有価証券報告書-第79期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
有報資料
当社グループは、追い求めていくべき不変の基本的価値観である「自然と健康を科学する」という経営理念と、社会から必要とされ存在し続ける目的である「漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します」という企業使命を基本的な理念と位置づけ、理念に基づく経営を実践すべく、諸施策に取り組んでおります。
(1)漢方医学の確立
当社は、国内のどの医療機関・診療科においても、患者様が必要に応じて漢方を取り入れた治療を受けられる医療現場を実現することが重要であると考えており、より多くの医師が漢方を治療に取り入れていただくようになるために、卒前・卒直後・卒後の一貫した漢方医学教育の充実・定着・発展への継続的な支援を強化してまいります。
具体的には、大学医学部・医科大学における医学生への漢方医学教育の支援、臨床研修指定病院における研修医への漢方勉強会での支援、医師への各種漢方セミナーやプロモーション活動を体系立てて継続実施してまいります。
また、現在は、漢方薬が効果を発揮しやすい疾患・症状に対し、1疾患ごとに3~5種類の基本処方を選定して情報提供する活動を展開しております。これまで一つの疾患に対し一つの処方で対応していた医師に、複数の処方を提案することで治療の幅を拡げていただくことを目指しています。
さらに、当社は中長期的な視野に立ち、外部環境の変化を把握し、予測しながら、計画的に行動してまいりたいと考えております。例えば、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を中心にした認知症対策の国家戦略や、総合診療医の養成、在宅医療の推進等を含む「地域包括ケアシステム」の構築といった医療政策、そして、人口動態にともなう疾病構造の変化(高齢者疾患、女性特有の疾患等)等を適切に捉えた取り組みを進めてまいります。
(2)育薬の推進
当社は、医療用漢方製剤129処方の中から「大建中湯」「六君子湯」「抑肝散」「牛車腎気丸」「半夏瀉心湯」の5つを育薬処方とし、専門領域における育薬処方および関連処方のエビデンス確立に向けた基礎・臨床研究を推進しております。
加えて、副作用発現頻度調査や相互作用といった安全性データの構築、育薬5処方他の主要成分レベルでのADME(薬物動態)*の解明を目指して活動を推進しております。
エビデンスに基づき「有効性」を証明し、副作用発現頻度調査等で「安全性」を明確にし、そして安定性・均質性の高い「品質」を保証した医療用医薬品として進化させていくこと、さらに、医療経済的検討を加えて国民医療に貢献していくこと、これが医療用漢方製剤における喫緊の課題と考えております。そのために、今後も研究・開発・情報提供活動を充実させ、患者様が安心・安全に漢方製剤を服用し、治療効果を上げられるよう努めてまいります。
* ADME(薬物動態)試験:生体に薬物を投与した後に体内でどのような動態を示すかをみるための試験。ADMEとは、吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)の略語。
(3)漢方の国際化
当社は、医療用漢方製剤の製造・販売を通じて培った技術・ノウハウと、日本国内の育薬研究による基礎・臨床の最新データを米国開発に連携させる体制を整え、「TU-100(大建中湯)」の米国における医療用医薬品としての承認取得・上市を目標に活動しております。
現在、米国の医療機関で、POI(術後腸管麻痺)、IBS(過敏性腸症候群)、クローン病(炎症性腸疾患)を対象にPhase-Ⅱ段階の臨床治験を実施しております。
また、当社は、これまでも常に最新の技術を用いて漢方製剤の品質管理を進めてまいりましたが、米国食品医薬品局(FDA)も複数の植物を原料とする生薬製剤の品質の評価方法や、その製品の均一性について重要視しています。平成26年には、バイオアッセイ*1・HPLC-FP*2による植物薬の科学的品質評価法の確立に向け、FDAとの公式ミーティングを実施し、一定の合意を得ることができました。
