有価証券報告書-第137期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
住友の事業は、今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を礎とし住友の先人により何代にもわたって深化・発展させてきた「住友事業精神」を精神的基盤として営まれてきました。
萬事入精:まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意を尽くす人であれ
信用確実:何よりも信用を重んじること、すなわち常に相手の信頼に応えること
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、浮利を追い、軽率、粗略に行動してはならない
当社は、自動車用品分野では新たな地域と顧客への事業展開及びCASEに代表される新領域に対する製品の創出と開発を進め、一般産業用品分野では新領域の事業への進出を積極化させています。事業環境の変化に対応した健全なリスクテイクを支えるために、取締役会機能の充実を中心としたガバナンス機能の強化を図ってまいります。
また、当社と成長の機会とリスクを共有する株主やその他のステークホルダーに対し経営戦略・経営課題を踏まえた財務情報や非財務情報の適時適切な開示を行い、また経営陣が株主との建設的な対話を行うための体制を整えてまいります。
当社は、住友電気工業㈱を親会社としています。事業上の意思決定は親会社から独立して行っていますが、多数の海外拠点や多様な技術・顧客基盤を持つ親会社を有することで、当社の海外事業や新事業展開において支援を受けることができます。当社のガバナンスにおいては、親会社と少数株主との利益が相反するおそれのある重要な取引・行為については、社外取締役及び社外監査役のみで構成される特別委員会を設置し、当該委員会にて審議・検討するなど、株主共同の利益に配慮し親会社との健全な関係を維持してまいります。
当社は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、代表取締役、社外取締役及び監査役で構成される「ガバナンス委員会」を設置しています。ガバナンス委員会は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役の視点を交えて、当社グループのコーポレート及びグループガバナンス体制等の中長期的に重要な課題を取締役会に答申するための審議を行うとともに、代表取締役、社外取締役及び監査役の連携を強化し、当社グループの持続的な成長と社会的価値(企業価値及び公益価値)の向上を図ることを目的として開催することとしております。
当社は、取締役の選解任及び報酬等に関する手続きの透明性・公正性を確保することを目的に、取締役会の任意の諮問機関として、「指名・報酬委員会」を設置しています。指名・報酬委員会は、取締役会の諮問により、取締役の基本報酬及び業績連動報酬である賞与に関する事項並びに株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容等について審議・答申するものとしています。また、指名・報酬委員会は、その過半数を独立社外取締役としており、また、筆頭独立社外取締役が委員長を務めることで、独立制を確保しています。
さらに、当社は「住友事業精神」に基づき、SDGs等に代表される社会的課題に対し、技術革新を通じて解決を図ります。そして、企業価値と公益価値を同時に向上させることで、社会的価値を創造し、社会と共に持続的に成長することを目指してまいります。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要と採用の理由
当社は、監査役設置会社の機構を採用し、取締役会の監督と監査役会の監視により業務執行の適法性及び妥当性を確保するものとしています。
取締役会の構成は、当社の事業分野、事業環境や規模を前提として、適切な経営の監視監督機能を果たすことができるかという視点で決定するものとしています。
専門性の観点からは、当社の経営戦略、経営計画等を踏まえて、経営、技術・開発、製造・モノづくり、財務・会計、法務・リスク管理、人材・ダイバーシティ&インクルージョン等の分野において、豊富な経験と高い見識を有する人材を選任しています。
独立性の観点からは、独立役員の要件を満たし、かつ高い専門性と見識を有する社外取締役及び社外監査役をそれぞれ複数選任しています。また、社外取締役が経営陣との対話や株主等のステークホルダーとの対話を円滑に行うために、社外取締役の中から、筆頭独立社外取締役を選定しています。
ジェンダーや国際性の観点からは、女性の社外役員を3名選任しています。現時点で外国人の取締役は選任していませんが、将来、社内からの登用の基盤として幹部社員の多様性を進めるためCSR・サステナビリティ委員会において様々な施策を講じています。
現在の取締役会は、取締役8名(うち社外取締役3名)と、監査役5名(うち社外監査役3名)からなる体制であり、事業分野を網羅し必要な専門性と社内外の役員数のバランスを確保しつつ実質的な討議を行うことができる適切な規模となっています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図

ロ.企業統治に関するその他の事項
内部統制システムの整備の状況
・コンプライアンス体制の整備の状況
