有価証券報告書-第91期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、中国を中心とした回復や米国などでは一部持ち直しの動きがみられます。一方、国内経済においては、製造業では持ち直しの動きがみられますが、同感染症の拡大による経済全般の下振れリスクが高まっています。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、同感染症拡大の防止策を徹底し、生産活動等の維持、継続に努めるとともに、2016年度よりスタートしました第4次中期5ヵ年経営計画の方針(「事業の新陳代謝」や「真のグローバル化」など)に沿った重点施策を進め、事業の拡大や収益性の向上、事業開発の促進に注力してまいりました。業績面では、同感染症の影響により需要環境が悪化し、販売数量は減少したものの、高付加価値製品の拡販や海外における需要の回復、収益改善策の推進などにより減収ながらも増益となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は705億72百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は32億57百万円(同26.5%増)、経常利益は36億52百万円(同24.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億69百万円(同25.3%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。また、報告セグメントに含まれないその他事業は、売上高は2億63百万円(前年同期比5.2%減)、セグメント利益は26百万円(同16.2%減)となりました。
製紙薬品事業
製紙業界は、eコマース市場(電子商取引)の世界的な成長に伴う、段ボール原紙など板紙の需要は堅調に推移しました。一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、印刷用紙では市場の縮小が加速しております。このような環境のもと、当事業におきましては、サイズ剤などの販売が大幅に減少しましたが、紙力増強剤は中国などのアジアで回復しました。
その結果、売上高は171億4百万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益は5億65百万円(同63.1%増)となりました。
コーティング事業
電機・精密機器関連業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、車載向け電子部品などは一時的な需要低下がありました。一方、印刷インキ業界では、同感染症の影響により出版・広告分野で市場の縮小が加速しております。このような環境のもと、当事業におきましては、印刷インキ用樹脂や塗料用樹脂などの販売は大幅に減少しましたが、機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂は5G関連分野での販売が好調に推移しました。
その結果、売上高は155億18百万円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益は13億24百万円(同36.0%増)となりました。
粘接着事業
粘着・接着剤業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車関連分野を中心とした需要低下がありましたが、第3四半期以降は回復基調に転じました。また、世界的に紙おむつ向け接着剤の需要は堅調に推移しておりますが、同感染症の影響による一時的な弱さが見られました。このような環境のもと、当事業におきましては、中国でのロジン系粘着・接着剤用樹脂の販売が回復しました。水素化石油樹脂は、市場における需給バランスの軟化などに伴う市況の低迷がありましたが、過年度におけるドイツのコンビナート停止に伴うコスト上昇の影響は緩和されました。
その結果、売上高は254億33百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益は13億44百万円(同28.2%増)となりました。
機能性材料事業
電子工業業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車関連分野や電子部品などの需要が低調でしたが、第3四半期以降は回復基調に転じました。また、同感染症の拡大を背景とするテレワークの増加などによる電子媒体関連や5G関連分野の需要は堅調に推移しました。このような環境のもと、当事業におきましては、精密部品洗浄剤などの販売は減少しましたが、電子材料用配合製品は回復し、ファインケミカル製品、精密研磨剤および低誘電ポリイミド樹脂は堅調に推移しました。
その結果、売上高は122億52百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は5億28百万円(同36.9%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ151億57百万円増加し、1,057億57百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が11億71百万円、建設仮勘定が83億1百万円減少した一方、建物及び構築物が72億16百万円、機械装置及び運搬具が80億24百万円、投資有価証券が26億33百万円増加したことなどによります。
負債は、短期借入金が28億75百万円、繰延税金負債が16億40百万円、資産除去債務が14億52百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ105億94百万円増加し、471億66百万円となりました。
