有価証券報告書-第163期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/29 14:09
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の正常化の両立が進み、緩やかに持ち直しの動きが見られましたが、長期化するウクライナ情勢等による資源価格の上昇や、円安基調によりインフレが進行し、先行き不透明な状況で推移しました。建築材料業界におきましても、原材料・エネルギー価格の世界的な高騰は収まる気配がなく、取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、「やすらぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、環境負荷低減と施工現場省力化を実現し社会に貢献するとともに、お客様のニーズに応える商品の拡充を図りました。
当社は、世界共通の課題である気候変動に対する取り組みとして、当社が掲げる温室効果ガス排出削減目標をSBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative)に提出し、2022年12月にSBT認定を取得しました。この度の認定取得により、脱炭素の取り組みをより加速させ、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
新商品については、主力の押出成形セメント板「アスロック」のウッドデザインシリーズの第3弾として、多くのお客様からのご要望を受けて幅900mm品「旺実(おうざね)」を商品化、2022年11月より発売しました。大柄な木目柄によりダイナミックなイメージを際立たせながら、木目の美しさに細部までこだわったデザインに仕上がっております。なお、ウッドデザインシリーズについては、本年2月より全てのラインアップで工場塗装品対応が可能となり、工期短縮に貢献できるようになりました。また、業界初となるアスロックデザインパネル一体成型45度コーナー「タスロック45度コーナー」を本年1月に発売しました。製法上困難であったデザインパネル端部に45度の傾斜を施すことが可能となり、施工現場での省力化を実現します。
スレートボードについては、簡単な施工でコンクリート打放し風の内装仕上げが可能な「フレキシブルシート素地シリーズ」に、新意匠「つづれおり」と当社工場で無色の表面コーティングを施した「プレコート」をそれぞれ本年2月に発売し、ラインアップの充実を図りました。
当連結会計年度における「アスロック」の売上高は、上記のとおり積極的に新商品を投入するなど、顧客要望の実現に注力しましたが、アスロックの主要ターゲットである宿泊施設・商業ビル着工床面積の低迷が続いていること等から、前期を下回る状況で推移しました。住宅用商品については高遮音床材・軽量外壁材ともに前期比増収、スレートボードは「フレキシブルシート素地シリーズ」の拡販により売上高は増収となりました。生産部門では、資源価格高騰が続くなか、事業の収益性の維持・向上のため、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動を強化し、原材料・エネルギーの使用効率向上等コストダウン活動の推進に加え、お客様視点に立った商品品質の改善に取り組みました。管理部門では、従業員の労働意欲及び企業価値向上を目的として、従業員への譲渡制限付株式報酬制度の導入や従業員持株会制度の改定を実施しました。また、先行き不透明な経営環境を踏まえ、年間総額60億円のコミットメントライン契約を継続しました。マインケミカル事業では、本年1月開示の「弊社マインマグ製品の使用停止についてのお知らせ」のとおり、マインマグ製品の一部に法令の基準を超える石綿が含まれているおそれが高いことが判明したため、全てのマインマグ製品の出荷を停止しております。現在においても、第三者機関による検査で各製品とも法令の基準を超える石綿の含有の有無について検査を継続中ですが、お客様の安全を第一に考えて万全を期すために、在庫としてお客様がお持ちの全てのマインマグ製品について自主回収をしております。海外事業では、中国国内のコロナ禍による断続的な都市封鎖の影響等により、中国における「アスロック」販売は厳しい状況で推移しました。なお、中国で押出成形セメント製品の販売を行う連結子会社「野澤貿易(上海)有限公司」について、中国経済・建築市場の停滞による経営環境悪化を受けて、2022年9月に同社の解散を決議し、現在清算中であります。
これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は101億19百万円(前期比12.6%減少)、住宅用高遮音床材は18億52百万円(前期比4.1%増加)、住宅用軽量外壁材は36億82百万円(前期比31.4%増加)となり、押出成形セメント製品合計では156億54百万円(前期比3.1%減少)に、耐火被覆等は16億34百万円(前期比68.6%増加)、スレート関連は8億31百万円(前期比8.5%増加)、肥料(マインマグ)は1億10百万円(前期比72.4%減少)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は209億75百万円(前期比2.1%増加)となりました。
利益面については、原材料・エネルギー価格高騰の影響等により、営業利益は10億7百万円(前期比45.5%減少)、経常利益は11億47百万円(前期比42.3%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益については、訴訟損失2億34百万円や製品自主回収関連費用2億4百万円を計上したこと等により4億86百万円(前期比71.6%減少)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、受取手形、売掛金及び契約資産が6億37百万円増加したこと等により143億88百万円(前連結会計年度末と比較して7億50百万円増加)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、有形固定資産が1億71百万円減少したこと等から、139億99百万円(前連結会計年度末と比較して1億70百万円減少)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ5億80百万円増加し283億87百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が4億3百万円増加したこと等から、56億62百万円(前連結会計年度末と比較して3億75百万円増加)となりました。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、退職給付に係る負債が1億29百万円減少したものの、訴訟損失引当金が2億34百万円増加したこと等から42億44百万円(前連結会計年度末と比較して72百万円増加)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ4億48百万円増加し99億6百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が30百万円増加したこと等から、184億81百万円(前連結会計年度末と比較して1億32百万円増加)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は69億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ22百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は7億82百万円(前連結会計年度は21億51百万円の増加)となりました。これは売上債権の増加額6億75百万円等の資金の減少要因があった一方、税金等調整前当期純利益7億51百万円や減価償却費6億94百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は3億33百万円(前連結会計年度は6億32百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出5億53百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は4億74百万円(前連結会計年度は4億54百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額4億54百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりです。
なお、その他の事業の生産はありません。
品種当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前期比
押出成形セメント製品10,306,848千円7.5%
スレート関連507,5139.7
その他137,556△23.0
合計10,951,9197.0