当社グループにおける取締役その他の役員及び使用人(以下、役職員)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(以下、コンプライアンス体制)は、萬事入精、信用確実及び不趨浮利を旨とする住友事業精神に基づき取締役会が決定する経営理念、事業運営の基本(「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」、住友理工グループ企業行動憲章、CSR・サステナビリティ基本方針、住友理工グループガバナンス・コード及びグローバルコンプライアンス行動指針(以下、行動指針等)に準拠して整備しております。当該体制は、当社各部門及び子会社において整備し、すべての役職員により運用されるものとしております。
子会社におけるコンプライアンス体制は、住友理工グループガバナンス・コード及びこのもとで当社が定めるグループ規程により、その整備、運用がなされることを確保しております。グループ規程では、子会社の規模や事業内容に応じて整備すべきコンプライアンス体制の基準を定めております。また、当社グループにおけるコンプライアンスは、「単に法令遵守にとどまらず、社会の期待に応えること」という共通理解に基づき、社内規程及びその運用等は、定期的に見直し、これを整備しております。
法令違反の早期発見及び迅速かつ適切な対応を行うために、当社グループの違反報告・処理体制を整備するとともに、法令及び社内規程に違反した役職員へは、当社又は子会社の規程に基づく懲戒を含め厳正に対処しております。また、当社グループは、贈収賄・腐敗行為防止をコンプライアンスにおける最重要課題のひとつとして位置付けており、贈収賄・腐敗行為防止に対する取り組み及び社内体制の整備を強化しております。これらの仕組みや体制が適正に運用されるように、法令遵守(贈収賄規制、競争法、下請法及び労働法等)に対する取り組み及び研修を実施しております。
当社グループは、グループのコンプライアンス体制の整備、運用を主導、統括する組織としてコンプライアンス委員会(以下、委員会)を当社に設けております。委員長は、取締役会決議により選任し、その活動状況は取締役会に報告しております。委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとしております。委員会の委員又は事務局には、弁護士その他の企業法務の専門知識を有する役職員を配置しております。委員会には独立した予算を設けております。
委員会は、定期に当社グループのコンプライアンスリスクを識別・評価し、対応計画を定め、委員会、当社各部門及び子会社における対応を把握し検証しております。委員会は、当社グループの役職員に対し行動指針やリスク評価に基づくコンプライアンス教育等を定期的に実施しております。また、役職員のコンプライアンス対応を支援するため、法務部門及び各分野のコンプライアンス対応を分掌する部門にコンプライアンス相談窓口を設けております。反社会的勢力に対しては、人事総務部門を中心として、当社グループがこれとの一切の関係を遮断する体制を整備しております。
委員会は、コンプライアンス問題の内部通報窓口を社内及び社外に設け、周知しております。通報事案に対しては客観的かつ専門的な調査を行い、個別問題の是正及びコンプライアンス体制の改善を図っています。当社グループは、通報者に対し、通報を理由として不利な取扱いは行わないものとし、通報者の保護に万全を期しております。委員会は、全世界の子会社の役職員から直接、内部通報を受付ける制度を整備・運用しております。一定の事業規模を有する子会社は、内部通報にかかる関係法令及びグループ規程に基づき、社内の内部通報制度を整備するものとしております。
委員会は、定期的に当社各部門及び各子会社におけるコンプライアンス問題の状況の調査を実施しております。委員会は、この調査結果、リスクの識別・評価及び内部通報の状況等に基づき、定期的に当社グループのコンプライアンス体制を検証し、その整備計画に反映させております。
当社グループにおける全社品質方針を定め、社長直下の品質所管役員を品質統括責任者とする品質マネジメント体制(監査、モニタリング等を含む)を構築・運用し、グループグローバルで、顧客視点での継続的な品質改善を推進する体制を整備しております。特に当社グループに著しい影響を与え得る重要な品質コンプライアンスリスクについては、経営会議等においてリスクの特定・分析・評価・対策等について機動的かつ多面的・多角的に審議することとし、とりわけ、重要リスクが発現した際には、速やかに取締役会に報告するとともに、社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をとる体制としております。また、品質不正防止規程及びガイドラインを定め、当社グループの役職員及び各部門が担うべき役割と責任、品質不正防止のための具体的な取組み、品質不正発生時の初動対応を明確化し、これを当社グループ全体に周知しております。
当社グループ全体で人権尊重の責任を果たすため、住友理工グループ人権方針を定め、必要な施策を講じることとしております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社グループにおけるリスク管理に関する体制は、取締役会が、当社グループのリスク選好、リスク許容度、経営に重大な影響を及ぼすすべてのリスクの規模及びそれらへの対応状況の認識を共有することで、当社グループ全体の戦略を最適化し、経営リスクを極小化するため適時に適切な判断を行えるものとしております。これらの体制は、取締役会が制定する当社の規程及びグループ規程に基づき以下のとおりに整備しております。
