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの連結子会社化による評価益21,224百万円を営業外収益に計上したこと等により、税金等調整前四半期純利益は153,177百万円(前年同期比34.1%増)、当社株主帰属四半期純利益は93,863百万円(前年同期比50.2%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① イメージング ソリューション部門
フォトイメージング事業では、写真プリントをその場で楽しめる魅力が再認識されたインスタントフォトシステムが全世界で好調に推移し、平成26年11月に発売した“チェキ”「instax mini ハローキティ」や、撮ったその場でチェキフィルムに出力できるスマートフォン用プリンター“スマホ de チェキ”「instax SHARE SP-1」に加え、絵柄入り等多種多彩なチェキフィルム等の販売が伸びました。また、良い写真を自動で選択・配置しフォトブックを最短5分でレイアウトできる「Year Album」の展開を韓国・香港等の海外でも開始する等、付加価値プリントビジネスの拡大により、売上が増加しました。
光学・電子映像事業では、コンパクトデジタルカメラのラインアップ縮小により売上は減少したものの、プレミアムデジタルカメラ「Xシリーズ」の販売が好調に推移しました。電子映像分野では、平成26年11月に発売したプレミアムコンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM X100T」や大口径望遠ズームレンズ「フジノンレンズ XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」等の販売が好調に推移しました。今後もラインアップを拡充し、販売を強化していきます。光学デバイス分野では、車載カメラ用レンズの販売は堅調に推移しましたが、スマートフォン用カメラモジュール等の販売が減少しました。
本部門の連結売上高は、フォトイメージング事業で売上を伸ばしたものの、デジタルカメラ等の売上の減少により、276,523百万円(前年同期比0.5%減)となりました。営業利益は、フォトイメージング事業におけるインスタントカメラの好調な販売や売上原価低減に加え、デジタルカメラの損益が改善したこと等により、17,412百万円(前年同期営業損失1,452百万円)となりました。
② インフォメーション ソリューション部門
メディカルシステム事業では、医療ITや超音波診断装置等の販売が好調に推移し、売上が増加しました。医療機器分野では、低価格・小型デジタルX線画像診断装置「FCR PRIMA」シリーズの販売が新興国等の海外を中心に、DR方式・カセッテ型デジタルX線画像診断装置「CALNEO」シリーズの販売が国内を中心に堅調に推移しました。また、新開発のノイズ低減回路と新画像処理ソフトウェアによる低線量・高画質と軽量化も実現したDR方式・カセッテ型デジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO Smart」シリーズの販売を平成26年12月に開始しました。医療IT分野では、医療情報統合による診療支援のため、医用画像情報システム(PACS)を中心に診療分野での事業拡大を進めています。当社グループのPACS「SYNAPSE」は、国内で引き続きトップシェアを維持しています。内視鏡分野では、新高画質電子内視鏡や新世代内視鏡システム「LASEREO」等の販売も堅調に推移しています。国内では平成26年10月に「LASEREO」のラインアップに鼻からの挿入が可能な上部消化管用経鼻内視鏡「EG-L580NW」を追加し、また新たな画像処理機能として、粘膜のわずかな色の違いを強調して、炎症の診断をサポートする「LCI(Linked Color Imaging)」の提供を開始しました。超音波診断装置分野では、ハイエンド超音波画像診断装置「X-Porte」の販売が北米を中心に好調に推移し、またFUJIFILM SonoSite, Inc.との技術を結集して開発した携帯型超音波診断装置「FUJIFILM FC1」の国内での販売を強化しています。
医薬品事業では、バイオ医薬品受託製造の販売が堅調に推移したものの、国内では抗菌薬市場全体の低調が続いたため、事業全体で売上は減少しました。バイオ医薬品分野では、ワクチン製造に強みを持つKalon Biotherapeutics, LLCの買収を完了し、バイオ医薬品事業のさらなる拡大を図っていきます。研究開発においては、アルツハイマー型認知症治療剤「T-817MA」の臨床第Ⅱ相試験を日本で実施しております。また、米国においては全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関であるAlzheimer's Disease Cooperative Studyと共同で臨床第Ⅱ相試験を実施しております。さらに、再発・難治性骨髄異形成症候群(MDS)治療剤「FF-10501」の臨床第I相試験を米国テキサス州立大学 MDアンダーソンがんセンターで実施する等、着実にパイプラインの開発を推進しています。再生医療分野では、国内で唯一再生医療製品の承認を取得し事業展開する㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの新株予約権のすべてを行使し、平成26年12月に連結子会社化しました。再生医療製品の開発の加速、再生医療の事業領域の拡大を進めていきます。
