有価証券報告書-第64期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 13:09
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、世界経済においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により大幅に落ち込みました。各国政府は大規模な経済対策を実施し、中央銀行も金融緩和により経済を強力に下支えしながら、ロックダウン等の感染症対策を実施しました。感染拡大に一定の歯止めがかかった後、社会活動の再開とともに株価が回復する等、経済回復に明るい兆しもありましたが、その後、再び感染増加に転じ、ロックダウン等の政策が繰り返され、経済的に厳しい状況が継続しました。欧米においてはワクチン接種が進展し、経済回復の期待も高まっていますが、世界的な感染症の収束は未だ見通せない状況にあります。さらに米中対立の継続、加えて海運の停滞、半導体の供給不足等の新たな課題も発生し、先行きは不透明な状況にあります。
日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大により発令された初めての緊急事態宣言下で経済活動は停滞し、景気は大幅に落ち込みました。緊急事態宣言解除後、社会活動の再開とともに各経済政策が実施され、景気の落ち込みは一旦底を打ちましたが、感染の再拡大、緊急事態宣言の再発令等の感染対策を繰り返し、社会活動の制限が継続され、インバウンド需要は消失し、個人消費や経済活動の本格的な回復は、未だ見通せない状況が続いています。
このような情勢下、当社グループは従業員の健康・安全を最優先に配慮した上で感染対策を徹底して事業の継続に注力するとともに、成長を持続するため各事業において新規設備の本格稼働への対応や供給体制の維持、強化のための原料の安定確保、設備保全、新規設備投資計画の策定等、経営基盤の一層の強化に取り組みました。
a. 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ9,631百万円増加し、45,131百万円となりました。これは主に、大型の設備投資が一巡したことで投資に伴う支出が減少し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、現金及び預金が増加したためです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,821百万円減少し、30,901百万円となりました。これは主に、大型の設備投資が一巡したため投資額以上に減価償却費が計上されたことにより、有形固定資産が減少したためです。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ6,809百万円増加し、76,032百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ739百万円増加し、7,836百万円となりました。これは主に、設備投資に係る未払金が減少したものの、未払法人税等およびその他の負債が増加したためです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ189百万円増加し、2,026百万円となりました。これは主に、設備投資に伴う長期設備未払金が増加したためです。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ929百万円減少し、9,862百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,880百万円増加し、66,169百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により、利益剰余金が増加したためです。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は42,209百万円(前年同期比2.2%増、898百万円増)となりました。営業利益は9,632百万円(同9.1%増、801百万円増)、経常利益は9,746百万円(同8.8%増、791百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,808百万円(同2.9%減、206百万円減)となりました。
売上高、営業利益は、後述の各セグメントの要因により増収増益となりました。経常利益は、期末にかけて円安が進行したことにより為替差損が解消し、為替差益が計上されたことで増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の法人税等が少なかった影響により減益となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が23,418百万円(前連結会計年度比2.9%減、701百万円減)、営業利益は3,312百万円(同23.5%減、1,016百万円減)となりました。
日本においては、原料価格の低下は底を打ち上昇に転じたものの、前連結会計年度に引き続き、原料価格に連動して販売価格が変動する契約となっている製品の販売単価が低下しました。加えて、飲食・宿泊等の業務用向けや、飲料用途等、外出自粛による経済低迷の影響を受けた業界向け製商品の販売が減少しました。海外子会社においては、足元では持ち直していますが、中国・米国の経済の落ち込みの影響を受けました。
鹿島事業所のリンゴ酸新規設備の稼働に伴いリンゴ酸の輸出は順調に増加しているものの、前述の要因により、売上高は前連結会計年度を下回りました。営業利益は、原料価格の低下によるコストダウン効果はあったものの、新規設備の稼働に伴う減価償却費の増加によるコストアップや売上高減少の影響により、前連結会計年度を下回り、減収減益となりました。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が18,790百万円(前連結会計年度比9.3%増、1,600百万円増)、営業利益は7,645百万円(同33.0%増、1,896百万円増)となりました。
