有価証券報告書-第85期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、ワクチン接種の進展や行動制限の緩和などにより、企業の景況感も改善傾向にあるものの、新たな変異株の出現や地政学的リスクの高まり、エネルギー価格の上昇などにより、厳しい状況が続きました。
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は488億1千万円(前連結会計年度末比50億1千万円増・11.5%増)となりました。
流動資産は224億7千万円(前連結会計年度末比7億1千万円増・3.3%増)、固定資産は263億3千万円(前連結会計年度末比42億9千万円増・19.5%増)となりました。
負債は117億1千万円(前連結会計年度末比40億9千万円増・53.8%増)となり、それぞれ、流動負債は67億5千万円(前連結会計年度末比29億6千万円増・78.2%増)、固定負債は49億5千万円(前連結会計年度末比11億2千万円増・29.6%増)となりました。
純資産は、371億円(前連結会計年度末比9億2千万円増・2.6%増)となりました。この結果、自己資本比率は76.0%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における連結損益は、完成工事高146億7千万円(前年同期比15億円減・9.3%減)、営業損失1億9千万円(前年同期は8億7千万円の営業利益)、経常利益2億1千万円(前年同期比10億6千万円減・82.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億3千万円(前年同期比7億9千万円減・85.1%減)となりました。
なお、当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス関連の影響は事業セグメント毎に記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
(a)鋼構造物製造事業
鋼構造物製造事業におきましては、橋梁部門では、鋼道路橋発注量は、約19万トンで、3年連続20万トン割れの厳しい状況で推移し、受注競争の熾烈化が続いております。一方、橋梁保全市場は依然として活況を呈しており、我々の業界の業態転換がますます進んでいく環境にあります。このような状況のなかで、当社グループは技術提案力強化とECI方式による受注案件で設計に続き施工も契約締結に至ったものの、橋梁部門受注高は113億2千万円(前年同期比19億3千万円減・14.6%減)となりました。
鉄骨部門では、大型再開発や物流倉庫などの大型物件の着工が相次ぎ、需要は回復傾向に転じてはいるものの、鋼材の価格高騰や納期の長期化などから先行き不透明な状況にあります。このような状況のなかで、民間建築案件への受注に努めた結果、鉄骨部門の受注高は32億1千万円(前年同期比10億8千万円増・50.9%増)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は145億4千万円(前年同期比8億4千万円減・5.5%減)となりました。
主な受注工事は、橋梁部門につきましては、中部地方整備局の東海環状北勢第一高架橋、西日本高速道路㈱の佐世保高架橋拡幅工事その1、鉄骨部門につきましては、大成建設㈱の東清水変電所建築工事、イビデン河間事業場新築工事などであります。
鋼構造物製造事業の損益につきましては、橋梁部門では、コロナ禍の影響は前連結会計年度より軽微でありましたが、工場の稼働状況は、製作予定案件の工期延期等により、コロナ禍前の水準までには回復しておらず、結果として間接費の負担増により工事損益の低下を招く結果となりました。また、鉄骨部門では、大型の一般鉄骨の受注に傾注し、一定の受注量は確保出来ましたが、採算の厳しい民間物件であるため、工場間接費の負担増により、工事損益は厳しい結果となりました。その結果、完成工事高116億2千万円(前年同期比14億6千万円減・11.2%減)、営業損失3億8千万円(前年同期は7億円の営業利益)となりました。
当連結会計年度に売上計上いたしました主な工事は、橋梁部門では、中部地方整備局の三遠道路1号橋、鉄骨部門では、鹿島建設㈱の金亀公園陸上競技場新築工事、保全部門では、中日本高速道路㈱の名港中央大橋耐震補強工事などであります。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業につきましては、コロナ禍の影響は軽微であり、当連結会計年度より連結の範囲に含めました子会社(瀧上不動産株式会社)の業績も加わったため、売上高は9億5千万円(前年同期比4千万円増・4.7%増)となりました。また、営業利益は、新規物件の初期費用の発生が利益率を鈍化させる結果となり、5億5千万円(前年同期比1百万円増・0.3%増)となりました。
(c)材料販売事業
