有価証券報告書-第106期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 16:16
【資料】
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【項目】
170項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、1917年の創業以来100年にわたり、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれが持つ特性を活かし、人々のライフスタイルや社会の変化に応じて、さまざまな素材の容器を世の中に送り出してまいりました。当社グループは、2016年4月に制定した東洋製罐グループの経営思想のもと、次の100年に向けて、素材の開発と加工の技術を軸に、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしいしくみを拡げ、さらなる発展と進化を目指しております。
[東洋製罐グループの経営思想]
経営理念
常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します。
信条
・品格を重んじ、あらゆる事に日々公明正大に努めます。
・一人ひとりの力を最大限に発揮し、自己の成長と共に社会の繁栄に努めます。
ビジョン
・世界中の人に必要とされる斬新で革新的な技術と商品を提供するグループを目指します。
(2)目標とする経営指標
2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」では、最終年度である2020年度において、連結売上高8,200億円、営業利益500億円の達成等を数値目標として掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループが2018年5月にスタートさせた、2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」(以下、「本中期経営計画」といいます。)は2年目を迎えます。本中期経営計画において、2018年度を「創業的出直し」の年として位置づけ、東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略を支える組織構造・企業風土改革、財務・資本政策を進めることを基本戦略とし、持続的な成長を目指しております。
本中期経営計画の概要およびその進捗状況は次のとおりです。
[「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」における基本戦略]
①お客さま・社会へ常に新しい価値を提供いたします
東洋製罐グループが有する素材開発・成形加工・エンジニアリングの3つの技術を融合させ、人々の暮らしをより豊かにし、環境にやさしい新しいしくみを提案いたします。
<進捗状況>・金属容器市場における当社グループの競争力強化を目的として、当社の連結子会社である東洋鋼鈑株式会社の普通株式を公開買付けにより取得することとし、2018年8月2日付で当社の完全子会社といたしました。これにより、同社が手がける「金属素材の開発」と、同じく当社の完全子会社である、東洋製罐株式会社における「金属容器の成形加工」およびStolle Machinery Company, LLCにおける「製缶・製蓋機械の製造販売」などの各事業を一気通貫で行うことができるようになり、既存のビジネスモデルを強化することができました。
・当社グループは、内容物の滑落性を向上させたプラスチックボトル「SLIDEX(スライデックス)」、デザイン性を向上させたガラスびん「衣玻璃(きぬはり)」、車載用二次電池向けのニッケルめっき鋼板など多岐にわたる付加価値製品をもって、市場の開拓に努めております。
②永続的な成長を支えるための組織構造・企業風土改革を進めます
次の3つの方針を軸として各種施策を実行いたします。
■機動的な事業運営を実現させる組織再編
■規模・機能・立地の適正化
■リーディングカンパニーに求められる社会的責任の実践
<進捗状況>・当社は、当社の連結子会社である東洋製罐株式会社の飲料缶事業における生産拠点の再配置および次世代スマートファクトリー構想の実現を目的として、新工場建設用地を取得いたしました。
・当社において、従来の容器・素材の枠組みを超えて、グループの既存の事業セグメントにとどまらない価値の創造と提案が実現できる体制へと変更することを目的として、2019年4月1日付で、グループ顧客ソリューション部、グループ技術戦略室、イノベーション推進室等を新設するなど、事業会社の枠組みを超えてグループの総合力を発揮させる新たな機能を持つ組織を編成いたしました。また、当社は、容器市場の伸長が見込まれるアジア地域において、グローバル容器事業のさらなる事業拡大の機会を創出すべく、シンガポール共和国に、アジア地域の市場調査、マーケティング、事業開拓およびイノベーション創出の拠点としてシンガポール支店を開設いたしました。
③成長戦略投資と財務の健全性を両立させる財務・資本政策を進めます
次の2つの方針を軸として各種施策を実行いたします。
■適切な経営資源の配分による成長戦略投資の実践
■環境変化に柔軟に対応した財務・資本政策の実践
<進捗状況>・当社の連結子会社である東罐興業株式会社は、労働力不足が進む中で省人・省力化を実現し、安定的な生産体制を整備することを目的として、同社の厚木工場内に、中食市場向けの食品用紙容器を製造する新工場棟を建設いたしました。なお、同工場棟は、2018年5月より稼働しております。
・当社の連結子会社である日本クロージャー株式会社は、プラスチックキャップの市場拡大に対応可能な生産スペースの確保、清涼飲料向けプラスチックキャップの生産設備の再配備による物流費の削減および自動化・省人化設備の導入による生産性向上を目的として、同社の小牧工場内に新工場棟を建設いたしました。なお、同工場棟は、2019年4月より稼働しております。
・当社の連結子会社であるBangkok Can Manufacturing Co., Ltd.は、タイにおける飲料用空缶の需要増に対応することを目的として新工場を建設し、2019年度半ばの稼働に向けて準備しております。
・東洋製罐株式会社は、豊橋工場において、今後の伸長が見込まれるフィルムパウチやプラスチックカップといった軟包装容器の製造・販売を行っております。同容器の増産対応および生産性の大幅な向上を目的として、新工場棟の建設を決定し、2019年度後半の稼働に向けて準備しております。
・今後の成長投資に向けた資産・財務の健全化および資本効率の改善によって企業価値の最大化を図ることを目的として、2018年6月27日に自己株式14,912,905株を消却するとともに、2018年度において自己株式9,523,300株(199億円)を取得いたしました。また、2018年度において、政策保有株式を252億円売却いたしました。
なお、当社および当社の連結子会社である東洋製罐株式会社は、2017年4月20日および2018年2月6日に、食品用空缶および飲料缶の取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。
当社および東洋製罐株式会社は、これらの事実を厳粛に受け止めるとともに、公正取引委員会による検査に全面的に協力しております。
当社グループを取り巻く経営環境は、より一層厳しさを増すことが想定されますが、本中期経営計画の諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指してまいります。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
①基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式の大量買付がなされる場合であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転をともなう買付提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられるものでない場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針実現のための具体的な内容の概要
