有価証券報告書-第90期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/23 14:00
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【項目】
161項目
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦をはじめとする通商問題などにより、中国経済やアジア新興国経済の減速が見られました。国内経済は、輸出の弱含みが継続したことに加え、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響によって先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、2016年度よりスタートしました第4次中期5ヵ年経営計画の方針(「事業の新陳代謝」や「真のグローバル化」など)に沿った重点施策を進め、事業の拡大や収益性の向上、事業開発の促進に注力してまいりました。しかしながら、業績面では、需要環境の悪化が継続していることによる販売数量の減少が収益に影響しました。その結果、当連結会計年度の売上高は729億67百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益は25億74百万円(同27.8%減)、経常利益は29億27百万円(同25.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億32百万円(同55.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。また、報告セグメントに含まれないその他事業は、売上高は2億77百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は31百万円(同17.6%増)となりました。
製紙薬品事業
製紙業界は、eコマース市場(電子商取引)の世界的な成長に伴い、段ボール原紙など板紙の需要は堅調に推移したものの、国内では輸出の減少や天候の影響による需要不振がありました。このような環境のもと、当事業におきましては、国内では板紙向け紙力増強剤などの販売が減少しました。利益面では、海外での収益性の改善があったものの、国内における販売減により減益となりました。
その結果、売上高は189億12百万円(前年同期比11.2%減)、セグメント利益は3億46百万円(同5.3%減)となりました。
コーティング事業
電機・精密機器関連業界は、車載向け電子部品やスマートフォン向けの需要が引き続き低調でした。また、印刷インキ業界では出版・広告分野で市場の縮小が続いております。このような環境のもと、当事業におきましては、機能性コーティング材料用の熱硬化型樹脂の販売は堅調に推移しました。一方、主力の光硬化型樹脂は大幅に減少しましたが、一部で需要の回復が進みました。
その結果、売上高は160億92百万円(前年同期比10.8%減)、セグメント利益は9億73百万円(同7.4%減)となりました。
粘接着事業
粘着・接着剤業界は、世界的に紙おむつ向け接着剤の需要増加が継続しており、粘着性付与剤の供給能力も増強されています。このような環境のもと、当事業におきましては、水素化石油樹脂は、生産拠点を置くドイツのコンビナートが再度停止したことに伴う原材料コスト上昇や、定期修理での生産停止が重なったことに加え、市場における需給バランスの軟化もあり、収益の悪化が継続しました。
その結果、売上高は258億36百万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益は10億48百万円(同40.1%減)となりました。
機能性材料事業
電子工業業界は、米中貿易摩擦の影響などにより電子部品やスマートフォンの需要が引き続き低調でした。このような環境のもと、当事業におきましては、電子材料用配合製品およびスマートフォン関連の販売は減少しました。
その結果、売上高は118億48百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益は3億85百万円(同39.1%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ15億74百万円減少し、906億円となりました。主な要因は、有形固定資産が57億76百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が42億80百万円、投資有価証券が13億42百万円、たな卸資産が17億11百万円減少したことなどによります。
負債は、支払手形及び買掛金が30億4百万円、繰延税金負債が5億84百万円、未払法人税等が4億58百万円減少した一方、社債が50億円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ7億24百万円増加し、365億72百万円となりました。
純資産は、自己株式の増加や、その他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ22億99百万円減少し、540億27百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億74百万円増加し、95億45百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、75億34百万円の増加となりました。これは、仕入債務の減少(29億34百万円)などにより資金が減少した一方、期末日休日の影響を含む売上債権の減少(44億52百万円)、税金等調整前当期純利益(31億22百万円)、減価償却費(28億87百万円)などにより資金が増加した結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、90億1百万円の減少となりました。これは、固定資産の取得による支出(91億51百万円)が主なものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、20億84百万円の増加となりました。これは、自己株式の取得による支出(11億97百万円)および配当金の支払額(9億1百万円)により減少した一方、社債の発行による収入(49億74百万円)の増加が主なものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称数量(トン)前年同期比(%)
製紙薬品事業210,661△8.4
コーティング事業46,141△8.4
粘接着事業86,027△3.9
機能性材料事業10,628△1.1
合計353,457△7.2

(注) その他事業においては、生産をおこなっておりません。
b 受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予測に基づいて見込生産方式をとっております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
製紙薬品事業18,912△11.2
コーティング事業16,092△10.8
粘接着事業25,836△6.7
機能性材料事業11,848△2.8
その他事業277+4.2
合計72,967△8.2

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の状況および報告期間に発生した費用・収益、ならびに将来の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすような偶発的事項に関して、適切な分析・見積りをおこなっております。
資産の評価方法および引当金の計上方法などの方針は、保守主義の原則に沿って、健全性を優先して適切に定めております。
このように、当社グループでは、必要な流動性の維持、事業活動に十分な資金の確保、健全なバランスシートの維持、および正確な費用収益の対応と真実の利益表示を会計方針としております。
重要な会計方針及び見積りの具体的な内容ならびに新型コロナウイルス感染症の影響については、「5 経理の状況」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2016年度よりスタートしました第4次中期5ヵ年経営計画の前半は、概ね目標に沿って推移しましたが当初計画していた中計重点施策の進捗の遅れ、2017年12月に発生しました富士工場爆発・火災事故や米中貿易摩擦の影響等による需要環境の悪化もあり、収益性が低下しました。このような状況に加え、新型コロナウイルスの感染拡大などによる需要環境変化も起こり、売上高1,000億円、営業利益58億円、経常利益60億円、当期純利益37億円、ROE6.5%以上の計数目標達成は困難な見込みであります。しかしながら、第4次中計の基本方針は変更せず、中計最終年度も引き続き「SHIFT実現体制」の構築および「事業の新陳代謝」を実践し、収益性向上に努め、新規事業開発である「みつける」「そだてる」を促進していくことで、第5次中期経営計画に繋げてまいります。
第4次中計の重点施策の主なものは、次のとおりであります。
水素化石油樹脂の共同事業化につきましては、2018年2月に千葉アルコン製造㈱を設立し、2020年度末のプラント稼働に向け、準備を進めております。同業他社のプラント建設による供給増もありますが、樹脂の主要用途である紙おむつ用のホットメルト接着剤は、新興国の生活水準向上にともない引き続き拡大していくものと見込んでおります。
アジア地域における生産・販売体制強化による事業拡大推進につきましては、2019年12月に荒川ケミカルベトナム社を設立し、2021年中の稼働開始を目指し、準備を進めております。ASEANでは、高い経済成長を背景に紙の需要が増大し、紙・パルプ産業が急成長しており、引き続き拡大していくものと見込んでおります。
なお、第4次中計におけるセグメント別の経営目標は以下のとおりであります。
(百万円)
2018年度
(実績)
2019年度
(実績)
2020年度
(予想)
2020年度
(中計目標)
製紙薬品売上高21,29518,91218,20025,000
セグメント利益3663463001,700
コーティング売上高18,04916,09216,80023,000
セグメント利益1,0519731,4001,300
粘接着売上高27,69825,83625,30036,000
セグメント利益1,7511,0481,5002,700
機能性材料売上高12,19211,84812,40016,000
セグメント利益6323854001,100

資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の長期的な資金需要に関しては、金融機関からの長期借入や社債の発行により調達しております。
また、グループ会社の資金調達につきましては、当社において一元管理しております。
なお、当社は格付を取得しており、本報告書提出日時点において、日本格付研究所「A-」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な状況下におきましても当社グループの事業の維持・拡大、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因および対応策ならびに新型コロナウイルスの影響につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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