材料販売事業につきましては、コロナ禍の影響は軽微であり、厚板部門は、当社の工期延期による加工取引の減少や年度後半の鋼材価格の急騰による在庫評価損等が損益に影響しました。レベラー部門は、織機向け取引が安定し、薄物加工の協業が加工取引を底上げする結果となりました。また、鉄筋・建材部門は、通年で鋼材価格の高騰を効果的に販売操業することが出来ました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、売上高、売上原価共に19億9千万円(内部取引を含む)減少しており、その結果、売上高20億1千万円(前年同期比11億4千万円減・36.3%減)、営業損失4千万円(前年同期は6千万円の営業損失)となりました。
(d)運送事業
運送事業につきましては、コロナ禍の影響で、外販取引の生産設備等の輸送取引が減少しました。また、グループ内取引も当社取引を中心に大幅な減少となったことから、前連結会計年度と同様に採算ベースを下回る状況となり、売上高3億8千万円(前年同期比1億4千万円減・26.7%減)、営業損失3千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。
(e)工作機械製造事業
工作機械製造事業につきましては、自動車業界以外への設計事業の取り組みが一定の効果を生みましたが、一方で、主力である自動車業界では、コロナ禍による半導体不足等で生産調整の状態は継続しており、依然として厳しい状況にありました。この結果、売上高1億3千万円(前年同期比2千万円減・14.0%減)、営業損失1千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果は、仕入債務の増加額17億5千万円等により、17億4千万円の資金収入(前年同期は10億円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果は、投資有価証券の取得による支出14億1千万円等により14億3千万円の資金支出(前年同期は6億3千万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果は、子会社の長期借入金による収入7億円が主な収入となり、4億4千万円の資金収入(前年同期は2億3千万円の支出)となりました。
(現金及び現金同等物)
上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は105億4千万円(前年同期比7億9千万円増・8.2%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.生産実績金額は当期発生原価によっております。
3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較
当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は488億1千万円(前年同期比50億1千万円増・11.5%増)、負債合計は117億1千万円(前年同期比40億9千万円増・53.8%増)となりました。
流動資産は、現金預金の増加(前年同期比6億9千万円増・7.0%増)や有価証券の増加(前年同期比6億円増・120.0%増)により、流動資産合計は224億7千万円(前年同期比7億1千万円増・3.3%増)となりました。
固定資産のうち、有形固定資産は新規設備投資や賃貸不動産物件の取得により増加(前年同期比18億8千万円増・15.1%増)し、投資その他の資産は投資有価証券の時価評価の増加などにより増加(前年同期比24億1千万円増・25.4%増)し、固定資産合計は263億3千万円(前年同期比42億9千万円増・19.5%増)となりました。
流動負債は、未払金の増加(前年同期比12億2千万円増・832.7%増)や支払手形・工事未払金等の増加(前年同期比17億5千万円増・77.8%増)などにより、流動負債合計は67億5千万円(前年同期比29億6千円増・78.2%増)となりました。
固定負債は長期借入金の増加(前年同期比6億6千万円増)などにより、固定負債合計は49億5千万円(前年同期比11億2千万円増・29.6%増)となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加(前年同期比9億8千万円増・26.4%増)などにより、純資産合計は、371億円(前年同期比9億2千万円増・2.6%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較
