訂正有価証券報告書-第135期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
住友の事業は、今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を礎とし住友の先人により何代にもわたって深化・発展させてきた「住友事業精神」を精神的基盤として営まれてきました。
萬事入精:まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意を尽くす人であれ
信用確実:何よりも信用を重んじること、すなわち常に相手の信頼に応えること
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、浮利を追い、軽率、粗略に行動してはならない
当社は、自動車用品分野では新たな地域と顧客への事業展開およびCASEに代表される新領域に対する製品の創出と開発を進め、一般産業用品分野では新領域の事業への進出を積極化させています。事業環境の変化に対応した健全なリスクテイクを支えるために、取締役会機能の充実を中心としたガバナンス機能の強化を図ってまいります。
また、当社と成長の機会とリスクを共有する株主やその他のステークホルダーに対し経営戦略・経営課題を踏まえた財務情報や非財務情報の適時適切な開示を行い、また経営陣幹部が株主との建設的な対話を行うための体制を整えてまいります。
当社は、住友電気工業株式会社を親会社としています。事業上の意思決定は親会社から独立して行っています。多数の海外拠点や多様な技術・顧客基盤を持つ親会社を有することで、当社の海外事業や新事業展開において支援を受けることができます。当社のガバナンスにおいては、株主共同の利益に配慮し親会社との健全な関係を維持してまいります。
当社は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、代表取締役、社外取締役及び監査役で構成される「ガバナンス委員会」を設置しています。ガバナンス委員会は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役の視点を交えて、当社グループのコーポレート及びグループガバナンス体制等の中長期的に重要な課題を取締役会に答申するための審議を行うとともに、代表取締役、社外取締役及び監査役の連携を強化し、当社グループの持続的な成長と社会的価値(企業価値及び公益価値)の向上を図ることを目的として開催することとしております。
当社は、取締役の選解任および報酬等に関する手続きの透明性・公正性を確保することを目的に、取締役会の任意の諮問機関として、「指名・報酬委員会」を設置しています。指名・報酬委員会は、取締役会の諮問により、取締役の基本報酬および業績連動報酬である賞与に関する事項ならびに株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容等について審議・答申するものとしています。また、指名・報酬委員会は、その過半数を独立社外取締役としており、また、筆頭独立社外取締役が委員長を務めることで、独立制を確保しています。
さらに、当社は「住友事業精神」に基づき、SDGsなどに代表される社会的課題に対し、技術革新を通じて解決を図ります。そして、企業価値と公益価値を同時に向上させることで、社会的価値を創造し、社会とともに持続的に成長することを目指してまいります。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要と採用の理由
当社は、監査役設置会社の機構を採用し、取締役会の監督と監査役会の監視により業務執行の適法性及び妥当性を確保するものとしています。
取締役会の構成は、当社の事業分野、事業環境や規模を前提として、適切な経営の監視監督機能を果たすことができるかという視点で決定するものとしています。
専門性の観点からは、現在、当社は既存事業のグローバル展開と新事業展開を積極的に進めており、これに対応して財務規模も拡大し、また潜在的な法務リスクも増加していることから、グローバル経営、新規事業、財務、会計及び法務分野における高度な知識や豊富な経験を有する人材を選任しています。
独立性の観点からは、独立役員の要件を満たし、かつ高い専門性と見識を有する社外取締役及び社外監査役をそれぞれ複数選任しています。また、社外取締役が経営陣との対話や株主等のステークホルダーとの対話を円滑に行うために、社外取締役の中から、筆頭独立社外取締役を選定しています。
ジェンダーや国際性の観点からは、女性の社外役員を3名選任しています。現時点で外国人の取締役は選任していませんが、将来、社内からの登用の基盤として幹部社員の多様性を進めるためCSR・サステナビリティ委員会において様々な施策を講じています。なお、執行役員としては1名の外国人を選任しています。
