有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/21 13:25
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157項目

有報資料

当社グループは、いかなる経営環境の変化にも対応できる企業体質を確立することを重要課題と認識し、競争力ある事業の育成を通じて、持続的かつグローバルに発展することを経営の基本方針としております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取りまく経営環境は、今後の国内需要の伸びが期待できない状況において、顧客の海外進出は加速し、グローバル化による競争が激化しております。このような事業環境に対応すべく2016年度から2020年度を実行期間とする「2016中期経営計画」を策定・公表(2016年5月26日公表)し、各施策を進めてまいりました。
中期経営計画の概要は以下の通りです。
⦅ 2016中期経営計画⦆
◆2016中期経営計画スローガン
10年先への第一歩、「特殊鋼をつくり加工する」会社から「付加価値を素材から創る」会社へ
◆中期経営計画ビジョン
●「特殊鋼をつくり加工する」ビジネスモデルのグローバル展開
●「付加価値を素材から創る」モデルの構築
◆3大方針
『ばね事業のグローバルサプライヤー化』
『「特殊鋼をつくり加工する」鋼材-ばねシナジーのさらなる強化』
『素形材事業における「付加価値を素材から創る」モデルの構築』
これまでに本計画で掲げた体制・基盤作りは整い、策定した施策は着実に実行してまいりました。
しかしながら近年は多くのグローバルな事業リスクが顕在化し、本計画策定時に比べ、当社グループを取りまく経営環境は大きく変化しており、当社の既存事業にも影響が出てきています。
当社グループとしては、まず既存事業の体質強化を最優先に取り組み、中期経営計画については、投資の適正なタイミング等を再検討しつつ、掲げた各成長戦略を着実に進めてまいります。
① 「既存事業の体質強化」
2018年度は、ばね事業及び特殊鋼鋼材事業において、外部環境の影響等により、収益は厳しい結果となりました。
ばね事業の北米子会社では、米国・カナダにおける鉄鋼輸入規制に起因して、材料市況上昇に伴う材料調達のひっ迫により、生産混乱が生じるなど、多大な影響を受けました。これらに対しては、現地における材料調達先の拡大や、生産改善に向けた支援チームの派遣などの対策を進めており、早期の回復を図ってまいります。
特殊鋼鋼材事業では、国内において、旺盛な需要を背景に高操業が続き、また原材料・副資材高騰に対応する売価転嫁を進めたものの、下期からは室蘭コンビナートの素材供給量減少の影響等により、収益が減速しました。また今後の特殊鋼鋼材需要の見通しは、主要な取引先である建設機械業界において、中国経済の成長鈍化による影響が見込まれる等、先行きが不透明な状況にあります。これらに対しては、室蘭コンビナートの設備改修工事の進展や、同コンビナートにおける協業強化も視野に入れた三菱製鋼室蘭特殊鋼株式会社におけるリフレッシュ・戦略投資を実行し、安定操業とコストダウンによる収益基盤の強化を図ってまいります。
② 「新規事業の収益源化」
特殊鋼鋼材事業では、2018年1月に、インドネシアの特殊鋼メーカー「PT.JATIM TAMAN STEEL MFG.」のマジョリティを取得して連結子会社としました。初年度は、経営面や技術・品質・商品開発力強化への取り組みに注力し、同年10月にはJIS(日本工業規格)認証を取得いたしました。今後は、現地の特殊鋼需要に応えていくとともに、三菱製鋼室蘭特殊鋼株式会社をはじめとする他の国内外の事業拠点とも連携したサプライチェーンを構築し、販売拡大を図ってまいります。
ばね事業では、グローバル展開を積極的に推し進め、メキシコ及び中国の拠点ではスタビライザの生産を、インドの拠点では太巻ばねの生産を開始しました。また、ドイツのばね製造会社の買収を行ったほか、2018年6月には、ASEAN地域の強化を図るべくフィリピン(マニラ)への進出を決定し、順次生産を開始しております。しかしながら、2018年度はさまざまな海外リスクが顕在化したことで、顧客のグローバル戦略にも変化が出てきています。こうした環境の中で、今後は既投資案件の効果の刈り取りに注力して、収益源化を進めてまいります。
技術開発センターでは、2016年の設立以来、軽量化ばねの開発に成功するなど、着実に成果を挙げてきました。今後も、産学連携など社外との連携を強化するとともに、売上・コストダウンに効果があるものを優先にした研究開発の選択と集中を実施してまいります。また、2017年秋に同センター内に発足させたEVプロジェクトチームでは、将来の電気自動車への生産シフト(EV化)に対応した技術の確立を目指して、次世代製品の開発を行ってまいります。
千葉製作所では、マザー工場化計画の一環として、さらなる研究開発を推し進めるべく、「アドバンスト・マテリアルズ・センター」の新設を予定しております。現在、VIM(真空溶解炉)やガスアトマイズ量産設備等の導入を進めており、2020年度までには全ての設備の稼働を予定しています。これにより新素材の開発を行い、「付加価値を素材から創る」モデルを構築してまいります。
③ 「本社部門の強化」
各事業部門の取り組みと並行して、各事業間のシナジー効果の拡大に向けて、本社部門の強化を行っております。
新設した営業本部では、ニーズ情報の一元化等による拡販を行っています。事業部を超えた顧客ニーズの抽出等、徐々に成果が出てきており、今後も顧客の多様なニーズを捉え応えていけるよう、体制をさらに強化してまいります。
また、さまざまな海外リスクに対応するための海外支援チーム(グローバル管理支援室)を新設しました。これまで海外拠点は各事業部がサポートしていましたが、今後は海外支援チームが法務・財務等の管理業務を支援し、リスクを最小限に抑えてまいります。
これらの課題に対する取り組みとともに、より強靭な経営体質に向けた検討を進め、「特殊鋼をつくり加工する」会社から「付加価値を素材から創る」会社へと成長し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
2018年度実績2020年度目標2025年度目標
売上高1,293億円1,700億円2,500億円
営業利益10億円90億円
経常利益1億円85億円
ROE0.5 %8.0%10%超