当連結会計年度の連結業績は、新中期経営計画の初年度として、前中期経営計画の基本方針である「再生と創造」を継続しつつ、「入札だけに頼らない企業体を作る」の実現に向けて取り組んでまいりました。受注高につきましては、第3四半期末までは、前連結会計年度受注実績の50%しか確保することが出来ず、民間の受注物件に偏向しましたが、第4四半期には、中部地方整備局や愛知県などの地元の大型物件を確保できたことから、最終の連結受注高は145億4千万円(前年同期比8億4千万円減・5.5%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度に係るコロナ禍の影響につきましては、鋼構造物製造事業では、当社では2022年に入ると従業員感染者が徐々に増加しましたが、昨年度の休業日を設定するなどの措置は講じておらず、結果として影響は軽微でありました。また、その他のセグメントにおいては、材料販売事業や運送事業では、直接的な影響は軽微でありましたが、工作機械製造事業につきましては、依然としてコロナ禍を主因とした半導体不足などで自動車業界の生産調整は継続しており、経営成績などには依然として大きな爪痕を残す結果となりました。
完成工事高については、鋼構造物製造事業では、当社の生産量が工期延長の影響により大幅に落ち込むなど、結果として前連結会計年度の10%~15%程度の増加に留まり、当初見込んでいた売上高は大幅に下方修正をする結果となり、当連結会計年度の鋼構造物製造事業の完成工事高は、橋梁・鉄骨共に減少し、完成工事高は116億2千万円(前年同期比14億6千万円減・11.2%減)となりました。不動産賃貸事業は、当連結会計年度より子会社の瀧上不動産株式会社を連結の範囲に取り込むなど、増加要因がありましたので、9億5千万円(前年同期比4千万円増・4.7%増)となりました。材料販売事業は、鋼材価格の高騰などで売上高は回復基調でありましたが、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の影響もあり17億円(前年同期比2千万円減・1.7%減)、運送事業は2億3千万円(前年同期比3千万円減・12.2%減)、工作機械製造事業は1億3千万円(前年同期比2千万円減・14.0%減)で連結売上高は146億7千万円(前年同期比15億円減・9.3%減)となりました。
完成工事総利益については、鋼構造物製造事業の生産量の不足を起因とする製造間接費の負担増加などにより、既存工事の損益を悪化させる結果となりました。また、鉄骨部門では、民間鉄骨案件の受注量を一定量確保致しましたが、厳しい採算性のなかで、前述の間接費の負担増などにより、工事損失引当金の計上を要する案件が発生したため、完成工事総利益を減少させる結果となりました。不動産賃貸事業は、新規賃貸案件の一時コストの増加により、完成工事総利益は微増となりました。また、材料販売事業においては、レベラー部門や鉄筋・建材部門の収益回復が全体として増加となるなど、当連結会計年度の完成工事総利益は13億8千万円(前年同期比11億5千万円減・45.5%減)となりました。
営業損益は、販売費及び一般管理費が組織再編や従業員賞与の減少等の労務費の減少加えて、租税公課等の経費の減少もあり、15億8千万円(前年同期比8千万円減・5.4%減)となり、1億9千万円の営業損失(前年同期は8億7千万円の営業利益)となりました。
経常損益は、当社の受取配当金等の運用収益などの営業外収益は前連結会計年度水準を確保致しましたが、営業損益の悪化が大きく影響し、経常利益は2億1千万円(前年同期比10億6千万円減・82.9%減)となりました。
特別損益は、関係会社清算益の計上はありましたが、投資有価証券売却損の発生もあり、税金等調整前当期純利益は2億1千万円(前年同期比10億円減・82.6%減)となりました。
当期純損益は、各社の損益実態に応じた法人税等や法人税等調整額を計上したため、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1億3千万円(前年同期比7億9千万円減・85.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業については、賃貸不動産の維持修繕や建築及び投資対象物件の取得費用などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入による調達も想定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、7億6千万円(前年同期比6億7千万円増・822.2%増)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、105億4千万円(前年同期比7億9千万円増・8.2%増)となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症に関する影響につきましては、その不確実性により、将来の経営計画等への定量的な見積りは非常に困難でありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、ワクチン接種の進展や行動制限の緩和などにより、企業の景況感も改善傾向にあるものの、新たな変異株の出現や地政学的リスクの高まり、エネルギー価格の上昇などにより、厳しい状況が続きました。
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は488億1千万円(前連結会計年度末比50億1千万円増・11.5%増)となりました。
