有価証券報告書-第99期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/27 10:08
【資料】
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【項目】
148項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年3月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、経営理念「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」を掲げ、人々の健康と快適な生活の実現に真摯に向き合い、高品質な商品を提供し続けることで、社会と共に着実な成長を遂げております。また、経営理念の実現に向け、以下の行動様式(アースポリシー)及び価値観(アースバリュー)を定めております。
(アースポリシー)
・ お客様目線による市場創造
・ 熱意・創意・誠意
・ すぐやる・必ずやる・最後までやる
(アースバリュ-)
・ 全員参画
・ コミュニケーション
・ 人がすべて
(2) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を以下のように認識しております。
[家庭用品事業]
国内においては、ウィズコロナ下での経済活動の再開が進む一方で、ウクライナ侵攻や資源・エネルギー価格の高騰、急激な円安進行等によって、2022年度は当社グループの事業に大きな影響を与えました。また、急激な物価高騰に対する消費者の節約意識が高まりつつあり、個人消費の回復が低迷しています。今後も原材料価格の高騰、為替影響、加えて国内の消費動向は不透明な状況が続くものと考え、当社グループへの影響を注視する必要があります。一方、海外においては、中国ではゼロコロナ政策により経済活動の低迷は続きましたが、今後は規制緩和が進み、経済活動が再開するものと考え、当社グループの優位性を活かした製品の投入などを進め、同国での成長回復につなげていきます。また、東南アジアでは新型コロナウイルス感染症からの経済回復が早く、旺盛な内需等を背景に経済成長が進んでいます。同エリアにおいては今後も当社グループとの取り組みがマッチし、高い成長が維持されると推察しています。
[総合環境衛生事業]
主要な顧客層である食品関連業界をはじめ、医薬品関連業界、包材関連業界において異物混入対策などの衛生管理対策ニーズは高水準であり、全体的な事業環境は好調を持続すると考えています。しかし、新型コロナウイルス感染症のまん延やウクライナ危機による原料や資源の価格高騰に伴い、これまで締結している契約内容の縮小もしくは解約を要望する顧客側の動きなど、事業成長を一時的に抑圧する要因も抱えています。
(3) 優先的に対処すべき課題
当社グループは経営理念「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」のもと、社会課題の解決と事業収益拡大の両立を中核に据えた2021年~2023年(3ヵ年)の中期経営計画「Act For SMILE-COMPASS 2023-」を2021年2月に公表しております。本中期経営計画では、資本効率を意識し、収益性を一層高める経営を進めていくこととし、その達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)は営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROE(いずれも連結ベース)としています。最終年度である2023年の目標値は営業利益140~160億円、親会社株主に帰属する当期純利益100億円、ROE13%以上としておりますが、昨今の資源・エネルギー価格の上昇による原材料価格の高騰、為替影響などにより達成が困難な状況にあることから、KPIの見直しを図ります。ただし、本中期経営計画の施策に対する成果が出始めていることを受け、本計画の方向性や戦略は変更せず継続してまいります。加えて、以下に記載する課題を優先的に対処しつつ、変化に対応できる、より柔軟で筋肉質な体制へと強化し、持続可能な企業価値の向上へ取り組んでまいります。
[アジアにおける収益基盤の拡大]
当社グループは、アジアにおける収益基盤の拡大を中期経営計画における最重要戦略の一つに位置付けております。ウィズコロナの経済活動を再開したASEANは堅調な成長率を維持している一方、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中国は不透明な状況が続いています。各国の状況を注視し、適切に経営資源を配分し、展開基盤の強化を図っています。