当社グループは、リスク管理委員会を当社に設置し、当社グループのリスク管理体制の整備及び運用を統括しております。リスク管理委員会の委員長は、取締役会決議により選任し、そのリスク管理の状況は取締役会に報告しています。リスク管理委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとします。委員会には委員又は事務局に企業のリスク管理の専門知識を有する役職員を置き、又は社外専門家の助言を受けられる体制とします。
リスク管理委員会は、定期的に当社グループのリスクの識別、評価を実施し、各部門・子会社が策定するリスクへの対応計画の妥当性を確認し、その遂行状況をモニタリングします。また、当社グループにおける重要なリスクを選定し、当該リスク、その対応計画及び対応の状況を取締役会に報告します。リスクを識別するに当たっては、経済安全保障環境の変化、自然災害、事業の国際化、情報及びサイバーセキュリティリスクの高まり、新規事業分野への進出、国内外の法令改正やその運用動向など内外の事業環境の変化を幅広く考慮しております。また、人材やサプライチェーン、財務、レピュテーションに関するリスクも総合的に検討しております。
また、リスク管理委員会は、震災、火災、感染症等急激かつ外来の災害によるリスクに対して、当社各部門及び子会社における災害対策計画及び不測事態対応計画の策定及び定期的な訓練・検証の状況を統括しております。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社グループにおける子会社の業務の適正を確保するための体制は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づく体制の運用の状況の確認を行うとともに、内外の環境の変化等に対応し、その見直しを行うこととしております。主な整備及び運用の状況は以下のとおりです。
「当社及び子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」に関して、次の事項を実施しています。
①国内外の子会社の全役職員を対象としたコンプライアンス研修を実施し、当社グループにおけるコンプライアンス体制を更に強化しています。
②品質不正防止規程及びガイドラインを定め、当社グループの役職員及び各部門が担うべき役割と責任、品質不正防止のための具体的な取組み、品質不正発生時の初動対応を明確化し、これを当社グループ全体に周知しています。
ハ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役又は社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
② 取締役の定数
当社は取締役の員数を3名以上とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
④ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めております。
イ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑤ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
⑥ 取締役会等の活動状況
イ.取締役会等の開催状況等
・取締役会
監査役大橋武弘氏及び関根愛子氏は、2024年6月20日開催の定時株主総会の終結時をもって監査役を退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
監査役南野高伸氏及び松田玲子氏は、2024年6月20日開催の定時株主総会において監査役に就任しておりますので、就任後に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
取締役花形滋氏は、2025年6月19日で退任し、2025年6月19日の定時株主総会決議により、取締役伊勢清貴氏が就任しており、以降、取締役会は、取締役8名及び監査役5名で構成されています。
取締役会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・財務目標・非財務目標に基づく企業価値・社会的価値の向上施策
・グループ全体における品質・コンプライアンスリスクの管理
・ステークホルダーへの情報開示と対話の方針
・内部統制・リスク管理体制の高度化
・人的資本経営(DE&I、人権、人材育成等)の推進
・政策保有株式の検証
・取締役会の実効性評価
・その他、取締役会規程に定める重要事項
・ガバナンス委員会
委員長花形滋氏は、2025年6月19日で退任し、2025年6月19日の取締役会決議により、取締役入谷正章氏が新たに委員長に就任し、取締役伊勢清貴氏が新たに委員に就任しております。
ガバナンス委員会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・グループの中長期的成長・企業価値・公益価値の向上施策
・グループガバナンス体制に関する重要課題
・親会社と少数株主間に利益相反のおそれがある取引の審議
・取締役会の実効性評価
・その他、取締役会からの諮問事項
・指名・報酬委員会
委員花形滋氏は、2025年6月19日で退任し、2025年6月19日の取締役会決議により、取締役伊勢清貴氏が新たに委員に就任しております。
指名・報酬委員会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・取締役報酬等の決定方針の策定
