有価証券報告書-第89期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/26 9:57
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有報資料

(1)経営方針について
当社は2021年4月7日に第6次中期経営計画(2021年4月~2024年3月)を公表いたしました。
今中期経営計画は70周年を迎えた当社が、100周年を健全に迎えることができるサステナブル企業グループを目指すとの方針のもと、その基盤固めの3ヶ年と位置づけております。 経営計画を確実に推進することにより、経営基盤を確固としたものにし、また環境への配慮を更に進めゼロカーボンに向けた体制も早期に確立し、長期安定的な成長によるサステナブル企業グループを目指します。
第6次中期経営計画の内容は、以下の通りとなっております。
1.基本方針
①長期的成長のための収益基盤:売上高:2,000億円、営業利益:260億円、営業利益率:13%
②計画策定の前提となる経営環境の想定
・国内:鉄鋼需要は長期的な減少傾向にあるが、この3年間はコロナの影響が前半で収束し最終年度は2018年度のレベルまで回復
・海外:各国とも後半にはコロナの影響から脱し、アジアを中心に成長路線に戻る
・鉄鋼市況:前半は乱高下を予想するが、徐々に落ち着くと想定
・国内外の自動車関連:各国のEV化の動向を注視し、必要な対応を開始
・競争力のある原材料の安定的な調達に努力
③デジタル化の一層の推進による製造/営業での生産性向上
④ESGを意識した経営により、企業の長期的安定的成長を目指す
2.数値目標 (想定為替レート:1米ドル105円)
2021年度
実績
2022年度
実績
2023年度
予想
第6次中計目標国内連結うち単体海外連結
売上高(億円)2,2422,7342,7352,0001,300(1,050)700
営業利益(億円)363300305260195(160)65
営業利益率16.2%11.0%11.2%13.0%15.0%(15.2%)9.3%
ROE9.8%7.9%7.0%6.5%
株主還元率82.7%52.3%57.3%50.0%
環境目標国内グループで2030年に46%(2013年度比)CO₂排出量削減に向けて省エネ、低炭素燃料への転換等に取り組み、2023年度で30%(2013年度比)削減する

