有価証券報告書-第61期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景とした設備投資の増加や経済政策・人手不足による雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済は、欧米諸国に広がる政治情勢や保護主義政策、アジアにおける地政学的リスクの高まり、中国や新興国経済の成長鈍化に対する懸念があるものの、欧米においては雇用環境の改善により個人消費や設備投資が増加し、中国をはじめとするアジア経済は安定的に成長を継続しており、総じて緩やかな回復基調で推移しました。
このような情勢下、当社グループは拡大する需要にこたえるため、生産能力の増強、物流・生産体制の継続的見直しによる経営体質の更なる強化、原料の安定的な確保およびコスト競争力の強化、新製品の開発、そして海外展開による拡販に取り組んでまいりました。
a. 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億87百万円減少し、402億62百万円となりました。これは主に、設備投資に伴う資金決済により現金及び預金が減少したためです。
また、当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ91億8百万円増加し、243億43百万円となりました。これは主に設備投資の進捗に伴い建設仮勘定が増加したためです。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ80億21百万円増加し、646億6百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ29億73百万円増加し、122億70百万円となりました。これは主に、設備投資に係る未払金および役員退職功労引当金が増加したためです。
また、当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ61百万円増加し、21億89百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が増加したためです。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ30億34百万円増加し、144億59百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億86百万円増加し、501億46百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は402億21百万円(前連結会計年度比11.0%増、39億97百万円増)となりました。利益面では営業利益は105億37百万円(同6.8%増、6億69百万円増)、経常利益は為替差損の計上により103億67百万円(同3.3%増、3億28百万円増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は役員退職功労引当金繰入額の計上により65億92百万円(同4.4%減、3億3百万円減)となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が243億18百万円(前連結会計年度比10.3%増、22億68百万円増)、営業利益は33億82百万円(同15.0%減、5億97百万円減)となりました。
国内においては、リンゴ酸、無水マレイン酸、フマル酸の拡販、および主要原料価格上昇に対応した販売価格改定に努めました。また、海外子会社も堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益はコスト削減に努めたものの、原料価格や輸入仕入価格の上昇が利益を押し下げる要因となりました。これらの結果、ライフサイエンス事業全体では増収減益となりました。
なお、平成29年11月1日付で、三井化学株式会社より鹿島事業所を引継ぎ、ライフサイエンス事業の中核となる製造拠点として稼働を開始しています。さらに平成31年7月の完成へ向けてリンゴ酸製造設備の新設工事も着工しています。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が159億2百万円(前連結会計年度比12.2%増、17億28百万円増)、営業利益は82億80百万円(同18.3%増、12億83百万円増)となりました。
半導体市場が継続して堅調であり、半導体製造プロセスの微細化の進展により当社製品「超高純度コロイダルシリカ」への需要も増加しています。増加する需要にこたえるため、生産能力の増強、品質安定化のための設備投資、生産人員の確保、分析能力の向上、出荷体制の見直し等に対応した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。さらに、ナノパウダー等の半導体研磨分野以外に使用される製品の販売も堅調に推移しています。営業利益は、減価償却費の増加や設備投資に伴う京都第一工場の稼働停止の影響があったものの、生産量の増加およびコスト削減による製造原価の低減や販売数量の増加により、前連結会計年度を上回りました。
なお、京都事業所における超高純度コロイダルシリカの製造ライン増設工事は順調に進捗しています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権、たな卸資産および有形固定資産の取得が増加したため、前連結会計年度末に比べ50億54百万円減少し、189億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ45億67百万円減少し、48億45百万円(前連結会計年度は94億13百万円の取得)となりました。これは主に、売上債権、たな卸資産が増加し、仕入債務が減少したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ130億円7百万円増加し、80億24百万円(前連結会計年度は49億83百万円の取得)となりました。これは主に、京都事業所の大型設備投資による有形固定資産の取得、鹿島事業所の承継に伴う事業譲受による支出が発生したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億42百万円増加し、16億75百万円(前連結会計年度は15億33百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.平成29年11月1日にライフサイエンス事業の生産拠点である鹿島事業所を開設しました。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
a. 経営成績等の状況
経営成績の分析
(ライフサイエンス事業)
「ⅰ.鹿島工場継承/リンゴ酸新プラント建設」、「ⅱ.グローバル展開」、「ⅲ.新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. 鹿島工場継承/リンゴ酸新プラント建設