ライフサイエンス事業では、消費税増税による駆け込み需要の反動影響を受けましたが、新TVCMと連動した販売強化施策の展開等により挽回を図っています。また、平成26年9月には、新ベースメイクシリーズ「アスタリフト ライティングパーフェクション」、ヘアケアシリーズ「アスタリフト スカルプフォーカス」の販売を開始し「アスタリフト」ブランドのラインアップの強化を図りました。
グラフィックシステム事業では、国内では消費税増税による駆け込み需要の反動影響を受けたものの当第2四半期連結会計期間以降回復し、売上が増加しました。今後も主力であるCTPプレートのシェア拡大に加え、デジタルプリンティング機器や産業用インクジェットヘッドの拡販により、売上拡大を図ります。
フラットパネルディスプレイ材料事業では、好調なテレビ向け受注を背景に「フジタック」、VA用フィルムの販売が堅調に推移しましたが、モニター向け「WVフィルム」の受注減等の影響で、売上は減少しました。引き続き液晶テレビ向けに更なる拡販を図るとともに、需要拡大が見込まれる中小型向けにIPS用フィルム、「フジタック」、「WVフィルム」等の薄膜品での拡販を進めていきます。
産業機材事業では、工業用X線フィルムや圧力測定フィルム「プレスケール」等の販売が堅調に推移したものの、感圧紙の販売が総需要減少の影響を受けて減少したこと等により、売上が減少しました。当第3四半期連結会計期間に入り受注が増加している、スマートフォン・タブレット・ノートPC等に搭載されるタッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」や太陽電池用バックシート等、今後も成長が見込まれる新規事業での売上拡大を目指します。
電子材料事業では、先端品のフォトレジスト、CMPスラリー、及び処理剤等のフォトリソ周辺材料が好調だったことに加え、旧世代製品のフォトレジスト、ポリイミド等も堅調に推移し、引き続き幅広い製品の販売が各地域で伸長したことにより、売上が大幅に増加しました。
記録メディア事業では、業務用ビデオの販売が総需要減少の影響を受けて減少したものの、コンピューター用磁気テープの販売が堅調に推移し、売上が増加しました。「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」等の独自技術によるテープ高容量化とともに、データアーカイブサービス「d:ternity(ディターニティ)」の普及等により、データアーカイブ分野における一層の売上拡大を目指していきます。
本部門の連結売上高は、フラットパネルディスプレイ材料事業の売上が減少したものの、メディカルシステム事業や電子材料事業等で売上を伸ばし、683,173百万円(前年同期比1.8%増)となりました。営業利益は、各事業の収益性改善や減価償却方法の変更に伴う影響等により56,445百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
③ ドキュメント ソリューション部門
オフィスプロダクト事業は、国内において、当第3四半期連結会計期間のカラー複合機販売が好調に推移し、カラー複合機及びモノクロ複合機トータルの販売台数が増加しました。アフタービジネスは市場稼働台数の増加、1台あたりコピー枚数の増加はあったものの、コピー1枚あたりの単価下落影響により減収となりました。アジア・オセアニア地域においては、カラー複合機販売が好調に推移し、モノクロ複合機も販売台数が増加したため、トータルでも販売台数が増加しました。米国ゼロックス社向け輸出においては、カラー複合機の販売台数はやや増加したものの、モノクロ複合機の販売台数は減少しました。オフィスプロダクト事業トータルでの販売台数は増加しました。
オフィスプリンター事業は、国内においては、モノクロ機及びカラー機共に販売台数が減少しました。アジア・オセアニア地域においては、モノクロ機販売が好調に推移し、カラー機も販売台数が増加したため、トータルでも販売台数が増加しました。米国ゼロックス社向け輸出においては、モノクロ機及びカラー機共に販売台数が減少しました。オフィスプリンター事業トータルでの販売台数はほぼ前年同期並みとなりました。
プロダクションサービス事業は、国内のモノクロ・プロダクション・プリンター及び各地域のカラー・オンデマンド・パブリッシング・システムの販売が減少し、トータルでも販売台数が減少しましたが、販売商品構成の変化等により、売上は前年同期並みとなりました。
グローバルサービス事業は、国内においては、マネージド・プリント・サービス(MPS)ビジネスが好調に推移し、さらに連結対象となった富士ゼロックスサービスリンク㈱の売上寄与により、対前年同期で増収となりました。また、アジア・オセアニア地域においても増収となりました。
