有価証券報告書-第62期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/24 9:06
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、米国経済は堅調に推移しているものの、中国は米中貿易摩擦の影響により景気減速が顕在化し始めました。欧州においても中国経済の影響に加え、政治不安等の問題もあり景気の減速感が強まりました。日本経済は、企業収益は底堅く推移し、雇用、所得環境の改善は継続し、総じて回復基調は続きました。しかし、下半期には中国の景気減速の影響、スマートフォン需要低迷により半導体業界が調整局面に入った影響により、企業の景況感は悪化し、企業業績に対する先行きの不透明感が増大しました。
このような情勢下、当社グループは成長のための経営基盤の更なる強化に努めました。増加が見込まれる当社製品に対する需要に対応するため、生産能力増強のための設備投資、物流・生産体制の見直し、原料の安定確保に取り組みました。また、コスト競争力強化のための効率化・コスト削減を推進するとともに、新製品開発のための研究開発体制の強化、国内、海外の顧客需要の掘り起こし、海外展開による拡販等、事業強化に努めました。
a. 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ8,803百万円減少し、30,668百万円となりました。これは主に、設備投資に伴う資金決済により現金及び預金が減少したためです。
また、当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ9,030百万円増加し、33,788百万円となりました。これは主に設備投資の進捗に伴い有形固定資産が増加したためです。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ226百万円増加し、64,457百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,971百万円減少し、7,298百万円となりました。これは主に、設備投資に係る未払金および役員退職功労引当金が減少したためです。
また、当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ1百万円増加し、1,815百万円となりました。これは主に繰延税金負債および退職給付に係る負債が増加したためです。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ4,970百万円減少し、9,114百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,196百万円増加し、55,342百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は42,074百万円(前連結会計年度比4.6%増、1,853百万円増)となりました。営業利益は、減価償却費等のコストアップの影響で9,283百万円(同11.9%減、1,254百万円減)、経常利益は為替差益等の計上により9,854百万円(同4.9%減、512百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の特別損失の影響がなくなったことにより6,881百万円(同4.4%増、288百万円増)となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が25,205百万円(前連結会計年度比3.6%増、886百万円増)、営業利益は3,513百万円(同3.9%増、131百万円増)となりました。
国内外の拡販および主要原料価格変動に対応した販売価格改定に努めました。また、海外子会社の現地販売が各地域とも堅調に推移したことに加え、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.のアンチダンピング提訴が認められたことにより米国の需要を取り込むことができ、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、中国に対する特恵関税の廃止による原料価格や輸入仕入価格の上昇、アンチダンピング提訴に伴う費用計上の影響があったものの、拡販、コスト削減に努めた結果、前連結会計年度を上回り、増収増益となりました。
増加が見込まれるリンゴ酸の需要を取り込むため建設中の鹿島事業所の新規設備の工事は、順調に進捗しています。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が16,869百万円(前連結会計年度比6.1%増、966百万円増)、営業利益は6,963百万円(同15.9%減、1,316百万円減)となりました。
第4四半期において、半導体市場は調整局面に入り当社製品「超高純度コロイダルシリカ」の出荷に影響がありましたが、総じて見ますと、順調に推移しました。ナノパウダー等の半導体研磨分野以外に使用される製品の販売も引き続き堅調に推移し、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益は、設備投資に伴う減価償却費の増加、増産体制確立のための要員確保による人件費の増加、原料価格の上昇等の影響が大きく、売上の増加、増産による原価低減効果、その他コスト削減に努めたものの、前連結会計年度を下回り、増収減益となりました。
現状、半導体業界は調整局面と言われていますが、今後も半導体製造プロセスの微細化は進展し、需要が継続して増加していくものと想定されます。増加する需要にこたえるため、生産能力の増強、品質安定化のための設備投資、生産要員の確保、分析能力の向上、出荷体制の見直し等に継続して対応しました。京都事業所における設備投資も順調に進捗しています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を有形固定資産の取得、法人税等の支払、役員退職功労金、配当金の支払に充てた結果、前連結会計年度末に比べ8,706百万円減少し、10,223百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ3,302百万円増加し、8,148百万円(前連結会計年度は4,845百万円の取得)となりました。これは主に、法人税等の支払額および役員退職功労金の支払があった一方で、税金等調整前当期純利益および減価償却費による収入が増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ7,331百万円増加し、15,356百万円(前連結会計年度は8,024百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が発生したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ36百万円減少し、1,639百万円(前連結会計年度は1,675百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比
ライフサイエンス19,215,368千円+15.0%
電子材料および機能性化学品18,298,541▲0.1
合計37,513,909+7.1

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比
ライフサイエンス25,205,107千円+3.6%
電子材料および機能性化学品16,869,613+6.1
合計42,074,721+4.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
a. 経営成績等の状況
経営成績の分析
(ライフサイエンス事業)
「ⅰ.果実酸コンビナート構想の実現」、「ⅱ.グローバル展開」、「ⅲ.新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. 果実酸コンビナート構想の実現