半導体市場は、米中対立・半導体供給不足等の懸念材料はあるものの、デジタル化の進展に伴うデータ量の増大によるサーバー需要の増加等により引き続き堅調に推移しました。半導体の微細化の進展に伴い、当社製品の超高純度コロイダルシリカも採用はさらに増加しています。
在宅勤務の普及によるトナー需要の減少により、ナノパウダーの売上は減少しましたが、超高純度コロイダルシリカの売上が堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、売上高の増加、増産によるコストダウン効果により、前連結会計年度を上回り、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を有形固定資産の取得、法人税等の支払、配当金の支払に充てた結果、前連結会計年度末に比べ8,752百万円増加し、24,835百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ883百万円増加し、12,820百万円(前連結会計年度は11,936百万円の取得)となりました。これは主に、法人税等の支払があった一方で、税金等調整前当期純利益および減価償却費による収入が発生したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,700百万円減少し、2,620百万円(前連結会計年度は4,320百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入れによる支出、有形固定資産の取得による支出が発生したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2百万円増加し、1,639百万円(前連結会計年度は1,641百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
ライフサイエンス17,890,730千円△3.1%
電子材料および機能性化学品20,813,76313.7
合計38,704,4935.3

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
ライフサイエンス23,418,822千円△2.9%
電子材料および機能性化学品18,790,5589.3
合計42,209,3802.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
A社--4,771,37111.3
B社--4,385,59410.4

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
4.前連結会計年度のA社、B社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しています。
5.A社、B社との契約において秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
また、新型コロナウイルス感染症による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりです。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
a. 経営成績等の状況
経営成績の分析
(ライフサイエンス事業)
「ⅰ.果実酸コンビナート構想の実現」、「ⅱ.生産体制の再構築及び設備増強」、「ⅲ.次世代製品の早期戦列化」、「ⅳ.グローバル展開」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. 果実酸コンビナート構想の実現
2017年11月に鹿島事業所の承継を完了し、リンゴ酸、フマル酸の原料である無水マレイン酸から製品までの一貫生産体制が確立され、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。2019年7月には、鹿島事業所にリンゴ酸新製造設備が竣工し、鹿島事業所で生産するリンゴ酸の国際認証(FSSC22000、HARAL、Kosher)の取得、米国FDA登録を進めるとともに、国内外の顧客の品質評価、認定を促進しました。当社グループの販売力を結集し、海外顧客の新規獲得、既存顧客のシェア拡大に努めた結果、年度後半には海外での販売も増加し、稼働率も向上しました。引き続き、生産効率の高い新設備を有効活用することでコスト競争力を強化し、日本品質を活かしながら、当社グループの販売網により、アジア市場の拡大する需要を確実に取り込みつつ、欧米市場で獲得した新規顧客の定着を図ります。また、世界№1のリンゴ酸メーカーの地位を確立するため、安定操業を継続しメインプラントとして体制を構築します。
ⅱ. 生産体制の再構築及び設備増強
増加するリンゴ酸、フマル酸等の果実酸の需要への対応、生産性向上、衛生環境強化を目的に、西日本の生産体制の再構築を進めました。大阪工場リンゴ酸製造設備のマルチプラント化、製剤類の製造を行う十三工場機能の大阪工場集約、次世代製品である油脂コート有機酸の製造設備建設等のプロジェクトを進めました。コロナ禍により困難な局面で時間を要しましたが、2021年9月の油脂コート有機酸設備の建設、2022年度の十三工場機能の大阪工場移転を決定し進めています。大阪工場リンゴ酸製造設備のマルチプラント化についても、引き続き検討準備を進めています。大阪工場を西日本の主要工場とし生産体制の最適化、合理化を進めビジネスの拡大に繋げます。
ⅲ. 次世代製品の早期戦列化