・報酬・賞与等の個別内容に関する審議
・取締役の選解任に関する事項
・社長の選任基準(あるべき社長像)に関する検討
・その他、取締役会からの諮問事項
ロ.取締役会の実効性評価
当社取締役会は、少なくとも毎年1回、取締役会等において、取締役会の実効性に関する分析及び評価を行うこととしています。取締役会の実効性に関する質問票に全取締役及び監査役が回答し、その回答内容に基づき、ガバナンス委員会及び2025年3月度取締役会の2回において、当該評価を行った結果は次のとおりであります。
当社取締役会の規模、構成、独立社外取締役比率、構成員の資質及び運営状況は適切であり、この点において、経営への監督機能を発揮するための体制が確保されていることを確認しました。
また、当社取締役会において、自由闊達で真摯な議論及び意見交換が行われる企業文化が形成されており、かつ、そのもとで取締役及び監査役による積極的な議論が実際に行われていることを確認しました。
その上でさらに、当社取締役会は、住友事業精神が謳う「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、2023年5月に策定・公表した、当社の中期経営計画「2029年住友理工グループVision(2029V)」及び「2025年住友理工グループ中期経営計画」を達成し、かつ、その健全な企業の成長を支えるため、現行の当社取締役会の機関設計(監査役会設置会社)の妥当性、また、取締役の選解任手続きについては、取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会が、社長の選任基準(あるべき社長像)及び取締役選解任基準の下、当社の固有の事情、すなわち、当社が上場子会社であることを踏まえ、当社にとって最適な経営トップ及び経営陣についての答申、及びそれに向けての後継者計画の策定・運用等の監督を主体的に行うこと、さらに、取締役会は、指名・報酬決定のプロセスにおける客観性と透明性を一層高めるため、指名・報酬委員会による議論を積極的に把握するとともに、その答申を尊重して、取締役会として適切な判断を行うこと、また、経営トップ等の後継者計画の一環である、経営幹部の育成等を目的とした次世代経営者育成プログラムの策定・運用に主体的に関与するとともに、住友事業精神や中期経営ビジョンを踏まえた監督を適切に行うこと等を含めた、コーポレート・ガバナンス機能の実効的な強化を引き続き図っていくことを確認し、特に、(1)企業価値の向上(財務目標による企業価値、非財務目標による公益価値の向上を通じた「社会的価値の創造」)、(2)株主をはじめとするステークホルダーへの適時適切な情報開示と丁寧な対話の実践、(3)グループガバナンス、内部統制及びリスク管理の高度化、(4)ダイバーシティ&インクルージョン、人権、人材育成を含む人的資本経営について、従来以上に議論を深め、意思決定の透明性向上に取り組むことを確認しました。加えて、取締役会が指摘した事項について、執行部門がその対応状況を適切に検証し、進捗や実施状況を取締役会が継続的にモニタリングする仕組みを強化することを確認しました。
また、取締役会の議論を活性化させるため、社外役員への議案資料の早期提供や事前説明を充実させ、事実確認を事前に済ませることで、取締役会当日の議案説明の時間を削減し、議論を中心とした運営を進めています。さらに、取締役会における議論の質を向上させるため、経営会議等の社内会議での検討経緯(意見・質疑の概要や結論に至った理由等)を説明することを社内役員に求めています。加えて、社内取締役がグループ経営全体の視点から積極的に発言し、議論に参加できる環境を整えるとともに、社内外取締役間の情報格差を縮小するための効果的な情報共有を推進してまいります。また、専門的な知見に基づく議論と意思決定の高度化を支えるため、取締役のスキル向上を目的としたトレーニング機会の拡充を図るほか、中期経営ビジョンとの連動を意識し、経営戦略の実効性を高めるための深掘りした議論の促進にも取り組んでまいります。
これらの施策を通じて取締役会の実効性向上を図るとともに、今後も本評価結果を踏まえ、さらなる機能強化に取り組んでまいります。
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
住友の事業は、今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を礎とし住友の先人により何代にもわたって深化・発展させてきた「住友事業精神」を精神的基盤として営まれてきました。
萬事入精:まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意を尽くす人であれ
信用確実:何よりも信用を重んじること、すなわち常に相手の信頼に応えること
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、浮利を追い、軽率、粗略に行動してはならない
当社は、自動車用品分野では新たな地域と顧客への事業展開及びCASEに代表される新領域に対する製品の創出と開発を進め、一般産業用品分野では新領域の事業への進出を積極化させています。事業環境の変化に対応した健全なリスクテイクを支えるために、取締役会機能の充実を中心としたガバナンス機能の強化を図ってまいります。
また、当社と成長の機会とリスクを共有する株主やその他のステークホルダーに対し経営戦略・経営課題を踏まえた財務情報や非財務情報の適時適切な開示を行い、また経営陣が株主との建設的な対話を行うための体制を整えてまいります。
