有価証券報告書-第88期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針及び経営環境
① 経営環境の変化とお客さまのモノづくりにおける課題
当社グループを取り巻く社会環境は、労働人口の減少と高齢化、AIをはじめとするデジタルインフラの激変、GX(グリーン・トランスフォーメーション)投資の加速、さらには地政学リスクやサプライチェーンの不安定化など、多岐にわたる要因が複雑に絡み合い、かつてないスピードで変化しています。
特にお客さまのモノづくり現場においては、深刻な人材不足や技術継承の難しさといった課題が顕在化しているだけでなく、グリーン・デジタル対応など期待される技術の多様化・高度化への対応が急務となっています。不確実性が高まる中、新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が求められています。
② 環境変化に対する当社グループの使命と価値観(ミッション・バリュー・長期ビジョンの策定)
当社グループは1946年の創業以来、金属加工機械のグローバルメーカーとして世界のモノづくりを支えてまいりました。創業80年という節目を迎えるにあたり、これまでの歴史を踏まえ、これから社会やお客さまに対してどのような役割を果たすべきか、そのためにアマダで働く一人ひとりが大切にする価値観は何かを再確認するため、現行のコーポレートフィロソフィーを基にミッション・バリューを再整理すると同時に、目指す姿の明確化を目的に長期ビジョンを再定義いたしました。幾多の困難を乗り越えてきた原点である「経営理念」と「行動規範」を基盤として、社会課題の解決を自社の存在意義と捉え、以下の理念体系の下で持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。
③ 持続的な成長に向けた経営方針
当社グループは、長らく「直販・直サービス体制」を敷き、お客さまに寄り添うことで各地域のモノづくりを支え、事業成長を続けてまいりました。不確実性が高まる中、お客さまの製造現場においては新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が急務となっています。こうした中、これまで培ってきた強みを生かし、それらの変革を支え続けるメーカーでなければならないと考えております。このような事業環境を背景に、持続的な成長を実現するためには、収益構造の抜本的な改善を図る必要があります。同時に、M&A等で得た基盤を活かし、成長領域への投資を加速させることが不可欠です。これらを踏まえ、アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化し、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させることで、持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。
(2) 「中期経営計画2030」の戦略骨子
① 全体方針とフェーズごとの位置付け
新たに掲げた長期ビジョンの実現に向けた実行計画として、不確実な環境下でも持続的な成長を実現するため、2026年度から2030年度までの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。本計画ではスローガンに「Transform to AMADA2030 ⦆⦆ For Growth Acceleration ~変革を原動力に、新たな成長ステージへ~」を掲げています。本計画を前半2年の「変革・成長期(構造改革)」と後半3年の「成長加速期」に分け、環境変化に応じた柔軟かつ厳格な進捗管理を行います。まずはアマダ本来の「稼ぐ力」を強化する構造改革を断行し、その強靭な基盤の上に新たな成長の柱を構築することで、企業価値の最大化を目指します。
② 企業価値最大化に向けた6つの重点戦略
目標達成に向け、以下の6つの重点戦略を柱として推進します。
ⓐ 構造改革(稼ぐ力の強化)
事業軸と地域軸、機能軸を掛け合わせた「ビジネスユニット(BU)制」(注)及び「マトリクス組織」を導入し、権限と収益責任を明確化します。また、製造・営業・サービス拠点のグローバルな統廃合と最適化を実施し、全社標準プロセスの確立などにより、徹底した固定費の合理化と製造原価の低減を図ります。
ⓑ 経営基盤の強化
