有価証券報告書-第45期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/27 14:57
【資料】
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【項目】
148項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、鉄スクラップを鉄鋼製品にリサイクルし、省資源・省エネルギーを通じて地球環境の保全に努めるとともに、社会の発展に貢献する電炉グループです。顧客ニーズを追求し、合理的でオープンな経営により、ゆるぎない競争力を持ち、信頼される企業グループを目指します。私達は、この目標の実現に向け、自らの成長と変革を通じ、挑戦を続けます。
(2) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、電炉法による鉄リサイクルを通じて、循環型社会、及び脱炭素社会へ貢献するとともに、トップサプライヤーとして需要家のニーズに合った製品を供給するため、製造実力、コスト・品質競争力の更なる強化を図り、社会に貢献していくことを主眼とした「大阪製鐵グループ中期経営計画」を、2021年4月28日に策定・公表しております。公表内容は以下の通りです。
(環境認識)
国内一般形鋼、棒鋼需要は、足下新型コロナウイルス感染症の影響により低水準となっておりますが、今後一定程度は回復するものの、以前の水準には戻らず国内需要は構造的に縮小するものと認識しております。一方、海外市場は東南アジアを中心に一定の経済成長を持続すると考えております。
主原料であるスクラップは、中国の輸入再開等により、スクラップ需給は構造的に変化していくものと見ています。
電力における再生可能エネルギー比率アップによる供給構造の変化や、少子高齢化の更なる進展等、当社経営を取り巻く環境は絶え間なく変化していくものと考えています。
(主要課題と取り組み)
①盤石な国内事業基盤の構築
イ.大阪事業所の収益、事業基盤の更なる強化
当社の中核事業所である大阪事業所(堺工場、恩加島工場)における「Sプロ(大阪事業所圧延ライン
強化対策)」の最大活用を通じた事業基盤の一層の強化
ロ.グループ全体構造の見直し、グループ経営の深化
・日本スチール㈱の吸収合併による両社のシナジーの追求、製鋼~圧延の一貫管理強化等を通じた当社
グループ平鋼事業の一層の競争力強化
・東西拠点である大阪製鐵と東京鋼鐵の更なる一体的運営の追求など、各機能を担うグループ会社全体の
最適な体制の構築
ハ.お客様満足度の向上に向けて
・基本品位強化、技術サービス機能の一層の強化
・需要構造変化に応じた商品メニューの充実化等
二.設備投資の選択と集中
・固定費マネジメントの強化、次代に向けた設備投資案件選別の強化
・設備技術機能の充実を通じたメンテナンスエンジニア視点での保全強化
ホ.業務効率化の一層の推進
グループ全体の作業標準化及び新しいシステム基盤の構築、IoT導入推進による効率性の追求
②今後も成長が期待できる東南アジア需要の確実な捕捉を通じた成長戦略
・KOS(PT.KRAKATAU OSAKA STEEL:インドネシア)の黒字定着化、収益拡大によるグループ収益への貢献
・JVパートナーのPT.KRAKATAU STEELとの連携、協業強化
・輸出を含めた向け先拡大、形鋼の用途拡大、大阪製鐵輸出営業とのシナジー拡大の推進
・グループ国内3拠点からのビレットの安定(数量・品質)供給を通じた安定生産、デリバリー力の一層の
向上
③事業環境変化への対応
イ.省エネ施策の推進/電力構造変化への対応
・製鋼~圧延の直行率の更なる向上等、徹底的な省エネ対策の推進
・再生可能エネルギーの拡大等に伴い電力構造が変化している中、その変化に対応した稼働形態の追求、生産シフト見直しの検討
ロ.当社グループガバナンスの一層の強化
・グループ全体の連携強化に向けた組織体制の構築、安全環境防災・品質コンプライアンス等の企業
としての原点となる活動の徹底等
ハ.働き方改革の推進
・2021年4月よりスタートした65歳定年制の定着フォロー
・ダイバーシティ雇用の推進、及び在宅勤務、AI導入等を通じた少子高齢化への対応等、多様な働き方
の実現
(収益・投資計画)
2025年度ROS目標 10%程度
2021~25年度設備投資計画 230億円/5年
配当性向 30%程度目安
長期投資につきましては、十分な検証を踏まえ、国内外の事業成長のための投資を行ってまいります。また、グループ内最適化、最効率化の観点からグループ全体基盤の構築に向けたシステム投資を行います。


(3) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析
①当連結会計年度の経営成績 及び 大阪製鐵グループ中期経営計画の進捗状況
大阪製鐵グループ中期経営計画の目標・計画とそれに対する進捗状況は以下のとおりです。
(2020年度実績)2022年度実績2025年度目標・計画
連結売上高(766億円)1,171億円
連結経常利益(13億円)64億円
ROS(1.7%)5.5%10%程度
設備投資額(109億円/年)32億円/年230億円/5年
配当性向(30.4%)30.2%30%程度目安