本部門の連結売上高は、アジア・オセアニア地域での売上増に加え、当年度より連結対象となった富士ゼロックスサービスリンク㈱の売上が寄与したこと等により、855,470百万円(前年同期比3.7%増)となりました。営業利益は、継続的な販売価格の下落と米ドル高による輸入価格アップの影響はあったものの、売上の増加に伴う売上総利益の増加に加え、継続した売上原価改善や販売費及び一般管理費比率の低減に向けた施策が寄与し、73,218百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より93,335百万円増加し、当第3四半期連結会計期間末においては697,906百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は179,574百万円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して7,591百万円(4.1%)減少しておりますが、これは棚卸資産の増加及び営業債務の減少による資金支出が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は104,847百万円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して10,432百万円(11.0%)増加しておりますが、これは有価証券・投資有価証券の購入額が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は13,314百万円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して7,988百万円(150.0%)増加しておりますが、これは配当金支払額が増加したこと等によるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当面の対処すべき課題の内容
当社グループは、前連結会計年度を最終年とする中期経営計画「VISION80」に基づく成長戦略を強力に推し進め、事業構造転換を図ってきた結果、さらなる成長に向けた経営基盤を確立しました。また、平成26年1月には、創立80周年を機に、当社グループが目指すべき将来の姿を示す新たなコーポレートスローガン「Value from Innovation」を制定しました。
新コーポレートスローガンのもと、世の中にあるさまざまな社会課題を解決することが当社グループの事業成長の機会と捉え、先進・独自の技術で、新たな価値を創出させ、中期的に安定成長できるビジネスポートフォリオを構築し、持続的な成長で社会に貢献できる企業を目指し、平成26年11月に中期経営計画「VISION2016」を策定しました。
当社グループは、6つの重点事業分野(ヘルスケア、高機能材料、ドキュメント、グラフィックシステム、光学デバイス、デジタルイメージング)の中でも、高い成長が期待できる「ヘルスケア」「高機能材料」「ドキュメント」の3事業分野に経営資源の集中投入を行い、売上及び利益を拡大していきます。「ヘルスケア」事業分野においては、メディカルシステム事業で、成長領域である医療IT、内視鏡及び超音波診断装置で年率2桁の売上成長を実現させます。医薬品事業では、バイオ医薬品受託製造で売上を拡大させ、また新薬開発を加速させます。ライフサイエンス事業では、当社グループの技術を生かし、差別化した機能性製品のラインアップを充実させ、売上を増加させます。「高機能材料」事業分野においては、フラットパネルディスプレイ材料事業、産業機材事業及び電子材料事業で、既存製品での優位性を維持しつつ、技術力を生かして、市場のニーズにマッチする収益性の高い新製品をタイムリーに投入していくことで売上及び利益を拡大していきます。また、この目標を実現するために、当社グループの基盤技術・コア技術を社外のビジネスパートナーに示し、新たな価値を「共創」することを目的とした「Open Innovation Hub(オープンイノベーション ハブ)」を開設しました。「ドキュメント」事業分野においては、国内をはじめ先進国で、サービス事業拡大やソリューション展開を強化させます。中国やその他の新興国では、市場ニーズにマッチしたコスト競争力のある製品の開発を強化し、成長を加速させます。これらに加え、売上原価改善施策等を継続し、売上及び利益を拡大していきます。また、上記の3事業分野以外においても、全社レベルでの現場力向上による競争力の強化により、全事業で収益性を向上させ、経営基盤をより強固なものにしていきます。これらの取り組みに加え、配当と自社株買いによる株主還元の強化により、株主資本利益率(ROE)の向上を実現します。
このほかにも、コーポレート・ガバナンスの充実や、コンプライアンス・リスクマネジメントの強化を図るとともに、社会貢献活動や環境課題への対応になお一層真摯に取り組むことで企業の社会的責任を果たし、社会全体の発展に尽力していきます。
