有価証券報告書-第82期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)会社の経営の基本方針とサステナビリティの追求
1997年に制定した当社の企業理念である「DISCO VALUES」では、ディスコが社会において果たそうとする役割、つまり社会的使命(Mission)と、このMissionの実現に向けて確実に前進していくために、目標とする企業像(Target)を明らかにしています。
高度なKiru・Kezuru・Migaku技術によって
遠い科学を身近な快適につなぐ
わたしたちの技術とサービスが国際的標準となり、
世界各地で喜ばれるようになる
企業活動すべてを一級のものとし
わたしたちの存在が社会・ステークホルダーから
歓迎されるようになる
当社は、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」をビジネステーマとして定め、「切る」、「削る」、「磨く」という3つの技術領域から逸脱することなく、これらの技術をより使いやすい形にして社会に提供し続けることにより、人々の暮らしの豊かさや快適さに帰結させていくことを自らの社会的使命(Mission)としています。また当社では、一般的に企業の成長とされる売上やシェア、規模の拡大などは成長と捉えず、Missionの実現性が向上することや、「従業員」「顧客」「株主」などのステークホルダーとの価値交換性が向上したかどうか、つまり昨年よりも今年、当社がより社会に役立ったかどうかを「成長」と定義しています。ゆえに、サステナビリティは1997年の「DISCO VALUES」制定以来、追求してきた当社の存在意義そのものであると考えています。
2002年には、日常の企業活動・業務を行う上で、役員・従業員を含む当社の構成員が、上記のMission、Target等に沿った行動や判断ができるように、200を超える、より具体的なステートメントを追加しました。そして、今日に至るまで、構成員が「DISCO VALUES」を理解し、日々実践・実現出来るように全社的な研修や職場単位での勉強会等を通じた浸透活動を継続的に実施しています。
また、これら企業理念を徹底する文化を醸成する一方で、企業としての組織能力を高めるために、各組織および各構成員が自律的に最良な機能を果たすために有効なWill会計(当社独自の管理会計)やPIM(Performance Innovation Management)と称する全社的な業務の改善、効率化を促進する活動をグループ全社で推進しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標
Missionの実現を目指す上での中長期のマイルストーンとして「DISCO VISION 2020」を策定しています。この「DISCO VISION 2020」は、事業、組織、企業文化等、企業を構成する主要な要素からの観点と、当社を取り巻く各ステークホルダー(「従業員」「顧客」「株主」「取引先」「地域社会」)との関係性という観点から、当社の2020年度末において実現したい到達点を定義しています。1つの到達点としては、企業として、どんな環境でも生き抜く卓越した生命力を持ち、多くのステークホルダーにとって、「甲斐」のある企業、つまりステークホルダーが当社と関係を持つ「理由」が明確に存在する状態を目指しています。各ステークホルダーに対する取り組みや目指す姿の概要は下記のとおりです。
① 従業員
働きがいを向上させ従業員満足度を高めるための活動
当社が社会の一員としてステークホルダーとの価値交換性を高めるためには、まず、それらステークホルダーに直接働きかける従業員の満足度を高めることが重要と考えています。
② 顧客
「Kiru・Kezuru・Migakuのことならまず、そしてやはりディスコ」と言っていただけるようにCS(顧客満足度)を高めるための活動
③ 株主
誠実かつ良質なガバナンスの実現と継続性向上、そして、当社の経営におけるあり方等について理解・賛同いただくための活動
④ 取引先(サプライヤー)
互いの関係性を向上させ当社と気持ちよく取引していただくための活動
⑤ 地域社会
歓迎される存在であり続けるために適切な双方向コミュニケーションを円滑にするための活動
⑥ 環境
当社の「環境ビジョン2020」に定める、「CO2削減」「省資源活動」「汚染予防」「生物多様性の保全」に関する活動
中長期の定量的な目標としては、下記の2つを維持する態勢を構築することを掲げています。
・4年累計連結経常利益率20%以上
当社の大部分の顧客が所属する半導体業界では、業界特有の需給バランスにより市況が変動するシリコンサイクルと呼ばれる景気変動の波があります。これにより、単年の成果よりも的確に会社の成長を計ることができると考え、この4年累計連結経常利益率を重要業績指標と位置づけています。
・4年累計RORA(Return On Risk Assets)20%以上
棚卸資産や固定資産などの、換金性の低い資産の効率性を表す指標を用いて、事業における本質的な資産効率の向上を目指しています。なお、下記の計算式により算定しています。

また、前記のステークホルダーに対する取り組み等の定性的な分野についても、定期的に実施しているCS(顧客満足度)調査やSS(サプライヤー満足度)調査、ES(従業員満足度)調査を活用し、「DISCO VISION 2020」の達成状況を確認しています。
(3)経営環境及び会社の対処すべき課題
第5世代移動通信システム(5G)の進展によりスマートフォン、データセンタ、IoT、自動運転等に関連する分野での「Kiru・Kezuru・Migaku技術」の用途の拡がりが、中長期的に当社製品の新たな需要に繋がると考えております。