事業体制の抜本改革を推進するため、監査等委員会設置会社への移行を実施いたします。迅速な意思決定による「攻めのガバナンス」と、経営の透明性や公平性を確保する「守りのガバナンス」を両立させ、中期経営計画目標達成に向けた重点戦略の実行と「稼ぐ力」の強化を後押しします。また、AIやDXを活用した業務改革を推進し、データドリブンで迅速な経営判断を可能にするインテリジェントな経営基盤を構築します。
ⓒ 事業ポートフォリオ経営の推進
各BUの位置付けを明確にし、安定収益を重視する「基盤事業(シートメタル ソリューションズBU)」、市場成長性を重視する「成長牽引事業(ジョイニング テクノロジーズBU、エレクトロニクスプロセスBU)」、収益性と成長性の改善を目指す「変革事業(カッティング ファブリケータBU、グラインディング テクノロジーズBU、アドバンスドフォーミング ソリューションズBU)」に分類し、それぞれの役割に応じたメリハリのあるリソースアロケーションを実行します。
ⓓ 事業成長を支える新商品展開
総合加工メーカーとして、事業成長を支える新商品を継続的に市場へ投入します。各ビジネスユニットが持つグローバルな情報資産や技術資産を横断的に活用し、既存市場における新たな需要の創出と、成長領域への展開を加速させます。さらに、グループ入りした企業とのシナジーを最大限に引き出し、これまでにない新たな市場開拓を推進することで、持続的な成長を実現します。
ⓔ 「モノ売り」から「モノ×コト売り」への変革
当社グループの強みである「直販・直サービス体制」を活かし、製品の提供に留まらず、AI提案ツールによる加工課題解決、稼働監視や予知保全による稼働保障、工場全体の運営課題を解決するスマートファクトリー提案などを展開します。これにより、お客さまの工場稼働率を最大化するライフサイクルビジネスへ転換し、収益構造を高度化します。
ⓕ 新事業の創出・強化
「Innovation LABO」において検証を重ねたレーザ溶接技術や研削技術を活かし、Mobilityや半導体といった成長領域に向けた付加価値の高い新商品を継続的に市場投入し、新たな市場と顧客層の開拓を図ります。また、グループ入りした企業とのシナジーによる大型プレスや最先端基板加工ソリューションの高度化を進めるとともに、成長領域における新たなM&Aにも挑戦し、非連続な成長を目指します。さらに、人とロボット、AIが協働する「自律化工場」の実現に向けた他社提携を強化し、次世代モノづくりを牽引します。
(注) ビジネスユニット(BU)制への移行
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 前中期経営計画の総括と成果・課題
前中期経営計画(2023-2025年度)においては、成長投資として掲げていた資金を積極的に活用し、半導体基板穴あけ機メーカーや総合プレス機械メーカーといった大型M&Aを成就させました。これらが奏功し、売上収益については目標であった4,000億円を上回る4,373億円を達成するとともに、成長領域への参入基盤を確固たるものにいたしました。
一方で、収益性に関しては、新商品の展開の遅れや資材費・人件費の高騰等によるコスト増の影響を受け、営業利益率及びROEについては目標未達となる結果となりました。また、このようなコスト上昇の傾向が継続する厳しい環境下において、これまでの事業構造のままでは十分な収益性を確保することが難しくなりつつあることや、営業・生産拠点の合理化及び最適化の遅れによるコスト増といった、次なる変革に向けて乗り越えなければならない構造的な課題も浮き彫りとなりました。
② 課題に向けた今後の対応
お客さまのモノづくり現場においてスピード感を持った変革が急務となる中、当社グループがその変革を先導し支え続けるメーカーとして持続的な成長を実現すべく、これらの課題に真正面から対処し、これまでの事業構造を見直すことで、収益構造の抜本的な改善を図ります。アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化する構造改革を断行すると同時に、M&A等で得た基盤を最大限に活かして成長領域への投資を加速させ、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させてまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
財務指標と財務戦略基本方針
当社グループは、持続的な利益成長と企業価値の最大化を目指し、「収益性の向上」「BSマネジメントの高度化」「戦略的キャピタルアロケーション」の3軸を強力に推進・連動させる財務戦略を実行いたします。基本方針として「稼ぐ力」の強化と資本・資産の最適化を掲げ、「攻めの成長投資」と「徹底した資本効率の向上」の両輪を回すことで、資本コストを上回るリターンを継続的に創出するとともに最適資本構成への移行を図ります。