(a)基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的な内容の概要
(中期経営計画等)
当社グループが2018年5月にスタートさせた2018年度から2020年度までの「東洋製罐グループ第五次中期経営計画」は2年目を迎えます。本中期経営計画において、2018年度を「創業的出直し」の年として位置づけ、東洋製罐グループの成長戦略とその成長戦略を支える組織構造・企業風土改革、財務・資本政策を進め、持続的な成長を目指しております。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は、グループの経営思想である経営理念・信条・ビジョンのもと、企業活動を通じて社会に貢献しつつ、企業価値の向上を図り新たな発展と進化を続けるために、コーポレート・ガバナンスを充実させていくことが経営上の重要課題であると位置づけ、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を策定し、これに継続的に取り組んでおります。
<持株会社体制>当社グループは、持株会社体制のもと、グループ全体の経営戦略および目標を明確に定め、グループ内の経営資源の最適配分を行うことにより、機動的かつ効率的な事業運営を推し進めております。これにより、グループ経営戦略の策定機能と業務執行機能を分離し、経営責任体制を明確化しております。
<社外役員の体制>当社は、当社における社外取締役および社外監査役を独立役員として認定する独立性に関する基準を明確にすることを目的として、「社外役員の独立性判断基準」を制定しております。
取締役会は、取締役13名で構成されており、そのうち独立性を有する社外取締役は5名であり、取締役会における社外取締役の人数は3分の1を超えております。また、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を機動的に構築するために、取締役の任期を1年としております。
また、社外取締役および社外監査役は、代表取締役との意見交換を行う社外役員会議を原則毎月実施し、経営の透明性や客観性を高めるために忌憚のない意見交換を行うとともに、国内外のグループ会社を適宜視察するなど、積極的な活動を行っております。
これら独立した客観的な立場にある社外取締役や社外監査役により、取締役会において活発な議論が行われるとともに、経営陣のモニタリングが行われており、経営体制に対する監視機能が確保されています。
<業務執行の体制>当社においては、執行役員制度を導入することにより、経営の効率性・機動性を確保するとともに、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能の明確化を図っております。経営の基本方針および諸施策を適切かつ迅速に確立し、経営活動を強力に推進するために、常勤取締役、機能統轄責任者、専務執行役員および常務執行役員により構成される「経営戦略会議」を月1回開催し、また、常勤取締役、機能統轄責任者、専務執行役員、主要なグループ会社社長により構成される「経営執行会議」を原則として月2回開催しております。なお、「経営戦略会議」および「経営執行会議」には常勤監査役が出席し、適宜意見を述べております。また、当社は、取締役・執行役員がその役割と責務を適切に遂行するため、必要な知識の習得および継続的な更新を支援することを目的として、各種研修の機会を随時設けております。
これに加え、当社は、代表取締役、取締役候補者および監査役候補者の指名ならびに取締役および執行役員の報酬などにかかる取締役会の機能の客観性・適時性・透明性をより強化することを目的として、代表取締役2名および独立性を有する社外取締役5名から構成される任意の諮問機関である「ガバナンス委員会」を設けております。
<内部統制システムを運用するための体制>当社およびグループ各社は、内部統制システムを運用しております。当社では、法令を遵守した企業活動の徹底を図り経営の効率性を高めるため、同システムの整備・運用状況や法令等の遵守状況は、社長直轄の内部監査部門である監査室により定期的に実施される内部監査を通じて確認され、その結果に基づき適宜改善を図っております。
当社グループは、上記の施策等を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を実現してまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的な内容の概要
(ⅰ)当社は2018年5月15日開催の取締役会決議及び2018年6月27日開催の第105回定時株主総会決議に基づき当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しております。本プランの概要については、下記(ⅱ)のとおりです。
(ⅱ)本プランの概要
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。
買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。
買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合で、本プラン所定の発動要件を満たす場合等には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当て、又はその他の法令及び当社定款の下でとりうる合理的な施策を実施します。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、特別委員会規則に従い、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される特別委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。加えて、当社取締役会は、本プランに定めるところに従い、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認いたします。
こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。本プランの有効期間は、2018年6月27日開催の第105回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとされております。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画及びコーポレート・ガバナンスの強化等の各施策は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは当社株式に対する買付等が行われた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、当社の基本方針に沿うものです。
さらに、本プランは、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を充足していること、更新にあたり株主の皆様のご承認を得ていること、一定の場合には本プランの発動の是非等について株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認する仕組みが設けられていること、有効期間を約3年間とするいわゆるサンセット条項が付されていること、及び有効期間の満了前であっても、当社株主総会により本プランを廃止できるものとされていること等株主意思を重視するものとなっております。また、本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、本プランの発動に際しての実質的な判断は、経営陣からの独立性を有する社外取締役等のみから構成される特別委員会により行われること、特別委員会は、当社の費用で専門家等の助言を受けることができるものとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性も担保されております。
したがって、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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