純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ45億62百万円増加し、585億90百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ22億3百万円減少し、73億42百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、36億85百万円の増加となりました。これは、たな卸資産の増加(16億34百万円)などにより資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益(38億42百万円)、減価償却費(29億80百万円)などにより資金が増加した結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、72億98百万円の減少となりました。これは、固定資産の取得による支出(60億29百万円)が主なものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、13億54百万円の増加となりました。これは、長期借入金の返済による支出(3億10百万円)および配当金の支払額(8億72百万円)などにより資金が減少した一方、短期借入金の増加(29億74百万円)により資金が増加した結果であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) その他事業においては、生産をおこなっておりません。
b 受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予測に基づいて見込生産方式をとっております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2016年度よりスタートした第4次中期5ヵ年経営計画において、前半は概ね計数目標に沿って推移し、SHIFT実現体制の構築など中計で掲げた施策は着実に進捗しました。しかしながら、最終年度である2020年度は、売上高1,000億円、営業利益58億円、経常利益60億円、親会社株主に帰属する当期純利益37億円、ROE6.5%以上の目標に対し、売上高705億円、営業利益32億円、経常利益36億円、親会社株主に帰属する当期純利益21億円、ROE4.0%と、目標を大きく下回りました。
未達の要因としましては、千葉アルコン製造㈱、荒川ケミカルベトナム社の稼働などの重点施策の決定が当初計画より遅れたことに加え、2017年12月に発生しました富士工場爆発・火災事故による収益性の低下がありました。また、第4次中計期間中は、米中貿易摩擦の影響、新型コロナウイルスの感染拡大などによる需要構造の変化などもあり、販売数量が減少しました。加えて、ドイツのコンビナート停止等に伴う原料コストの上昇により収益性の悪化がありました。
第4次中計の重点施策の主なものは、次のとおりであります。
水素化石油樹脂の共同事業化につきましては、2018年2月に千葉アルコン製造㈱を設立し、プラント本稼働に向けて準備を進めております。同業他社のプラント建設による供給増もありますが、樹脂の主要用途である紙おむつ用ホットメルト接着剤は、新興国の生活水準向上に伴い、引き続き拡大していくものと見込んでおります。
アジア地域における生産・販売体制強化による事業拡大推進につきましては、2019年12月に荒川ケミカルベトナム社を設立し、2021年中の稼働開始を目指し、準備を進めております。ASEANでは、高い経済成長を背景に紙の需要が増大し、紙・パルプ産業が急成長しており、引き続き拡大していくものと見込んでおります。
なお、第4次中計におけるセグメント別の実績および経営目標は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
このような結果にいたりましたが、コア技術・素材の強化による新規事業の創出に努めるとともに、市場環境の変化のスピードに対応すべく事業ポートフォリオ改革を進め、第4次中計からの重点施策の早期達成による成果の最大化と、新たな付加価値の創造、およびすべてのステークホルダーとともに持続可能な地球環境と社会の実現への貢献を目指し、第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)に繋げてまいります。
資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の長期的な資金需要に関しては、金融機関からの長期借入や社債の発行により調達しております。
また、グループ会社の資金調達につきましては、当社において一元管理しております。
なお、当社は格付を取得しており、本報告書提出日時点において、日本格付研究所「A-」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な状況下におきましても当社グループの事業の維持・拡大、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因および対応策ならびに新型コロナウイルスの影響につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、中国を中心とした回復や米国などでは一部持ち直しの動きがみられます。一方、国内経済においては、製造業では持ち直しの動きがみられますが、同感染症の拡大による経済全般の下振れリスクが高まっています。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、同感染症拡大の防止策を徹底し、生産活動等の維持、継続に努めるとともに、2016年度よりスタートしました第4次中期5ヵ年経営計画の方針(「事業の新陳代謝」や「真のグローバル化」など)に沿った重点施策を進め、事業の拡大や収益性の向上、事業開発の促進に注力してまいりました。業績面では、同感染症の影響により需要環境が悪化し、販売数量は減少したものの、高付加価値製品の拡販や海外における需要の回復、収益改善策の推進などにより減収ながらも増益となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は705億72百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は32億57百万円(同26.5%増)、経常利益は36億52百万円(同24.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億69百万円(同25.3%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。また、報告セグメントに含まれないその他事業は、売上高は2億63百万円(前年同期比5.2%減)、セグメント利益は26百万円(同16.2%減)となりました。