ASEANでの展開については、同じASEANであっても各国で異なる気候・文化・嗜好・法規制などへ適切に対応するため、今後の成長が見込める国に拠点を設け、各国のニーズに見合った製品開発や販促施策を行い、収益拡大を目指しています。タイの現地法人Earth (Thailand) Co., Ltd.では、マーケティング費用の効率的な活用などによって収益構造の改善が進んでおります。今後も営業施策を強化し、ブランド認知度を向上させ、さらなるシェア拡大を目指すと同時に安定した収益基盤を構築してまいります。ベトナムの現地法人Earth Corporation Vietnamでは、活発な市場環境を背景に積極的に新製品を投入しシェア拡大を目指すとともに、収益性の向上を図ってまいります。加えて、同国の地理的優位性を活かし、中長期的な海外展開の主要な生産拠点として投資を継続してまいります。マレーシアの現地法人EARTH HOME PRODUCTS (MALAYSIA) SDN.BHD.では、コロナ禍からの経済回復が進んでいる環境下において、営業施策の見直し・強化を図り、虫ケア用品や芳香剤を投入し収益拡大に努めてまいります。また、2022年に買収したフィリピンの現地法人EARTH HOMECARE PRODUCTS (PHILIPPINES), INC.では、高い成長を続けている経済環境のもと、芳香剤や虫ケア用品を市場投入し、ブランド認知度の拡大に取り組んでまいります。今後も展開エリアの新規開拓によりASEANでのさらなる事業規模の拡大を図ってまいります。
中国での展開については、コロナ禍の経済低迷によって主力のECチャネル向け販売が停滞傾向にあります。主要ECチャネル以外の新興ECチャネルも積極的に活用し、虫ケア用品や洗口液、掃除用品など当社グループの優位性を活かした製品の投入により収益効率を高めてまいります。
輸出・越境ECでの展開については、各国における現地代理店との強固なパートナーシップによりきめ細かなマーケティング活動を展開し、国ごとに異なるニーズに見合う製品の開発と投入、高収益製品への注力を図り、将来的な展開国拡大に向けた基盤づくりを進めてまいります。
[ESG・オープンイノベーションの推進]
当社グループは「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」という経営理念のもと、国連が提唱するSDGsの達成に向けて、ESGの視点を組み込み、外部との連携によるオープンイノベーションの推進を通じ社会課題の解決を目指しております。
E(Environment:環境)の視点では、バリューチェーン全体に関連する気候変動を含む環境問題に配慮することは当社グループ全体の事業の持続可能性に直結し、中長期的な企業価値に係わる課題と認識しています。省エネルギーの取り組みや再生可能エネルギーへの転換、TCFDの枠組みに沿った情報開示の推進など、脱炭素社会への移行に貢献する活動の他、製品のライフサイクル全体の環境負荷に配慮した製品開発、製品づくりへの3R視点(リデュース・リユース・リサイクル)の活用、当社独自の環境基準「アースECO基準」の設定など、環境負荷低減に向けた取り組みを継続してまいります。
S(Social:社会)の視点では、アースバリュー「人がすべて」の価値観に基づき、多様な人財が活躍できる職場の実現を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を行ってまいります。従業員の健康と安全に配慮した職場環境のために健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組んでいます。2022年は当社の取り組みが優良であると認められ、経済産業省と日本健康会議が共同で選ぶ「健康経営優良法人2022ホワイト500」へ2年連続の認定を果たしました。これからも従業員の健康管理の促進、長時間労働の是正など、職場環境整備を継続してまいります。また、虫ケア用品のリーディングカンパニーとしての経験と知見を活かし、日本発の革新的触媒技術「MA-T System® (Matching Transformation System®)」の普及を通して、MA-T System®の社会的信用の向上や産業創造による経済効果の拡大、社会課題解決の可能性を探ることを当社のミッションと考えております。2022年は、MA-T System®を活用した医科歯科向け口腔ケア用品の開発、販売をするとともに、当社が加盟する日本MA-T工業会とパシフィックリーグマーケティング株式会社と公式衛生パートナーシップ契約を締結し、パ・リーグ6球団の衛生対策サポートを行うことになりました。当社は、今後も日本MA-T工業会をプラットフォームとして企業・研究機関その他の各種団体と連携し、幅広い産業でのMA-T System®の活用と価値向上へ取り組んでまいります。
