有価証券報告書-第104期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 14:34
【資料】
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【項目】
126項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益が改善傾向にあるなど、景気は緩やかな回復基調が継続しましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響などが懸念され、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境下におきまして、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。売上高は、包装容器関連機械設備や飲料容器などの販売が低調に推移したほか、円高の影響により海外子会社の売上高が円換算で減少し、7,794億69百万円(前期比2.8%減)となりました。利益面では、グループ全体のコスト削減効果のほか、原油安の影響などにより原材料・エネルギー価格が前期を下回ったことから、営業利益は361億84百万円(前期比11.9%増)、経常利益は、361億7百万円(前期比35.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却などにともなう特別利益を計上しましたが、減損損失を計上したことにより、121億90百万円(前期比21.6%増)となりました。
各セグメントの営業の概況は次のとおりであります。
[包装容器関連事業]
売上高は6,573億40百万円(前期比3.9%減)となり、営業利益は300億82百万円(前期比22.2%増)となりました。
①金属製品の製造販売
金属製品の売上高は前期を下回りました。
《国内》
清涼飲料向けのキャップが増加しましたが、コーヒー向けを中心として飲料用空缶が低調に推移したことにより、売上高は前期を下回りました。
《海外》
タイにおいて健康飲料向けの飲料用空缶が伸長したほか、ドイツにおいてビール向けのマキシキャップが増加しましたが、円高の影響により、売上高は前期を大幅に下回りました。
②プラスチック製品の製造販売
プラスチック製品の売上高は前期を上回りました。
《国内》
味噌向けのカップが低調に推移しましたが、清涼飲料向けなどのキャップやお茶類向けの飲料用ペットボトルが好調に推移したほか、台所用洗剤向けのボトルが増加し、売上高は前期を上回りました。
《海外》
タイにおいて果汁飲料の受託充填品の伸長で飲料用ペットボトルが好調に推移したほか、洗濯用洗剤向けのボトルが増加しましたが、円高の影響により、売上高は前期を下回りました。
③紙製品の製造販売
ビール類向けのマルチパックの増加により紙器製品が好調に推移しましたが、段ボールシート販売などが低迷したほか、コンビニエンスストア向けのコーヒー用飲料コップの減少などにより紙容器製品が低調に推移し、売上高は前期並となりました。
④ガラス製品の製造販売
グラスなどのセールスプロモーション品の受注減によりハウスウエア製品が低調に推移したほか、清涼飲料向けのびん製品が減少し、売上高は前期を下回りました。
⑤エアゾール製品・一般充填品の受託製造販売
殺虫剤などのエアゾール製品が増加したほか、頭髪用品などの一般充填品が好調に推移したことにより、売上高は前期を大幅に上回りました。
⑥包装容器関連機械設備の製造販売
米国において中国・中東向けの製缶・製蓋機械などの販売が低調に推移したほか、国内において飲料充填設備の販売が減少したことに加え、円高の影響により、売上高は前期を大幅に下回りました。
[鋼板関連事業]
売上高は541億24百万円(前期比0.6%減)となり、営業利益は41億21百万円(前期比247.2%増)となりました。
電気・電子部品向けでは、電池材で乾電池や車載用二次電池が増加しましたが、円高の影響などにより、売上高は前期並となりました。
自動車・産業機械部品向けでは、ガスケット材が増加しましたが、ベアリングシール材が減少したほか、円高の影響などにより、売上高は前期並となりました。
建築・家電向けでは、冷蔵庫向け扉材やユニットバス向け内装材が減少し、売上高は前期を下回りました。
[機能材料関連事業]
売上高は358億87百万円(前期比6.6%減)となり、営業利益は9億79百万円(前期比70.1%減)となりました。
磁気ディスク用アルミ基板では、要求品質の高まりにともなう生産性の低下や円高の影響などにより、売上高は前期を下回りました。
光学用機能フィルムでは、フラットパネルディスプレイにおける市場の調整が継続したことなどにより、売上高は前期を下回りました。
その他、ゲルコートが好調に推移したほか、輸出を中心として顔料が増加しました。
[不動産関連事業]
オフィスビルおよび商業施設等の賃貸につきましては、売上高は74億29百万円(前期比6.6%増)となり、営業利益は45億64百万円(前期比9.1%増)となりました。
[その他]
自動車用プレス金型・機械器具・硬質合金および農業用資材製品などの製造販売、石油製品などの販売および損害保険代理業などにつきましては、売上高は246億86百万円(前期比33.4%増)となり、営業損失は9億17百万円(前期は11億66百万円の営業利益)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて27億17百万円増加し、1,687億44百万円(前期比1.6%増)となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益が253億70百万円、減価償却費466億90百万円、減損損失124億21百万円、法人税等の支払額63億56百万円などにより、当連結会計年度における営業活動による資金の増加は799億41百万円(前期比35.7%増)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
包装容器関連事業での設備投資を中心とした有形固定資産の取得による支出が400億85百万円あったことなどにより、当連結会計年度における投資活動による資金の減少は476億0百万円(前期比4.2%増)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入金の返済による支出が266億92百万円、配当金の支払いが28億40百万円あったことなどにより、当連結会計年度における財務活動による資金の減少は295億45百万円(前期は95億22百万円の増加)となりました。