製紙薬品事業
製紙業界は、eコマース市場(電子商取引)の世界的な成長に伴う、段ボール原紙など板紙の需要は堅調に推移しました。一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、印刷用紙では市場の縮小が加速しております。このような環境のもと、当事業におきましては、サイズ剤などの販売が大幅に減少しましたが、紙力増強剤は中国などのアジアで回復しました。
その結果、売上高は171億4百万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益は5億65百万円(同63.1%増)となりました。
コーティング事業
電機・精密機器関連業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、車載向け電子部品などは一時的な需要低下がありました。一方、印刷インキ業界では、同感染症の影響により出版・広告分野で市場の縮小が加速しております。このような環境のもと、当事業におきましては、印刷インキ用樹脂や塗料用樹脂などの販売は大幅に減少しましたが、機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂は5G関連分野での販売が好調に推移しました。
その結果、売上高は155億18百万円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益は13億24百万円(同36.0%増)となりました。
粘接着事業
粘着・接着剤業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車関連分野を中心とした需要低下がありましたが、第3四半期以降は回復基調に転じました。また、世界的に紙おむつ向け接着剤の需要は堅調に推移しておりますが、同感染症の影響による一時的な弱さが見られました。このような環境のもと、当事業におきましては、中国でのロジン系粘着・接着剤用樹脂の販売が回復しました。水素化石油樹脂は、市場における需給バランスの軟化などに伴う市況の低迷がありましたが、過年度におけるドイツのコンビナート停止に伴うコスト上昇の影響は緩和されました。
その結果、売上高は254億33百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益は13億44百万円(同28.2%増)となりました。
機能性材料事業
電子工業業界は、新型コロナウイルス感染症の影響により、自動車関連分野や電子部品などの需要が低調でしたが、第3四半期以降は回復基調に転じました。また、同感染症の拡大を背景とするテレワークの増加などによる電子媒体関連や5G関連分野の需要は堅調に推移しました。このような環境のもと、当事業におきましては、精密部品洗浄剤などの販売は減少しましたが、電子材料用配合製品は回復し、ファインケミカル製品、精密研磨剤および低誘電ポリイミド樹脂は堅調に推移しました。
その結果、売上高は122億52百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は5億28百万円(同36.9%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ151億57百万円増加し、1,057億57百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が11億71百万円、建設仮勘定が83億1百万円減少した一方、建物及び構築物が72億16百万円、機械装置及び運搬具が80億24百万円、投資有価証券が26億33百万円増加したことなどによります。
負債は、短期借入金が28億75百万円、繰延税金負債が16億40百万円、資産除去債務が14億52百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ105億94百万円増加し、471億66百万円となりました。
純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ45億62百万円増加し、585億90百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ22億3百万円減少し、73億42百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、36億85百万円の増加となりました。これは、たな卸資産の増加(16億34百万円)などにより資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益(38億42百万円)、減価償却費(29億80百万円)などにより資金が増加した結果であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、72億98百万円の減少となりました。これは、固定資産の取得による支出(60億29百万円)が主なものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、13億54百万円の増加となりました。これは、長期借入金の返済による支出(3億10百万円)および配当金の支払額(8億72百万円)などにより資金が減少した一方、短期借入金の増加(29億74百万円)により資金が増加した結果であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 数量(トン) | 前年同期比(%) |
