有価証券報告書-第103期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 16:00
【資料】
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【項目】
148項目

事業等のリスク

当社グループは、リスク管理委員会を設置し、事業運営に重大な影響を与えるリスクの統括管理を行っております。当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況への影響が大きいリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、又は重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場環境の変化
当社グループは、連結売上高の約71%を自動車関連製品が占めている他、データセンタ-向けHDD用サスペンション、プリンター関連部品もそれぞれ大きな比率となっております。これら最終製品の国際的市場動向の変化や業界再編は当社製品の生産販売量の変動につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グル-プは日本・北米・中国・アジアの各拠点での生産販売(地産地消)を進めるとともに、中長期的には精密塑性加工技術を応用した新規事業分野(自動車電動化対応、医療介護、環境エネルギ-)拡大への取り組みを加速させてまいります。
(2) 競争の激化
当社グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、競合会社による競争力のある新製品の発売、価格競争の激化、低価格品などへの需要シフト等がリスクとして考えられます。
対応策として、当社グル-プは主要製品において材料から製品までの一貫生産を行うことに加え、金型の内製化等による、独自の製品開発・生産技術・品質保証体制を生かし、競合会社との差別化を図っております。
(3) 為替変動による影響
当社グループは、北米・中国・東南アジアにおいて生産及び販売活動を行っており、連結ベ-ス海外売上高比率は約54%となっております。外貨建て取引が増加しており、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、海外子会社の現地通貨建ての業績が各会計年度の平均レートを用いて円換算されていることによる、連結損益計算書への為替レート変動影響、及び現地通貨建ての資産・負債が各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結貸借対照表に計上されることによる資産・負債額への為替レート変動影響等がリスクとして考えられます。
対応策として、海外子会社の資金調達を現地化することに加え、リスク管理方針を定め、その範囲内で主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を行っております。
(4) 原材料市況の変動
世界的な原油・原材料価格変動の影響による当社の主要材料である特殊鋼市況の大きな変動は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループは材料の市況変動に柔軟に対応するべく、材料調達における複数購買化を推進すると共に、吸収できない市況変動に関しては適切に売価反映を行っていく活動を推進しております。
(5) 災害等/感染症によるパンデミックの影響
当社グループは、国内6拠点・海外10拠点で生産活動を行っており、地震等大規模な自然災害や感染症によるパンデミックが発生した場合は、最終製品の需要減、当社グル-プ・顧客・サプライヤ-の生産活動の中断などにより事業に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、自然災害(地震、津波、洪水、暴風雨、竜巻、大雪、噴火等)
事故(火災、爆発、危険物の漏洩等)
事件・情勢変化(内乱、戦争、テロ、誘拐、脅迫等)
感染症の発生と流行、等が想定されます。
対応策として、当社グル-プは、非常時の初期対応等災害発生の際に適切な対応が取れるよう仕組みを構築しております。
また災害の発生を防ぎ、万が一災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために、防災・危機管理マニュアルを定め、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しており、事業に応じたBCP(事業継続計画)を作成し、被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。
(新型コロナウイルス感染症に関するリスク情報について)
当社グル-プは日本・北米・中国・アジアにおいて生産及び販売活動を行っており、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が発生しております。今後新型コロナウイルス感染症の拡大が世界各地、または当社グル-プが事業展開している地域で継続する場合には、以下のリスクの拡大が想定されるとともに、当社グル-プの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
・生産継続に関するリスク
当社グル-プ従業員の感染や生産地域の感染状況により、従業員の自宅待機や消毒などに必要な期間が発生したり、材料等調達先や物流面の問題により生産継続が出来なくなる可能性があります。
・顧客の生産動向に関するリスク
当社グル-プが販売活動を行っている顧客およびその地域の感染状況により、当社の販売に大きな影響を及ぼす可能性があります。
・消費動向に関するリスク
当社グル-プ連結売上高の約71%を自動車分野、約25%を電子情報通信分野が占めております。新型コロナウイルス感染拡大及びそれに起因する景気後退等が、最終製品の消費動向を減退させ、当社グル-プの販売に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお当社グループは社長執行役員を委員長とし、常勤取締役・執行役員によって構成される「新型コロナ対策本部」を組織し、全グループの情報共有を図り、対応策を協議推進しております。
現時点でこれらのリスクが業績に与える影響額を合理的に算定することは困難であり、可能になった時点で公表いたします。
(6) コンプライアンス等に関するリスク
当社グループの事業活動を行う上で、各国の法令・規制・基準や社会通念が関係しており、これらの不遵守により社会的に信用が毀損され、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、
・人事関連の各種コンプライアンス違反(ハラスメント、雇用関連、人権等)発生
・輸出入関連法違反の発生による輸出停止等の行政制裁による生産・販売への影響
・独占禁止法/競争法の違反発生による課徴金(行政処分)の負担等の影響
・各種環境関連法の違反発生による行政処分、生産影響
等が想定され、また国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定や改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅変更の可能性で、コンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。その場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グル-プは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識しており、経営会議の諮問機関としてコンプライアンス委員会を設置し、「行動規範書」や「ホットライン通報制度」を策定し法令遵守の徹底を図っております。
(7) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っております。当社グループ(委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。
こうした事態が生じた場合、具体的には当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グル-プはすべての役員、従業員に対し、情報の取扱いに関する管理規程を定めることで、情報のセキュリティを確保することを重要な課題として認識しており、情報管理の徹底に取組んでいます。