有価証券報告書-第87期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
(1)経営方針について
当社は2021年4月7日に第6次中期経営計画(2021年4月~2024年3月)を公表いたしました。
今中期経営計画は70周年を迎えた当社が、100周年を健全に迎えることができるサステナブル企業グループを目指すとの方針のもと、その基盤固めの3ヶ年と位置づけております。 経営計画を確実に推進することにより、経営基盤を確固としたものにし、また環境への配慮を更に進めゼロカーボンに向けた体制も早期に確立し、長期安定的な成長によるサステナブル企業グループを目指します。
第6次中期経営計画の内容は、以下の通りとなっております。
1.基本方針
①長期的成長のための収益基盤:売上高:2,000億円、営業利益:260億円、営業利益率:13%
②計画策定の前提となる経営環境の想定
・国内:鉄鋼需要は長期的な減少傾向にあるが、この3年間はコロナの影響が前半で収束し最終年度は2018年度のレベルまで回復
・海外:各国とも後半にはコロナの影響から脱し、アジアを中心に成長路線に戻る
・鉄鋼市況:前半は乱高下を予想するが、徐々に落ち着くと想定
・国内外の自動車関連:各国のEV化の動向を注視し、必要な対応を開始
・競争力のある原材料の安定的な調達に努力
③デジタル化の一層の推進による製造/営業での生産性向上
④ESGを意識した経営により、企業の長期的安定的成長を目指す
2.数値目標 (想定為替レート:1米ドル105円)
①売上高:国内外での販売数量の回復を見込
②営業利益/営業利益率:単体は営業利益率15%、主要連結各社は営業利益率最終10%
(Leavittのみ5%以上)を目標
③株主還元率:引き続き配当方針を堅持し高い還元率を実現
④環境方針:本社及び北海道/四国/九州工場での「CO2直接排出量相当分実質0」をめざす
3.計画実現に向けての主要施策
1)国内での取り組み
①生産販売の回復と高収益体質の維持
②丸一ステンレス鋼管の営業利益率10%目標:半導体/自動車向けBA管の生産能力増強、自動化投資による生産効率の向上
③グループ企業間のシナジー効果の発揮:丸一ステンレス鋼管、東洋特殊鋼業、アルファメタル、丸一鋼販間
④堺工場のSR仕上工程、九州工場のGHライン、東京/名古屋工場の設備改修など168億円の投資
⑤生産及び営業でのデジタル化の一層の推進による生産性の向上
・IoT:生産ラインの稼働データの自動収集と分析システムの全工場への展開
・DXを活用した営業関連のIT化推進(WEB化、電子化、リモートワーク環境の整備等)
・AI/RPAを活用した事務システムの本格運用と利用範囲の拡大
・生産現場における検査と品質管理の全自動化
⑥ESGレポートの作成。ゼロカーボンへの対応の国内関連会社や海外現法への順次展開
⑦女性人材、海外人材の一層の活用
⑧遊休土地、建物の利活用
⑨オープンイノベーションの展開:設備メーカーとの協働による造管新技術の開発
顧客との協働によるソリューションビジネスの新たな取り組み
2)海外での取り組み
①営業利益率目標:米国Leavitt社の5%以外は10%の達成を目標とする
②SUNSCO:国内販売比率を更に高め(50%以上)収益基盤を強固に
第2冷延設備稼働によるコスト削減と品質の向上による収益への貢献
③自動車二輪車関係工場での設備投資の継続と収益の拡大
④インドKUMA社の四輪二輪の排ガス用ステンレス鋼管以外の製品需要の捕捉と投資の検討
⑤丸一ステンレス鋼管の海外進出の検討
⑥現地人材の育成による人材現地化の更なる推進
⑦海外でのESGへの取り組み
⑧国内外でのM&Aを含めた事業投資の積極的な検討の継続①高収益体質の維持、営業力の更なる強化
3)株主還元と社会貢献
①株主還元:配当方針の堅持
②社会貢献:各国での社会貢献を継続(配当実施後の純利益の1%程度を目途)
(2)経営環境及び対処すべき課題等について