①売上高:国内外での販売数量の回復を見込
②営業利益/営業利益率:単体は営業利益率15%、主要連結各社は営業利益率最終10%
(Leavittのみ5%以上)を目標
③ROE:連結ROE6.5%を目標とする
④株主還元率:引き続き配当方針を堅持し高い還元率を実現
⑤環境方針:CO2排出量を2013年度比、国内グループ2030年△46%(2023年度比△30%)削減
3.計画実現に向けての主要施策と取り組み
1)国内での取り組み
①生産販売の回復と高収益体質の維持
②丸一ステンレス鋼管の営業利益率10%目標:半導体/自動車向けBA管の生産能力増強、自動化投資による生産効率の向上
⇒BA管の生産能力を2023年度から25万本/月に引き上げ
③グループ企業間のシナジー効果の発揮:丸一ステンレス鋼管、東洋特殊鋼業、アルファメタル、丸一鋼販間の連携
⇒2024年3月期より東洋特殊鋼業の連結子会社化
④堺工場のSR仕上工程、九州工場のGHライン、東京/名古屋工場の設備改修など168億円の投資
⑤生産及び営業でのデジタル化の一層の推進による生産性の向上
・IoT:生産ラインの稼働データの自動収集と分析システムの全工場への展開
・DXを活用した営業関連のIT化推進(WEB化、電子化、リモートワーク環境の整備等)
・AI/RPAを活用した事務システムの本格運用と利用範囲の拡大
・生産現場における検査と品質管理の全自動化
⑥ESGレポートの作成。ゼロカーボンへの対応の国内関連会社や海外現法への順次展開
⇒2022年度版ESGレポート発行済み
⑦女性人材、海外人材の一層の活用
⇒女性の生産現場への配属、女性管理職登用実施
⑧遊休土地、建物の利活用
⑨オープンイノベーションの展開:設備メーカーとの協働による造管新技術の開発
顧客との協働によるソリューションビジネスの新たな取り組み
⇒操業条件のデジタル化、設備自動化、作業省力化等を導入した次世代型造管機を名古屋工場に導入
(2024年末稼働開始予定)
2)海外での取り組み
①営業利益率目標:米国Leavitt社の5%以外は10%の達成を目標とする
②SUNSCO:国内販売比率を更に高め(50%以上)収益基盤を強固に
第2冷延設備稼働によるコスト削減と品質の向上による収益への貢献
③自動車二輪車関係工場での設備投資の継続と収益の拡大
④インドKUMA社の四輪二輪の排ガス用ステンレス鋼管以外の製品需要の捕捉と投資の検討
⑤丸一ステンレス鋼管の海外進出の検討
⇒MST-X社設立(2022年8月)
⑥現地人材の育成による人材現地化の更なる推進
⑦海外でのESGへの取り組み
⑧国内外でのM&Aを含めた事業投資の積極的な検討の継続
⇒米国GENEVA社(現マルイチ・ネブラスカ・チューブLLC)を買収(2021年11月)
3)株主還元と社会貢献
①株主還元:配当方針の堅持
②社会貢献:各国での社会貢献を継続(配当実施後の純利益の1%程度を目途)
(2)経営環境及び対処すべき課題等について
今後の見通しにつきましては、欧米の金融引締め長期化に伴う景気減速やエネルギー価格の高止まり等、景気後退懸念リスクもあり、引き続き厳しい状況が見込まれます。米国では、(決算期が3ケ月ズレており)米国のHRC価格は、12月に681$/トンまで下落したものが、足元4月では1,300$近くの水準まで回復しております。アジアは、中国のゼロコロナ政策の転換による行動規制の緩和があるものの、不動産市況の下落等中国経済への警戒感が強く、鉄鋼製品価格は頭打ちの状況にあります。日本国内では、足元では需要が盛り上がりに欠ける中で販売数量の確保が難しい状況となっています。
このような情勢のもと、当社といたしましては、第6次中期経営計画の最終3年目として主要施策の着実な実行の為、各地域での状況変化を的確に把握し、マイナス要因をミニマイズする迅速な対応を引き続き進めてまいります。セグメント別には以下の通りとなっております。
(日本)
国内単体事業につきましては、建築分野を始め需要回復は期待薄で、年間の販売予定数量は前年度比微増に止まる見通しとしております。パイプ販売単価も、前年度末までは値上げ価格の維持が出来ていたものの、足元一部値下げを見込まざるを得ない状況です。一方、コイル仕入価格は海外輸入材の値上げも想定され、スプレッドの悪化が見込まれます。加えて、電力等のエネルギーコストや塗料などの副資材等の製造コストやパイプの切断加工賃やハンドリング等の外注コスト等の上昇もあり、引き続き自助努力として工場の生産性向上やコストダウンに努めますが、厳しい状況です。丸一ステンレス鋼管㈱も、好調であったBA管が、半導体価格の下落に加え米国の対中半導体装置輸出規制問題もあり、半導体製造工場の建設遅延や、需要家でのBA管の在庫圧縮の動きもあり、1~2年はBA管需要が減少する見込みです。
設備投資関連では、女性も扱える次世代造管機をコンセプトとして造管機メーカーと共同で開発を進め、名古屋工場3号機(6インチミル)の老朽化更新への採用を進めるべく、これに先駆けて既存カラー塗装設備の新建屋建設による移設についても進めております。また、工場の現場作業の環境対策の一環として、東京工場で製造現場のエアコン設置の検討も開始しました。丸一ステンレス鋼管㈱ではコイル管の生産能力増強も検討しております。
(北米)
北米事業につきましては、金融引締めによる影響はあるものの、景気は底堅さを維持しております。米国のHRC価格は、年初以降は上昇し続けており、足元では受注・出荷も好調に推移しており、価格上昇局面での数量確保とスプレッドの先行確保による利益改善を期待しております。また、2021年11月に買収した米国MNT社について、取引先との販売条件の見直しや高付加価値販売先へのシフトを図り、年明け以降は単月で黒字化出来ており、コイルのスリット内製化についても設備投資を進めてまいります。米国の半導体需要拡大に伴い昨年8月にテキサス州に新規設立したBA管製造子会社マルイチ・ステンレス・チューブ・テキサス・コーポレーション(MST-X社)では、土地の取得も終え建屋着工など2024年4月以降の稼働開始予定ですが、足元の一過性と思われる半導体需要の落ち込みもあり、稼働時期は柔軟に対応し進めております。
(アジア)
アジア事業につきましては、中国経済の不透明感から、コイル及び製品価格の上昇は頭打ちの状況にあります。ベトナムSUNSCO社では、ベトナム国内の販売比率拡大や家電向け鋼板の拡販に加え、増加した在庫と借入金の圧縮に取り組んでまいります。ベトナムSUNSCO(HNI)社では、二輪車のサプライチェーン問題も解消したものの、バイク販売台数の落ち込みが見込まれ、販売数量予想は前年度割れとしています。インドKUMA社では、四輪市場の需要が急回復しており、加えて環境規制強化から商用車向け大径排気管需要が増加しており、増設したバンガロール工場ラインも含め、販売数量の増加を見込んでおります。フィリピンのMPST社では、半導体供給不足等から現地二輪車生産が減少していましたが、足元二輪メーカーの現地生産の拡大を背景に受注を確実に取込み販売数量の2桁伸長を見込んでおり、累損解消に取り組みます。

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