現在の取締役会は、取締役8名(うち社外取締役3名)と、監査役5名(うち社外監査役3名)からなる体制であり、事業分野を網羅し必要な専門性と社内外の役員数のバランスを確保しつつ実質的な討議を行うことができる適切な規模となっています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図

ロ.企業統治に関するその他の事項
内部統制システムの整備の状況
・コンプライアンス体制の整備の状況
当社グループにおける取締役その他の役員及び使用人(以下、役職員)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(以下、コンプライアンス体制)は、萬事入精、信用確実及び不趨浮利を旨とする住友事業精神に基づき取締役会が決定する経営理念、事業運営の基本(「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」、グループ行動憲章、CSR・サステナビリティ基本方針、住友理工グループガバナンス・コード及びグローバルコンプライアンス行動指針(以下、行動指針等)に準拠して整備しております。当該体制は、当社各部門及び子会社において整備し、すべての役職員により運用されるものとしております。
子会社におけるコンプライアンス体制は、住友理工グループガバナンス・コード及びこのもとで当社が定めるグループ規程により、その整備、運用がなされることを確保しております。グループ規程では、子会社の規模や事業内容に応じて整備すべきコンプライアンス体制の基準を定めております。また、当社グループにおけるコンプライアンスは、「単に法令遵守にとどまらず、社会の期待に応えること」という共通理解に基づき、社内規程及びその運用等は、定期的に見直し、これを整備しております。
法令違反の早期発見及び迅速かつ適切な対応を行うために、当社グループの違反報告・処理体制を整備するとともに、法令及び社内規程に違反した役職員へは、当社又は子会社の規程に基づく懲戒を含め厳正に対処しております。また、当社グループは、贈収賄・腐敗行為防止をコンプライアンスにおける最重要課題のひとつとして位置付けており、贈収賄・腐敗行為防止に対する取り組み及び社内体制の整備を強化しております。これらの仕組みや体制が適正に運用されるように、法令遵守(贈収賄規制、競争法、下請法及び労働法等)に対する取り組み及び研修を実施しております。
当社グループは、グループのコンプライアンス体制の整備、運用を主導、統括する組織としてコンプライアンス委員会(以下、委員会)を当社に設けております。委員長は、取締役会決議により選任し、その活動状況は取締役会に報告しております。委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとしております。委員会の委員又は事務局には、弁護士その他の企業法の専門知識を有する役職員を配置しております。委員会には独立した予算を設けております。
委員会は、定期に当社グループのコンプライアンスリスクを識別・評価し、対応計画を定め、委員会、当社各部門及び子会社における対応を把握し検証しております。委員会は、当社グループの役職員に対し行動指針やリスク評価に基づくコンプライアンス教育等を定期的に実施しております。また、役職員のコンプライアンス対応を支援するため、法務部門及び各分野のコンプライアンス対応を分掌する部門にコンプライアンス相談窓口を設けております。反社会的勢力に対しては、人事総務部門を中心として、当社及び子会社がこれとの一切の関係を遮断する体制を整備しております。
委員会は、コンプライアンス問題の内部通報窓口を社内及び社外に設けております。通報事案に対しては客観的かつ専門的な調査を行い、個別問題の是正及びコンプライアンス体制の改善をはかっています。当社及び子会社は、通報者に対し、通報を理由として不利な取扱いは行わないものとし、通報者の保護に万全を期しております。委員会は、全世界の子会社の役職員から直接、内部通報を受付ける制度を順次整備しております。一定の事業規模を有する子会社は、内部通報にかかる関係法令及びグループ規程に基づき、社内の内部通報制度を整備するものとしております。
委員会は、定期的に当社各部門及び各子会社におけるコンプライアンス問題の状況の調査を実施しております。委員会は、この調査結果、リスクの識別・評価及び内部通報の状況等に基づき、定期的に当社グループのコンプライアンス体制を検証し、その整備計画に反映させております。