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により引き続き厳しい状況が続くと見込まれます。一方、米国での新政権は前政権の通商拡大法232条に基づく鉄鋼輸入関税率25%を引き継ぎ、加えて大規模な財政出動などインフラ整備の期待感が強く、米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)は高騰し続けており、アジアではいまだコロナ禍に苦しむ国が多い中、いち早く回復した中国景気を背景に鋼材需要の拡大が見込まれています。日本国内でも、この海外の薄板需給タイト化を反映してHRC供給は非常にタイトとなり、価格面も大幅な値上がりとなりつつあり、大変厳しい情勢となっています。
このような情勢のもと、当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第6次中期経営計画のスタート年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別の経営環境及び対処すべき課題等については以下のとおりです。
(日本)
国内単体事業につきましては、足元で仮需を含め需要回復の兆しがある一方で、材料コイル供給が極めてタイトであることから、年間の販売数量を前年度比約+5%で計画しました。これは前々年度では約△8%弱程度の数量であり、現在の薄板需給タイトな状況から判断し、コロナ前の水準には当面戻らない見通しとしました。
更に、材料コイル調達価格が急激かつ大幅な値上げとなるため、販売数量の確保以上に製品価格の値上げを優先して鋭意取り組んでまいります。この製品値上げ効果によりスプレッドの悪化に歯止めをかけ、工場の生産性向上やコストダウンに努め、業績予想の確保に取り組んでまいります。
また、丸一ステンレス鋼管㈱も、ステンレス管は鉄鋼需要減の影響から受注が減少しておりますが、5Gやデジタル化を背景に需要拡大が期待される付加価値の高い半導体製造装置向けと自動車用のBA管の取り組み強化を行い、収益力向上の為、各種社内活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、環境対応仕様の角管カラー製品需要の拡大に対応すべく、連結子会社である九州丸一鋼管㈱に続き、北海道丸一鋼管㈱でのカラー塗装設備の導入を順調に進めております。更には、連結子会社の丸一鋼販㈱では、昨年12月の浜松の新切断工場建設に続き、四国営業所に倉庫新築・岡山営業所に倉庫増築などを進めており、エンドユーザーの木目細かいニーズに対応してまいります。
(北米)
北米事業につきましては、経済活動の早期再開に加え、新政権による追加経済対策のインフラ整備への期待もあり、鉄鋼価格が急上昇し、需要の回復により受注数量も堅調に推移しております。足元ではコイル価格が過去最高水準まで急激かつ大幅に上昇しており、販売数量の確保と共に製品価格の値上げが業績改善のカギであり、鋭意取り組んでまいります。また、未経験な高値レベルとなったHRC価格(現在US$1,600/トン)の急落が大きなリスクであり、木目細かな仕入・在庫量のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有リスクの軽減努力をしてまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、米国の通商問題や近隣諸国の輸入制限措置の影響で供給過剰によるアジア地区全体の鉄鋼市況は混乱しております。ベトナムSUNSCO社では、ベトナム国内の販売シェア拡大・販売数量確保と販売価格アップと共に、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減する経営に注力してまいります。また、冷間圧延能力不足の解消、コスト削減、品質向上などに向け第2冷延ミルの新設工事は順調に進めております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、販売数量の確保と共に、二輪メーカーとの製品納入価格の値上げ交渉に取り組んでまいります。インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から二輪向け排気管需要が増加しており、バンガロール工場でのライン増設を決定しました。但し、新型コロナウイルス感染が再拡大しており、対策としての行動制限が需要悪化を再び引き起こす懸念も依然としてあり、気が抜けません。