当社は、住友電気工業㈱を親会社としています。事業上の意思決定は親会社から独立して行っていますが、多数の海外拠点や多様な技術・顧客基盤を持つ親会社を有することで、当社の海外事業や新事業展開において支援を受けることができます。当社のガバナンスにおいては、親会社と少数株主との利益が相反するおそれのある重要な取引・行為については、社外取締役及び社外監査役のみで構成される特別委員会を設置し、当該委員会にて審議・検討するなど、株主共同の利益に配慮し親会社との健全な関係を維持してまいります。
当社は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、代表取締役、社外取締役及び監査役で構成される「ガバナンス委員会」を設置しています。ガバナンス委員会は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役の視点を交えて、当社グループのコーポレート及びグループガバナンス体制等の中長期的に重要な課題を取締役会に答申するための審議を行うとともに、代表取締役、社外取締役及び監査役の連携を強化し、当社グループの持続的な成長と社会的価値(企業価値及び公益価値)の向上を図ることを目的として開催することとしております。
当社は、取締役の選解任及び報酬等に関する手続きの透明性・公正性を確保することを目的に、取締役会の任意の諮問機関として、「指名・報酬委員会」を設置しています。指名・報酬委員会は、取締役会の諮問により、取締役の基本報酬及び業績連動報酬である賞与に関する事項並びに株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容等について審議・答申するものとしています。また、指名・報酬委員会は、その過半数を独立社外取締役としており、また、筆頭独立社外取締役が委員長を務めることで、独立制を確保しています。
さらに、当社は「住友事業精神」に基づき、SDGs等に代表される社会的課題に対し、技術革新を通じて解決を図ります。そして、企業価値と公益価値を同時に向上させることで、社会的価値を創造し、社会と共に持続的に成長することを目指してまいります。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要と採用の理由
当社は、監査役設置会社の機構を採用し、取締役会の監督と監査役会の監視により業務執行の適法性及び妥当性を確保するものとしています。
取締役会の構成は、当社の事業分野、事業環境や規模を前提として、適切な経営の監視監督機能を果たすことができるかという視点で決定するものとしています。
専門性の観点からは、当社の経営戦略、経営計画等を踏まえて、経営、技術・開発、製造・モノづくり、財務・会計、法務・リスク管理、人材・ダイバーシティ&インクルージョン等の分野において、豊富な経験と高い見識を有する人材を選任しています。
独立性の観点からは、独立役員の要件を満たし、かつ高い専門性と見識を有する社外取締役及び社外監査役をそれぞれ複数選任しています。また、社外取締役が経営陣との対話や株主等のステークホルダーとの対話を円滑に行うために、社外取締役の中から、筆頭独立社外取締役を選定しています。
ジェンダーや国際性の観点からは、女性の社外役員を3名選任しています。現時点で外国人の取締役は選任していませんが、将来、社内からの登用の基盤として幹部社員の多様性を進めるためCSR・サステナビリティ委員会において様々な施策を講じています。
現在の取締役会は、取締役8名(うち社外取締役3名)と、監査役5名(うち社外監査役3名)からなる体制であり、事業分野を網羅し必要な専門性と社内外の役員数のバランスを確保しつつ実質的な討議を行うことができる適切な規模となっています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図

ロ.企業統治に関するその他の事項
内部統制システムの整備の状況
・コンプライアンス体制の整備の状況
当社グループにおける取締役その他の役員及び使用人(以下、役職員)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(以下、コンプライアンス体制)は、萬事入精、信用確実及び不趨浮利を旨とする住友事業精神に基づき取締役会が決定する経営理念、事業運営の基本(「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」、住友理工グループ企業行動憲章、CSR・サステナビリティ基本方針、住友理工グループガバナンス・コード及びグローバルコンプライアンス行動指針(以下、行動指針等)に準拠して整備しております。当該体制は、当社各部門及び子会社において整備し、すべての役職員により運用されるものとしております。
子会社におけるコンプライアンス体制は、住友理工グループガバナンス・コード及びこのもとで当社が定めるグループ規程により、その整備、運用がなされることを確保しております。グループ規程では、子会社の規模や事業内容に応じて整備すべきコンプライアンス体制の基準を定めております。また、当社グループにおけるコンプライアンスは、「単に法令遵守にとどまらず、社会の期待に応えること」という共通理解に基づき、社内規程及びその運用等は、定期的に見直し、これを整備しております。
