有価証券報告書-第92期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/17 14:47
【資料】
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【項目】
120項目

対処すべき課題

当社グループを取りまく経営環境は、今後、国内需要の伸びが期待できない状況において、顧客の海外進出が加速
するとともにグローバル化による競争激化が予想されます。このような事業環境の変化に対応すべく、以下の項目に
注力します。
(1)国内基盤の強化
マザー工場としての基盤を固め営業・製造・技術部門が連携し、国内コスト競争力、新たな商品開発、技術力
の向上を目指します。
(2)海外展開の加速
進出先の基盤を強化し、新興国での供給能力増強や販売地域の拡大に努め、需要の取り込みを加速してまいり
ます。
(3)実行基盤の構築
経営管理機能と企画機能の改革を進め、重要施策の実行や課題の解決を確実なものとします。
・海外進出施策は本社主導とし、適切なリスク管理と効果の刈り取りの早期化を図ります。
・グローバルに資材の動きをコントロールし、為替リスクの回避とコストメリットの創出を行います。
・人事、教育制度の改善に取り組み、人材の活用、育成を活発化します。
・技術開発センターにおいて、企業戦略に沿った開発、長期的な成長の種としての開発が効率的に行える体制
を構築します。さらに、産学共同研究を積極的に推進します。
(4)社内シナジーの発揮
当社グループの事業間において、素材から製品までのシナジー効果を発揮してまいります。
(5)社外シナジーの発揮
シナジー効果発揮のため、外部との提携を強化してまいります。
これらを実行していくことにより、企業価値の向上を目指してまいります。
各事業における重点施策は以下のとおりです。
[特殊鋼鋼材事業]
国内は主要顧客である建設機械向けの需要が依然低調であるため、さまざまな業種への新規拡販を行ってまいります。また、輸出につきましてもアジア市況の早期回復は見込めないことから、自動車産業が好調な北米の新規顧客の拡販に注力し売上量の確保を行ってまいります。
一方、国内の生産拠点ではコスト低減及び品質改善を図る設備更新を早期に実行し、引き続きコストダウンを進めてまいります。また、インドネシアでの事業展開につきましては、現在建設中の圧延・精整工場の早期立ち上げ及び日系企業の集中するジャカルタへの支店開設など、特殊鋼棒鋼の製造・販売体制を確立し、東南アジア圏への現地調達化の要望に応えてまいります。
[ばね事業]
国内は軽量化や性能向上といった新技術開発に注力するとともに、コスト競争力を追求する「マザー工場」としての基盤を強化してまいります。
海外では、北米、中国、インド、フィリピン等既設拠点での売上拡大とコスト改善を継続するとともに、メキシコへの進出及び欧州への新規進出、中国拠点での自動車用スタビライザ設備導入により事業拡大を進め、グローバル供給網を構築してまいります。また、積極的に他事業部と連携を取り、材料現地調達によるコスト削減や販路拡大に努めてまいります。
[素形材事業]
生産技術の向上及び開発に注力し、新規品・新規分野への拡販をさらに進めてまいります。
特殊合金粉末においては、欧米地域へのさらなる拡販推進ならびに軟質磁性材粉末の開発・量産化を進めます。また、精密鋳造品においては、真空溶解材の拡販とターボチャージャー市場への拡販を狙い、MSM(THAILAND)CO.,LTD.に新設したタービンホイール専用工場を早期に軌道に乗せるとともに、設備投資、社外との連携を強化してまいります。
[機器装置事業]
三菱長崎機工㈱では、新技術の開発及びグローバル化を促進し、事業規模拡大とコスト競争力の強化に努めてまいります。そのために開発・設備投資を積極的に推進し、総合エンジニアリング会社として持続的成長を目指してまいります。