次世代の主力製品として、優れたコート性能をもち、様々な顧客ニーズへ対応した油脂コート有機酸の開発および、2020年度中の生産設備導入・製品化、販売開始を目指しました。開発において一定の成果は出ているものの、コロナ禍において製造設備の導入は遅延しましたが、2021年9月の製造設備の建設を決定し、現在工事を行っています。バイオスティミュラント(ストレスフリー製剤)については、植物試験による耐暑性に対する効果・再現性の確認、対象品目の拡充、対象ストレスの拡充、拡販活動を行いました。顧客評価においては高評価を得ていますが、評価系の再現性の確認においては未達成性で、引き続き開発を継続します。
ⅳ. グローバル展開
日本、中国、タイ、米国の拠点を活かして、グループの連携を強化し、果実酸の拡販、各製剤類の拡販を各地域で進めました。
アジアにおいては、「One-Stop食添製剤メーカー」として高付加価値の食品添加物製剤を対象品目、取扱い品目や、販売地域を積極的に拡大し、拡販に努めました。中国子会社青島扶桑精製加工有限公司において、テストキッチンが2020年10月に完成し食品添加物製剤ビジネスの拡大に貢献しています。タイ子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.においても日系、タイローカルの食品大手において新規採用が進みました。中国、東南アジアにおけるリンゴ酸の拡販もグループ一体で進め、販売は増加しました。
北米においては、米国子会社PMP Fermentation Products,Inc.が、アンチダンピング提訴の成功もあり、グルコン酸類の米国唯一の国産メーカーとしての地位を確立しました。コロナ禍で北米市場は停滞しましたが、潜在的な需要は大きく段階的に製造能力の増強を進めています。北中米におけるリンゴ酸の拡販も進め、販売は増加しました。
ライフサイエンス事業の経営成績は、売上高は、前連結会計年度に比べ701百万円減少し23,418百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ1,016百万円減少し、3,312百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内においてはインバウンド需要が消滅し、飲料用途、工業用途で販売が減少しました。欧米、中国等、海外市場においても移動制限、ロックダウン等により社会活動が停滞し、景気の悪化の影響を受けました。また、無水マレイン酸、フマル酸は、原料価格の低下に連動して販売価格が下落しました。家庭用途向けの商品の販売は増加し、リンゴ酸は北米、東南アジア、欧州で新規顧客を獲得し大幅に増加しましたが売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。営業利益は原料価格の低下による原価ダウンの効果はありましたが、鹿島リンゴ酸設備の稼働に伴う減価償却費の増加、北米市場の景気悪化による利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、ライフサイエンス事業に関連する各市場では、プラス面・マイナス面それぞれの影響がありました。当社への影響は、全般的には限定的でしたが、今後の動向を注視していきます。日本においては感染収束の目途が立たない状況ですが、海外においてはワクチン接種の進展により経済活動が大幅に回復している地域もあり、需要を取りこぼすことなく対応できるよう引き続き努めます。
(電子材料および機能性化学品事業)
「ⅰ.半導体研磨:重点顧客との取組み強化、生産効率最大化、新規砥粒開発推進」、「ⅱ.生産・研究・品質保証体制堅実化 顧客要望事項への迅速な対応、分析精度・効率向上、コスト削減」、「ⅲ.機能材料:ナノパウダーのビジネス拡大、中空ナノシリカ上市、生産体制の再構築」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. 半導体研磨:重点顧客との取組み強化、生産効率最大化、新規砥粒開発推進
コロナ禍で対面での顧客とのコミュニケーションが難しくなる中、リモート会議を活用し、新規砥粒開発を推進しました。開発は計画通り進捗し、新規製造ラインの顧客認定を進め、2020年度下期より本格的に新規砥粒の供給を開始しました。新製造ラインを含めた製造設備をフル活用して、増加する需要に対応します。さらに増加が見込まれる需要に対応するため鹿島事業所に超高純度コロイダル設備の建設を決定しました。供給体制の確立のため、確実に計画を進めていきます。
ⅱ. 生産・研究・品質保証体制堅実化 顧客要望事項への迅速な対応、分析精度・効率向上、コスト削減
最先端の製造設備を導入し、シングルナノ世代に対応した高精度のプロセス制御を行い、高品質・高効率の生産体制の確立に努めました。また、既存設備を合わせて品種ごとの生産切り替えを減らし、生産の効率化を推進し、コスト削減に寄与しました。研究開発体制は、新規砥粒の開発を進めるとともに、新規設備を含めた製造設備を有効活用できるよう量産化とマッチした開発を実施しました。また、スケールアップ技術の確立、デザインレビューの実施、高精度装置の導入、プロセス技術開発を推進しました。品質保証体制については、新たな分析機器を導入、顧客認定を取得し、分析精度および顧客評価との相関性の向上を図りました。今後も製品供給体制の強化を図り、増加する需要に対応できる体制を構築します。
ⅲ. 機能材料:ナノパウダーのビジネス拡大、中空ナノシリカ上市、生産体制の再構築
トナー需要は、テレワークの進展により印刷量が減り、減少しています。また、顧客においてもトナー関連部材の開発ペースが鈍化しています。改めてナノパウダー、中空ナノシリカの市場調査を進め、引き続き既存顧客との取組みを深めるとともに、新規顧客の開拓を進めます。
電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、売上高は前連結会計年度に比べ1,600百万円増加し、18,790百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ1,896百万円増加し、7,645百万円となりました。