(注) 金額は製造価格による。
b.受注実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注実績は次のとおりです。なお、その他の事業の受注はありません。
工事別受注高
(千円)
前期比
(%)
受注残高
(千円)
前期比
(%)
押出成形セメント製品工事1,729,95524.9%1,352,35346.5%
スレート工事18,800△58.7%5,1770.5%
耐火被覆等工事1,397,53338.9%792,954△23.0%
その他工事924,4842.1%772,8779.3%
合計4,070,77221.8%2,923,3649.7%

c.販売実績
当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりである。
品種当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前期比
押出成形セメント製品関連
(内、アスロック)
(内、住宅用高遮音床材)
(内、住宅用軽量外壁材)
15,654,067千円
(10,119,709)
(1,852,201)
(3,682,156)
△3.1%
(△12.6)
(4.1)
(31.4)
スレート関連831,8628.5
耐火被覆等1,634,28368.6
肥料(マインマグ)110,274△72.4
その他2,704,27822.6
合計20,934,7662.1

なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度40,851千円であり、前期比△5.3%となっております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。
相手先前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
積水ハウス㈱5,170,27425.26,142,23929.3
伊藤忠建材㈱3,090,91215.02,917,18913.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績については、以下のとおりであります。
(売上高)
主力の一般建築向けの押出成形セメント製品「アスロック」については、ウッドデザインシリーズの出荷が伸長しましたが、主要ターゲットである宿泊施設・商業ビルの着工床面積の低迷等により「アスロック」の売上高は前期比14億60百万円減の101億19百万円となりました。
スレート関連は、内装用素地ボードが前期比増となったこと等から前期比64百万円増となりました。
工事については、耐火被覆工事やALC工事が伸びて、前期比6億12百万円増となりました。
なお、肥料(マインマグ)については、本年1月開示の「弊社マインマグ製品の使用停止についてのお知らせ」のとおり、マインマグ製品の一部に法令の基準を超える石綿が含まれているおそれが高いことが判明したため、判明以降全てのマインマグ製品の出荷を停止いたしました。お客様の安全を第一に考えて万全を期すために、マインマグ製品の自主回収をさせて頂いており、これらのことから、マインマグ売上高は前期比2億88百万円減となりました。
(営業利益・経常利益)
前期より徐々に顕在化してきた原材料・エネルギー価格の高騰は当期に入りさらに上昇し、大きな影響を与えました。これら高騰に耐えうる体質とすべく、工場でのNNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動によるコストダウンをさらに展開し、その効果として1.8億円ありました。製品値上げについても、押出成形セメント製品平均で3.8%アップし、約3億円の増益要因となっております。しかし、原材料・エネルギー価格は異常な勢いで価格が上昇しました。各要素の前期比上昇率は原材料で平均15%、ガスで63%、電力で55%、それぞれ上昇し、9.5億円の減益となりました。また、前述のとおり宿泊施設・商業ビル着工床面積の低迷等による販売数量の減少で3.8億円の減益となり、原材料・エネルギー価格上昇による影響と合わせ、前期比減益の主要因となっております。工事についても、競争激化によりノザワ商事の工事利益率が低迷し、1.2億円の減益となりました。
販管費については、運送費値上げを受け、顧客から受け取る運賃を一部値上げなど物流費の抑制を図ったこと等により、前期比1億93百万円減少の47億28百万円となりました。なお、売上高比販管費率については1.5ptダウンの22.5%となっております。これらのことから営業利益は前期比8億41百万円減少の10億7百万円となりました。
営業外収支については、前期に為替差益41百万円の計上があったことの反動等があった一方、受取配当金の増加や営業外費用の減少があったため、前期比1百万円の増加となりました。経常利益は、営業減益にこの営業外収支の増加を加味し、前期比8億40百万円減益の11億47百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は前期比2億2百万円減少の1億51百万円となりました。投資有価証券売却益が前期比1億32百万円増加した一方、前期は為替換算調整勘定取崩益2億61百万円、製品補償引当金戻入益20百万円、火災関連損失引当金戻入益54百万円の計上があったこと等によります。特別損失は前期比4億15百万円増加の5億47百万円となりました。当期に訴訟損失2億34百万円、製品自主回収関連費用2億4百万円、関係会社清算損失36百万円を計上したこと等によります。これらに税金費用を加味し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12億26百万円減益の4億86百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報については以下のとおりであります。
(財務政策)
当社グループは、主に建築材料の製造販売を行うための設備投資に必要な資金及び短期的な運転資金を必要に応じて銀行等からの借入により調達することとしています。
当連結会計年度末、借入金の残高はありません。また、資金調達の安定化、資金効率、金融収支の改善を目的として、取引金融機関と総額60億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しておりますが、当連結会計年度末の金融機関からの借入実行残高はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。

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