流動資産は224億7千万円(前連結会計年度末比7億1千万円増・3.3%増)、固定資産は263億3千万円(前連結会計年度末比42億9千万円増・19.5%増)となりました。
負債は117億1千万円(前連結会計年度末比40億9千万円増・53.8%増)となり、それぞれ、流動負債は67億5千万円(前連結会計年度末比29億6千万円増・78.2%増)、固定負債は49億5千万円(前連結会計年度末比11億2千万円増・29.6%増)となりました。
純資産は、371億円(前連結会計年度末比9億2千万円増・2.6%増)となりました。この結果、自己資本比率は76.0%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における連結損益は、完成工事高146億7千万円(前年同期比15億円減・9.3%減)、営業損失1億9千万円(前年同期は8億7千万円の営業利益)、経常利益2億1千万円(前年同期比10億6千万円減・82.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1億3千万円(前年同期比7億9千万円減・85.1%減)となりました。
なお、当社グループの当連結会計年度に係る新型コロナウイルス関連の影響は事業セグメント毎に記載しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
また、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
(a)鋼構造物製造事業
鋼構造物製造事業におきましては、橋梁部門では、鋼道路橋発注量は、約19万トンで、3年連続20万トン割れの厳しい状況で推移し、受注競争の熾烈化が続いております。一方、橋梁保全市場は依然として活況を呈しており、我々の業界の業態転換がますます進んでいく環境にあります。このような状況のなかで、当社グループは技術提案力強化とECI方式による受注案件で設計に続き施工も契約締結に至ったものの、橋梁部門受注高は113億2千万円(前年同期比19億3千万円減・14.6%減)となりました。
鉄骨部門では、大型再開発や物流倉庫などの大型物件の着工が相次ぎ、需要は回復傾向に転じてはいるものの、鋼材の価格高騰や納期の長期化などから先行き不透明な状況にあります。このような状況のなかで、民間建築案件への受注に努めた結果、鉄骨部門の受注高は32億1千万円(前年同期比10億8千万円増・50.9%増)となり、当連結会計年度における鋼構造物製造事業の総受注高は145億4千万円(前年同期比8億4千万円減・5.5%減)となりました。
主な受注工事は、橋梁部門につきましては、中部地方整備局の東海環状北勢第一高架橋、西日本高速道路㈱の佐世保高架橋拡幅工事その1、鉄骨部門につきましては、大成建設㈱の東清水変電所建築工事、イビデン河間事業場新築工事などであります。
鋼構造物製造事業の損益につきましては、橋梁部門では、コロナ禍の影響は前連結会計年度より軽微でありましたが、工場の稼働状況は、製作予定案件の工期延期等により、コロナ禍前の水準までには回復しておらず、結果として間接費の負担増により工事損益の低下を招く結果となりました。また、鉄骨部門では、大型の一般鉄骨の受注に傾注し、一定の受注量は確保出来ましたが、採算の厳しい民間物件であるため、工場間接費の負担増により、工事損益は厳しい結果となりました。その結果、完成工事高116億2千万円(前年同期比14億6千万円減・11.2%減)、営業損失3億8千万円(前年同期は7億円の営業利益)となりました。
当連結会計年度に売上計上いたしました主な工事は、橋梁部門では、中部地方整備局の三遠道路1号橋、鉄骨部門では、鹿島建設㈱の金亀公園陸上競技場新築工事、保全部門では、中日本高速道路㈱の名港中央大橋耐震補強工事などであります。
(b)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業につきましては、コロナ禍の影響は軽微であり、当連結会計年度より連結の範囲に含めました子会社(瀧上不動産株式会社)の業績も加わったため、売上高は9億5千万円(前年同期比4千万円増・4.7%増)となりました。また、営業利益は、新規物件の初期費用の発生が利益率を鈍化させる結果となり、5億5千万円(前年同期比1百万円増・0.3%増)となりました。
(c)材料販売事業
材料販売事業につきましては、コロナ禍の影響は軽微であり、厚板部門は、当社の工期延期による加工取引の減少や年度後半の鋼材価格の急騰による在庫評価損等が損益に影響しました。レベラー部門は、織機向け取引が安定し、薄物加工の協業が加工取引を底上げする結果となりました。また、鉄筋・建材部門は、通年で鋼材価格の高騰を効果的に販売操業することが出来ました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、売上高、売上原価共に19億9千万円(内部取引を含む)減少しており、その結果、売上高20億1千万円(前年同期比11億4千万円減・36.3%減)、営業損失4千万円(前年同期は6千万円の営業損失)となりました。
