有価証券報告書-第154期(2022/04/01-2023/03/31)
(2) 戦略
近年、外部環境が大きく変化し、不確実性がますます高まるなか、デジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラル、ダイバーシティ&インクルージョンなどの潮流をビジネス機会と捉え、持続可能な成長基盤を整備するとともに、事業を通じた課題解決による社会貢献を実現していくことが課題と考えています。このような課題認識を踏まえ、当社では中期経営計画の策定に先立つ2020年度に外部環境の変化と事業リスクへの対応力を強化するため、マテリアリティの見直しを実施しました。中期経営計画における成長戦略の考え方である、ESG課題解決と収益向上の好循環を生み出すために、こうした分野への活動を成長戦略の中にも反映させています。
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会の重要な項目の一つである気候変動関連については、主に建設・鉱山機械を対象に、TCFDによる提言最終報告書に記載のリスクと機会の例を参照し、16のリスク・機会を抽出しています。次に、売上げや収益などへ影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因で評価したうえで、重要な4つのテーマとして、「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社に与える影響を計るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
重要な4つのテーマ
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社では、グローバルに発展し、持続的に成長していくため、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観として「コマツウェイ」を2006年に明文化し、世界中の社員への浸透を図っています。この活動を土台としながら、人材育成に関する取り組みを継続しています。
また、中期経営計画では、成長戦略における重点活動として「多様性に富む人材基盤の充実化」を掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上」「デジタル人材、オープンイノベーション推進人材の育成」をはじめとした施策の展開を進め、人材育成をはじめとした人的資本への取り組みを加速させていきます。
(i) ダイバーシティ&インクルージョンの推進
多様な人材がお互いの個性や能力を認め合い、活かし合うことができる環境の実現が、イノベーションの創出、ひいては会社全体の成長につながっていくものと考え、継続して「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組んでいます。
社員の外国籍比率が約7割にのぼるなか、現地法人ではナショナル社員(現地社員)がトップマネジメントとして経営を担っています。そのなかでも主要な海外現地法人のトップを「グローバルオフィサー」に任命し、地域のトップとしてだけではなく、当社グループの経営幹部としての責務を負う体制とし、更に当社グループの経営の中核を担う人材を当社の執行役員として任命しています。
ジェンダー・ダイバーシティ推進の取り組みでは、中期経営計画のなかでグローバルKPIを掲げ、女性の積極的な採用、育成、キャリア継続のための環境整備などといった諸施策を進めています。これまでの取り組みを踏まえ、2022年度には「令和4年度なでしこ銘柄(※)」に選定されました。(※全上場会社約3,700社、17業種より各1社が選定)
また、多様性に富む人材基盤の充実化を進めていくうえで、経験者採用社員の獲得・活躍も重要な取り組みであると考え、今後更に積極的な採用を進めていくとともに、中核人材としての活躍も促進していきます。
(ii) 多様な能力開発機会の提供とエンゲージメント向上
当社では、各分野でのプロフェッショナルになるための教育の充実、各階層に求められる知識やスキル習得の支援など、多様な能力開発機会の提供に取り組んでいます。次世代リーダー層の育成においては、国内・海外の主要ポジションを「グローバルキーポジション」として位置づけてサクセッションプランを策定し、グローバルでの計画的な育成プログラムを展開しています。更に、社員の主体的なチャレンジ・自律的なキャリア形成を支援するため、「CDP(Career Development Program)」を2023年度から展開し、各種人事施策と社員のキャリア形成支援の連携・連動を高めていきます。
また、社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものと考え、全世界の社員を対象にグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、地域・組織ごとの強み・課題を反映した人事諸施策の整備に取り組んでいます。今後も継続的に社員エンゲージメントを把握・分析することで、刻々と変化する課題に対応しながら、社員一人ひとりが、よりいきいきと活躍できる環境の実現を目指していきます。

(iii) デジタル人材/オープンイノベーション推進人材の育成
デジタル人材の育成について、2019年度からスタートした「AI人材教育」に加え、2022年度には「DX人材教育」を国内でスタートし、基礎知識習得をねらいとした入門教育から、業務やプロジェクトでの実践による課題解決を目指した実践教育まで、社員のレベルに応じたカリキュラムを設け、人材の育成を推進しています。「DX人材教育」の入門教育では、DX概論講義動画を全社員向けに公開するなど、より幅広い社員のリスキリングにもつながる取り組みを展開しています。
また、オープンイノベーション推進人材の育成について、産官学連携をより加速させるため、社内・社外のプログラムの実施・活用などを進めています。ダントツ商品はもちろんのこと、お客様へのダントツサービス、ダントツソリューションの実現を担う人材の育成に向けた取り組みを、今後も継続的に進めていきます。
上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2022」P.49~P.53、P.56~P.59を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/-/media/home/ir/library/annual/ja/2022/kmt_kr22j_print.pdf
