有価証券報告書-第92期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 11:38
【資料】
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【項目】
148項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) グループ経営の基本方針
当社グループは工作機械の製造・販売を通じて社会や環境におけるサステナビリティの実現に寄与し、世界中の人々の生活がより豊かになることを目的とするとともに、永続的な成長と安定的な収益の実現により株主価値の向上と企業の社会的責任を果たすことを目標としております。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況に加え、地政学的リスクなどの懸念材料を抱えつつも、新型コロナウイルス危機下での政策効果に支えられた回復から自律的な回復への動きは継続するものと思われます。このような見通しのもと、当社グループは2022年に創立100周年を迎えるにあたり、役員・従業員が一丸となり新たな100年に向かって邁進していくため、2022年度を始期とする3か年の新中期経営計画を策定いたしました。新たな中期経営計画は、2030年度のありたい姿を「Vision 2030」とし、最初の3か年を「Value-Up 2024」と位置づけたものとなります。
また、本年に創立100周年を迎えるに先立ち、役員・従業員が一丸となり新たな100年に向かって邁進していくため、2020年4月に経営理念の改定をいたしました。
ミッション『豊かな未来を、機械で支える。』
ビジョン 『世界中のイノベーションを、TAKISAWAの機械から。』
バリュー 『常識の破壊/未来志向/いつもお客様目線』
この経営理念を踏まえ、本年10月に社名を「株式会社滝澤鉄工所」から「株式会社TAKISAWA」に変更いたします。
新たな100年に向け、マザーマシンである工作機械の製造を通じて、あらゆる産業の発展を原点で支えているという誇りと自負心を核に、産業界の明日を見つめ、さらに幅広いニーズにお応えできるよう、いっそうの前進を続けてまいります。また、企業価値を極大化することにより、地域経済の発展、安定した雇用の確保等、社会への貢献を果たすとともに、地球規模の課題である環境負荷低減をはじめとするSDGsなどの取り組みも引き続き積極的に進めてまいります。
(2) 目標とする経営指針と数値目標
当社グループは、2030年度のありたい姿を「長期経営計画 Vision 2030」とし、グループ経営指標としてKGI(Key Goal Indicator)を設定いたしました。その最初の3か年を「Value-Up 2024」と位置づけ、「2022年度売上高280億円、営業利益14億円」⇒「2024年度売上高310億円、営業利益25億円」を目指します。
[グループ経営指標(KGI)目標]
連結営業利益率12%
連結ROA(総資産経常利益率)8%以上
連結ROE(自己資本当期純利益率)10%以上

中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期の3ヶ年)の数値目標は以下のとおりです。
[連結業績目標] (金額単位:百万円)
Value-Up 2024Vision 2030
2022年度2024年度2030年度
連結売上高28,00031,00040,000
連結営業利益1,4002,5004,800
連結営業利益率5.0%8.0%12.0%
連結ROA3.0%5.0%8.0%
連結ROE3.5%6.0%10.0%

(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症については中国など防疫措置が強化された国もあり、依然収束が見通せない状況に加え、ウクライナ情勢、原材料価格・輸送コストの上昇、円安の進行等の懸念材料を抱えつつも、新型コロナウイルス危機下での政策効果に支えられた回復から自律的な回復への動きは継続するものと思われます。このような見通しのもと、当社では、自動車関連では引き続き足回り部品等での受注を見込む一方で、今後はEV関連部品での受注拡大を図ってまいります。また少子高齢化、熟練技能者の退職等による労働人口減少を背景とする無人化・自動化システムに関連した需要を見込むとともに、成長産業分野である半導体製造装置関連、洋上風力発電関連など新たな需要獲得に向けた取り組みを行ってまいります。
前記のKGIを達成するために、当社グループは中期的な経営戦略として、2022年度を始期とする3か年の中期経営計画「Value-Up 2024」を策定し、各機能ごとに基本方針を掲げ取り組んでまいります。
販売・マーケティング面におきましては、新規営業拠点開設等による海外の販路拡大に加え、デジタルマーケティングを活用したインサイドセールスの推進、プロモーション拡充により販売機会の創出を図ります。
サービス・品質面につきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)活用によるサービス・品質改革に加え、サービスパーツの即納体制整備、テクニカルセンターの拡充等により顧客目線に立ったサービスの強化を進めてまいります。
開発・調達・モノづくり面におきましては、モジュール化戦略により「開発~製造」プロセスにおける一気通貫での付加価値を高めるとともに、顧客ニーズに対応した製品展開、調達リスク対応、生産性向上を図ります。
経営基盤・ESG面では、基幹業務システムの更新による全社的DXの推進、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)の改善によるキャッシュフロー創出、サステナビリティ経営による企業価値向上に向けた取組みを行ってまいります。