当社グループにおける全社品質方針を定め、社長直下の品質所管役員を最高品質責任者とする品質マネジメント体制(監査、モニタリング等を含む)を構築・運用し、グループグローバルで、顧客視点での継続的な品質改善を推進する体制を整備しております。特に当社グループに著しい影響を与え得る重要な品質コンプライアンスリスクについては、経営会議等においてリスクの特定・分析・評価・対策等について機動的かつ多面的・多角的に審議することとし、とりわけ、重要リスクが発現した際には、速やかに取締役会に報告するとともに、社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をとる体制としております。
当社グループ全体で人権尊重の責任を果たすため、住友理工グループ人権方針を定め、必要な施策を講じることとしております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社グループにおけるリスク管理に関する体制は、取締役会が、当社グループのリスク選好、リスク許容度、経営に重大な影響を及ぼすすべてのリスクの規模及びそれらへの対応状況の認識を共有することで、当社グループ全体の戦略を最適化し、経営リスクを極小化するため適時に適切な判断を行えるものとしております。これらの体制は、取締役会が制定する当社の規程及びグループ規程に基づき以下のとおりに整備しております。
当社グループは、リスク管理委員会を当社に設置し、グループのリスク管理体制の整備及び運用を統括しております。リスク管理委員会の委員長は、取締役会決議により選任し、そのリスク管理の状況は取締役会に報告しています。リスク管理委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとします。委員会には委員又は事務局に企業のリスク管理の専門知識を有する役職員を置き、又は社外専門家の助言を受けられる体制とします。
リスク管理委員会は、定期的に当社グループのリスクの識別、評価を実施し、各部門・子会社が策定するリスクの対応計画の妥当性を確認し、その遂行状況をモニターします。また、当社グループにおける重要なリスクを選定し、当該リスク、その対応計画及び対応の状況を取締役会に報告します。なお、リスクの識別にあたっては、事業の国際化、新規事業分野への進出や外国法令の運用動向など内外の事業環境の変化を考慮しております。
また、リスク管理委員会は、震災、火災、感染症など急激かつ外来の災害によるリスクに対して、当社各部門及び子会社における災害対策計画及び不測事態対応計画の策定及び定期的な訓練・検証の状況を統括しております。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社グループにおける子会社の業務の適正を確保するための体制は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づく体制の運用の状況の確認を行うとともに、内外の環境の変化等に対応し、その見直しを行うこととしております。主な整備の状況は以下のとおりです。
「当社及び子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」に関して、次の事項を実施しています。
①改正公益通報者保護法に対応し、グループでの内部通報制度を強化するため、当社および対象国内子会社において、規程類の整備および通報対応業務への従事者の指定等を進めました。
②当社グループ全体で、国際基準に則った人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たすために、その具体的な取り組みを明確にした「住友理工グループ人権方針」を新たに策定しました。
「当社及び子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」に関して、各国が定める個人情報保護に関する法令等に基づく体制をグループグローバルで整備することにより、当社グループにおける個人情報の適切かつ安全な保存および管理の強化を進めました。
ハ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役または社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
② 取締役の定数
当社は取締役の員数を3名以上とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
④ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めております。
イ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑤ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
⑥ 取締役会等の活動状況
イ.取締役会の開催状況等
・取締役会
取締役松井徹氏および大島司氏は、2023年6月15日で退任し、2023年6月15日の定時株主総会決議により、取締役矢野勝久氏および安田日出吉氏が就任しており、以降、取締役会は、取締役8名および監査役5名で構成されています。