G(Governance:企業統治)の視点では、あらゆるステークホルダーから信頼され、持続可能な経営を推進するために、透明性を持ったガバナンス、リスクマネジメントを行ってまいります。当社は2022年4月に株式会社東京証券取引所の新市場区分における「プライム市場」へ移行いたしました。今後もコーポレートガバナンス推進委員会の活動を通じて、2021年に改訂されたコーポレートガバナンス・コードに準拠し、企業価値の向上に資するようダイバーシティの推進や実効性のあるガバナンス体制を構築してまいります。
[グループ経営資源の活用によるシナジーの創出]
当社グループは、グループのコアである国内事業基盤をさらに盤石にするために、「一緒にやった方が合理的なものは一緒に、そうでないものは単独で」の考え方のもと、バックグラウンドの異なるグループ各社がお互いを認め合いながら、マーケティング・研究・調達・生産・物流・販売・システムなどバリューチェーン全方位での連携を強化し、シナジー創出を図っております。
具体的な取り組みとして、各社が持つユニークな視点や発想、独自の技術やノウハウを積極的に共有し、イノベーティブな商品開発を促進する技術交流会「INSPIRE ONE EARTH」を定期的に開催し、一社では成し得ない新商品のスピーディーな開発・発売を行っております。また、当社グループが市場をけん引する粉末入浴剤市場のさらなる活性化を目指し、『バスクリン』と『バスロマン』の容器の全面リニューアルを行っています。サステナブルな紙容器に統一したことで生産ラインの一本化に成功し、環境配慮だけでなく生産性向上を実現しています。その他、システム統合による業務の共有化と標準化の促進、原材料・包装資材の共同調達によるスケールメリットを活かしたコスト削減、キャッシュマネジメントシステムの適切な運用による効率的な資金管理などに取り組んでおります。
今後も生産物流拠点の合理化、グループ調達やグローバル調達の拡大、大規模なシステム投資による購買システムなどのITインフラの刷新、グループ間の人財流動化などにより、シナジーを生み出してまいります。
[独創的な環境衛生サービスの提供]
食品や医薬品、医療についての安全基準に対する国際的な調和の流れや、国内における法改正などを背景に、衛生管理の自社運用が強化されるなか、主要なお客様である食品関連業界や医薬品関連業界、包材関連業界においては、当社グループが専門的な知識や技術、ノウハウをもって提供する高品質な衛生管理サービスへのニーズが高まっている状況です。
こうした状況のもと、より高品質なサービスを提供するため、お客様のニーズに速やかに対応できる社内体制やネットワークシステムの構築を進めてまいります。また、今後の業容拡大に向けて、教育訓練用細胞培養加工施設の活用など、彩都総合研究所(大阪府茨木市)を拠点とした研究・技術開発や人財の教育訓練を継続するとともに、IoT・AIなどのデジタル技術を活用したサービスなど、お客様へのサービス向上、業務効率改善を目的とした投資を進めてまいります。
[業績評価・投資判断における評価軸の設定と収益管理]
当社グループは、成長力とともに収益性を高めるにあたり、資本効率を意識し、営業利益を最重要経営指標とした経営に取り組んでまいります。グループ各社で統一された業績評価基準の整備・明確化を進め、働き方改革の推進による労働生産性の向上へ向けて、基幹システムやグループICTインフラの刷新など過去最大規模のIT投資を行っており、これらを通じた経営資源の適切な配分によって、利益・キャッシュを効率的に創出してまいります。
具体的な取り組みとして、事業部別・カテゴリー別に評価単位を細分化し、利益管理指標を段階的に設け収益性を綿密に管理するとともに、投資案件ごとに資本コストを意識したハードルレートを設定し、投資効率を高めてまいります。
(4) 2023年12月期の業績計画及び達成に向けた取り組み
当社グループが成長ドライバーとして最も重視する海外での展開においては、主要な展開エリアであるASEAN・中国に現地法人を配し、経営資源を積極的に配分することで収益性の向上・収益基盤の構築を図ります。加えて、将来的な成長が見込める地域・国を調査し、新たな展開国の開拓も進めてまいります。また、輸出・越境ECにおいては、各国のニーズに見合う製品の開発と投入、高収益製品への注力を図ることで、収益貢献を目指します。
日本国内の展開については、気候変動やコロナ禍に伴う外部環境の変化の中、収益力を向上させるため、製品・サービスの投入や見直し、プロモーションの実施及び新たな販売チャネルの開拓を続けてまいります。また、虫ケア用品のリーディングカンパニーとしての経験と知見を活かし、日本発の革新的触媒技術「MA-T System® (Matching Transformation System®)」の普及を行ってまいります。MA-T System®の社会的信用の向上や産業創造による経済効果の拡大、社会課題解決の可能性を探ることを当社のミッションと考え、日本MA-T工業会をプラットフォームとして幅広い企業・研究機関・各種団体と連携し、幅広い産業でのMA-Tの活用と価値向上へ取り組んでまいります。