これにより、資産効率を抜本的に改善し、2030年度において以下の目標達成と安定確保を実現します。
① 重要経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上収益、営業利益、ROEであります。これらの指標を採用した理由は、当社グループが「中期経営計画2030」で掲げる「稼ぐ力の強化」及び「企業価値の最大化」の進捗状況と実現可能性を客観的に評価する上で、最も重要な指標であると認識しているためです。具体的には、「売上収益」は新商品の市場投入やM&Aによる成長領域への展開といった持続的な事業成長を図る指標として、「営業利益」は構造改革によるコスト低減やBU制による稼ぐ力の強化、高付加価値なライフサイクルビジネスの拡大を通じた本業の収益力の向上を図る指標として位置付けております。また、「ROE」は、積極的な株主還元や成長投資などの戦略的キャピタルアロケーションを実行することで、資本効率の向上を図り、資本コストを上回るリターンの創出を図る指標として採用しております。
② キャッシュアロケーション方針
5年間で約3,500億円の営業キャッシュ・フローを創出することに加え、バランスシート改革の推進及び現預金の活用(約500億円+α)により、事業のさらなる成長と資本効率の改善に向けて適切に資金を配分します。
ⓐ 成長投資
既存事業の競争力向上に向けた研究開発の強化やAI搭載等による高度化、新加工技術の構築、環境に配慮した商品開発のほか、成長領域におけるM&Aの実施、生産性向上に向けたAI・DX投資や人的資本投資などの経営基盤強化に重点的に配分します。
ⓑ 株主還元
連結配当性向50%を目安とするとともに、新たにROE10%達成を意識した「DOE(株主資本配当率)3%~5%」を導入し、安定的な配当を維持します。また、過去の事業活動を通じて過度に積み上がった自己資本の水準を早期に適正化するため、適正な自己資本水準(5,000億円未満)を意識し、5年間で1,500億円の積極的な自己株式取得を実行します。配当金と自己株式取得を合わせた総還元額は約2,500億円以上(総還元性向120%程度)を予定しており、これらを通じてEPS(1株当たり利益)の最大化とTSR(株主総利回り)の向上を強力に推し進めます。
(5) サステナビリティ戦略(非財務目標)
中期経営計画の戦略を支え、持続的な企業価値の向上につなげるための非財務目標として、サステナビリティ戦略における主要な指標及び目標を下記のとおり設定しております。
範囲:GHG排出量、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 連結 / エンゲージメントスコア 国内
基準年:GHG排出量 2013年度 / エンゲージメントスコア、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 2025年度
*eNPS:従業員ネット・プロモーター・スコア (Employee Net Promoter Score)
*NIST CSF:米国標準技術研究所によるサイバーセキュリティフレームワーク
*新領域売上:新領域(新市場、成長市場)における売上収益
(1) 経営方針及び経営環境
① 経営環境の変化とお客さまのモノづくりにおける課題
当社グループを取り巻く社会環境は、労働人口の減少と高齢化、AIをはじめとするデジタルインフラの激変、GX(グリーン・トランスフォーメーション)投資の加速、さらには地政学リスクやサプライチェーンの不安定化など、多岐にわたる要因が複雑に絡み合い、かつてないスピードで変化しています。
特にお客さまのモノづくり現場においては、深刻な人材不足や技術継承の難しさといった課題が顕在化しているだけでなく、グリーン・デジタル対応など期待される技術の多様化・高度化への対応が急務となっています。不確実性が高まる中、新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が求められています。
② 環境変化に対する当社グループの使命と価値観(ミッション・バリュー・長期ビジョンの策定)