・ガバナンス委員会
・指名・報酬委員会
ロ.取締役会の実効性評価
当社取締役会は、少なくとも毎年1回、取締役会等において、取締役会の実効性に関する分析及び評価を行うこととしています。取締役会の実効性に関する質問票に全取締役及び監査役が回答し、その回答内容に基づき、ガバナンス委員会および2023年3月度取締役会の2回において、当該評価を行った結果は次の通りであります。
当社取締役会の規模、構成、独立社外取締役比率、構成員の資質及び運営状況は適切であり、この点において、経営への監督機能を発揮するための体制が確保されていることを確認しました。
また、当社取締役会において、自由闊達で真摯な議論及び意見交換が行われる企業文化が形成されており、かつ、そのもとで取締役及び監査役による積極的な議論が実際に行われていることを確認しました。
その上でさらに、当社取締役会は、住友事業精神が謳う「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、2023年5月に策定・公表した、当社の中期経営ビジョン「2029年住友理工グループVision(2029V)」および「2025年中期経営計画」を達成し、かつ、その健全な企業の成長を支えるため、現行の当社取締役会の機関設計(監査役会設置会社)の妥当性、また、取締役の選解任手続きについては、取締役会の諮問機関である指名・報酬諮問委員会が、取締役選解任基準の下、当社の固有の事情、すなわち、当社が上場子会社であることを踏まえ、当社にとって最適な経営トップ及び経営陣についての答申、及びそれに向けての後継者計画の策定・運用等の監督を行うこと、さらに、取締役会は、経営トップ等の後継者計画の一環である、経営幹部の育成等を目的とした次世代経営者育成プログラムの策定・運用に主体的に関与するとともに、住友事業精神や中期経営ビジョンを踏まえた監督を適切に行うこと等を含めた、コーポレート・ガバナンス機能の実効的な強化を引き続き図っていくことを確認し、特に、(1)当社の長期的な企業価値(財務目標で示される企業価値、非財務目標に表される公益価値それぞれの向上による「社会的価値の創造」)の向上のための中長期的な経営課題や経営戦略、(2)株主をはじめとする当社のステークホルダーすべてに対する適時適切な情報開示と、丁寧な対話の実践の在り方、(3)グループガバナンス、内部統制及びリスク管理の高度化、及び(4)グローバル企業にふさわしい人材の育成について、取締役会で従来以上に議論するとともに、取締役会以外の議論の場や機会をさらに設ける等の対策・対応を進めていくことを確認しました。
また、当社取締役会では、取締役会の議論を活性化させるために、社外役員に対し議案資料の早期提供や事前説明を充実させることにより、事実確認等は事前の段階で済ませ、取締役会当日の議案説明等にかかる時間を削減し、取締役会当日は議論を中心に運営するよう努めています。加えて、取締役会における議論の質を向上させるために、経営会議等の社内会議における議論内容(特に、そこでの意見・質疑等の概要や結論に至った理由)等、社内での検討経緯について説明することを、社内役員に課しています。さらに、社内取締役が当社グループ経営全体の観点からより活発に発言し、従来にも増して積極的に議論に参加する姿勢を促すための施策、社内取締役と社外取締役との情報格差をさらに小さくするための施策や、中期経営ビジョン等との連動性を強く意識した上で、より掘り下げた議論をおこなうための施策等の導入を進めてまいります。当社取締役会は、今後も本評価結果における課題について継続的に取り組み、取締役会の実効性のさらなる向上を図ってまいります。
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
住友の事業は、今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を礎とし住友の先人により何代にもわたって深化・発展させてきた「住友事業精神」を精神的基盤として営まれてきました。
萬事入精:まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意を尽くす人であれ
信用確実:何よりも信用を重んじること、すなわち常に相手の信頼に応えること
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、浮利を追い、軽率、粗略に行動してはならない
当社は、自動車用品分野では新たな地域と顧客への事業展開およびCASEに代表される新領域に対する製品の創出と開発を進め、一般産業用品分野では新領域の事業への進出を積極化させています。事業環境の変化に対応した健全なリスクテイクを支えるために、取締役会機能の充実を中心としたガバナンス機能の強化を図ってまいります。