引き続きミーティング等にてFDAとの相互理解を得ながら、米国での漢方製剤の上市に向けた活動を進めてまいります。
*1 バイオアッセイ:生物検定法
*2 HPLC-FP:化学分析法のひとつ(高速液体クロマトグラフィー法による成分分析)
(4)生産能力の増強と品質管理体制の充実
当社は、医療用漢方製剤の販売数量増加に対応した製品の安定供給体制を維持するため、静岡・茨城・上海の3拠点において、現状の生産能力を最大限に発揮するとともに、計画的・段階的に設備を増強していく方針です。具体的には、既設設備の基礎能力向上に努めるとともに、ロボット技術等の新生産技術の導入を図り、省人化・省力化を推し進めております。
さらに、品質管理体制の充実を目指し、「製造販売後安全管理基準と製造販売後品質保証基準の体制強化」「品質保証システムの確立」「新しい品質管理技術の導入」の3つを推進しております。
(5)安全な生薬の安定確保
当社は、安全な生薬の安定確保のために、漢方製剤の長期的な需要予測に基づき、国内外での生薬栽培地の拡大、加工・品質管理・保管能力の強化等について、中長期的な計画を立案しております。厳しい品質基準を満たす生薬を安定的に調達するため、「自社管理圃場の拡大」「安全な生薬の生産管理体制の確立」「生薬の加工・品質管理体制の強化および効率化」「原料生薬の価格の安定化」の4つを重点的に推し進めております。
また、野生生薬の栽培化を進め、野生品に頼らない調達の実現による安定化という課題にもチャレンジしてまいります。
(6)開かれた会社の創造
当社は、「社会や人々のお役に立てる企業」「人に優しい企業」という基本基調のもと、人の成長と組織力の向上を目指し、世界に手本のない漢方・生薬事業において、一人ひとりが考え行動し、自らが新しい道を開拓できる人財を養成します。さらに、生薬の栽培・加工等、漢方・生薬事業を通じて、障がい者や高齢者の雇用機会の拡大、日本や中国、ラオスにおける生薬栽培農家の雇用機会の創出を図り、当社グループ独自の人的ネットワークにおける多様性の確立を目指します。
また、当社は、各国生薬産地の自然環境を大切な「資本」と考えた経営を行い、持続的に生薬が調達できるための栽培研究や環境保全対策等、当社独自の環境資本政策を推し進めるとともに、生薬残さの再資源化等、大地を基点とした「循環の仕組み」づくりに、グループ全体で取り組んでまいります。
(1)漢方医学の確立
当社は、国内のどの医療機関・診療科においても、患者様が必要に応じて漢方を取り入れた治療を受けられる医療現場を実現することが重要であると考えており、より多くの医師が漢方を治療に取り入れていただくようになるために、卒前・卒直後・卒後の一貫した漢方医学教育の充実・定着・発展への継続的な支援を強化してまいります。
具体的には、大学医学部・医科大学における医学生への漢方医学教育の支援、臨床研修指定病院における研修医への漢方勉強会での支援、医師への各種漢方セミナーやプロモーション活動を体系立てて継続実施してまいります。
また、現在は、漢方薬が効果を発揮しやすい疾患・症状に対し、1疾患ごとに3~5種類の基本処方を選定して情報提供する活動を展開しております。これまで一つの疾患に対し一つの処方で対応していた医師に、複数の処方を提案することで治療の幅を拡げていただくことを目指しています。
さらに、当社は中長期的な視野に立ち、外部環境の変化を把握し、予測しながら、計画的に行動してまいりたいと考えております。例えば、「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を中心にした認知症対策の国家戦略や、総合診療医の養成、在宅医療の推進等を含む「地域包括ケアシステム」の構築といった医療政策、そして、人口動態にともなう疾病構造の変化(高齢者疾患、女性特有の疾患等)等を適切に捉えた取り組みを進めてまいります。
(2)育薬の推進
当社は、医療用漢方製剤129処方の中から「大建中湯」「六君子湯」「抑肝散」「牛車腎気丸」「半夏瀉心湯」の5つを育薬処方とし、専門領域における育薬処方および関連処方のエビデンス確立に向けた基礎・臨床研究を推進しております。
