有価証券報告書-第71期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 11:30
【資料】
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【項目】
137項目
(1)会社の経営の基本方針
当社は、電力、通信、信号、放送、鉄道関連の架線金物を主として製造販売しております。昭和25年設立以来、経済的かつ信頼度の高い製品を供給し、電力、通信をはじめとした幅広いインフラ構築の一翼を担い、社会に貢献することを経営の基本理念としております。
当社グループは、この基本理念に基づき人材育成を図り、顧客のニーズに合致した製品を開発する為の技術を培い、生産設備を充実し、全国を網羅する供給、販売サービス体制を確立して、顧客からの信頼を得てまいりました。
現在わが国では、カーボンニュートラルの実現、国土強靭化やスマート社会など次世代に向けた取り組みが進められておりますが、当社の基本理念に基づき、私達の生活の礎となる電力、通信、交通など幅広いインフラ構築に貢献すべく、更なる開発及び生産技術を磨き、より信頼性の高い製品の提供に全力で取り組んでまいります。また、従来の架線金物事業に留まらず、新分野・新需要に関連する研究機能の強化を図るため、この4月に「NEXT研究室」を新設し、今まで以上に新規マーケット、新規ビジネスの開拓を進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主への安定配当、継続的な収益の確保及び資本の効率的運用を図ることを重要な経営指標と位置付けております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社が設立70周年を迎えた2020年は、電気事業分野において一連の電力システム改革が終了し新たなステージが幕を開け、情報通信分野においては5Gの国内商用化がスタートしました。そして、「ニューノーマル」といわれる時代の始まりとなる年でもありました。
この一大転換点にあってイワブチブランドを次世代に確かにつなぐため、当社グループは10年後のありたい姿を描き「VISION2030~新たな価値づくりへの挑戦」を定めました。柱とする成長戦略は、「新たなものづくり」と「新たな価値づくり」です。既存事業である架線金物事業を「ジョイント事業」と位置づけ、グループの強みであるジョイントパーツの開発・設計・生産の更なる深堀りとともに従来の品質水準を高めながら省人化、柔軟性を備えた工場のスマート化を図り、「新たなものづくり」に取り組みます。また、これまでの“モノとモノ”から、“モノとヒト”、“ヒトとヒト”をつなぐ新たな価値を生み出す事業を「コネクト事業」と位置づけ、広く顧客ニーズに対応したサービス事業を展開する「新たな価値づくり」に挑戦します。
前半5年にあたる「Phase1」では、次のことを基本方針として成長戦略を具現化しながらさらなる成長を目指すとともに社会的責任を果たしてまいります。
①開発の加速と研究の深化探索を見据え、強みである開発基盤を再構築する一方、新たに立ち上げた「NEXT研究室」を中心に研究基盤の確立を図ります。
②新たなセグメントの確立を見据え、脱炭素社会、高度無線環境、自動運転システム、国土強靭化などに関連する様々な新規事業の企画実行に取り組みます。
③これらを支えるため業務改善・プロセス改革とデジタル戦略を推進し、スマートファクトリーの構築、組織力のさらなる強化等に注力します。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループの対処すべき課題は、以下の事項になります。
① 人材育成
顧客とのゆるぎない信頼関係を構築し、顧客満足度を向上させるべく積極的な社員教育を実施してまいります。また、製造業として技術の継承を確実に実施すると共に新たな技術への挑戦にも全力で取り組んでまいります。
② 競争力強化並びに迅速な対応の徹底
当社グループにおける販売、生産、管理というそれぞれの側面において、競争力強化のために更なるコストの低減に努めます。また、時代の変化を敏感にキャッチし迅速かつ的確な対応を徹底することで、企業としての総合力の強化を図ってまいります。
③ 真摯に取組む姿勢
当社グループを取り巻くすべてのことに真摯に向き合い、品質向上や顧客満足度向上を更に目指し、幅広いインフラ構築の一端を担う企業として社会貢献に繋げるべく取り組んでまいります。また、企業として社会的責任を果たすべく、コンプライアンス体制を根幹に据えた企業経営を進めてまいります。