また、当社と成長の機会とリスクを共有する株主やその他のステークホルダーに対し経営戦略・経営課題を踏まえた財務情報や非財務情報の適時適切な開示を行い、また経営陣幹部が株主との建設的な対話を行うための体制を整えてまいります。
当社は、住友電気工業株式会社を親会社としています。事業上の意思決定は親会社から独立して行っています。多数の海外拠点や多様な技術・顧客基盤を持つ親会社を有することで、当社の海外事業や新事業展開において支援を受けることができます。当社のガバナンスにおいては、株主共同の利益に配慮し親会社との健全な関係を維持してまいります。
当社は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、代表取締役、社外取締役及び監査役で構成される「ガバナンス委員会」を設置しています。ガバナンス委員会は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役の視点を交えて、当社グループのコーポレート及びグループガバナンス体制等の中長期的に重要な課題を取締役会に答申するための審議を行うとともに、代表取締役、社外取締役及び監査役の連携を強化し、当社グループの持続的な成長と社会的価値(企業価値及び公益価値)の向上を図ることを目的として開催することとしております。
当社は、取締役の選解任および報酬等に関する手続きの透明性・公正性を確保することを目的に、取締役会の任意の諮問機関として、「指名・報酬委員会」を設置しています。指名・報酬委員会は、取締役会の諮問により、取締役の基本報酬および業績連動報酬である賞与に関する事項ならびに株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容等について審議・答申するものとしています。また、指名・報酬委員会は、その過半数を独立社外取締役としており、また、筆頭独立社外取締役が委員長を務めることで、独立制を確保しています。
さらに、当社は「住友事業精神」に基づき、SDGsなどに代表される社会的課題に対し、技術革新を通じて解決を図ります。そして、企業価値と公益価値を同時に向上させることで、社会的価値を創造し、社会とともに持続的に成長することを目指してまいります。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要と採用の理由
当社は、監査役設置会社の機構を採用し、取締役会の監督と監査役会の監視により業務執行の適法性及び妥当性を確保するものとしています。
取締役会の構成は、当社の事業分野、事業環境や規模を前提として、適切な経営の監視監督機能を果たすことができるかという視点で決定するものとしています。
専門性の観点からは、現在、当社は既存事業のグローバル展開と新事業展開を積極的に進めており、これに対応して財務規模も拡大し、また潜在的な法務リスクも増加していることから、グローバル経営、新規事業、財務、会計及び法務分野における高度な知識や豊富な経験を有する人材を選任しています。
独立性の観点からは、独立役員の要件を満たし、かつ高い専門性と見識を有する社外取締役及び社外監査役をそれぞれ複数選任しています。また、社外取締役が経営陣との対話や株主等のステークホルダーとの対話を円滑に行うために、社外取締役の中から、筆頭独立社外取締役を選定しています。
ジェンダーや国際性の観点からは、女性の社外役員を3名選任しています。現時点で外国人の取締役は選任していませんが、将来、社内からの登用の基盤として幹部社員の多様性を進めるためCSR・サステナビリティ委員会において様々な施策を講じています。なお、執行役員としては1名の外国人を選任しています。
現在の取締役会は、取締役8名(うち社外取締役3名)と、監査役5名(うち社外監査役3名)からなる体制であり、事業分野を網羅し必要な専門性と社内外の役員数のバランスを確保しつつ実質的な討議を行うことができる適切な規模となっています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図

ロ.企業統治に関するその他の事項
内部統制システムの整備の状況
・コンプライアンス体制の整備の状況
当社グループにおける取締役その他の役員及び使用人(以下、役職員)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(以下、コンプライアンス体制)は、萬事入精、信用確実及び不趨浮利を旨とする住友事業精神に基づき取締役会が決定する経営理念、事業運営の基本(「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」、グループ行動憲章、CSR・サステナビリティ基本方針、住友理工グループガバナンス・コード及びグローバルコンプライアンス行動指針(以下、行動指針等)に準拠して整備しております。当該体制は、当社各部門及び子会社において整備し、すべての役職員により運用されるものとしております。