当社グループは1946年の創業以来、金属加工機械のグローバルメーカーとして世界のモノづくりを支えてまいりました。創業80年という節目を迎えるにあたり、これまでの歴史を踏まえ、これから社会やお客さまに対してどのような役割を果たすべきか、そのためにアマダで働く一人ひとりが大切にする価値観は何かを再確認するため、現行のコーポレートフィロソフィーを基にミッション・バリューを再整理すると同時に、目指す姿の明確化を目的に長期ビジョンを再定義いたしました。幾多の困難を乗り越えてきた原点である「経営理念」と「行動規範」を基盤として、社会課題の解決を自社の存在意義と捉え、以下の理念体系の下で持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。
| アマダグループ:ミッション・バリュー・長期ビジョン |
| ・ミッション(恒久的に社会に果たす役割・存在意義): |
| 「新たな価値に挑戦し 人と社会、地球のより良い未来を創る」 |
| ・バリュー(日々の業務で大切にする価値観): |
| 「創造と挑戦・誠実と公正・自己成長」 |
| ・長期ビジョン(長期的に目指す姿): |
| 「生産革新と先端技術でモノづくりの課題を競争力に変える」 |
③ 持続的な成長に向けた経営方針
当社グループは、長らく「直販・直サービス体制」を敷き、お客さまに寄り添うことで各地域のモノづくりを支え、事業成長を続けてまいりました。不確実性が高まる中、お客さまの製造現場においては新たな素材や加工技術への対応など、スピード感を持った変革が急務となっています。こうした中、これまで培ってきた強みを生かし、それらの変革を支え続けるメーカーでなければならないと考えております。このような事業環境を背景に、持続的な成長を実現するためには、収益構造の抜本的な改善を図る必要があります。同時に、M&A等で得た基盤を活かし、成長領域への投資を加速させることが不可欠です。これらを踏まえ、アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化し、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させることで、持続的な企業価値の創出に取り組んでまいります。
(2) 「中期経営計画2030」の戦略骨子
① 全体方針とフェーズごとの位置付け
新たに掲げた長期ビジョンの実現に向けた実行計画として、不確実な環境下でも持続的な成長を実現するため、2026年度から2030年度までの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。本計画ではスローガンに「Transform to AMADA2030 ⦆⦆ For Growth Acceleration ~変革を原動力に、新たな成長ステージへ~」を掲げています。本計画を前半2年の「変革・成長期(構造改革)」と後半3年の「成長加速期」に分け、環境変化に応じた柔軟かつ厳格な進捗管理を行います。まずはアマダ本来の「稼ぐ力」を強化する構造改革を断行し、その強靭な基盤の上に新たな成長の柱を構築することで、企業価値の最大化を目指します。
② 企業価値最大化に向けた6つの重点戦略
目標達成に向け、以下の6つの重点戦略を柱として推進します。
ⓐ 構造改革(稼ぐ力の強化)
事業軸と地域軸、機能軸を掛け合わせた「ビジネスユニット(BU)制」(注)及び「マトリクス組織」を導入し、権限と収益責任を明確化します。また、製造・営業・サービス拠点のグローバルな統廃合と最適化を実施し、全社標準プロセスの確立などにより、徹底した固定費の合理化と製造原価の低減を図ります。
ⓑ 経営基盤の強化
事業体制の抜本改革を推進するため、監査等委員会設置会社への移行を実施いたします。迅速な意思決定による「攻めのガバナンス」と、経営の透明性や公平性を確保する「守りのガバナンス」を両立させ、中期経営計画目標達成に向けた重点戦略の実行と「稼ぐ力」の強化を後押しします。また、AIやDXを活用した業務改革を推進し、データドリブンで迅速な経営判断を可能にするインテリジェントな経営基盤を構築します。
ⓒ 事業ポートフォリオ経営の推進
各BUの位置付けを明確にし、安定収益を重視する「基盤事業(シートメタル ソリューションズBU)」、市場成長性を重視する「成長牽引事業(ジョイニング テクノロジーズBU、エレクトロニクスプロセスBU)」、収益性と成長性の改善を目指す「変革事業(カッティング ファブリケータBU、グラインディング テクノロジーズBU、アドバンスドフォーミング ソリューションズBU)」に分類し、それぞれの役割に応じたメリハリのあるリソースアロケーションを実行します。
ⓓ 事業成長を支える新商品展開