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。
株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。
当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、119,040百万円(前年同期比3.0%減)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済を概観すると、全体として緩やかな回復基調が継続しています。米国では、個人消費が底堅く推移する等、総じて景気回復が続きました。欧州では、英国で景気回復傾向が持続していることに加え、ユーロ圏でもドイツがけん引する形で持ち直しの動きが続きましたが、一部に一服感がみられました。アジアでは、中国で景気拡大のテンポは緩やかになっているものの、台湾の景気が緩やかに回復する等、総じて堅調な成長を維持しています。日本においては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動影響もありましたが、全体として和らぎ、基調的に緩やかな回復が続いています。
当社グループはこれまで進めてきた事業構造転換の結果、安定的に利益やキャッシュを創出できる経営基盤を構築しました。当連結会計年度からは、この強固な経営基盤をベースに、中期経営計画「VISION2016」(平成26年度~平成28年度)を達成すべく、「ヘルスケア」、「高機能材料」、「ドキュメント」の3事業分野を成長ドライバーとし、拡販活動や新製品の市場投入により、売上・シェア・利益の拡大を進めております。また、その他の事業においてもビジネス規模と市場での優位性を維持するとともに、あらゆる企業活動において生産性向上と効率化を進め、全事業における収益性向上に向けた取り組みを加速しております。
当社グループの当第3四半期連結累計期間における連結売上高は、デジタルカメラの高級機種へのシフトに伴い販売台数が減少した光学・電子映像事業とフラットパネルディスプレイ材料事業で売上が減少したものの、フォトイメージング事業、メディカルシステム事業、電子材料事業、ドキュメント事業等で売上を伸ばし、1,815,166百万円(前年同期比2.3%増)となりました。国内売上高は733,664百万円(前年同期比0.2%増)、海外売上高は1,081,502百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
営業利益は、各事業における収益性の改善や減価償却方法の変更に伴う影響等により、124,425百万円(前年同期比24.9%増)となりました。㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの連結子会社化による評価益21,224百万円を営業外収益に計上したこと等により、税金等調整前四半期純利益は153,177百万円(前年同期比34.1%増)、当社株主帰属四半期純利益は93,863百万円(前年同期比50.2%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① イメージング ソリューション部門
フォトイメージング事業では、写真プリントをその場で楽しめる魅力が再認識されたインスタントフォトシステムが全世界で好調に推移し、平成26年11月に発売した“チェキ”「instax mini ハローキティ」や、撮ったその場でチェキフィルムに出力できるスマートフォン用プリンター“スマホ de チェキ”「instax SHARE SP-1」に加え、絵柄入り等多種多彩なチェキフィルム等の販売が伸びました。また、良い写真を自動で選択・配置しフォトブックを最短5分でレイアウトできる「Year Album」の展開を韓国・香港等の海外でも開始する等、付加価値プリントビジネスの拡大により、売上が増加しました。
光学・電子映像事業では、コンパクトデジタルカメラのラインアップ縮小により売上は減少したものの、プレミアムデジタルカメラ「Xシリーズ」の販売が好調に推移しました。電子映像分野では、平成26年11月に発売したプレミアムコンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM X100T」や大口径望遠ズームレンズ「フジノンレンズ XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」等の販売が好調に推移しました。今後もラインアップを拡充し、販売を強化していきます。光学デバイス分野では、車載カメラ用レンズの販売は堅調に推移しましたが、スマートフォン用カメラモジュール等の販売が減少しました。
本部門の連結売上高は、フォトイメージング事業で売上を伸ばしたものの、デジタルカメラ等の売上の減少により、276,523百万円(前年同期比0.5%減)となりました。営業利益は、フォトイメージング事業におけるインスタントカメラの好調な販売や売上原価低減に加え、デジタルカメラの損益が改善したこと等により、17,412百万円(前年同期営業損失1,452百万円)となりました。