子会社におけるコンプライアンス体制は、住友理工グループガバナンス・コード及びこのもとで当社が定めるグループ規程により、その整備、運用がなされることを確保しております。グループ規程では、子会社の規模や事業内容に応じて整備すべきコンプライアンス体制の基準を定めております。また、当社グループにおけるコンプライアンスは、「単に法令遵守にとどまらず、社会の期待に応えること」という共通理解に基づき、社内規程及びその運用等は、定期的に見直し、これを整備しております。
法令違反の早期発見及び迅速かつ適切な対応を行うために、当社グループの違反報告・処理体制を整備するとともに、法令及び社内規程に違反した役職員へは、当社又は子会社の規程に基づく懲戒を含め厳正に対処しております。また、当社グループは、贈収賄・腐敗行為防止をコンプライアンスにおける最重要課題のひとつとして位置付けており、贈収賄・腐敗行為防止に対する取り組み及び社内体制の整備を強化しております。これらの仕組みや体制が適正に運用されるように、法令遵守(贈収賄規制、競争法、下請法及び労働法等)に対する取り組み及び研修を実施しております。
当社グループは、グループのコンプライアンス体制の整備、運用を主導、統括する組織としてコンプライアンス委員会(以下、委員会)を当社に設けております。委員長は、取締役会決議により選任し、その活動状況は取締役会に報告しております。委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとしております。委員会の委員又は事務局には、弁護士その他の企業法の専門知識を有する役職員を配置しております。委員会には独立した予算を設けております。
委員会は、定期に当社グループのコンプライアンスリスクを識別・評価し、対応計画を定め、委員会、当社各部門及び子会社における対応を把握し検証しております。委員会は、当社グループの役職員に対し行動指針やリスク評価に基づくコンプライアンス教育等を定期的に実施しております。また、役職員のコンプライアンス対応を支援するため、法務部門及び各分野のコンプライアンス対応を分掌する部門にコンプライアンス相談窓口を設けております。反社会的勢力に対しては、人事総務部門を中心として、当社及び子会社がこれとの一切の関係を遮断する体制を整備しております。
委員会は、コンプライアンス問題の内部通報窓口を社内及び社外に設けております。通報事案に対しては客観的かつ専門的な調査を行い、個別問題の是正及びコンプライアンス体制の改善をはかっています。当社及び子会社は、通報者に対し、通報を理由として不利な取扱いは行わないものとし、通報者の保護に万全を期しております。委員会は、全世界の子会社の役職員から直接、内部通報を受付ける制度を順次整備しております。一定の事業規模を有する子会社は、内部通報にかかる関係法令及びグループ規程に基づき、社内の内部通報制度を整備するものとしております。
委員会は、定期的に当社各部門及び各子会社におけるコンプライアンス問題の状況の調査を実施しております。委員会は、この調査結果、リスクの識別・評価及び内部通報の状況等に基づき、定期的に当社グループのコンプライアンス体制を検証し、その整備計画に反映させております。
当社グループにおける全社品質方針を定め、社長直下の品質所管役員を最高品質責任者とする品質マネジメント体制(監査、モニタリング等を含む)を構築・運用し、グループグローバルで、顧客視点での継続的な品質改善を推進する体制を整備しております。特に当社グループに著しい影響を与え得る重要な品質コンプライアンスリスクについては、経営会議等においてリスクの特定・分析・評価・対策等について機動的かつ多面的・多角的に審議することとし、とりわけ、重要リスクが発現した際には、速やかに取締役会に報告するとともに、社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をとる体制としております。
当社グループ全体で人権尊重の責任を果たすため、住友理工グループ人権方針を定め、必要な施策を講じることとしております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社グループにおけるリスク管理に関する体制は、取締役会が、当社グループのリスク選好、リスク許容度、経営に重大な影響を及ぼすすべてのリスクの規模及びそれらへの対応状況の認識を共有することで、当社グループ全体の戦略を最適化し、経営リスクを極小化するため適時に適切な判断を行えるものとしております。これらの体制は、取締役会が制定する当社の規程及びグループ規程に基づき以下のとおりに整備しております。