2017年11月に鹿島事業所の承継を完了し、リンゴ酸の原料(無水マレイン酸)から製品までの一貫生産体制が確立され、また、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。現在、増加が見込まれるリンゴ酸の世界需要を取り込むため、鹿島事業所においてリンゴ酸新プラントの建設を進めており、工事は順調に進捗しています。生産効率の高い新設備を有効活用し、コスト競争力を強化し、日本品質を活かして、当社グループの販売網により、海外市場、特にアジア市場の需要を確実に取り込み、世界№1のリンゴ酸メーカーの地位を確立します。
ⅱ. グローバル展開
中国においては、現地子会社青島扶桑精製加工有限公司で、高純度有機酸等の高付加価値製品の増産体制を確立しました。さらにコストアップに対処するため生産設備の自動化を促進しました。東南アジアにおいては、タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.を中心に、中国、日本を加えたトライアングル体制で果実酸類の拡販に取り組みました。食品添加物製剤の拡販は、東京研究所のテストキッチンを有効活用し、各国の食品や食材に適した製剤の開発を推進し、加工食品市場の取り込みに努めました。北米においては、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.がグルコン酸類の米国唯一の国産メーカーとして着実に実績を伸ばしました。さらにグルコン酸ナトリウムに対するアンチダンピング提訴の成功により、米国での競争力をさらに高めることができました。
ⅲ. 新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出
新製品の開発としては、鶏肉や魚肉加工食品の品質改良剤等の食品添加物製剤、果実酸の高純度品、コーティング品等の高付加価値製品、農業、漁業、畜産業用途にストレス耐性を向上し成長をサポートする新製品の開発に取り組みました。積極的な営業活動の成果もあり、新製品の採用は進んでいます。
ライフサイエンス事業の経営成績は、売上高はビタミンC類の苦戦はありましたが、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.のアンチダンピング提訴の成功の影響もあり好調に推移し、鹿島事業所の生産品目であるフマル酸、中国子会社青島扶桑精製加工有限公司の生産品目であるクエン酸類も好調に推移し、前連結会計年度に比べ886百万円増加し25,205百万円となりました。営業利益は、中国に対する特恵関税の廃止による原料価格や輸入仕入価格の上昇、アンチダンピング提訴に伴う費用計上の影響があったものの、拡販、コスト増加に対応した価格改定、コスト削減に努めた結果、前連結会計年度に比べ131百万円増加し、3,513百万円となりました。
(電子材料および機能性化学品事業)
「ⅰ.シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発」、「ⅱ.一極から多極への脱皮」、「ⅲ.中国でのコロイダルビジネス展開」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発
研究開発体制強化のため、京都事業所、東京研究所の各研究拠点の設備の拡張、整備を進め研究体制のさらなる充実を図りました。また、積極的に採用を進め、研究員の増員を行い、製品開発を加速させました。生産体制として、新設備のみならず、既存設備にも最先端の生産技術を導入し、シングルナノレベルでの粒子制御、品質の安定化を確保できる製造設備の導入を進めました。また、最先端の分析機器の導入を進め、分析精度の向上を図りました。
ⅱ. 一極から多極への脱皮
東京研究所の開発体制を強化し、ナノパウダー、中空シリカ等の半導体研磨分野以外の新商品の開発を加速させ、新製品の採用、新規顧客の獲得が進みました。
ⅲ. 中国でのコロイダルビジネス展開
拡大する中国半導体市場の情報収集に努めるとともに、商品ラインナップの拡充を行いました。また、中国子会社青島扶桑精製加工有限公司の営業力を有効活用し、中国市場での拡販に努めましたが、2018年度後半の中国経済、半導体市場の減速の影響を受けました。
電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、売上高は第4四半期の半導体市場の減速の影響を受けたものの年間では総じて好調に推移したこと、最先端CMP分野での採用増、ナノパウダーの販売増、円安の要因等により前連結会計年度に比べ966百万円増加し、16,869百万円となりました。営業利益は、販売量増加、稼働率向上による原価低減効果があったものの、増加する需要に対応するための新規設備投資に伴う減価償却費の増加、新設備を稼働させるための人員採用に伴う人件費増加、販売数量増加に対応するための物流費の増加、研究開発費の増加等のコスト増加の影響を受け、前連結会計年度に比べ1,316百万円減少し、6,963百万円となりました。
(売上高)
前述のとおり、前連結会計年度に比べ両事業とも増加したため、1,853百万円増加し、42,074百万円となりました。
(営業利益)
前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業は増加しましたが、電子材料および機能性化学品事業が減少したため、1,254百万円減少し、9,283百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ451百万円増加し、581百万円となりました。これは主に、当連結会計年度の為替差益の計上、受取手数料の増加によります。営業外費用は、前連結会計年度に比べ289百万円減少し、10百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に為替差損が計上されていたためです。
営業外収益は増加し、営業外費用が減少したものの、営業利益減少の要因が大きく経常利益は前連結会計年度に比べ512百万円減少し、9,854百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ33百万円増加し、34百万円となりました。これは主に、補助金収入が発生したためです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ867百万円減少し、93百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に役員退職功労引当金繰入額が計上されていたためです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて288百万円増加し、6,881百万円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
キュッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資に係る資金の財源は、2015年12月に実施した公募増資により調達した資金を含む自己資金を充当しています。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりです。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ177百万円増加し、12,327百万円となりました。
前連結会計年度に比べ、京都事業所の設備投資により減価償却費は増加し、営業利益は減少しましたが、償却前営業利益は増加しました。
総資産回転率は0.65回、自己資本利益率は13.0%、自己資本比率は85.9%となりました。実施中の設備投資を活かして、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。

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