訂正有価証券報告書-第90期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2022/12/15 10:04
【資料】
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【項目】
154項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念及び行動基本方針
経営理念
東邦チタニウムグループは
チタンと関連技術の限りない可能性を追求し
優れた製品とサービスを提供し続けることで
持続可能な社会の発展に貢献します
行動基本方針
私たちは、経営理念を実現するため次の3つの基本方針に基づき行動します。
1.安全とコンプライアンスを最優先し、健全で公正な企業活動を行います。
2.変革と創造を実践し、従業員と企業の持続的成長を果たします。
3.顧客、地域社会、株主をはじめとする全てのステークホルダーと対話を進め、信頼・共生関係を築きます。

(2) 経営環境
世界経済は、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し国内外に多大な影響を及ぼしており、各種の対策が期待されるものの感染症の再拡大による影響が懸念され、また米中の摩擦激化等国際情勢をめぐるリスク等もあり、景気の先行きについては依然として不透明な情勢が続くものと思われます。
金属チタン事業については、スポンジチタンは航空旅客数の激減に伴う航空機業界の生産活動低下により需要が大幅に減少する状況にあり、コロナ禍以前への回復には複数年を要すると思われます。また、主に一般工業用向けであるチタンインゴットについては、徐々に需要回復へ向かうと考えられるものの、競争環境は一段と厳しさを増すものと思われます。一部半導体向け高純度チタンは好調を継続しておりますが、これらチタン製品の原料となる鉱石価格の高止まり等、同事業をめぐる環境は当面厳しい状況で推移することが見込まれます。
触媒事業におけるプロピレン重合用触媒市場の底堅い推移や、化学品事業においては、第5世代移動通信(5G)の進展等による電子材料部品(超微粉ニッケル等)の需要増が想定されるものの、世界経済の先行き不透明感等により事業を取り巻く環境の不確実性は高まっており、今後の動向は注視する必要があると考えております。また、品質・価格・サービス等、あらゆる分野で競争が激化するものと想定しております。
(3) 中長期経営方針
こうした状況のもと、当社グループは、2030年のありたい姿の実現に向け、下図のとおり中長期経営方針を定めました。金属チタン事業に加え、チタンとその関連技術を中核とする複数のダウンストリーム事業を有する高収益素材メーカーを目指してまいります。

(4) 中期経営計画について
当社グループは、2020年11月において、前記の中長期経営方針を踏まえ、2020年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定しました。
(ⅰ)中期経営計画における基本戦略
2020年度~2022年度の3ヶ年は、新たな成長に向けた変革を実現する時期と捉えており、具体的に以下の4点を基本戦略とし、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
1.成長分野への重点投資による収益基盤の強化
2.サウジアラビア合弁会社の早期収益化
3.本社移転と茅ヶ崎工場リニューアルプラン
4.新規事業の創出・推進
(ⅱ)セグメント別の課題及び施策
各セグメント毎の課題及び施策は、以下のとおりであります。
・金属チタン事業…中核課題:コロナ禍からの早期回復と収益力の抜本的改善
個別課題施策
コスト競争力強化・AI、IoT活用による生産コスト低減
・低品位鉱石使いこなし技術開発の促進
販路拡大による収支改善・主要顧客とのアライアンス強化による販売数量確保
・中国市場等、新規顧客開拓
・高純度金属事業の強化・拡大
溶解事業の全体最適化・各拠点での生産体制見直し
・海外顧客ニーズに合わせたインゴットの供給体制構築
サウジアラビア合弁会社の早期収益化・稼働率の早期引き上げ
・生産性改善によるコスト削減

・触媒事業…中核課題:さらなる事業拡大の追求、市場の伸びを上回る成長の実現
個別課題施策
ポリプロピレン需要増への対応・既存設備での増産対応、新工場建設後の垂直立ち上げ
顧客ニーズへの対応・製品改良・新製品の商業化
・高付加価値触媒、環境対応型触媒の開発促進

・化学品事業…中核課題:さらなる事業拡大の追求、市場の伸びを上回る成長の実現
個別課題施策
拡販に向けた取り組み・ニッケル粉新工場建設の着実な実行と早期戦力化
・主要顧客との関係深化、新規顧客へのアプローチ
生産能力確保・次期増強に向けた具体案と既存工場改修の検討

・新規事業、技術開発
個別課題施策
次世代の発展に向けた礎作り・当社開発案件の評価・棚卸
・JX金属(株)との共同開発案件推進
・M&A、スタートアップ企業等への出資検討
技術力を背景としたさらなる変革と
創造の実践
・高度IT技術導入加速
・衛生志向社会対応市場の捕捉(新型コロナ感染症対応)

(ⅲ)主要計画数値
中期経営計画最終年度(2022年)の主要計画数値は、以下のとおりであります。
売上高経常利益親会社株主に帰属
する当期純利益
ROE自己資本比率
580億円60億円40億円8%52%

当社グループは、資本効率向上の観点から、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標と位置付けており、10%を上回るべく改善を図ってまいります。
なお、本計画数値達成の前提となる3ヶ年累計の設備投資・投融資は、以下のとおり計画しております。

(5) 優先的に対処すべき課題
前記の中期経営計画のもと、当社グループは、以下に記載する当面の課題に優先的に取り組み、事業基盤の確立を目指してまいります。
1.成長分野への重点投資による収益基盤の強化
若松工場に建設した超微粉ニッケル新工場について、速やかに生産立上げを図るとともに、2020年3月に投資を決定した茅ケ崎工場における触媒新工場建設について、2022年11月の商業生産開始に向けて着実に計画を進めてまいります。また、今後も各製品の需要動向を見ながら、成長分野への投資を適時に実行してまいります。
2.サウジアラビア合弁会社の早期収益化
サウジアラビアにおけるスポンジチタン製造合弁会社については、金属チタンの需要が低迷する中、当面厳しい事業環境が予想されますが、安全・安定操業を実現し、コスト低減に取り組むとともに、スポンジチタン販売先の開拓を進め、キャッシュ・フローの改善及び早期の収益化を目指します。
3.全社的業務運営効率化と茅ヶ崎工場リニューアルプラン
2020年6月の神奈川県横浜市への本社移転を機に、情報通信技術の活用等により全社的な業務運営の合理化・効率化を進めており、引き続きその推進を図ります。また、設備老朽化等の問題が見られる茅ケ崎工場について、安全・環境対策の徹底と労働環境の改善を進めます。
4.新規事業開発及び新技術の活用
新規事業開発体制を強化し、社会動向を当社が有する技術シーズと結び付けることで、次世代の柱となる新規事業の探索・育成に取り組んでまいります。また、AI、IoT等の新技術の生産プロセスへの活用を進めることで、競争力強化を図ってまいります。
(6) ESG経営の推進
当社は、本中計期間より、持続的な企業価値向上を実現するため、ESGに対する取り組みを全社レベルで強化し、SDGs達成に貢献することとしております。
このうち「Environment(環境)」に関しては、国際社会において急速に2050年カーボンニュートラルへの要請が高まり、今後競争ルールの変更を伴う社会システムの変化が予測される状況にあります。
かかる状況下、当社は、チタンの新製錬技術を中核とした施策により、2030年にCO2排出量を2018年度比で40%削減し、2050年にはカーボンニュートラルの実現を目指す、カーボンニュートラルビジョンを策定いたしました。

今後も、様々な取り組みを通じ、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。

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