(d)運送事業
運送事業につきましては、コロナ禍の影響で、外販取引の生産設備等の輸送取引が減少しました。また、グループ内取引も当社取引を中心に大幅な減少となったことから、前連結会計年度と同様に採算ベースを下回る状況となり、売上高3億8千万円(前年同期比1億4千万円減・26.7%減)、営業損失3千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。
(e)工作機械製造事業
工作機械製造事業につきましては、自動車業界以外への設計事業の取り組みが一定の効果を生みましたが、一方で、主力である自動車業界では、コロナ禍による半導体不足等で生産調整の状態は継続しており、依然として厳しい状況にありました。この結果、売上高1億3千万円(前年同期比2千万円減・14.0%減)、営業損失1千万円(前年同期は1千万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果は、仕入債務の増加額17億5千万円等により、17億4千万円の資金収入(前年同期は10億円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果は、投資有価証券の取得による支出14億1千万円等により14億3千万円の資金支出(前年同期は6億3千万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果は、子会社の長期借入金による収入7億円が主な収入となり、4億4千万円の資金収入(前年同期は2億3千万円の支出)となりました。
(現金及び現金同等物)
上記の要因により、現金及び現金同等物期末残高は105億4千万円(前年同期比7億9千万円増・8.2%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 鋼構造物製造事業 | 9,195 | △3.4 |
| 工作機械製造事業 | 114 | △8.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.生産実績金額は当期発生原価によっております。
3.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業及びその他の事業につきましては、生産活動がないため、生産実績の記載をしておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 材料販売事業 | 4,031 | +46.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.鋼構造物製造事業、不動産賃貸事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業につきましては、商品仕入活動がないため、商品仕入実績の記載をしておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | |||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | ||
| 鋼構造物製造事業 | 橋梁 | 11,325 | △14.6 | 18,622 | +9.9 |
| 鉄骨 | 3,214 | +50.9 | 2,534 | +95.6 | |
| 合計 | 14,540 | △5.5 | 21,157 | +16.0 | |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.不動産賃貸事業、材料販売事業、運送事業、工作機械製造事業及びその他の事業については、受注活動がないため、受注実績の記載をしておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売実績 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | ||
| 鋼構造物製造事業 | 橋梁 | 9,644 | △7.7 |
| 鉄骨 | 1,975 | △25.1 | |
| 計 | 11,620 | △11.2 | |
| 不動産賃貸事業 | 951 | +4.7 | |
| 材料販売事業 | 1,705 | △1.7 | |
| 運送事業 | 233 | △12.2 | |
| 工作機械製造事業 | 135 | △14.0 | |
| その他 | 32 | △3.4 | |
| 合計 | 14,678 | △9.3 | |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
| 相手先 | 金額 (百万円) | 割合(%) | 相手先 | 金額 (百万円) | 割合(%) |
| 東日本高速道路㈱ | 3,014 | 18.6 | 中日本高速道路㈱ | 2,034 | 13.9 |
| 国土交通省 | 2,072 | 12.8 | 鹿島建設㈱ | 1,773 | 12.1 |