総合加工メーカーとして、事業成長を支える新商品を継続的に市場へ投入します。各ビジネスユニットが持つグローバルな情報資産や技術資産を横断的に活用し、既存市場における新たな需要の創出と、成長領域への展開を加速させます。さらに、グループ入りした企業とのシナジーを最大限に引き出し、これまでにない新たな市場開拓を推進することで、持続的な成長を実現します。
ⓔ 「モノ売り」から「モノ×コト売り」への変革
当社グループの強みである「直販・直サービス体制」を活かし、製品の提供に留まらず、AI提案ツールによる加工課題解決、稼働監視や予知保全による稼働保障、工場全体の運営課題を解決するスマートファクトリー提案などを展開します。これにより、お客さまの工場稼働率を最大化するライフサイクルビジネスへ転換し、収益構造を高度化します。
ⓕ 新事業の創出・強化
「Innovation LABO」において検証を重ねたレーザ溶接技術や研削技術を活かし、Mobilityや半導体といった成長領域に向けた付加価値の高い新商品を継続的に市場投入し、新たな市場と顧客層の開拓を図ります。また、グループ入りした企業とのシナジーによる大型プレスや最先端基板加工ソリューションの高度化を進めるとともに、成長領域における新たなM&Aにも挑戦し、非連続な成長を目指します。さらに、人とロボット、AIが協働する「自律化工場」の実現に向けた他社提携を強化し、次世代モノづくりを牽引します。
(注) ビジネスユニット(BU)制への移行
| 現行事業名 | 目指す姿 | BU名 |
| 板金 | 『工程』から『工場全体』へ板金加工の進化に伴走するパートナー | シートメタル ソリューションズ Sheet Metal Solutions (SMS) |
| 微細溶接 | 様々な『接合』要求に応える新しい加工を創りだす技術メーカー | ジョイニング テクノロジーズ Joining Technologies (JT) |
| 切削 | 『鋼材』加工を未来へ導く価値を創造し将来のモノづくりを持続可能にする | カッティング ファブリケータ Cutting Fabricator (CF) |
| 研削盤 | 蓄積された『高精度』研削技術で新たな加工ニーズを実現するクリエイター | グラインディング テクノロジーズ Grinding Technologies (GT) |
| プレス | 『プレス』の加工領域を拡大し課題を解決するソリューションを創造 | アドバンスドフォーミング ソリューションズ Advanced Forming Solutions (AFS) |
| ビアメカニクス | 『最先端基板』の進化を牽引しビア加工から領域を拡大 | エレクトロニクスプロセス Electronics Process (EP) |
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 前中期経営計画の総括と成果・課題
前中期経営計画(2023-2025年度)においては、成長投資として掲げていた資金を積極的に活用し、半導体基板穴あけ機メーカーや総合プレス機械メーカーといった大型M&Aを成就させました。これらが奏功し、売上収益については目標であった4,000億円を上回る4,373億円を達成するとともに、成長領域への参入基盤を確固たるものにいたしました。
一方で、収益性に関しては、新商品の展開の遅れや資材費・人件費の高騰等によるコスト増の影響を受け、営業利益率及びROEについては目標未達となる結果となりました。また、このようなコスト上昇の傾向が継続する厳しい環境下において、これまでの事業構造のままでは十分な収益性を確保することが難しくなりつつあることや、営業・生産拠点の合理化及び最適化の遅れによるコスト増といった、次なる変革に向けて乗り越えなければならない構造的な課題も浮き彫りとなりました。
② 課題に向けた今後の対応
お客さまのモノづくり現場においてスピード感を持った変革が急務となる中、当社グループがその変革を先導し支え続けるメーカーとして持続的な成長を実現すべく、これらの課題に真正面から対処し、これまでの事業構造を見直すことで、収益構造の抜本的な改善を図ります。アマダ本来の「稼ぐ力」を更に強化する構造改革を断行すると同時に、M&A等で得た基盤を最大限に活かして成長領域への投資を加速させ、強固で独自性のある事業ポートフォリオにより事業成長を加速させてまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
財務指標と財務戦略基本方針
