有価証券報告書-第144期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 10:41
【資料】
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【項目】
144項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、工業用機械刃物・産業用機械及び部品の製造・販売会社として、法令等遵守のもとにお客様の信頼と満足を得られる製品の提供により社会に貢献するとともに、企業内においては参画と協調により活力ある職場を築くことを基本理念とし、流動化する経済状況のなかで「技術力を基に顧客指向のモノづくりを通して創造力・競争力をより一層高め、強固な経営基盤を確立する」ことを中期経営計画の基本方針と位置づけて経営に取り組んでおります。
また、当社グループの緑化事業を通して、環境対策への取り組みを継続いたします。
(2)目標とする経営指標
当社は、令和3年5月14日に発表いたしました見直し後の中期経営計画(期間:令和2年4月~5年3月。以下、第12次中期経営計画という。)に基づき、最終年度の令和5年3月期連結売上高58億円、営業利益4億20百万円(同利益率7.2%)、経常利益3億70百万円(同利益率6.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益3億10百万円(同利益率5.3%)、また生産性および効率的な資産運用が重要との認識のもと総資産利益率(ROA)を掲げ5.0%以上を目標として事業展開をしてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、第12次中期経営計画において、令和7年に迎える創立100周年へ向けた成長の基盤づくりを目標としており、達成するために(1)収益性・市場性を念頭に置いた事業ポートフォリオを改めて見直したうえで、情報産業用刃物、製紙パルプ用刃物、精密部品関連を最重点品種とし、(2)生産性を重視した生産体制の構築、並びに(3)研究開発への設備投資及び早期製品化を掲げ重点的に取り組んでまいります。具体的には、当社の強みである情報産業用刃物・部品に関連する市場は拡大すると予想され、当該製品に係るイノベーションに参画し、高付加価値・高精度精密製品の需要を取り込み、研究開発の主要テーマである金属積層造形の技術を大型製品へ適用するための設備投資や製品化の実現に取り組んでまいります。
また、平成31年3月15日に当社が資本業務提携契約の締結をお知らせしている株式会社フェローテックホールディングス(以下、フェローテックホールディングス)との協業の一環として、両社のシナジー効果を発揮するために、中国杭州市に子会社「杭州東洋精密刀具有限公司(仮称)」の設立及び事業展開を決定した旨、令和3年5月14日にお知らせしております。具体的にはフェローテックホールディングスが有する中国のリソース(工場、人材、部品供給能力)およびグローバルネットワークを活用し、特殊鋼刃物・超硬合金刃物・カッターユニットにおいて競争力のある製品の製造・販売を行う事を目的としており、見直した中期経営計画のなかには当該中国新会社の事業計画も織り込んでおります。
(4)会社を取り巻く経営環境及び対処すべき課題
当社を取り巻く経営環境につきましては、米中の貿易摩擦の長期化に加え新型コロナウイルス感染症による閉塞感が継続するなか、製造業においては改善基調に転じる兆しも見せております。こうした状況の中、ワクチンの普及に加え、世界各国での経済政策により、経済は改善基調で推移することが期待されており、当社グループといたしましては、感染症による業績への影響は翌連結会計年度末までには緩やかに回復しながら収束することを見込んでおります。当社の主力製品別の業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、収束に向かうなかで情報産業用刃物関連の需要は安定的且つ拡大基調にて推移するものと見込んでおります。当社グループの取り組みといたしましては、業務改善活動を見直し、必要な設備投資も実施のうえ高付加価値製品への傾注、生産性の改善や研究開発にも継続して取り組み、業績を改善させることにより企業価値の向上に努めてまいります。