有価証券報告書-第42期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:06
【資料】
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【項目】
151項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、鉄スクラップを鉄鋼製品にリサイクルし、省資源・省エネルギーを通じて地球環境の保全に努めるとともに、社会の発展に貢献する電炉グループです。顧客ニーズを追求し、合理的でオープンな経営により、ゆるぎない競争力を持ち、信頼される企業グループを目指します。私達は、この目標の実現に向け、自らの成長と変革を通じ、挑戦を続けます。
(2) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略
当社事業において、需要の大宗を占める国内建設需要は中長期的には減少傾向が続き、競争は激化していくものと考えております。また、主原料価格の変動と合わせ、資材・エネルギー価格や輸送コストの増加も懸念されます。これらに加え、少子高齢化の中で労働需給の逼迫が見込まれる等、普通鋼電炉工業界を取り巻く環境は厳しさを増していくものと考えております。
一方で、海外(東南アジア)の鋼材需要はインフラ需要の堅調な伸びにより今後も増大することが見込まれております。
こうした構造的な環境変化の中で、当社グループとしては、築き上げた揺るぎない経営基盤を活かしつつ、様々な課題に積極的に対応し、「新たな飛躍」に向けた体質強化と成長戦略を推進すべく、2020年度連結中期計画を策定しております。
基本方針と主要施策
「人と設備」を基軸に、これまで培った高い製造技術と品質の安定性及び商品の差別化と強じんなコスト競争力による優位性を拡大し、アジア市場において一般形鋼を中心に条鋼系分野における業界トップクラスの優良企業であり続けるべく、以下の諸施策を推進してまいります。
1.コンプライアンスの徹底と鉄リサイクルを通じた循環型社会への貢献による社会との共生
品質管理をはじめとするコンプライアンスの徹底により、お客様をはじめ社会からの信頼を確固たるものにします。
また電炉メーカーとして、鉄資源の効率的なリサイクルプロセスを推進し、省エネルギーや省資源を通じて環境保全と循環型社会へ貢献し、社会との一層の共生に努めます。
2.成長戦略の推進 ~海外事業(KOS社)の着実な推進等
注)KOS社=PT.KRAKATAU OSAKA STEEL
海外子会社であるKOS社やアジア向け輸出により、拡大するインドネシア及び周辺国での送電鉄塔用鋼材等のインフラ需要を捕捉し、成長戦略を推進します。KOS社については、インドネシア唯一のコンバインドミル(中小形形鋼・異形棒鋼複合製造ミル)による高い生産性、高い品質・商品力や納期対応力に加え、大阪製鐵グループからの良質鋼片(ビレット)安定供給の優位性を活かしながら、安定的な事業基盤の確立を目指します。
3.品質・商品力の更なる強化 ~ナンバーワン、オンリーワン商品の充実
より一層の品質造りこみ技術の改善に取り組むとともに、お客様ニーズに対応した新商品や高機能商品の開発を探求し、国内シェアナンバーワン商品であるEG(エレベータガイドレール)や鉄塔材等の商品力を一層高め、お客様からの「大鐵指定」を更に拡大し、国内のみならず海外での新市場開拓に努めます。
4.グループ国内事業の効率的な生産・物流体制の構築、省エネルギー・コスト対策の推進
当社グループの競争力・優位性の活用と、関東・関西・九州での各生産拠点の立地や特徴・強みを活かし、東京鋼鐵㈱や日本スチール㈱を含むグループ全体でのリスク分散・最適生産化と連携効果(シナジー効果)の発揮を図り、更なる効率的な生産・物流体制を構築します。
5.事業の持続可能性をもたらす基盤整備の推進
現場現物を基軸に、人材の確保・育成や技能伝承に向けた取り組み、働き方改革による「明るく楽しく働ける職場づくり」やワークライフバランスの推進、安全・環境・防災対策の着実な実行などの持続的な事業発展を可能とする諸施策を強力に推進します。
2020年度連結中期計画は、2018年3月に公表しております。
同計画の目標とそれに対する2019年度までの達成状況は以下のとおりです。
2020年度計画(A)2019年度実績(B)差異
(A)-(B)
計画比
(B)/(A)
売上高
海外比率(*1)
1,000億円
37.0%
916億円
28.6%
△84億円
△8.4%
92%
77%
鋼材出荷量150万t120万t△30万t80%
経常利益
ROS(*2)
100億円
10.0%
67億円
7.4%
△33億円
△2.6%
67%
74%
配当性向30%程度を目安29.9%

(*1)海外比率=KOS社売上高+日本からの輸出売上高のグループ売上高合計に占めるウエイト
(*2)売上高経常利益率(ROS)
当社の事業は鉄鋼業であり、鉄鋼業の経営指標としては売上高経常利益率が最適であると考えております。
①中期経営計画の進捗状況
2019年度は、年度を通じて主原料価格が下落傾向にあり、適正マージンを確保することができました。しかしながら、鋼材出荷量につきましては、建設需要の伸び悩みなどで未達となっております。