| 鹿島建設㈱ | 1,953 | 12.1 | 愛知県 | 1,273 | 8.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度の連結貸借対照表における前連結会計年度比較
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 比率(%) | |
| 流動資産 | 21,758 | 22,478 | 719 | 3.3 |
| 固定資産 | 22,037 | 26,335 | 4,298 | 19.5 |
| 資産合計 | 43,795 | 48,814 | 5,018 | 11.5 |
| 流動負債 | 3,793 | 6,759 | 2,965 | 78.2 |
| 固定負債 | 3,821 | 4,951 | 1,129 | 29.6 |
| 負債合計 | 7,615 | 11,710 | 4,095 | 53.8 |
| 純資産合計 | 36,180 | 37,103 | 923 | 2.6 |
当連結会計年度の連結財政状態は、資産合計は488億1千万円(前年同期比50億1千万円増・11.5%増)、負債合計は117億1千万円(前年同期比40億9千万円増・53.8%増)となりました。
流動資産は、現金預金の増加(前年同期比6億9千万円増・7.0%増)や有価証券の増加(前年同期比6億円増・120.0%増)により、流動資産合計は224億7千万円(前年同期比7億1千万円増・3.3%増)となりました。
固定資産のうち、有形固定資産は新規設備投資や賃貸不動産物件の取得により増加(前年同期比18億8千万円増・15.1%増)し、投資その他の資産は投資有価証券の時価評価の増加などにより増加(前年同期比24億1千万円増・25.4%増)し、固定資産合計は263億3千万円(前年同期比42億9千万円増・19.5%増)となりました。
流動負債は、未払金の増加(前年同期比12億2千万円増・832.7%増)や支払手形・工事未払金等の増加(前年同期比17億5千万円増・77.8%増)などにより、流動負債合計は67億5千万円(前年同期比29億6千円増・78.2%増)となりました。
固定負債は長期借入金の増加(前年同期比6億6千万円増)などにより、固定負債合計は49億5千万円(前年同期比11億2千万円増・29.6%増)となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加(前年同期比9億8千万円増・26.4%増)などにより、純資産合計は、371億円(前年同期比9億2千万円増・2.6%増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の連結損益計算書における前連結会計年度比較
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 比率(%) | |
| 完成工事高 | 16,181 | 14,678 | △1,503 | △9.3 |
| 完成工事総利益 | 2,545 | 1,388 | △1,157 | △45.5 |
| 販売費及び一般管理費 | 1,675 | 1,585 | △89 | △5.4 |
| 営業利益又は営業損失(△) | 870 | △197 | △1,067 | - |
| 経常利益 | 1,285 | 219 | △1,065 | △82.9 |
| 税金等調整前当期純利益 | 1,219 | 212 | △1,007 | △82.6 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 932 | 138 | △793 | △85.1 |
当連結会計年度の連結業績は、新中期経営計画の初年度として、前中期経営計画の基本方針である「再生と創造」を継続しつつ、「入札だけに頼らない企業体を作る」の実現に向けて取り組んでまいりました。受注高につきましては、第3四半期末までは、前連結会計年度受注実績の50%しか確保することが出来ず、民間の受注物件に偏向しましたが、第4四半期には、中部地方整備局や愛知県などの地元の大型物件を確保できたことから、最終の連結受注高は145億4千万円(前年同期比8億4千万円減・5.5%減)となりました。
当社グループの当連結会計年度に係るコロナ禍の影響につきましては、鋼構造物製造事業では、当社では2022年に入ると従業員感染者が徐々に増加しましたが、昨年度の休業日を設定するなどの措置は講じておらず、結果として影響は軽微でありました。また、その他のセグメントにおいては、材料販売事業や運送事業では、直接的な影響は軽微でありましたが、工作機械製造事業につきましては、依然としてコロナ禍を主因とした半導体不足などで自動車業界の生産調整は継続しており、経営成績などには依然として大きな爪痕を残す結果となりました。