鹿島工場の継承は平成29年11月に滞りなく完了し、当社鹿島事業所として生産活動を開始しました。これにより、リンゴ酸の原料(無水マレイン酸)から製品までの一貫生産体制が確立されました。さらに、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。また、リンゴ酸の増加する世界需要を取り込むため、鹿島事業所においてリンゴ酸新プラント建設に着工しました。
ⅱ. グローバル展開
中国においては、現地子会社青島扶桑精製有限公司で、高純度クエン酸等の高付加価値製品の生産増加を図り、生産設備の自動化を進めました。東南アジアにおいては、タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.のみならず、中国、日本のトライアングル体制で加工食品市場の取り込みに努めました。東京研究所に完成したテストキッチンを有効活用し、各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発を推進しました。北米においては、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.がグルコン酸類の米国唯一の国産メーカーとして着実に実績を伸ばしました。
ⅲ. 新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出
新製品の開発としては、鶏肉や魚肉加工食品の品質改良剤等の食品添加物製剤、果実酸の高純度品、コーティング品等の高付加価値製品、農業、漁業、畜産業用途にストレス耐性を向上し、成長をサポートする新製品の開発に取り組みました。
ライフサイエンス事業の経営成績は、売上高は鹿島事業所の生産品目である無水マレイン酸、フマル酸が拡販により好調に推移したほか、原料価格上昇に伴う価格改定、ビタミンC類の価格改定等の要因により前連結会計年度に比べ22億68百万円増加し243億18百万円となりました。営業利益は、原油価格の上昇に伴う原料価格の上昇、円安による輸入品の仕入価格上昇等のコスト増加の影響が大きく、前連結会計年度に比べ5億97百万円減少し、33億82百万円となりました。
(電子材料および機能性化学品事業)
「ⅰ.シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発」、「ⅱ.一極から多極への脱皮」、「ⅲ.中国でのコロイダルビジネス展開」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発
研究体制として、京都事業所、東京研究所の各研究拠点の設備を拡張、整備を進め研究体制の充実を図りました。また、積極的に採用を進め、研究員の増員を行い、製品開発を加速させています。生産体制として、新設備のみならず、既存設備にも最先端の生産技術を導入し、シングルナノレベルでの粒子径制御、品質の安定化を確保できる製造設備の導入を進めました。また、最先端の分析機器を導入し、分析精度の向上を図りました。
ⅱ. 一極から多極への脱皮
東京研究所の開発体制を強化し、ナノパウダー、中空シリカ等の新商品の開発を加速させ、早期の上市を目指しました。
ⅲ. 中国でのコロイダルビジネス展開
拡大する中国半導体市場の情報収集に努めるとともに、商品ラインナップの拡充を行いました。また、中国子会社青島扶桑精製加工有限公司の営業力を有効活用し、中国市場での拡販に努めました。
電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、売上高は半導体市場が好調に推移したこと、最先端CMP分野での採用増、ナノパウダーの販売増、中国市場でのコロイダルシリカの販売増、円安の要因等により前連結会計年度に比べ17億28百万円増加し、159億2百万円となりました。営業利益は、増加する販売数量に対応するため、設備投資に伴う減価償却費の増加、人員の採用に伴う人件費増加、物流費の増加、研究開発費の増加等のコスト増加の影響があるものの、販売増加、稼働率向上による原価低減、購買戦略による主要材料の価格低下等により、前連結会計年度に比べ12億83百万円増加し、82億80百万円となりました。
(売上高)
前述のとおり、前連結会計年度に比べ両事業とも増加したため、39億97百万円増加し、402億21百万円となりました。
(営業利益)
前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業では減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業での増加により6億69百万円増加し、105億37百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ56百万円減少し、1億29百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に為替差益が計上されていたためです。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ2億83百万円増加し、2億99百万円となりました。これは主に、円高の進行に伴う為替差損の計上によるものです。
営業外収益は減少し、営業外費用が増加したものの、営業利益の増加の要因が大きく経常利益は前連結会計年度に比べ3億28百万円増加し、103億67百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、0百万円となりました。これは主に、固定資産売却益が減少したためです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ9億9百万円増加し、9億61百万円となりました。これは主に、役員退職功労引当金繰入額が発生したためです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3億3百万円減少し、65億92百万円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
キュッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資および事業譲受の決済資金、建設中の設備の投資資金の財源は、平成27年12月に実施した公募増資により調達した資金を含む自己資金を充当しています。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりです。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ9億41百万円増加し、121億50百万円となりました。
前連結会計年度に比べ、鹿島事業所の事業譲受に伴う設備継承、京都事業所の設備投資により減価償却費は増加しましたが、売上増加、稼働率の向上により営業利益も増加したため、償却前営業利益は増加しました。
総資産回転率は0.66回、自己資本利益率は13.8%、自己資本比率は77.6%となりました。実施中の設備投資を活かして、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景とした設備投資の増加や経済政策・人手不足による雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済は、欧米諸国に広がる政治情勢や保護主義政策、アジアにおける地政学的リスクの高まり、中国や新興国経済の成長鈍化に対する懸念があるものの、欧米においては雇用環境の改善により個人消費や設備投資が増加し、中国をはじめとするアジア経済は安定的に成長を継続しており、総じて緩やかな回復基調で推移しました。