当社は2021年4月7日に第6次中期経営計画(2021年4月~2024年3月)を公表いたしました。
今中期経営計画は70周年を迎えた当社が、100周年を健全に迎えることができるサステナブル企業グループを目指すとの方針のもと、その基盤固めの3ヶ年と位置づけております。 経営計画を確実に推進することにより、経営基盤を確固としたものにし、また環境への配慮を更に進めゼロカーボンに向けた体制も早期に確立し、長期安定的な成長によるサステナブル企業グループを目指します。
第6次中期経営計画の内容は、以下の通りとなっております。
1.基本方針
①長期的成長のための収益基盤:売上高:2,000億円、営業利益:260億円、営業利益率:13%
②計画策定の前提となる経営環境の想定
・国内:鉄鋼需要は長期的な減少傾向にあるが、この3年間はコロナの影響が前半で収束し最終年度は2018年度のレベルまで回復
・海外:各国とも後半にはコロナの影響から脱し、アジアを中心に成長路線に戻る
・鉄鋼市況:前半は乱高下を予想するが、徐々に落ち着くと想定
・国内外の自動車関連:各国のEV化の動向を注視し、必要な対応を開始
・競争力のある原材料の安定的な調達に努力
③デジタル化の一層の推進による製造/営業での生産性向上
④ESGを意識した経営により、企業の長期的安定的成長を目指す
2.数値目標 (想定為替レート:1米ドル105円)
| 全体 | 国内連結 | うち単体 | 海外連結 | |
| 売上高(億円) | 2,000 | 1,300 | (1,050) | 700 |
| 営業利益(億円) | 260 | 195 | (160) | 65 |
| 営業利益率 | 13.0% | 15.0% | (15.2%) | 9.3% |
| 株主還元率 | 50.0% | |||
| 環境目標 | 本社及び北海道/四国/九州工場での「CO2直接排出量相当実質0」 | |||
①売上高:国内外での販売数量の回復を見込
②営業利益/営業利益率:単体は営業利益率15%、主要連結各社は営業利益率最終10%
(Leavittのみ5%以上)を目標
③株主還元率:引き続き配当方針を堅持し高い還元率を実現
④環境方針:本社及び北海道/四国/九州工場での「CO2直接排出量相当分実質0」をめざす
3.計画実現に向けての主要施策
1)国内での取り組み
①生産販売の回復と高収益体質の維持
②丸一ステンレス鋼管の営業利益率10%目標:半導体/自動車向けBA管の生産能力増強、自動化投資による生産効率の向上
③グループ企業間のシナジー効果の発揮:丸一ステンレス鋼管、東洋特殊鋼業、アルファメタル、丸一鋼販間
④堺工場のSR仕上工程、九州工場のGHライン、東京/名古屋工場の設備改修など168億円の投資
⑤生産及び営業でのデジタル化の一層の推進による生産性の向上
・IoT:生産ラインの稼働データの自動収集と分析システムの全工場への展開
・DXを活用した営業関連のIT化推進(WEB化、電子化、リモートワーク環境の整備等)
・AI/RPAを活用した事務システムの本格運用と利用範囲の拡大
・生産現場における検査と品質管理の全自動化
⑥ESGレポートの作成。ゼロカーボンへの対応の国内関連会社や海外現法への順次展開
⑦女性人材、海外人材の一層の活用
⑧遊休土地、建物の利活用
⑨オープンイノベーションの展開:設備メーカーとの協働による造管新技術の開発
顧客との協働によるソリューションビジネスの新たな取り組み
2)海外での取り組み
①営業利益率目標:米国Leavitt社の5%以外は10%の達成を目標とする
②SUNSCO:国内販売比率を更に高め(50%以上)収益基盤を強固に
第2冷延設備稼働によるコスト削減と品質の向上による収益への貢献
③自動車二輪車関係工場での設備投資の継続と収益の拡大
④インドKUMA社の四輪二輪の排ガス用ステンレス鋼管以外の製品需要の捕捉と投資の検討
⑤丸一ステンレス鋼管の海外進出の検討
⑥現地人材の育成による人材現地化の更なる推進
⑦海外でのESGへの取り組み
⑧国内外でのM&Aを含めた事業投資の積極的な検討の継続①高収益体質の維持、営業力の更なる強化
3)株主還元と社会貢献
①株主還元:配当方針の堅持
②社会貢献:各国での社会貢献を継続(配当実施後の純利益の1%程度を目途)
