有価証券報告書-第62期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 9:05
【資料】
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【項目】
85項目

研究開発活動

当社グループは、貫流ボイラを中心に他に先駆ける独自の新技術の研究開発に努めるとともに、ボイラ以外の分野では、熱エネルギー利用技術、水処理技術、真空技術をベースとして、蒸気駆動エアコンプレッサ、過冷却水装置、真空冷却装置、滅菌装置、医療用洗浄・乾燥装置、バラスト水処理装置、軟水装置、純水装置、ろ過装置、燃料電池、ランドリー機器などの新製品開発に取り組んでおります。
これらの研究開発活動は、当社のRDセンターを中核として行っており、新技術の実用化、製品化に向けた研究開発を進めております。RDセンターでは、新規事業のための応用研究開発や長期的な研究課題に取組み、三浦環境科学研究所では、ダイオキシン類、環境ホルモンをはじめとする特殊環境有害物質の分析前処理装置などの環境関連技術の研究開発を行っております。
なお、研究開発に当たっては、省エネルギーや省資源、高性能、安全性の追求に加え、環境問題に配慮した新製品開発に力を入れております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、3,578百万円であります。
当連結会計年度の主な研究開発の概要、成果及び研究開発費は、以下のとおりであります。
(1) 国内機器販売事業
貫流ボイラでは、ボイラの高効率化に取組み、実際の使用条件下での省エネ性を向上させた油焚きボイラ及び、ガス・油燃料をスイッチで切り替えることでBCP対応や将来ガス導管敷設地域への対応が可能な高効率ボイラを開発しました。また、水素社会に向けた水素燃焼ボイラについても製品展開に取り組んでおります。
燃料電池では、コージェネレーションモデルのモデルチェンジを実施し、更に発電効率65%のモノジェネレーションモデルについても実証に取り組んでおります。
熱エネルギー有効活用機器では、これまで捨てられていた低温の廃温水や循環冷却水の未利用熱を自社開発の高効率ヒートポンプで汲み上げ、ボイラ給水を最大75℃まで加温する装置の開発や、幅広い分野での活エネルギーに貢献できるよう、廃ガスボイラの大型化・高効率化等に取り組んでおります。
舶用機器においては、バラスト水処理装置のUSCG(米国沿岸警備隊)型式認証を2019年10月に取得したことにより、米国海域での航海を必要とする船舶への搭載台数が順調に伸びております。次世代船舶関連商品として、省エネ船舶の普及に伴い利用できる熱エネルギーの減少に対応した膜式造水装置や、高まる船陸通信管理の需要に対応した商品の開発を進めております。また、国内建造から中国建造にシフトする新造船市場に対応するため、CCS(中国船級協会)規格の取得と営業強化を進めております。
メディカル機器では、オゾンと過酸化水素の混合ガスを用いた新しい促進酸化技術を利用した滅菌器の開発を開始しました。その技術を利用して、新型コロナウイルスや薬剤耐性菌など、人類の生命を脅かす病原性微生物を効率的に滅菌・除染できる革新的な次世代の除菌システムの開発を目指しております。
水処理装置関連においては、従来機種と比較して省エネ・省水・省スペース化を実現した純水装置と、水質変動の大きい工場排水に対しても高回収率で運転できるUF膜ろ過装置を開発しました。
当事業に係る研究開発費は、3,454百万円であります。
なお、海外で販売されている機器についても、国内で開発を行っており、国内メンテナンス事業・海外メンテナンス事業についても、製品開発と不可分であるため、当事業に含めて記載しております。
(2) 国内ランドリー事業
国内ランドリー事業に係る研究開発活動については、高級リネンの高品質処理に対応する仕上機、中小規模ユーザー向けの省人化に対応する小型連続式洗濯機及びエネルギー源の多様化に対応するガス乾燥機を開発・発売し、多様化するユーザーニーズに応えるべく活動を行っております。
当事業に係る研究開発費は、124百万円であります。