① 高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の開発とCS(お客様満足度)の向上
上記の需要を取り込むために、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」を核として、単に製品を販売するのではなく、装置、消耗品、そして、装置と消耗品を組み合わせ最適な加工条件を導き出すアプリケーション技術、これら3つの技術力を背景に、顧客の加工課題に対するトータルソリューション(総合的な解決策)を提供いたします。また、トータルソリューションの迅速な提供に必要なリソースの最適化や仕組みづくりを進め、「DISCO VISION 2020」にもあるとおり、顧客から「Kiru・Kezuru・Migakuのことならまず、そしてやはりディスコ」と言っていただける状態を追求してまいります。そのためには、継続的な技術開発が必要ですので、これを可能にする財務的・経営的基盤作りに注力してまいります。
② BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)体制のさらなる強化
「安心して取引できる会社」「安心して働ける会社」を目指し、事業継続管理体制の構築、維持に取り組んでいます。製造・研究および本社機能を、地震が多い日本に置いていることから、本社・R&Dセンターおよび工場に免震棟を導入しています。さらに、自然災害や火災、感染症の流行、システム障害など、様々な事象のもとでも事業を継続し、早期復旧するBCP(Business Continuity Plan)を策定し、全社的な対応計画を整備しています。重要部材等の備蓄、サプライチェーン対策の強化、情報システムの二重化、従業員の訓練を継続的に行うことで、災害に強い企業づくりをさらに進め、何があっても供給責任を果たすことができる体制づくりを強化してまいります。
(4)新型コロナウイルス感染症の影響
当連結会計年度(以下、当期)は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延したものの、顧客からの強い引き合いが継続しており、当期の業績に重大な影響を与えたとは認識しておりません。
また、2020年4月7日に日本政府より、緊急事態宣言下においても事業継続が求められるものとして半導体工場が追加指定されました。当社グループは、お客様の半導体工場の継続稼働を支える製品を製造する立場であり、今後も前述のBCM体制のさらなる強化に取り組み、半導体生産向けの消耗品である精密加工ツールおよび精密加装置等を生産し納入してまいります。これらを踏まえ、当該感染症拡大の影響による当社グループの経営戦略等の変更はありません。
ただし、今後、当該感染症の影響により経済状況が悪化し最終製品需要が著しく減退した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1997年に制定した当社の企業理念である「DISCO VALUES」では、ディスコが社会において果たそうとする役割、つまり社会的使命(Mission)と、このMissionの実現に向けて確実に前進していくために、目標とする企業像(Target)を明らかにしています。
遠い科学を身近な快適につなぐ
世界各地で喜ばれるようになる
企業活動すべてを一級のものとし
わたしたちの存在が社会・ステークホルダーから
歓迎されるようになる
当社は、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」をビジネステーマとして定め、「切る」、「削る」、「磨く」という3つの技術領域から逸脱することなく、これらの技術をより使いやすい形にして社会に提供し続けることにより、人々の暮らしの豊かさや快適さに帰結させていくことを自らの社会的使命(Mission)としています。また当社では、一般的に企業の成長とされる売上やシェア、規模の拡大などは成長と捉えず、Missionの実現性が向上することや、「従業員」「顧客」「株主」などのステークホルダーとの価値交換性が向上したかどうか、つまり昨年よりも今年、当社がより社会に役立ったかどうかを「成長」と定義しています。ゆえに、サステナビリティは1997年の「DISCO VALUES」制定以来、追求してきた当社の存在意義そのものであると考えています。
2002年には、日常の企業活動・業務を行う上で、役員・従業員を含む当社の構成員が、上記のMission、Target等に沿った行動や判断ができるように、200を超える、より具体的なステートメントを追加しました。そして、今日に至るまで、構成員が「DISCO VALUES」を理解し、日々実践・実現出来るように全社的な研修や職場単位での勉強会等を通じた浸透活動を継続的に実施しています。
また、これら企業理念を徹底する文化を醸成する一方で、企業としての組織能力を高めるために、各組織および各構成員が自律的に最良な機能を果たすために有効なWill会計(当社独自の管理会計)やPIM(Performance Innovation Management)と称する全社的な業務の改善、効率化を促進する活動をグループ全社で推進しています。
(2)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標