一方、インドネシアにおける当社の海外子会社であるKOS社につきましては、インドネシア国内の建設需要の停滞等の影響で鋼材需要が低迷し、当社の連結収益に寄与するには至りませんでした。
②中期経営計画における重点課題等の進捗状況
a.コンプライアンスの徹底と鉄リサイクルを通じた循環型社会への貢献による社会との共生
当社はリスクマネジメント委員会を軸とした自律的内部統制活動を通じて、業務全般についてチェックを徹底し、弱点を克服する活動を行ってきました。またパワーハラスメントやセクシャルハラスメント等の研修を行い、ハラスメントの防止に取り組むとともに、従業員意識調査アンケートを継続実施、内部通報窓口の活用・フォロー等の実施を着実に進めております。
b.成長戦略の推進 ~海外事業(KOS社)の着実な推進等
KOS社における収益基盤の改善が急務であることから、国内からのビレット供給も含めグループ一貫での連携の強化を図っております。
同社は、2018年10月から3シフト2直体制を敷き、鉄筋棒鋼・形鋼のフル生産が可能な体制を整備しておりますが、インドネシア経済のインフラ投資が伸び悩んだこと、更にインドネシアにおける競合他社との競争等による価格や鋼材販売量の低迷から、想定していた収益を上げることができておりません。しかしながら、当社の技術・経験を活かし、KOS社製品の信頼性を一層向上させつつ、半製品の調達先の安定・拡大を図ること等へ取り組み、収益基盤の改善を図ります。
c.品質・商品力の更なる強化 ~ナンバーワン、オンリーワン商品の充実
当社グループは、「お客様とともに誠実・安心・成長」をモットーに、製品ブランド「大鐵MADE」を制定しました。この「大鐵MADE」を旗印とし、連結子会社である東京鋼鐵㈱、日本スチール㈱、KOS社も含めて、同じ製品思想、品質設計、品質管理に則った鋼材製品を提供することを通じ、グループ全体の製品品質に関する信頼性向上に努めてまいりました。今後、更なる信頼性向上のために圧延技術力の強化、製品試験データの取り込み自動化などを図るとともに、熱間疵検査装置の活用等による精整・検査工程の充実を推進してまいります。
d.グループ国内事業の効率的な生産・物流体制の構築、省エネルギー・コスト対策の推進
需要動向や顧客ニーズ、物流環境の変化等に迅速かつ的確に対応し、グループ全体の販売・物流関係の企画推進能力を強化することを目的として、販売・物流企画部を新設いたしました。
また、生産体制の「選択と集中」を行い、2020年3月末をもって、エレベータガイドレールの加工品生産を終了することといたしました。今後はエレベータガイドレール素材の生産に絞り、取引先様との連携を更に強化いたします。また、その他の鋼材生産に係る老朽化設備は、可能な限り生産性向上等を織込みつつ、更新を進めてまいります。
加えて、当社西日本熊本工場に導入した多機能バーナー等の省エネルギー・コスト削減に資する投資も引き続き進めております。
e.事業の持続可能性をもたらす基盤整備の推進
当社は、人材の確保・育成や技能伝承に向け、従業員の階層別研修等の人材育成プログラムを着実に実行しつつ、急速に進むAIやRPAなどのIT技術による労働生産性向上に向けた具体的な取り組みを推進しております。また、安全衛生・環境・防災に対する諸施策についても、鋭意取り組んでおります。
(3)経営環境および対処すべき課題
2020年度の経営環境については、以下のように認識しております。
今後の当社グループを取り巻く経営環境については、新型コロナウイルス感染症の影響拡大により、非常に不透明な状況となっております。足下は、国内外の経済活動が停滞したことを受け、鋼材需要も低下しており、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、鉄スクラップ価格も不安定な動きをしており、マージンが縮小する等の懸念があります。これら影響等により、2020年度連結中期計画で掲げた経営目標について未達となる可能性がありますが、引き続き諸施策の推進に、鋭意努力してまいります。
国内においては当社を中心に、関東地区に拠点を置き等辺山形鋼・不等辺山形鋼を製造する東京鋼鐵㈱、平鋼・各種異形鋼を製造する日本スチール㈱、製品の輸送機能を担う大阪新運輸㈱及び西鋼物流㈱等のグループ会社の総合力を活かし、生産から販売・物流までのトータルな事業の一層の効率化を図ってまいります。加えて、海外においては、インドネシア国内唯一の高性能コンバインドミルで中小形形鋼・異形棒鋼を製造する海外子会社KOS社については、国内からのビレット供給等に努めつつ、更なる連携強化を図ってまいります。インドネシア国内においても新型コロナウイルス感染症の拡大により、足下、事業環境が大幅に悪化しており、今後もその動向を見極めつつ、適宜、必要な対策に努めてまいります。
また、品質管理をはじめとするコンプライアンスの徹底を図りつつ、安全衛生・環境・防災に関するリスク管理に一層努めるとともに、人材育成・技能伝承等の基盤整備を推進してまいります。
さらに徹底的な省エネルギー対策や生産性向上対策を引き続き推進し、業界トップクラスのコスト競争力の更なる強化に努めてまいります。

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