②当連結会計年度の経営成績等の分析
当期の国内経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症による活動制限や半導体などの供給制約の緩和により、個人消費や設備投資が回復基調にあり、緩やかながらも持ち直しました。一方で、国内外の経済正常化や東欧情勢の影響による需給ひっ迫と為替変動を要因とするインフレ継続に加え、各国における金融引き締めによる世界的な景気減速もあり、不安定な状況が継続しています。
当社子会社(PT.KRAKATAU OSAKA STEEL、以下KOS社)が所在するインドネシアにおいては、個人消費や輸出に支えられ、経済は緩やかに回復いたしました。当社の経営環境につきましては、国内鉄鋼需要はコロナ禍から緩やかに回復しているものの、当社の主要需要先である建設分野の需要は低迷し、年後半にかけて回復基調に転じたものの、当社グループの年間鋼材出荷量は前期に比べ減少いたしました。加えて、主原料であるスクラップ価格の乱高下やエネルギー価格を中心とした燃料・資材価格が高騰するなど、製造コストの増加を余儀なくされました。インドネシアにおきましても、ビレット価格が乱高下したことにより、不安定な事業環境となりました。
このような状況下、お客様の理解を得ながら販売価格の改定を最優先課題として取組み、並行して徹底的なコスト改善も進めた結果、前年度に対し増益を達成することができました。
③当連結会計年度における重点課題への主要な取り組み
イ.盤石な国内事業基盤の構築
2018年度より取り組んできた大阪事業所圧延ライン体質強化対策、いわゆるSプロジェクトにおいて、恩加島圧延工場生産品の堺工場への移管が完了し、昨年9月末をもって恩加島圧延工場を休止いたしました。大阪事業所全体での固定費最適化と生産集約による堺工場でのコスト改善を鋭意進めております。また、岸和田工場でのコスト改善や省エネを目的とした圧延ライン延伸投資も完工し効果を発揮しはじめるなど、各拠点において継続的な改善活動を推進してまいりました。
また、当社堺工場から東京鋼鐵㈱への一部製品の生産移管による生産効率化や、子会社であった大阪物産㈱を解散しグループ経営体制の見直しを行うなど、グループ全体での最適経営体制・生産体制の構築にも取り組みました。
ロ.今後も成長が期待できる東南アジア需要の確実な捕捉を通じた成長戦略
成長戦略の一環であるインドネシア事業は、輸出拡大やインドネシア国内からのビレット調達拡大など諸施策を実行してまいりましたが、ビレット価格の大幅な変動に加え、製品市況の低迷などから厳しい経営状況となりました。

ハ.事業環境変化への対応
主原料であるスクラップ価格の乱高下やエネルギー価格を中心とした燃料・資材価格の高騰に対し、需要家の皆様のご理解をいただきながら販売価格の改善に取り組むとともに、Sプロジェクトを中心とした省エネ投資を推進するなど、自助努力としても省エネ対策を強化しております。
また、サステナブル社会の実現へ向けた社会的要求の高まりに対し、ESGの視点を持った経営をより強化しており、マテリアリティへの対応を中心に個別取組みを推進しております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
2023年度の経営環境及び対処すべき課題については、以下のように考えております。
今後の国内経済の見通しは、対面型サービスを中心とした個人消費の増加やインバウンド需要の拡大、企業の設備投資に支えられ景気は回復していくものと期待され、またインドネシア経済においても、個人消費や輸出に支えられ経済拡大が継続することが見込まれますが、世界的なインフレの長期化と各国の金融引き締め策、金融システム不安による世界経済減速及び両国経済への波及が懸念されるなど、先行き不透明な状況が継続することが想定されます。
当社グループを取り巻く環境につきましては、建設分野の需要は引き続き回復していくことが期待されますが、地政学リスクや脱炭素化へむけた潮流の中で、原燃料価格は高位継続する懸念があり、厳しいコスト環境となることを覚悟せざるを得ません。
このような環境の下、引き続きお客様の理解を得ながら再生産可能な販売価格への改定を進めていくとともに、大阪製鐵グループ中期経営計画の諸施策を着実に実行してまいります。
省エネを中心としたコスト改善対策の検討・推進に加え、お客様満足度向上へ向けた品質管理強化や2024年物流問題に対応したデリバリー競争力の維持・強化を図るなど、国内事業基盤の強化を図ってまいります。インドネシア事業においても、品質優位性を活かした需要の捕捉やビレット調達ソースの拡大、国内製造拠点との連携による一貫製造力強化を推進いたします。
また、気候変動対策や人的資本強化、働きやすい職場づくりの推進などサステナビリティ基本方針に則った活動を継続し、サステナブル社会へ貢献してまいります。

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