有価証券報告書-第21期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 11:42
【資料】
PDFをみる
【項目】
142項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「建材に関する生産、化粧加工、施工の技術」と「熱、音、その他のエネルギーをコントロールする技術」をもとに、安全で安心でき、快適な環境を創造する事業を通じて、生活環境と社会基盤の充実並びに産業の発展に貢献する企業グループになることを目指しております。その実現のために、下記の方針により企業活動を展開していきます。
1)お客様や市場の声を敏感に受け止め、新商品・新事業の研究・開発、探索・導入、そして市場投入を絶え間なく継続し、お客様に信頼感を持っていただける安全で高品質な商品、工事およびサービスを提供し続けます。
2)技術力の向上並びに管理手法の改善等によりコスト削減を図り、収益性を一層高めて、当社グループの持続的な発展に努めます。
3)法と社会秩序を遵守すると共に、的確な企業統治と内部統制のシステムを確立し、その機能を充実させることにより、経営の質的レベルアップを図り、社外の様々な関係者からみての安心感・安定感を高めます。
4)全ての企業活動において環境保全に配慮すると共に、様々な環境への影響を把握、管理して、天然資源、副産物の有効活用や環境負荷の低減を図り、社会への貢献に努めます。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく変化した事業環境に対応し得る体制の整備を図り、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
部門別では、建設・建材事業におきましては、内装不燃化粧板の抗菌性、耐薬品性、耐擦傷性等の機能性が高い製品を開発し、ラインアップの充実を図ってまいります。工事については施工現場への週休2日制の導入や高齢化による施工員不足に対応した省人・省力化等の新工法の開発を実施してまいります。また、輸出につきましては、中国、台湾、韓国を中心に新たな製品を積極的に投入する等、海外販売体制の拡大を目指してまいります。
工業製品・エンジニアリング事業におきましては、プラントメーカー向け非金属製伸縮継手「APコネクター」のメンテナンス設備診断を推進し、顧客のニーズに対応した技術的なサービスの向上による販売体制を強化してまいります。また、インドネシアで展開している二輪車用ブレーキライニング事業の拠点を活用し、海外販売網の拡充を図ってまいります。工事については脱炭素化に向けた世界的な動向に対応した船舶向けLNG燃料タンク防熱工法を開発する等、環境に配慮した事業を積極的に推進してまいります。
当社グループ事業全体といたしまして、テレワークの更なる促進等により業務の効率化を実施すると共に、AI、IoTを活用した生産性の向上を図りグループ事業の成長を目指してまいります。
また、当社グループは、10年後の2030年のあるべき姿を目指した中長期CSRビジョン「CSR2030」を策定し、当社グループの経営運営の中核をなす基本の考え方として位置付けております。
「CSR2030」は、カテゴリーを環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に分け、環境の分野ではパリ協定に準じた温室効果ガスの削減、社会の分野では女性管理職の育成、ガバナンスの分野では重大なコンプライアンス違反の根絶等の目標を設定し、社会から信頼される企業の確立に努めてまいります。
2021年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「2023中期経営計画」におきましては、「CSR2030」の視点に立ち、環境への配慮、社会との共生、ガバナンスの強化を事業と一体で推進し、最終年度となる2023年度には売上高43,000百万円、営業利益3,000百万円の達成を目指してまいります。
なお、当社グループは、株主の皆様にとっての企業価値を高め持続的成長を図るため、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると認識しており、今後も内部統制システムの整備に関する基本方針に基づき整備・運用に注力してまいります。