このような情勢下、当社グループは拡大する需要にこたえるため、生産能力の増強、物流・生産体制の継続的見直しによる経営体質の更なる強化、原料の安定的な確保およびコスト競争力の強化、新製品の開発、そして海外展開による拡販に取り組んでまいりました。
a. 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億87百万円減少し、402億62百万円となりました。これは主に、設備投資に伴う資金決済により現金及び預金が減少したためです。
また、当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ91億8百万円増加し、243億43百万円となりました。これは主に設備投資の進捗に伴い建設仮勘定が増加したためです。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ80億21百万円増加し、646億6百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ29億73百万円増加し、122億70百万円となりました。これは主に、設備投資に係る未払金および役員退職功労引当金が増加したためです。
また、当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ61百万円増加し、21億89百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が増加したためです。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ30億34百万円増加し、144億59百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億86百万円増加し、501億46百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は402億21百万円(前連結会計年度比11.0%増、39億97百万円増)となりました。利益面では営業利益は105億37百万円(同6.8%増、6億69百万円増)、経常利益は為替差損の計上により103億67百万円(同3.3%増、3億28百万円増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は役員退職功労引当金繰入額の計上により65億92百万円(同4.4%減、3億3百万円減)となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が243億18百万円(前連結会計年度比10.3%増、22億68百万円増)、営業利益は33億82百万円(同15.0%減、5億97百万円減)となりました。
国内においては、リンゴ酸、無水マレイン酸、フマル酸の拡販、および主要原料価格上昇に対応した販売価格改定に努めました。また、海外子会社も堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益はコスト削減に努めたものの、原料価格や輸入仕入価格の上昇が利益を押し下げる要因となりました。これらの結果、ライフサイエンス事業全体では増収減益となりました。
なお、平成29年11月1日付で、三井化学株式会社より鹿島事業所を引継ぎ、ライフサイエンス事業の中核となる製造拠点として稼働を開始しています。さらに平成31年7月の完成へ向けてリンゴ酸製造設備の新設工事も着工しています。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が159億2百万円(前連結会計年度比12.2%増、17億28百万円増)、営業利益は82億80百万円(同18.3%増、12億83百万円増)となりました。
半導体市場が継続して堅調であり、半導体製造プロセスの微細化の進展により当社製品「超高純度コロイダルシリカ」への需要も増加しています。増加する需要にこたえるため、生産能力の増強、品質安定化のための設備投資、生産人員の確保、分析能力の向上、出荷体制の見直し等に対応した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。さらに、ナノパウダー等の半導体研磨分野以外に使用される製品の販売も堅調に推移しています。営業利益は、減価償却費の増加や設備投資に伴う京都第一工場の稼働停止の影響があったものの、生産量の増加およびコスト削減による製造原価の低減や販売数量の増加により、前連結会計年度を上回りました。
なお、京都事業所における超高純度コロイダルシリカの製造ライン増設工事は順調に進捗しています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権、たな卸資産および有形固定資産の取得が増加したため、前連結会計年度末に比べ50億54百万円減少し、189億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ45億67百万円減少し、48億45百万円(前連結会計年度は94億13百万円の取得)となりました。これは主に、売上債権、たな卸資産が増加し、仕入債務が減少したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ130億円7百万円増加し、80億24百万円(前連結会計年度は49億83百万円の取得)となりました。これは主に、京都事業所の大型設備投資による有形固定資産の取得、鹿島事業所の承継に伴う事業譲受による支出が発生したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億42百万円増加し、16億75百万円(前連結会計年度は15億33百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比 |
| ライフサイエンス | 16,715,825千円 | 19.5% |
| 電子材料および機能性化学品 | 18,312,804 | 18.9 |
| 合計 | 35,028,629 | 19.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.平成29年11月1日にライフサイエンス事業の生産拠点である鹿島事業所を開設しました。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比 |
| ライフサイエンス | 24,318,883千円 | 10.3% |
| 電子材料および機能性化学品 | 15,902,736 | 12.2 |
| 合計 | 40,221,619 | 11.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
a. 経営成績等の状況
経営成績の分析
(ライフサイエンス事業)
「ⅰ.鹿島工場継承/リンゴ酸新プラント建設」、「ⅱ.グローバル展開」、「ⅲ.新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. 鹿島工場継承/リンゴ酸新プラント建設