当社グループは、リスク管理委員会を当社に設置し、グループのリスク管理体制の整備及び運用を統括しております。リスク管理委員会の委員長は、取締役会決議により選任し、そのリスク管理の状況は取締役会に報告しています。リスク管理委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとします。委員会には委員又は事務局に企業のリスク管理の専門知識を有する役職員を置き、又は社外専門家の助言を受けられる体制とします。
リスク管理委員会は、定期的に当社グループのリスクの識別、評価を実施し、各部門・子会社が策定するリスクの対応計画の妥当性を確認し、その遂行状況をモニターします。また、当社グループにおける重要なリスクを選定し、当該リスク、その対応計画及び対応の状況を取締役会に報告します。なお、リスクの識別にあたっては、事業の国際化、新規事業分野への進出や外国法令の運用動向など内外の事業環境の変化を考慮しております。
また、リスク管理委員会は、震災、火災、感染症など急激かつ外来の災害によるリスクに対して、当社各部門及び子会社における災害対策計画及び不測事態対応計画の策定及び定期的な訓練・検証の状況を統括しております。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社グループにおける子会社の業務の適正を確保するための体制は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づく体制の運用の状況の確認を行うとともに、内外の環境の変化等に対応し、その見直しを行うこととしております。主な整備の状況は以下のとおりです。
「当社及び子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」に関して、次の事項を実施しています。
①改正公益通報者保護法に対応し、グループでの内部通報制度を強化するため、当社および対象国内子会社において、規程類の整備および通報対応業務への従事者の指定等を進めました。
②当社グループ全体で、国際基準に則った人権尊重の取り組みを推進し、その責務を果たすために、その具体的な取り組みを明確にした「住友理工グループ人権方針」を新たに策定しました。
「当社及び子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」に関して、各国が定める個人情報保護に関する法令等に基づく体制をグループグローバルで整備することにより、当社グループにおける個人情報の適切かつ安全な保存および管理の強化を進めました。
ハ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役または社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
② 取締役の定数
当社は取締役の員数を3名以上とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
④ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めております。
イ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑤ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
⑥ 取締役会等の活動状況
イ.取締役会の開催状況等
・取締役会
| 役職名 | 氏名 | 開催回数 | 出席回数 | 出席率 |
| 取締役会長 | 松井 徹 | 16回 | 16回 | 100% |
| 代表取締役 執行役員社長 | 清水 和志 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 専務執行役員 | 大島 司 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 常務執行役員 | 和久 伸一 | 16回 | 16回 | 100% |
| 取締役 常務執行役員 | 山根 英雄 | 13回 | 13回 | 100% |
| 社外取締役 | 入谷 正章 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外取締役 | 花形 滋 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外取締役 | 宮城 まり子 | 16回 | 16回 | 100% |
| 常勤監査役 | 大橋 武弘 | 16回 | 16回 | 100% |
| 常勤監査役 | 前田 裕久 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外監査役 | 関根 愛子 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外監査役 | 百嶋 計 | 16回 | 16回 | 100% |