Missionの実現を目指す上での中長期のマイルストーンとして「DISCO VISION 2020」を策定しています。この「DISCO VISION 2020」は、事業、組織、企業文化等、企業を構成する主要な要素からの観点と、当社を取り巻く各ステークホルダー(「従業員」「顧客」「株主」「取引先」「地域社会」)との関係性という観点から、当社の2020年度末において実現したい到達点を定義しています。1つの到達点としては、企業として、どんな環境でも生き抜く卓越した生命力を持ち、多くのステークホルダーにとって、「甲斐」のある企業、つまりステークホルダーが当社と関係を持つ「理由」が明確に存在する状態を目指しています。各ステークホルダーに対する取り組みや目指す姿の概要は下記のとおりです。
① 従業員
働きがいを向上させ従業員満足度を高めるための活動
当社が社会の一員としてステークホルダーとの価値交換性を高めるためには、まず、それらステークホルダーに直接働きかける従業員の満足度を高めることが重要と考えています。
② 顧客
「Kiru・Kezuru・Migakuのことならまず、そしてやはりディスコ」と言っていただけるようにCS(顧客満足度)を高めるための活動
③ 株主
誠実かつ良質なガバナンスの実現と継続性向上、そして、当社の経営におけるあり方等について理解・賛同いただくための活動
④ 取引先(サプライヤー)
互いの関係性を向上させ当社と気持ちよく取引していただくための活動
⑤ 地域社会
歓迎される存在であり続けるために適切な双方向コミュニケーションを円滑にするための活動
⑥ 環境
当社の「環境ビジョン2020」に定める、「CO2削減」「省資源活動」「汚染予防」「生物多様性の保全」に関する活動
中長期の定量的な目標としては、下記の2つを維持する態勢を構築することを掲げています。
・4年累計連結経常利益率20%以上
当社の大部分の顧客が所属する半導体業界では、業界特有の需給バランスにより市況が変動するシリコンサイクルと呼ばれる景気変動の波があります。これにより、単年の成果よりも的確に会社の成長を計ることができると考え、この4年累計連結経常利益率を重要業績指標と位置づけています。
・4年累計RORA(Return On Risk Assets)20%以上
棚卸資産や固定資産などの、換金性の低い資産の効率性を表す指標を用いて、事業における本質的な資産効率の向上を目指しています。なお、下記の計算式により算定しています。

また、前記のステークホルダーに対する取り組み等の定性的な分野についても、定期的に実施しているCS(顧客満足度)調査やSS(サプライヤー満足度)調査、ES(従業員満足度)調査を活用し、「DISCO VISION 2020」の達成状況を確認しています。
(3)経営環境及び会社の対処すべき課題
第5世代移動通信システム(5G)の進展によりスマートフォン、データセンタ、IoT、自動運転等に関連する分野での「Kiru・Kezuru・Migaku技術」の用途の拡がりが、中長期的に当社製品の新たな需要に繋がると考えております。
① 高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の開発とCS(お客様満足度)の向上
上記の需要を取り込むために、「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」を核として、単に製品を販売するのではなく、装置、消耗品、そして、装置と消耗品を組み合わせ最適な加工条件を導き出すアプリケーション技術、これら3つの技術力を背景に、顧客の加工課題に対するトータルソリューション(総合的な解決策)を提供いたします。また、トータルソリューションの迅速な提供に必要なリソースの最適化や仕組みづくりを進め、「DISCO VISION 2020」にもあるとおり、顧客から「Kiru・Kezuru・Migakuのことならまず、そしてやはりディスコ」と言っていただける状態を追求してまいります。そのためには、継続的な技術開発が必要ですので、これを可能にする財務的・経営的基盤作りに注力してまいります。
② BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)体制のさらなる強化
「安心して取引できる会社」「安心して働ける会社」を目指し、事業継続管理体制の構築、維持に取り組んでいます。製造・研究および本社機能を、地震が多い日本に置いていることから、本社・R&Dセンターおよび工場に免震棟を導入しています。さらに、自然災害や火災、感染症の流行、システム障害など、様々な事象のもとでも事業を継続し、早期復旧するBCP(Business Continuity Plan)を策定し、全社的な対応計画を整備しています。重要部材等の備蓄、サプライチェーン対策の強化、情報システムの二重化、従業員の訓練を継続的に行うことで、災害に強い企業づくりをさらに進め、何があっても供給責任を果たすことができる体制づくりを強化してまいります。
(4)新型コロナウイルス感染症の影響
当連結会計年度(以下、当期)は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延したものの、顧客からの強い引き合いが継続しており、当期の業績に重大な影響を与えたとは認識しておりません。
また、2020年4月7日に日本政府より、緊急事態宣言下においても事業継続が求められるものとして半導体工場が追加指定されました。当社グループは、お客様の半導体工場の継続稼働を支える製品を製造する立場であり、今後も前述のBCM体制のさらなる強化に取り組み、半導体生産向けの消耗品である精密加工ツールおよび精密加装置等を生産し納入してまいります。これらを踏まえ、当該感染症拡大の影響による当社グループの経営戦略等の変更はありません。
ただし、今後、当該感染症の影響により経済状況が悪化し最終製品需要が著しく減退した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。