こうした活動による成果の評価基準として、事業部別・カテゴリー別に評価単位を細分化し、利益管理指標を段階的に設け収益性を綿密に管理するとともに、投資案件ごとに資本コストを意識したハードルレートを設定し、投資効率を高めてまいります。また、働き方改革の推進による労働生産性向上に向けて、基幹システムやグループICTインフラ刷新などの大規模なシステム投資を積極的に進めてまりいます。
これらの取り組みを踏まえ、2023年12月期の通期連結業績予想を売上高1,600億円(前期比5.0%増)、営業利益80億円(前期比7.6%増)、経常利益83億円(前期比2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益54億円(前期比1.8%増)としています。
[家庭用品事業] ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース
当事業におきましては、巣ごもり需要は落ち着きを見せているものの、ウィズコロナに向けた新しい生活様式が定着しつつあり、当社グループが取り扱う製品群への需要は継続するものと予測しております。一方で、原材料価格の高騰や円安による影響は当面継続すると見込んでいます。こうした状況において持続的な成長に必要な適正収益の確保を目指し、売上成長はもとより、原材料価格高騰の影響を考慮した製品価値に見合う適正価格での販売、経営資源の適切な配分、コスト効率の向上に取り組んでまいります。
当社グループの収益源である国内虫ケア用品については、コロナ禍で変容した市場を通じて、新たに掘り起こされたお客様の需要は今後も継続するものと予測しています。その中で、「予防」をコンセプトにした高単価・高付加価値製品の拡充、製造コストの低減、SNSなどを利用した効果的なプロモーションの実施、販売コストの効率化、年間定番製品の拡大などによる返品率の低減などを進めてまいります。日用品については、口腔衛生用品、入浴剤、消臭芳香剤など主たるカテゴリーにおいて、規模と収益を確保すると共に、新市場を創造していきます。これらに向けて、高付加価値新製品の投入・プロモーションの実施による話題提供、ECなど新たな販売チャネルの開拓を進めてまいります。
海外展開においては、各国で異なる気候・文化・嗜好・法規制などへ適切に対応するため、各国のニーズに見合った製品開発や販売施策を行ってまいります。タイの現地法人では、マーケティング費用の効率的な活用などによる収益構造の改善が進む中、当社グループの優位性を活かせるカテゴリーへの注力やブランド認知度の向上を通して、更なる成長を目指してまいります。ベトナムの現地法人では、積極的に新製品を投入し、シェア拡大を目指すと共に収益性の向上を図ってまいります。加えて、同国の地理的優位性を活かし、中長期的な海外展開の主要な生産拠点として投資を継続してまいります。マレーシアの現地法人では、営業施策の見直し・強化を図り、虫ケア用品や芳香剤を投入し、収益拡大に努めます。フィリピンの現地法人では、主に虫ケア用品の導入数を拡大しブランド認知度の向上に取り組んでまいります。
中国においては、新型コロナウイルス感染症の影響が継続すると予想される中、新たな販路を開拓し、虫ケア用品や洗口液、掃除用品など当社グループの優位性を活かした製品の投入により収益効率を高めてまいります。
また、製造コストダウンや販売にかかる費用の低減、返品削減、マーケティング費用のコントロールの継続により、適正な利益を確保します。
以上により、当事業における業績見通しを、売上高1,421億56百万円(当期比4.2%増)、セグメント利益(営業利益)67億50百万円(当期比14.3%増)としております。
[総合環境衛生事業] ※セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益ベース
当事業におきましては、彩都総合研究所を拠点に研究・技術開発や人財教育を進めるとともに、IoT・AIなどのデジタル技術を活用したサービスの提供、食品安全に関する監査業務の拡大、ライフサイエンス分野での展開の強化を図り、年間契約件数の増加による安定した収益拡大を目指します。
以上により、当事業における業績見通しを、売上高285億円(当期比1.9%増)、セグメント利益(営業利益)14億50百万円(当期比1.4%増)としています。

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