| 製紙薬品事業 | 200,296 | △4.9 |
| コーティング事業 | 42,075 | △8.8 |
| 粘接着事業 | 90,502 | +5.2 |
| 機能性材料事業 | 11,652 | +9.6 |
| 合計 | 344,525 | △2.5 |
(注) その他事業においては、生産をおこなっておりません。
b 受注実績
当社グループは過去の販売実績と将来の予測に基づいて見込生産方式をとっております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 製紙薬品事業 | 17,104 | △9.6 |
| コーティング事業 | 15,518 | △3.6 |
| 粘接着事業 | 25,433 | △1.6 |
| 機能性材料事業 | 12,252 | +3.4 |
| その他事業 | 263 | △5.2 |
| 合計 | 70,572 | △3.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2016年度よりスタートした第4次中期5ヵ年経営計画において、前半は概ね計数目標に沿って推移し、SHIFT実現体制の構築など中計で掲げた施策は着実に進捗しました。しかしながら、最終年度である2020年度は、売上高1,000億円、営業利益58億円、経常利益60億円、親会社株主に帰属する当期純利益37億円、ROE6.5%以上の目標に対し、売上高705億円、営業利益32億円、経常利益36億円、親会社株主に帰属する当期純利益21億円、ROE4.0%と、目標を大きく下回りました。
未達の要因としましては、千葉アルコン製造㈱、荒川ケミカルベトナム社の稼働などの重点施策の決定が当初計画より遅れたことに加え、2017年12月に発生しました富士工場爆発・火災事故による収益性の低下がありました。また、第4次中計期間中は、米中貿易摩擦の影響、新型コロナウイルスの感染拡大などによる需要構造の変化などもあり、販売数量が減少しました。加えて、ドイツのコンビナート停止等に伴う原料コストの上昇により収益性の悪化がありました。
第4次中計の重点施策の主なものは、次のとおりであります。
水素化石油樹脂の共同事業化につきましては、2018年2月に千葉アルコン製造㈱を設立し、プラント本稼働に向けて準備を進めております。同業他社のプラント建設による供給増もありますが、樹脂の主要用途である紙おむつ用ホットメルト接着剤は、新興国の生活水準向上に伴い、引き続き拡大していくものと見込んでおります。
アジア地域における生産・販売体制強化による事業拡大推進につきましては、2019年12月に荒川ケミカルベトナム社を設立し、2021年中の稼働開始を目指し、準備を進めております。ASEANでは、高い経済成長を背景に紙の需要が増大し、紙・パルプ産業が急成長しており、引き続き拡大していくものと見込んでおります。
なお、第4次中計におけるセグメント別の実績および経営目標は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2019年度 (実績) | 2020年度 (実績) | 2020年度 (期初予想) | 2020年度 (中計目標) | ||
| 製紙薬品 | 売上高 | 18,912 | 17,104 | 18,200 | 25,000 |
| セグメント利益 | 346 | 565 | 300 | 1,700 | |
| コーティング | 売上高 | 16,092 | 15,518 | 16,800 | 23,000 |
| セグメント利益 | 973 | 1,324 | 1,400 | 1,300 | |
| 粘接着 | 売上高 | 25,836 | 25,433 | 25,300 | 36,000 |
| セグメント利益 | 1,048 | 1,344 | 1,500 | 2,700 | |
| 機能性材料 | 売上高 | 11,848 | 12,252 | 12,400 | 16,000 |
| セグメント利益 | 385 | 528 | 400 | 1,100 | |
このような結果にいたりましたが、コア技術・素材の強化による新規事業の創出に努めるとともに、市場環境の変化のスピードに対応すべく事業ポートフォリオ改革を進め、第4次中計からの重点施策の早期達成による成果の最大化と、新たな付加価値の創造、およびすべてのステークホルダーとともに持続可能な地球環境と社会の実現への貢献を目指し、第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)に繋げてまいります。
資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の長期的な資金需要に関しては、金融機関からの長期借入や社債の発行により調達しております。
また、グループ会社の資金調達につきましては、当社において一元管理しております。
なお、当社は格付を取得しており、本報告書提出日時点において、日本格付研究所「A-」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な状況下におきましても当社グループの事業の維持・拡大、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因および対応策ならびに新型コロナウイルスの影響につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。