② インフォメーション ソリューション部門
メディカルシステム事業では、医療ITや超音波診断装置等の販売が好調に推移し、売上が増加しました。医療機器分野では、低価格・小型デジタルX線画像診断装置「FCR PRIMA」シリーズの販売が新興国等の海外を中心に、DR方式・カセッテ型デジタルX線画像診断装置「CALNEO」シリーズの販売が国内を中心に堅調に推移しました。また、新開発のノイズ低減回路と新画像処理ソフトウェアによる低線量・高画質と軽量化も実現したDR方式・カセッテ型デジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO Smart」シリーズの販売を平成26年12月に開始しました。医療IT分野では、医療情報統合による診療支援のため、医用画像情報システム(PACS)を中心に診療分野での事業拡大を進めています。当社グループのPACS「SYNAPSE」は、国内で引き続きトップシェアを維持しています。内視鏡分野では、新高画質電子内視鏡や新世代内視鏡システム「LASEREO」等の販売も堅調に推移しています。国内では平成26年10月に「LASEREO」のラインアップに鼻からの挿入が可能な上部消化管用経鼻内視鏡「EG-L580NW」を追加し、また新たな画像処理機能として、粘膜のわずかな色の違いを強調して、炎症の診断をサポートする「LCI(Linked Color Imaging)」の提供を開始しました。超音波診断装置分野では、ハイエンド超音波画像診断装置「X-Porte」の販売が北米を中心に好調に推移し、またFUJIFILM SonoSite, Inc.との技術を結集して開発した携帯型超音波診断装置「FUJIFILM FC1」の国内での販売を強化しています。
医薬品事業では、バイオ医薬品受託製造の販売が堅調に推移したものの、国内では抗菌薬市場全体の低調が続いたため、事業全体で売上は減少しました。バイオ医薬品分野では、ワクチン製造に強みを持つKalon Biotherapeutics, LLCの買収を完了し、バイオ医薬品事業のさらなる拡大を図っていきます。研究開発においては、アルツハイマー型認知症治療剤「T-817MA」の臨床第Ⅱ相試験を日本で実施しております。また、米国においては全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関であるAlzheimer's Disease Cooperative Studyと共同で臨床第Ⅱ相試験を実施しております。さらに、再発・難治性骨髄異形成症候群(MDS)治療剤「FF-10501」の臨床第I相試験を米国テキサス州立大学 MDアンダーソンがんセンターで実施する等、着実にパイプラインの開発を推進しています。再生医療分野では、国内で唯一再生医療製品の承認を取得し事業展開する㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの新株予約権のすべてを行使し、平成26年12月に連結子会社化しました。再生医療製品の開発の加速、再生医療の事業領域の拡大を進めていきます。
ライフサイエンス事業では、消費税増税による駆け込み需要の反動影響を受けましたが、新TVCMと連動した販売強化施策の展開等により挽回を図っています。また、平成26年9月には、新ベースメイクシリーズ「アスタリフト ライティングパーフェクション」、ヘアケアシリーズ「アスタリフト スカルプフォーカス」の販売を開始し「アスタリフト」ブランドのラインアップの強化を図りました。
グラフィックシステム事業では、国内では消費税増税による駆け込み需要の反動影響を受けたものの当第2四半期連結会計期間以降回復し、売上が増加しました。今後も主力であるCTPプレートのシェア拡大に加え、デジタルプリンティング機器や産業用インクジェットヘッドの拡販により、売上拡大を図ります。
フラットパネルディスプレイ材料事業では、好調なテレビ向け受注を背景に「フジタック」、VA用フィルムの販売が堅調に推移しましたが、モニター向け「WVフィルム」の受注減等の影響で、売上は減少しました。引き続き液晶テレビ向けに更なる拡販を図るとともに、需要拡大が見込まれる中小型向けにIPS用フィルム、「フジタック」、「WVフィルム」等の薄膜品での拡販を進めていきます。
産業機材事業では、工業用X線フィルムや圧力測定フィルム「プレスケール」等の販売が堅調に推移したものの、感圧紙の販売が総需要減少の影響を受けて減少したこと等により、売上が減少しました。当第3四半期連結会計期間に入り受注が増加している、スマートフォン・タブレット・ノートPC等に搭載されるタッチパネル用センサーフィルム「エクスクリア」や太陽電池用バックシート等、今後も成長が見込まれる新規事業での売上拡大を目指します。
電子材料事業では、先端品のフォトレジスト、CMPスラリー、及び処理剤等のフォトリソ周辺材料が好調だったことに加え、旧世代製品のフォトレジスト、ポリイミド等も堅調に推移し、引き続き幅広い製品の販売が各地域で伸長したことにより、売上が大幅に増加しました。