半導体市場はリモートワークの進展に伴い電子機器の需要増加や、通信量の増加によるデータセンター増設等により堅調に推移しました。当社の超高純度コロイダルシリカは既存市場に加え、半導体の最先端の製造プロセスのCMP用途において採用が増加しています。また、米中貿易摩擦や半導体需要の急速な増大により半導体の供給体制に不安が生じており、業界の在庫水準も引き上がっています。ナノパウダーはトナー需要減少の影響を受けましたが、上記要因により、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。営業利益は、売上高の増加に加え、販売量増加に伴う稼働率向上による原価低減効果、増設設備の稼働に伴う減価償却費も減少に転じて、前連結会計年度に比べ増加しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、デジタル化の進展が加速し、半導体市場においては急速に需要が拡大しました。機能材料分野においてはトナー需要の減少や自動車需要の減少等の影響もあります。半導体需要の急速な拡大に対する供給不安、海運の停滞、米中対立の継続等、先行き不確定な要素も多く今後の動向を注視していきます。引き続き、原料等の安定調達に努め、安全操業を継続して増加する需要に対応していきます。
(売上高)
前述のとおり、前連結会計年度に比べ電子材料および機能性化学品事業は増加しましたが、ライフサイエンス事業で減少したため、898百万円増加し、42,209百万円となりました。
(営業利益)
前述のとおり、前連結会計年度に比べ電子材料および機能性化学品事業は増加しましたが、ライフサイエンス事業で減少したため、801百万円増加し、9,632百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ31百万円減少し、123百万円となりました。これは主に、年度末にかけて円安が進行し為替差益が計上されたものの、金利が急速に下がったことにより受取利息が減少したためです。営業外費用は、前連結会計年度に比べ22百万円減少し、9百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に為替差損が計上されていたためです。
上記要因により、経常利益は前連結会計年度に比べ791百万円増加し、9,746百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ65百万円減少し、13百万円となりました。これは主に、前連結会計年度で台風等の災害に対して受取保険金が計上されたためです。特別損失は、前連結会計年度に比べ127百万円減少し、30百万円となりました。これは主に、固定資産除却損が減少したためです。法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は、利益の増加に加え、前連結会計年度に適用された税額控除の影響が大きく、法人税等合計で前連結会計年度に比べ1,060百万円増加し、2,921百万円となりました。
特別利益が減少したものの、特別損失の減少と経常利益の増加により税金等調整前当期純利益は増加しましたが、法人税等増加の影響が大きく、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて206百万円減少し、6,808百万円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、設備投資に対する資金に対し、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資に係る資金の財源は、自己資金を充当しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大に対して、現状は財政状態に大きな影響は出ていませんので新たな資金調達の予定はありませんが、今後の状況を注視して、必要に応じて資金調達等の対策を検討します。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ1,296百万円増加し、14,659百万円となりました。
前連結会計年度に比べ、減価償却費は、電子材料および機能性化学品事業は大型の設備投資が一巡し減少に転じましたが、ライフサイエンス事業において鹿島事業所の設備投資の影響が大きく増加しました。営業利益はライフサイエンス事業において減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業において増加し、全体で償却前営業利益は増加しました。
総資産回転率は0.58回で低下傾向にあります。これは、設備投資が売上高の増加に先行して行われており、総資産の増加が売上高の増加を上回るためです。今後、設備投資を売上高の増加に繋げて改善を目指します。
自己資本利益率は10.8%で、低下傾向にあります。営業利益は増加しましたが、法人税等の増加の要因で親会社株主に帰属する当期純利益が減少し、純資産は利益剰余金により増加したためです。今後も投資は計画されており、減価償却費の増加による一時的な利益の低下は想定されるものの、償却前営業利益の最大化を目指し、純資産は安全性とのバランスを考慮して、自己資本利益率の維持向上を目指します。
自己資本比率は87.0%で、水準以上の安全性は確保できています。今後も、増加が見込まれる需要に対応するため、継続的な設備投資や研究開発投資が成長の源泉であり、投資を継続するためにも、一定水準以上の純資産の厚みが必要である認識です。
投資計画、配当政策を考慮して、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。

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