当社グループは、持続的な利益成長と企業価値の最大化を目指し、「収益性の向上」「BSマネジメントの高度化」「戦略的キャピタルアロケーション」の3軸を強力に推進・連動させる財務戦略を実行いたします。基本方針として「稼ぐ力」の強化と資本・資産の最適化を掲げ、「攻めの成長投資」と「徹底した資本効率の向上」の両輪を回すことで、資本コストを上回るリターンを継続的に創出するとともに最適資本構成への移行を図ります。
これにより、資産効率を抜本的に改善し、2030年度において以下の目標達成と安定確保を実現します。
| 重要経営指標 | キャッシュアロケーション | |||
| 売上収益 | 5,200億円 | 成長投資 | 1,500億円 | |
| 営業利益 | 730億円 | 株主還元 | 2,500億円 | |
| ROE | 10%以上 | |||
① 重要経営指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上収益、営業利益、ROEであります。これらの指標を採用した理由は、当社グループが「中期経営計画2030」で掲げる「稼ぐ力の強化」及び「企業価値の最大化」の進捗状況と実現可能性を客観的に評価する上で、最も重要な指標であると認識しているためです。具体的には、「売上収益」は新商品の市場投入やM&Aによる成長領域への展開といった持続的な事業成長を図る指標として、「営業利益」は構造改革によるコスト低減やBU制による稼ぐ力の強化、高付加価値なライフサイクルビジネスの拡大を通じた本業の収益力の向上を図る指標として位置付けております。また、「ROE」は、積極的な株主還元や成長投資などの戦略的キャピタルアロケーションを実行することで、資本効率の向上を図り、資本コストを上回るリターンの創出を図る指標として採用しております。
② キャッシュアロケーション方針
5年間で約3,500億円の営業キャッシュ・フローを創出することに加え、バランスシート改革の推進及び現預金の活用(約500億円+α)により、事業のさらなる成長と資本効率の改善に向けて適切に資金を配分します。
ⓐ 成長投資
既存事業の競争力向上に向けた研究開発の強化やAI搭載等による高度化、新加工技術の構築、環境に配慮した商品開発のほか、成長領域におけるM&Aの実施、生産性向上に向けたAI・DX投資や人的資本投資などの経営基盤強化に重点的に配分します。
ⓑ 株主還元
連結配当性向50%を目安とするとともに、新たにROE10%達成を意識した「DOE(株主資本配当率)3%~5%」を導入し、安定的な配当を維持します。また、過去の事業活動を通じて過度に積み上がった自己資本の水準を早期に適正化するため、適正な自己資本水準(5,000億円未満)を意識し、5年間で1,500億円の積極的な自己株式取得を実行します。配当金と自己株式取得を合わせた総還元額は約2,500億円以上(総還元性向120%程度)を予定しており、これらを通じてEPS(1株当たり利益)の最大化とTSR(株主総利回り)の向上を強力に推し進めます。
(5) サステナビリティ戦略(非財務目標)
中期経営計画の戦略を支え、持続的な企業価値の向上につなげるための非財務目標として、サステナビリティ戦略における主要な指標及び目標を下記のとおり設定しております。
| 領域 | 取り組み方針 | 指標 | 2025年度実績 | 2030年度目標 |
| 環境負荷の低減 | 環境に配慮した商品・ サービスの提供 | GHG排出量 (Scope3) | 72.5%減 (見込み) | 75%減 |
| 人的資本経営の深化 | 労働生産性と働きがいの向上 | エンゲージメントスコア(eNPS*) | - | 肯定回答率 20%以上向上 |
| トータル・クオリティの向上 | 信頼に応える品質と 事業継続性の追求 | NIST CSF*準拠の セキュリティ成熟度 | 全業界平均 | 15%以上向上 |
| 技術革新の進展 | 持続可能なモノづくりに貢献する商品・サービスの提供 | 新領域売上*成長率 | - | 60%以上 |
範囲:GHG排出量、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 連結 / エンゲージメントスコア 国内
基準年:GHG排出量 2013年度 / エンゲージメントスコア、セキュリティ成熟度、新領域売上成長率 2025年度
*eNPS:従業員ネット・プロモーター・スコア (Employee Net Promoter Score)
*NIST CSF:米国標準技術研究所によるサイバーセキュリティフレームワーク
*新領域売上:新領域(新市場、成長市場)における売上収益