完成工事高については、鋼構造物製造事業では、当社の生産量が工期延長の影響により大幅に落ち込むなど、結果として前連結会計年度の10%~15%程度の増加に留まり、当初見込んでいた売上高は大幅に下方修正をする結果となり、当連結会計年度の鋼構造物製造事業の完成工事高は、橋梁・鉄骨共に減少し、完成工事高は116億2千万円(前年同期比14億6千万円減・11.2%減)となりました。不動産賃貸事業は、当連結会計年度より子会社の瀧上不動産株式会社を連結の範囲に取り込むなど、増加要因がありましたので、9億5千万円(前年同期比4千万円増・4.7%増)となりました。材料販売事業は、鋼材価格の高騰などで売上高は回復基調でありましたが、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の影響もあり17億円(前年同期比2千万円減・1.7%減)、運送事業は2億3千万円(前年同期比3千万円減・12.2%減)、工作機械製造事業は1億3千万円(前年同期比2千万円減・14.0%減)で連結売上高は146億7千万円(前年同期比15億円減・9.3%減)となりました。
完成工事総利益については、鋼構造物製造事業の生産量の不足を起因とする製造間接費の負担増加などにより、既存工事の損益を悪化させる結果となりました。また、鉄骨部門では、民間鉄骨案件の受注量を一定量確保致しましたが、厳しい採算性のなかで、前述の間接費の負担増などにより、工事損失引当金の計上を要する案件が発生したため、完成工事総利益を減少させる結果となりました。不動産賃貸事業は、新規賃貸案件の一時コストの増加により、完成工事総利益は微増となりました。また、材料販売事業においては、レベラー部門や鉄筋・建材部門の収益回復が全体として増加となるなど、当連結会計年度の完成工事総利益は13億8千万円(前年同期比11億5千万円減・45.5%減)となりました。
営業損益は、販売費及び一般管理費が組織再編や従業員賞与の減少等の労務費の減少加えて、租税公課等の経費の減少もあり、15億8千万円(前年同期比8千万円減・5.4%減)となり、1億9千万円の営業損失(前年同期は8億7千万円の営業利益)となりました。
経常損益は、当社の受取配当金等の運用収益などの営業外収益は前連結会計年度水準を確保致しましたが、営業損益の悪化が大きく影響し、経常利益は2億1千万円(前年同期比10億6千万円減・82.9%減)となりました。
特別損益は、関係会社清算益の計上はありましたが、投資有価証券売却損の発生もあり、税金等調整前当期純利益は2億1千万円(前年同期比10億円減・82.6%減)となりました。
当期純損益は、各社の損益実態に応じた法人税等や法人税等調整額を計上したため、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1億3千万円(前年同期比7億9千万円減・85.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書における前連結会計年度比較
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △1,005 | 1,747 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △638 | △1,438 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △234 | 442 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 9,745 | 10,544 |
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、鋼構造物製造事業における主要材料費や購入部品費等の材料費及び工場製作や現場施工に係る各種外注費のほか、製造労務費・製造経費及び販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要については、各種製造セグメントでは、生産設備の維持更新が中心であり、不動産賃貸事業については、賃貸不動産の維持修繕や建築及び投資対象物件の取得費用などであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の源泉を可能な限り自己資金で賄うことを基本としておりますが、やむを得ない場合に限り、金融機関からの短期借入による調達も想定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、7億6千万円(前年同期比6億7千万円増・822.2%増)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、105億4千万円(前年同期比7億9千万円増・8.2%増)となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
また、今般の新型コロナウイルス感染症に関する影響につきましては、その不確実性により、将来の経営計画等への定量的な見積りは非常に困難でありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。