(3)各事業における重点施策
[特殊鋼鋼材事業]
主要顧客である建設機械向けをはじめとし、需要は高い水準で推移していましたが、中国経済の減速感等、好調な需要にも陰りが見え始めています。こうした環境の中、原材料・副資材高騰に対応する売価転嫁及び適正マージンの回復のための販売価格の改善に注力してまいります。
一方、国内の生産拠点では生産量の増加に適応した体制の構築を進めるとともにコスト・品質改善を主体とした設備投資を着実に実施することにより、安定操業とコスト低減を徹底してまいります。
また海外事業においては、2018年1月にインドネシアの特殊鋼メーカー「PT.JATIM TAMAN STEEL MFG.」を連結子会社化いたしました。これにより現地調達化ニーズに対応するべく、品質・コスト競争力の向上をより一層加速させ、フル生産への移行と安定した収益確保の早期実現を目指してまいります。
[ばね事業]
国内は、軽量化・性能向上を軸に、グローバルでのコスト競争力ある製品の開発を積極的に進めてまいります。
また海外においては、最優先で北米、中国既設拠点におけるコスト改善を実行しておりますが、2019年度も引き続きこの2拠点でのコスト改善活動を強力に推進していくとともに、メキシコ及び中国でのスタビライザ、インド、中国での太巻ばねの受注拡大を進めてまいります。
[素形材事業]
タービンホイールの工場集約による生産性の向上及び精密機械加工品の品質改善を早期に進め、損益改善に努めてまいります。また、特殊合金粉末の拡販強化のため拡販推進室を新設しました。これにより、拡販スピードを上げて進めてまいります。
また、千葉製作所内へ新設する「アドバンスト・マテリアルズ・センター」には、精密鋳造の試作ライン及び真空溶解炉設備を導入し、「付加価値を素材から創る」モデルの構築に注力してまいります。
[機器装置事業]
三菱長崎機工株式会社では、コア技術を活かし新分野・新顧客への拡販に注力するとともに、三菱製鋼グループのネットワークを活用し輸出を含め、販路を拡大してまいります。
また、開発・設備投資を継続して行い、総合エンジニアリング会社として持続的成長を目指してまいります。

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