| 社外監査役 | 小池 達子 | 13回 | 13回 | 100% |
取締役松井徹氏および大島司氏は、2023年6月15日で退任し、2023年6月15日の定時株主総会決議により、取締役矢野勝久氏および安田日出吉氏が就任しており、以降、取締役会は、取締役8名および監査役5名で構成されています。
・ガバナンス委員会
| 役職名 | 氏名 | 開催回数 | 出席回数 | 出席率 |
| 委員長 | 花形 滋 | 2回 | 2回 | 100% |
| 委員 | 清水 和志 | 2回 | 2回 | 100% |
| 委員 | 入谷 正章 | 2回 | 2回 | 100% |
| 委員 | 宮城 まり子 | 2回 | 2回 | 100% |
・指名・報酬委員会
| 役職名 | 氏名 | 開催回数 | 出席回数 | 出席率 |
| 委員長 | 入谷 正章 | 4回 | 4回 | 100% |
| 委員 | 松井 徹 | 4回 | 4回 | 100% |
| 委員 | 花形 滋 | 4回 | 4回 | 100% |
| 委員 | 宮城 まり子 | 4回 | 4回 | 100% |
ロ.取締役会の実効性評価
当社取締役会は、少なくとも毎年1回、取締役会等において、取締役会の実効性に関する分析及び評価を行うこととしています。取締役会の実効性に関する質問票に全取締役及び監査役が回答し、その回答内容に基づき、ガバナンス委員会および2023年3月度取締役会の2回において、当該評価を行った結果は次の通りであります。
当社取締役会の規模、構成、独立社外取締役比率、構成員の資質及び運営状況は適切であり、この点において、経営への監督機能を発揮するための体制が確保されていることを確認しました。
また、当社取締役会において、自由闊達で真摯な議論及び意見交換が行われる企業文化が形成されており、かつ、そのもとで取締役及び監査役による積極的な議論が実際に行われていることを確認しました。
その上でさらに、当社取締役会は、住友事業精神が謳う「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、2023年5月に策定・公表した、当社の中期経営ビジョン「2029年住友理工グループVision(2029V)」および「2025年中期経営計画」を達成し、かつ、その健全な企業の成長を支えるため、現行の当社取締役会の機関設計(監査役会設置会社)の妥当性、また、取締役の選解任手続きについては、取締役会の諮問機関である指名・報酬諮問委員会が、取締役選解任基準の下、当社の固有の事情、すなわち、当社が上場子会社であることを踏まえ、当社にとって最適な経営トップ及び経営陣についての答申、及びそれに向けての後継者計画の策定・運用等の監督を行うこと、さらに、取締役会は、経営トップ等の後継者計画の一環である、経営幹部の育成等を目的とした次世代経営者育成プログラムの策定・運用に主体的に関与するとともに、住友事業精神や中期経営ビジョンを踏まえた監督を適切に行うこと等を含めた、コーポレート・ガバナンス機能の実効的な強化を引き続き図っていくことを確認し、特に、(1)当社の長期的な企業価値(財務目標で示される企業価値、非財務目標に表される公益価値それぞれの向上による「社会的価値の創造」)の向上のための中長期的な経営課題や経営戦略、(2)株主をはじめとする当社のステークホルダーすべてに対する適時適切な情報開示と、丁寧な対話の実践の在り方、(3)グループガバナンス、内部統制及びリスク管理の高度化、及び(4)グローバル企業にふさわしい人材の育成について、取締役会で従来以上に議論するとともに、取締役会以外の議論の場や機会をさらに設ける等の対策・対応を進めていくことを確認しました。
また、当社取締役会では、取締役会の議論を活性化させるために、社外役員に対し議案資料の早期提供や事前説明を充実させることにより、事実確認等は事前の段階で済ませ、取締役会当日の議案説明等にかかる時間を削減し、取締役会当日は議論を中心に運営するよう努めています。加えて、取締役会における議論の質を向上させるために、経営会議等の社内会議における議論内容(特に、そこでの意見・質疑等の概要や結論に至った理由)等、社内での検討経緯について説明することを、社内役員に課しています。さらに、社内取締役が当社グループ経営全体の観点からより活発に発言し、従来にも増して積極的に議論に参加する姿勢を促すための施策、社内取締役と社外取締役との情報格差をさらに小さくするための施策や、中期経営ビジョン等との連動性を強く意識した上で、より掘り下げた議論をおこなうための施策等の導入を進めてまいります。当社取締役会は、今後も本評価結果における課題について継続的に取り組み、取締役会の実効性のさらなる向上を図ってまいります。