法令違反の早期発見及び迅速かつ適切な対応を行うために、当社グループの違反報告・処理体制を整備するとともに、法令及び社内規程に違反した役職員へは、当社又は子会社の規程に基づく懲戒を含め厳正に対処しております。また、当社グループは、贈収賄・腐敗行為防止をコンプライアンスにおける最重要課題のひとつとして位置付けており、贈収賄・腐敗行為防止に対する取り組み及び社内体制の整備を強化しております。これらの仕組みや体制が適正に運用されるように、法令遵守(贈収賄規制、競争法、下請法及び労働法等)に対する取り組み及び研修を実施しております。
当社グループは、グループのコンプライアンス体制の整備、運用を主導、統括する組織としてコンプライアンス委員会(以下、委員会)を当社に設けております。委員長は、取締役会決議により選任し、その活動状況は取締役会に報告しております。委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとしております。委員会の委員又は事務局には、弁護士その他の企業法務の専門知識を有する役職員を配置しております。委員会には独立した予算を設けております。
委員会は、定期に当社グループのコンプライアンスリスクを識別・評価し、対応計画を定め、委員会、当社各部門及び子会社における対応を把握し検証しております。委員会は、当社グループの役職員に対し行動指針やリスク評価に基づくコンプライアンス教育等を定期的に実施しております。また、役職員のコンプライアンス対応を支援するため、法務部門及び各分野のコンプライアンス対応を分掌する部門にコンプライアンス相談窓口を設けております。反社会的勢力に対しては、人事総務部門を中心として、当社グループがこれとの一切の関係を遮断する体制を整備しております。
委員会は、コンプライアンス問題の内部通報窓口を社内及び社外に設け、周知しております。通報事案に対しては客観的かつ専門的な調査を行い、個別問題の是正及びコンプライアンス体制の改善を図っています。当社グループは、通報者に対し、通報を理由として不利な取扱いは行わないものとし、通報者の保護に万全を期しております。委員会は、全世界の子会社の役職員から直接、内部通報を受付ける制度を整備・運用しております。一定の事業規模を有する子会社は、内部通報にかかる関係法令及びグループ規程に基づき、社内の内部通報制度を整備するものとしております。
委員会は、定期的に当社各部門及び各子会社におけるコンプライアンス問題の状況の調査を実施しております。委員会は、この調査結果、リスクの識別・評価及び内部通報の状況等に基づき、定期的に当社グループのコンプライアンス体制を検証し、その整備計画に反映させております。
当社グループにおける全社品質方針を定め、社長直下の品質所管役員を品質統括責任者とする品質マネジメント体制(監査、モニタリング等を含む)を構築・運用し、グループグローバルで、顧客視点での継続的な品質改善を推進する体制を整備しております。特に当社グループに著しい影響を与え得る重要な品質コンプライアンスリスクについては、経営会議等においてリスクの特定・分析・評価・対策等について機動的かつ多面的・多角的に審議することとし、とりわけ、重要リスクが発現した際には、速やかに取締役会に報告するとともに、社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をとる体制としております。また、品質不正防止規程及びガイドラインを定め、当社グループの役職員及び各部門が担うべき役割と責任、品質不正防止のための具体的な取組み、品質不正発生時の初動対応を明確化し、これを当社グループ全体に周知しております。
当社グループ全体で人権尊重の責任を果たすため、住友理工グループ人権方針を定め、必要な施策を講じることとしております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社グループにおけるリスク管理に関する体制は、取締役会が、当社グループのリスク選好、リスク許容度、経営に重大な影響を及ぼすすべてのリスクの規模及びそれらへの対応状況の認識を共有することで、当社グループ全体の戦略を最適化し、経営リスクを極小化するため適時に適切な判断を行えるものとしております。これらの体制は、取締役会が制定する当社の規程及びグループ規程に基づき以下のとおりに整備しております。
当社グループは、リスク管理委員会を当社に設置し、当社グループのリスク管理体制の整備及び運用を統括しております。リスク管理委員会の委員長は、取締役会決議により選任し、そのリスク管理の状況は取締役会に報告しています。リスク管理委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとします。委員会には委員又は事務局に企業のリスク管理の専門知識を有する役職員を置き、又は社外専門家の助言を受けられる体制とします。
リスク管理委員会は、定期的に当社グループのリスクの識別、評価を実施し、各部門・子会社が策定するリスクへの対応計画の妥当性を確認し、その遂行状況をモニタリングします。また、当社グループにおける重要なリスクを選定し、当該リスク、その対応計画及び対応の状況を取締役会に報告します。リスクを識別するに当たっては、経済安全保障環境の変化、自然災害、事業の国際化、情報及びサイバーセキュリティリスクの高まり、新規事業分野への進出、国内外の法令改正やその運用動向など内外の事業環境の変化を幅広く考慮しております。また、人材やサプライチェーン、財務、レピュテーションに関するリスクも総合的に検討しております。