鹿島工場の継承は平成29年11月に滞りなく完了し、当社鹿島事業所として生産活動を開始しました。これにより、リンゴ酸の原料(無水マレイン酸)から製品までの一貫生産体制が確立されました。さらに、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。また、リンゴ酸の増加する世界需要を取り込むため、鹿島事業所においてリンゴ酸新プラント建設に着工しました。
ⅱ. グローバル展開
中国においては、現地子会社青島扶桑精製有限公司で、高純度クエン酸等の高付加価値製品の生産増加を図り、生産設備の自動化を進めました。東南アジアにおいては、タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.のみならず、中国、日本のトライアングル体制で加工食品市場の取り込みに努めました。東京研究所に完成したテストキッチンを有効活用し、各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発を推進しました。北米においては、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.がグルコン酸類の米国唯一の国産メーカーとして着実に実績を伸ばしました。
ⅲ. 新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出
新製品の開発としては、鶏肉や魚肉加工食品の品質改良剤等の食品添加物製剤、果実酸の高純度品、コーティング品等の高付加価値製品、農業、漁業、畜産業用途にストレス耐性を向上し、成長をサポートする新製品の開発に取り組みました。
ライフサイエンス事業の経営成績は、売上高は鹿島事業所の生産品目である無水マレイン酸、フマル酸が拡販により好調に推移したほか、原料価格上昇に伴う価格改定、ビタミンC類の価格改定等の要因により前連結会計年度に比べ22億68百万円増加し243億18百万円となりました。営業利益は、原油価格の上昇に伴う原料価格の上昇、円安による輸入品の仕入価格上昇等のコスト増加の影響が大きく、前連結会計年度に比べ5億97百万円減少し、33億82百万円となりました。
(電子材料および機能性化学品事業)
「ⅰ.シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発」、「ⅱ.一極から多極への脱皮」、「ⅲ.中国でのコロイダルビジネス展開」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発
研究体制として、京都事業所、東京研究所の各研究拠点の設備を拡張、整備を進め研究体制の充実を図りました。また、積極的に採用を進め、研究員の増員を行い、製品開発を加速させています。生産体制として、新設備のみならず、既存設備にも最先端の生産技術を導入し、シングルナノレベルでの粒子径制御、品質の安定化を確保できる製造設備の導入を進めました。また、最先端の分析機器を導入し、分析精度の向上を図りました。
ⅱ. 一極から多極への脱皮
東京研究所の開発体制を強化し、ナノパウダー、中空シリカ等の新商品の開発を加速させ、早期の上市を目指しました。
ⅲ. 中国でのコロイダルビジネス展開
拡大する中国半導体市場の情報収集に努めるとともに、商品ラインナップの拡充を行いました。また、中国子会社青島扶桑精製加工有限公司の営業力を有効活用し、中国市場での拡販に努めました。
電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、売上高は半導体市場が好調に推移したこと、最先端CMP分野での採用増、ナノパウダーの販売増、中国市場でのコロイダルシリカの販売増、円安の要因等により前連結会計年度に比べ17億28百万円増加し、159億2百万円となりました。営業利益は、増加する販売数量に対応するため、設備投資に伴う減価償却費の増加、人員の採用に伴う人件費増加、物流費の増加、研究開発費の増加等のコスト増加の影響があるものの、販売増加、稼働率向上による原価低減、購買戦略による主要材料の価格低下等により、前連結会計年度に比べ12億83百万円増加し、82億80百万円となりました。
(売上高)
前述のとおり、前連結会計年度に比べ両事業とも増加したため、39億97百万円増加し、402億21百万円となりました。
(営業利益)
前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業では減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業での増加により6億69百万円増加し、105億37百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ56百万円減少し、1億29百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に為替差益が計上されていたためです。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ2億83百万円増加し、2億99百万円となりました。これは主に、円高の進行に伴う為替差損の計上によるものです。
営業外収益は減少し、営業外費用が増加したものの、営業利益の増加の要因が大きく経常利益は前連結会計年度に比べ3億28百万円増加し、103億67百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、0百万円となりました。これは主に、固定資産売却益が減少したためです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ9億9百万円増加し、9億61百万円となりました。これは主に、役員退職功労引当金繰入額が発生したためです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3億3百万円減少し、65億92百万円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
キュッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資および事業譲受の決済資金、建設中の設備の投資資金の財源は、平成27年12月に実施した公募増資により調達した資金を含む自己資金を充当しています。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりです。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ9億41百万円増加し、121億50百万円となりました。
前連結会計年度に比べ、鹿島事業所の事業譲受に伴う設備継承、京都事業所の設備投資により減価償却費は増加しましたが、売上増加、稼働率の向上により営業利益も増加したため、償却前営業利益は増加しました。
総資産回転率は0.66回、自己資本利益率は13.8%、自己資本比率は77.6%となりました。実施中の設備投資を活かして、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。