加えて、副作用発現頻度調査や相互作用といった安全性データの構築、育薬5処方他の主要成分レベルでのADME(薬物動態)*の解明を目指して活動を推進しております。
エビデンスに基づき「有効性」を証明し、副作用発現頻度調査等で「安全性」を明確にし、そして安定性・均質性の高い「品質」を保証した医療用医薬品として進化させていくこと、さらに、医療経済的検討を加えて国民医療に貢献していくこと、これが医療用漢方製剤における喫緊の課題と考えております。そのために、今後も研究・開発・情報提供活動を充実させ、患者様が安心・安全に漢方製剤を服用し、治療効果を上げられるよう努めてまいります。
* ADME(薬物動態)試験:生体に薬物を投与した後に体内でどのような動態を示すかをみるための試験。ADMEとは、吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)の略語。
(3)漢方の国際化
当社は、医療用漢方製剤の製造・販売を通じて培った技術・ノウハウと、日本国内の育薬研究による基礎・臨床の最新データを米国開発に連携させる体制を整え、「TU-100(大建中湯)」の米国における医療用医薬品としての承認取得・上市を目標に活動しております。
現在、米国の医療機関で、POI(術後腸管麻痺)、IBS(過敏性腸症候群)、クローン病(炎症性腸疾患)を対象にPhase-Ⅱ段階の臨床治験を実施しております。
また、当社は、これまでも常に最新の技術を用いて漢方製剤の品質管理を進めてまいりましたが、米国食品医薬品局(FDA)も複数の植物を原料とする生薬製剤の品質の評価方法や、その製品の均一性について重要視しています。平成26年には、バイオアッセイ*1・HPLC-FP*2による植物薬の科学的品質評価法の確立に向け、FDAとの公式ミーティングを実施し、一定の合意を得ることができました。
引き続きミーティング等にてFDAとの相互理解を得ながら、米国での漢方製剤の上市に向けた活動を進めてまいります。
*1 バイオアッセイ:生物検定法
*2 HPLC-FP:化学分析法のひとつ(高速液体クロマトグラフィー法による成分分析)
(4)生産能力の増強と品質管理体制の充実
当社は、医療用漢方製剤の販売数量増加に対応した製品の安定供給体制を維持するため、静岡・茨城・上海の3拠点において、現状の生産能力を最大限に発揮するとともに、計画的・段階的に設備を増強していく方針です。具体的には、既設設備の基礎能力向上に努めるとともに、ロボット技術等の新生産技術の導入を図り、省人化・省力化を推し進めております。
さらに、品質管理体制の充実を目指し、「製造販売後安全管理基準と製造販売後品質保証基準の体制強化」「品質保証システムの確立」「新しい品質管理技術の導入」の3つを推進しております。
(5)安全な生薬の安定確保
当社は、安全な生薬の安定確保のために、漢方製剤の長期的な需要予測に基づき、国内外での生薬栽培地の拡大、加工・品質管理・保管能力の強化等について、中長期的な計画を立案しております。厳しい品質基準を満たす生薬を安定的に調達するため、「自社管理圃場の拡大」「安全な生薬の生産管理体制の確立」「生薬の加工・品質管理体制の強化および効率化」「原料生薬の価格の安定化」の4つを重点的に推し進めております。
また、野生生薬の栽培化を進め、野生品に頼らない調達の実現による安定化という課題にもチャレンジしてまいります。
(6)開かれた会社の創造
当社は、「社会や人々のお役に立てる企業」「人に優しい企業」という基本基調のもと、人の成長と組織力の向上を目指し、世界に手本のない漢方・生薬事業において、一人ひとりが考え行動し、自らが新しい道を開拓できる人財を養成します。さらに、生薬の栽培・加工等、漢方・生薬事業を通じて、障がい者や高齢者の雇用機会の拡大、日本や中国、ラオスにおける生薬栽培農家の雇用機会の創出を図り、当社グループ独自の人的ネットワークにおける多様性の確立を目指します。
また、当社は、各国生薬産地の自然環境を大切な「資本」と考えた経営を行い、持続的に生薬が調達できるための栽培研究や環境保全対策等、当社独自の環境資本政策を推し進めるとともに、生薬残さの再資源化等、大地を基点とした「循環の仕組み」づくりに、グループ全体で取り組んでまいります。