記録メディア事業では、業務用ビデオの販売が総需要減少の影響を受けて減少したものの、コンピューター用磁気テープの販売が堅調に推移し、売上が増加しました。「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」等の独自技術によるテープ高容量化とともに、データアーカイブサービス「d:ternity(ディターニティ)」の普及等により、データアーカイブ分野における一層の売上拡大を目指していきます。
本部門の連結売上高は、フラットパネルディスプレイ材料事業の売上が減少したものの、メディカルシステム事業や電子材料事業等で売上を伸ばし、683,173百万円(前年同期比1.8%増)となりました。営業利益は、各事業の収益性改善や減価償却方法の変更に伴う影響等により56,445百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
③ ドキュメント ソリューション部門
オフィスプロダクト事業は、国内において、当第3四半期連結会計期間のカラー複合機販売が好調に推移し、カラー複合機及びモノクロ複合機トータルの販売台数が増加しました。アフタービジネスは市場稼働台数の増加、1台あたりコピー枚数の増加はあったものの、コピー1枚あたりの単価下落影響により減収となりました。アジア・オセアニア地域においては、カラー複合機販売が好調に推移し、モノクロ複合機も販売台数が増加したため、トータルでも販売台数が増加しました。米国ゼロックス社向け輸出においては、カラー複合機の販売台数はやや増加したものの、モノクロ複合機の販売台数は減少しました。オフィスプロダクト事業トータルでの販売台数は増加しました。
オフィスプリンター事業は、国内においては、モノクロ機及びカラー機共に販売台数が減少しました。アジア・オセアニア地域においては、モノクロ機販売が好調に推移し、カラー機も販売台数が増加したため、トータルでも販売台数が増加しました。米国ゼロックス社向け輸出においては、モノクロ機及びカラー機共に販売台数が減少しました。オフィスプリンター事業トータルでの販売台数はほぼ前年同期並みとなりました。
プロダクションサービス事業は、国内のモノクロ・プロダクション・プリンター及び各地域のカラー・オンデマンド・パブリッシング・システムの販売が減少し、トータルでも販売台数が減少しましたが、販売商品構成の変化等により、売上は前年同期並みとなりました。
グローバルサービス事業は、国内においては、マネージド・プリント・サービス(MPS)ビジネスが好調に推移し、さらに連結対象となった富士ゼロックスサービスリンク㈱の売上寄与により、対前年同期で増収となりました。また、アジア・オセアニア地域においても増収となりました。
本部門の連結売上高は、アジア・オセアニア地域での売上増に加え、当年度より連結対象となった富士ゼロックスサービスリンク㈱の売上が寄与したこと等により、855,470百万円(前年同期比3.7%増)となりました。営業利益は、継続的な販売価格の下落と米ドル高による輸入価格アップの影響はあったものの、売上の増加に伴う売上総利益の増加に加え、継続した売上原価改善や販売費及び一般管理費比率の低減に向けた施策が寄与し、73,218百万円(前年同期比3.3%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」と記述します。)は、前連結会計年度末より93,335百万円増加し、当第3四半期連結会計期間末においては697,906百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は179,574百万円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して7,591百万円(4.1%)減少しておりますが、これは棚卸資産の増加及び営業債務の減少による資金支出が増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は104,847百万円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して10,432百万円(11.0%)増加しておりますが、これは有価証券・投資有価証券の購入額が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は13,314百万円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して7,988百万円(150.0%)増加しておりますが、これは配当金支払額が増加したこと等によるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当面の対処すべき課題の内容