また、リスク管理委員会は、震災、火災、感染症等急激かつ外来の災害によるリスクに対して、当社各部門及び子会社における災害対策計画及び不測事態対応計画の策定及び定期的な訓練・検証の状況を統括しております。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社グループにおける子会社の業務の適正を確保するための体制は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づく体制の運用の状況の確認を行うとともに、内外の環境の変化等に対応し、その見直しを行うこととしております。主な整備及び運用の状況は以下のとおりです。
「当社及び子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」に関して、次の事項を実施しています。
①国内外の子会社の全役職員を対象としたコンプライアンス研修を実施し、当社グループにおけるコンプライアンス体制を更に強化しています。
②品質不正防止規程及びガイドラインを定め、当社グループの役職員及び各部門が担うべき役割と責任、品質不正防止のための具体的な取組み、品質不正発生時の初動対応を明確化し、これを当社グループ全体に周知しています。
ハ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役又は社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
② 取締役の定数
当社は取締役の員数を3名以上とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
④ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めております。
イ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑤ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
⑥ 取締役会等の活動状況
イ.取締役会等の開催状況等
・取締役会
| 役職名 | 氏名 | 開催回数 | 出席回数 | 出席率 |
| 代表取締役 執行役員社長 | 清水 和志 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 専務執行役員 | 和久 伸一 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 専務執行役員 | 山根 英雄 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 専務執行役員 | 安田 日出吉 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 常務執行役員 | 矢野 勝久 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外取締役 | 入谷 正章 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外取締役 | 花形 滋 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外取締役 | 宮城 まり子 | 16回 | 15回 | 93% |
| 常勤監査役 | 大橋 武弘 | 3回 | 3回 | 100% |
| 常勤監査役 | 前田 裕久 | 16回 | 16回 | 100% |
| 常勤監査役 | 南野 高伸 | 13回 | 13回 | 100% |
| 社外監査役 | 関根 愛子 | 3回 | 3回 | 100% |
| 社外監査役 | 百嶋 計 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外監査役 | 小池 達子 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外監査役 | 松田 玲子 | 13回 | 13回 | 100% |
監査役大橋武弘氏及び関根愛子氏は、2024年6月20日開催の定時株主総会の終結時をもって監査役を退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
監査役南野高伸氏及び松田玲子氏は、2024年6月20日開催の定時株主総会において監査役に就任しておりますので、就任後に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
取締役花形滋氏は、2025年6月19日で退任し、2025年6月19日の定時株主総会決議により、取締役伊勢清貴氏が就任しており、以降、取締役会は、取締役8名及び監査役5名で構成されています。
取締役会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・財務目標・非財務目標に基づく企業価値・社会的価値の向上施策
・グループ全体における品質・コンプライアンスリスクの管理
・ステークホルダーへの情報開示と対話の方針
・内部統制・リスク管理体制の高度化
・人的資本経営(DE&I、人権、人材育成等)の推進
・政策保有株式の検証
・取締役会の実効性評価
・その他、取締役会規程に定める重要事項
・ガバナンス委員会
| 役職名 | 氏名 | 開催回数 | 出席回数 | 出席率 |
| 委員長 | 花形 滋 | 3回 | 3回 | 100% |
| 委員 | 清水 和志 | 3回 | 3回 | 100% |
| 委員 | 入谷 正章 | 3回 | 3回 | 100% |