(2)経営環境及び対処すべき課題等について
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により引き続き厳しい状況が続くと見込まれます。一方、米国での新政権は前政権の通商拡大法232条に基づく鉄鋼輸入関税率25%を引き継ぎ、加えて大規模な財政出動などインフラ整備の期待感が強く、米国の熱間圧延コイル(HRC)価格(英国CRU社による米国中西部コイル価格指数)は高騰し続けており、アジアではいまだコロナ禍に苦しむ国が多い中、いち早く回復した中国景気を背景に鋼材需要の拡大が見込まれています。日本国内でも、この海外の薄板需給タイト化を反映してHRC供給は非常にタイトとなり、価格面も大幅な値上がりとなりつつあり、大変厳しい情勢となっています。
このような情勢のもと、当社といたしましては、感染症の拡大防止に努めながら、第6次中期経営計画のスタート年度として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別の経営環境及び対処すべき課題等については以下のとおりです。
(日本)
国内単体事業につきましては、足元で仮需を含め需要回復の兆しがある一方で、材料コイル供給が極めてタイトであることから、年間の販売数量を前年度比約+5%で計画しました。これは前々年度では約△8%弱程度の数量であり、現在の薄板需給タイトな状況から判断し、コロナ前の水準には当面戻らない見通しとしました。
更に、材料コイル調達価格が急激かつ大幅な値上げとなるため、販売数量の確保以上に製品価格の値上げを優先して鋭意取り組んでまいります。この製品値上げ効果によりスプレッドの悪化に歯止めをかけ、工場の生産性向上やコストダウンに努め、業績予想の確保に取り組んでまいります。
また、丸一ステンレス鋼管㈱も、ステンレス管は鉄鋼需要減の影響から受注が減少しておりますが、5Gやデジタル化を背景に需要拡大が期待される付加価値の高い半導体製造装置向けと自動車用のBA管の取り組み強化を行い、収益力向上の為、各種社内活動の推進を図ってまいります。設備投資関連では、環境対応仕様の角管カラー製品需要の拡大に対応すべく、連結子会社である九州丸一鋼管㈱に続き、北海道丸一鋼管㈱でのカラー塗装設備の導入を順調に進めております。更には、連結子会社の丸一鋼販㈱では、昨年12月の浜松の新切断工場建設に続き、四国営業所に倉庫新築・岡山営業所に倉庫増築などを進めており、エンドユーザーの木目細かいニーズに対応してまいります。
(北米)
北米事業につきましては、経済活動の早期再開に加え、新政権による追加経済対策のインフラ整備への期待もあり、鉄鋼価格が急上昇し、需要の回復により受注数量も堅調に推移しております。足元ではコイル価格が過去最高水準まで急激かつ大幅に上昇しており、販売数量の確保と共に製品価格の値上げが業績改善のカギであり、鋭意取り組んでまいります。また、未経験な高値レベルとなったHRC価格(現在US$1,600/トン)の急落が大きなリスクであり、木目細かな仕入・在庫量のコントロールを図り適正水準を維持して在庫保有リスクの軽減努力をしてまいります。
(アジア)
アジア事業につきましては、米国の通商問題や近隣諸国の輸入制限措置の影響で供給過剰によるアジア地区全体の鉄鋼市況は混乱しております。ベトナムSUNSCO社では、ベトナム国内の販売シェア拡大・販売数量確保と販売価格アップと共に、在庫の圧縮や設備の減価償却を進め、借入金を削減する経営に注力してまいります。また、冷間圧延能力不足の解消、コスト削減、品質向上などに向け第2冷延ミルの新設工事は順調に進めております。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、販売数量の確保と共に、二輪メーカーとの製品納入価格の値上げ交渉に取り組んでまいります。インドKUMA社では、ロックダウン解除後に二輪&四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から二輪向け排気管需要が増加しており、バンガロール工場でのライン増設を決定しました。但し、新型コロナウイルス感染が再拡大しており、対策としての行動制限が需要悪化を再び引き起こす懸念も依然としてあり、気が抜けません。