当社グループは、前連結会計年度を最終年とする中期経営計画「VISION80」に基づく成長戦略を強力に推し進め、事業構造転換を図ってきた結果、さらなる成長に向けた経営基盤を確立しました。また、平成26年1月には、創立80周年を機に、当社グループが目指すべき将来の姿を示す新たなコーポレートスローガン「Value from Innovation」を制定しました。
新コーポレートスローガンのもと、世の中にあるさまざまな社会課題を解決することが当社グループの事業成長の機会と捉え、先進・独自の技術で、新たな価値を創出させ、中期的に安定成長できるビジネスポートフォリオを構築し、持続的な成長で社会に貢献できる企業を目指し、平成26年11月に中期経営計画「VISION2016」を策定しました。
当社グループは、6つの重点事業分野(ヘルスケア、高機能材料、ドキュメント、グラフィックシステム、光学デバイス、デジタルイメージング)の中でも、高い成長が期待できる「ヘルスケア」「高機能材料」「ドキュメント」の3事業分野に経営資源の集中投入を行い、売上及び利益を拡大していきます。「ヘルスケア」事業分野においては、メディカルシステム事業で、成長領域である医療IT、内視鏡及び超音波診断装置で年率2桁の売上成長を実現させます。医薬品事業では、バイオ医薬品受託製造で売上を拡大させ、また新薬開発を加速させます。ライフサイエンス事業では、当社グループの技術を生かし、差別化した機能性製品のラインアップを充実させ、売上を増加させます。「高機能材料」事業分野においては、フラットパネルディスプレイ材料事業、産業機材事業及び電子材料事業で、既存製品での優位性を維持しつつ、技術力を生かして、市場のニーズにマッチする収益性の高い新製品をタイムリーに投入していくことで売上及び利益を拡大していきます。また、この目標を実現するために、当社グループの基盤技術・コア技術を社外のビジネスパートナーに示し、新たな価値を「共創」することを目的とした「Open Innovation Hub(オープンイノベーション ハブ)」を開設しました。「ドキュメント」事業分野においては、国内をはじめ先進国で、サービス事業拡大やソリューション展開を強化させます。中国やその他の新興国では、市場ニーズにマッチしたコスト競争力のある製品の開発を強化し、成長を加速させます。これらに加え、売上原価改善施策等を継続し、売上及び利益を拡大していきます。また、上記の3事業分野以外においても、全社レベルでの現場力向上による競争力の強化により、全事業で収益性を向上させ、経営基盤をより強固なものにしていきます。これらの取り組みに加え、配当と自社株買いによる株主還元の強化により、株主資本利益率(ROE)の向上を実現します。
このほかにも、コーポレート・ガバナンスの充実や、コンプライアンス・リスクマネジメントの強化を図るとともに、社会貢献活動や環境課題への対応になお一層真摯に取り組むことで企業の社会的責任を果たし、社会全体の発展に尽力していきます。
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株主の皆様から経営を負託された当社取締役会は、その負託にお応えすべく、平素から当社グループの財務及び事業の方針を決定するにあたり、中長期的な視点に基づく持続的な成長を通じて、企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図ることがその責務であると考えております。この考え方に基づき、当社グループの企業理念のもと、「先進・独自の多様な技術力」と「グローバルネットワーク」、これらを下支えする「人材」と「企業風土」という当社グループの企業価値の源泉を伸張させること等により、企業価値の向上に努めてまいりました。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、中長期的な視点から当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の獲得を目的とした買収提案がなされた場合、それを受け入れるか否かは最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えております。
株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を検討するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社に買収者との十分な交渉機会を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものがあります。
当社は、当社株式の大量買付を行おうとする者が現れた場合は、株主の皆様のご判断に資するべく積極的な情報収集と適時開示に努めるとともに、当社の企業価値・株主共同の利益の確保及び向上を図るために、会社法及び金融商品取引法等の関係諸法令の範囲内で可能な措置を適切に講じてまいります。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、119,040百万円(前年同期比3.0%減)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。