有価証券報告書-第111期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 9:05
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、グループの目指すべき方向を共有し、社会的な責任を全うすることを目的に以下のグループ経営理念を掲げております。
① 熱処理技術を中核として、常に新商品・新事業の開発を進め社会の発展に貢献します。
② 世界をリードする技術力、高品質、高いお客様満足度、そして透明で公正な企業文化を背景に社会から信頼されるパートナーを目指します。
③ たゆまぬ自己変革に努め、常に成長することを目指します。
④ 安全及び健康を基本とし、人を育て、活力ある企業グループを目指します。
⑤ 地球環境との共生を基本とし、企業の社会的責任を果たします。
(2) 目標とする経営指標
企業価値の向上を目指し、収益性及び資本効率の向上に注力しております。
具体的には、ROA(総資産経常利益率)及びROE(自己資本当期純利益率)を中長期的な経営指標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、IH熱処理技術を中核とし、たゆまぬ自己変革に努め、常に成長する活力ある企業グループを目指してまいりました。無公害(Ecological)・省資源(Economical)のダブル・エコ(W-Eco)のIH技術を強みに、長期的な視野のもと環境貢献を重視し、当社グループの10年後のあるべき姿と目指す姿を長期経営ビジョン「NETUREN VISION 2030(2021年4月~ 2031年3月)」としてまとめました。
① あるべき姿
企業価値を高め続けるとともに持続可能な社会づくりに貢献する。
② 目指す姿
・CO2排出削減に有効なIH熱処理技術を核とする技術・製品を通じ、企業価値を高めて環境負荷を軽減する。
・N-DX※1の展開を進め、グループ全員の力を結集して進化を続け、グローバルに躍進する。
この長期経営ビジョンのスローガンを「進化と躍進」と定め、ネツレングループが一丸となり、あるべき姿、目指す姿を追求し実現すること、また、総合的に企業価値が向上し、成長していく企業グループになる狙いを込めております。 (※1:N-DX…NETUREN Digital Transformation)
また、上記の長期経営ビジョンの達成に向け、第15次中期経営計画「Change!! New NETUREN 2023(2021年4月~2024年3月)」を策定しております。本計画の3年間をビジョン達成に向けた第1フェーズとして位置づけ、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を目指してまいります。本計画のスローガンには、「変わろう、変えよう、進化しよう。グループの総智・総力を結集して、新しいネツレンを創り上げよう。」という趣旨を込めております。
なお、本計画の連結経営目標は以下のとおりであります。
項目2024年3月期
連結経営目標
売上高560億円
営業利益40億円
営業利益率7.1%
ROE(自己資本当期純利益率)5.0%以上
ROA(総資産経常利益率)5.5%以上


(4) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
国内外の景気動向は緩やかな回復基調で推移することが期待されます。しかし、新型コロナウイルス感染症の終息時期は見通せず、中国における一部の都市のロックダウンにより、生産や物流に支障が出始めるなど、今後の新型コロナウイルス感染症による経済への影響を見通すことは困難であります。これに加え、半導体等の部品不足による生産の停滞、鋼材などの材料費、電力費や物流費の高騰によるコストアップも引き続き懸念される状況です。
さらには、ウクライナ情勢を巡る世界経済の混乱が、資源・エネルギー価格の高騰に拍車をかけるなど、企業の事業環境を悪化させております。
これらの懸念材料が解消するには、時間を要することが見込まれることから、しばらくは予断を許さない状況が継続し、当社グループの業績にも影響を与えると想定しています。
このような状況のもと、当社グループは、受注の確保に全力を注ぎ、材料費などのコストアップ分の販売価格への転嫁、原価低減方策をより一層推進させてまいります。
また、第15中期経営計画「Change!! New NETUREN 2023」に掲げた基本戦略である、
① コア事業の更なる競争力強化、新技術・新商品・新規事業の市場投入で利益基盤を確立
② N-DX体制の構築によるデジタル化の促進で、情報展開力を向上
③ SDGsを経営の中心に据え、CO2削減を推進し持続可能な社会づくりに貢献
④ グローバルにグループ営業力、マーケティング力の強化を担う人財の輩出
を着実に遂行することにより、企業価値を高めてまいります。