| 委員 | 宮城 まり子 | 3回 | 3回 | 100% |
委員長花形滋氏は、2025年6月19日で退任し、2025年6月19日の取締役会決議により、取締役入谷正章氏が新たに委員長に就任し、取締役伊勢清貴氏が新たに委員に就任しております。
ガバナンス委員会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・グループの中長期的成長・企業価値・公益価値の向上施策
・グループガバナンス体制に関する重要課題
・親会社と少数株主間に利益相反のおそれがある取引の審議
・取締役会の実効性評価
・その他、取締役会からの諮問事項
・指名・報酬委員会
| 役職名 | 氏名 | 開催回数 | 出席回数 | 出席率 |
| 委員長 | 入谷 正章 | 3回 | 3回 | 100% |
| 委員 | 清水 和志 | 3回 | 3回 | 100% |
| 委員 | 花形 滋 | 3回 | 3回 | 100% |
| 委員 | 宮城 まり子 | 3回 | 3回 | 100% |
委員花形滋氏は、2025年6月19日で退任し、2025年6月19日の取締役会決議により、取締役伊勢清貴氏が新たに委員に就任しております。
指名・報酬委員会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・取締役報酬等の決定方針の策定
・報酬・賞与等の個別内容に関する審議
・取締役の選解任に関する事項
・社長の選任基準(あるべき社長像)に関する検討
・その他、取締役会からの諮問事項
ロ.取締役会の実効性評価
当社取締役会は、少なくとも毎年1回、取締役会等において、取締役会の実効性に関する分析及び評価を行うこととしています。取締役会の実効性に関する質問票に全取締役及び監査役が回答し、その回答内容に基づき、ガバナンス委員会及び2025年3月度取締役会の2回において、当該評価を行った結果は次のとおりであります。
当社取締役会の規模、構成、独立社外取締役比率、構成員の資質及び運営状況は適切であり、この点において、経営への監督機能を発揮するための体制が確保されていることを確認しました。
また、当社取締役会において、自由闊達で真摯な議論及び意見交換が行われる企業文化が形成されており、かつ、そのもとで取締役及び監査役による積極的な議論が実際に行われていることを確認しました。
その上でさらに、当社取締役会は、住友事業精神が謳う「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、2023年5月に策定・公表した、当社の中期経営計画「2029年住友理工グループVision(2029V)」及び「2025年住友理工グループ中期経営計画」を達成し、かつ、その健全な企業の成長を支えるため、現行の当社取締役会の機関設計(監査役会設置会社)の妥当性、また、取締役の選解任手続きについては、取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会が、社長の選任基準(あるべき社長像)及び取締役選解任基準の下、当社の固有の事情、すなわち、当社が上場子会社であることを踏まえ、当社にとって最適な経営トップ及び経営陣についての答申、及びそれに向けての後継者計画の策定・運用等の監督を主体的に行うこと、さらに、取締役会は、指名・報酬決定のプロセスにおける客観性と透明性を一層高めるため、指名・報酬委員会による議論を積極的に把握するとともに、その答申を尊重して、取締役会として適切な判断を行うこと、また、経営トップ等の後継者計画の一環である、経営幹部の育成等を目的とした次世代経営者育成プログラムの策定・運用に主体的に関与するとともに、住友事業精神や中期経営ビジョンを踏まえた監督を適切に行うこと等を含めた、コーポレート・ガバナンス機能の実効的な強化を引き続き図っていくことを確認し、特に、(1)企業価値の向上(財務目標による企業価値、非財務目標による公益価値の向上を通じた「社会的価値の創造」)、(2)株主をはじめとするステークホルダーへの適時適切な情報開示と丁寧な対話の実践、(3)グループガバナンス、内部統制及びリスク管理の高度化、(4)ダイバーシティ&インクルージョン、人権、人材育成を含む人的資本経営について、従来以上に議論を深め、意思決定の透明性向上に取り組むことを確認しました。加えて、取締役会が指摘した事項について、執行部門がその対応状況を適切に検証し、進捗や実施状況を取締役会が継続的にモニタリングする仕組みを強化することを確認しました。
また、取締役会の議論を活性化させるため、社外役員への議案資料の早期提供や事前説明を充実させ、事実確認を事前に済ませることで、取締役会当日の議案説明の時間を削減し、議論を中心とした運営を進めています。さらに、取締役会における議論の質を向上させるため、経営会議等の社内会議での検討経緯(意見・質疑の概要や結論に至った理由等)を説明することを社内役員に求めています。加えて、社内取締役がグループ経営全体の視点から積極的に発言し、議論に参加できる環境を整えるとともに、社内外取締役間の情報格差を縮小するための効果的な情報共有を推進してまいります。また、専門的な知見に基づく議論と意思決定の高度化を支えるため、取締役のスキル向上を目的としたトレーニング機会の拡充を図るほか、中期経営ビジョンとの連動を意識し、経営戦略の実効性を高めるための深掘りした議論の促進にも取り組んでまいります。
これらの施策を通じて取締役会の実効性向上を図るとともに、今後も本評価結果を踏まえ、さらなる機能強化に取り組んでまいります。