近年、外部環境が大きく変化し、不確実性がますます高まるなか、デジタルトランスフォーメーションやカーボンニュートラル、ダイバーシティ&インクルージョンなどの潮流をビジネス機会と捉え、持続可能な成長基盤を整備するとともに、事業を通じた課題解決による社会貢献を実現していくことが課題と考えています。このような課題認識を踏まえ、当社では中期経営計画の策定に先立つ2020年度に外部環境の変化と事業リスクへの対応力を強化するため、マテリアリティの見直しを実施しました。中期経営計画における成長戦略の考え方である、ESG課題解決と収益向上の好循環を生み出すために、こうした分野への活動を成長戦略の中にも反映させています。
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会の重要な項目の一つである気候変動関連については、主に建設・鉱山機械を対象に、TCFDによる提言最終報告書に記載のリスクと機会の例を参照し、16のリスク・機会を抽出しています。次に、売上げや収益などへ影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因で評価したうえで、重要な4つのテーマとして、「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社に与える影響を計るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
重要な4つのテーマ
| テーマ | リスク | 機会 | 戦略 |
| 資源需要の変化 | ・化石燃料発電への規制 ・石炭生産量は大幅に減少 ・当社グループの石炭顧客向け売上げの減少 ・石炭鉱山への投資意欲の減少 | ・化石燃料で動く機械が電動化へ急速に転換 ・電動化(モーター、バッテリー、燃料電池など)に必要な銅などの需要が増加 ・電動化が進み、当社グループの銅鉱山や銅関連顧客向け売上げが増加 ・鉱山の効率化のための投資が増大 | 中期経営計画の成長戦略3本柱「イノベーションによる成長の加速」「稼ぐ力の最大化」「レジリエントな企業体質の構築」の推進により、資源需要の変化がもたらす機会を開拓し、持続的成長を実現する |
| 低炭素製品への移行 | ・低排出規制による開発・設備投資コスト増加 ・顧客の電動化要望に対応できない場合の売上げ減少 ・技術開発と競争軸の急激な変化、新規競争者の参入 ・顧客主導により駆動コンポーネントが開発・製造されるようになり、長期的な技術優位性の低下 | ・電動・低燃費・バイオ燃料機械の需要増大により売上げが増加 伝統市場の変化に対応することによりいずれ来る戦略市場の変化にも迅速に対応できる ・循環経済への移行で再生(リマニュファクチャリング)事業が拡大 ・低炭素化に効果があるソリューションビジネスの需要が増加 ・蓄電池など高品質なコンポーネントを安定供給できる調達先を確保することで製品の信頼性が高まる | カーボンニュートラルを達成するための活動を実施し、世界が求める低炭素製品への移行に応える |
| 製造コスト | ・化石燃料、排出CO2に対し課税 ・購入品価格上昇 ・CO2排出量が少ない生産設備への投資によるコスト増加 | ・CO2排出量を削減する生産技術で競争力向上 | CO2削減目標や再エネ目標達成でコスト上昇緩和 環境負荷の低い生産工場を実現 |
| 自然災害 | ・異常気象による大雨・洪水の頻度増加 ・洪水リスクが高い当社グループ工場の被災リスク ・サプライヤーが被災した際の部品供給遅れ | ・治水工事等の需要増加 | バリューチェーン全体で大雨・洪水対策を行う(物理リスクに対応) |
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社では、グローバルに発展し、持続的に成長していくため、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観として「コマツウェイ」を2006年に明文化し、世界中の社員への浸透を図っています。この活動を土台としながら、人材育成に関する取り組みを継続しています。
また、中期経営計画では、成長戦略における重点活動として「多様性に富む人材基盤の充実化」を掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上」「デジタル人材、オープンイノベーション推進人材の育成」をはじめとした施策の展開を進め、人材育成をはじめとした人的資本への取り組みを加速させていきます。
(i) ダイバーシティ&インクルージョンの推進
多様な人材がお互いの個性や能力を認め合い、活かし合うことができる環境の実現が、イノベーションの創出、ひいては会社全体の成長につながっていくものと考え、継続して「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組んでいます。
社員の外国籍比率が約7割にのぼるなか、現地法人ではナショナル社員(現地社員)がトップマネジメントとして経営を担っています。そのなかでも主要な海外現地法人のトップを「グローバルオフィサー」に任命し、地域のトップとしてだけではなく、当社グループの経営幹部としての責務を負う体制とし、更に当社グループの経営の中核を担う人材を当社の執行役員として任命しています。
ジェンダー・ダイバーシティ推進の取り組みでは、中期経営計画のなかでグローバルKPIを掲げ、女性の積極的な採用、育成、キャリア継続のための環境整備などといった諸施策を進めています。これまでの取り組みを踏まえ、2022年度には「令和4年度なでしこ銘柄(※)」に選定されました。(※全上場会社約3,700社、17業種より各1社が選定)
また、多様性に富む人材基盤の充実化を進めていくうえで、経験者採用社員の獲得・活躍も重要な取り組みであると考え、今後更に積極的な採用を進めていくとともに、中核人材としての活躍も促進していきます。
(ii) 多様な能力開発機会の提供とエンゲージメント向上
当社では、各分野でのプロフェッショナルになるための教育の充実、各階層に求められる知識やスキル習得の支援など、多様な能力開発機会の提供に取り組んでいます。次世代リーダー層の育成においては、国内・海外の主要ポジションを「グローバルキーポジション」として位置づけてサクセッションプランを策定し、グローバルでの計画的な育成プログラムを展開しています。更に、社員の主体的なチャレンジ・自律的なキャリア形成を支援するため、「CDP(Career Development Program)」を2023年度から展開し、各種人事施策と社員のキャリア形成支援の連携・連動を高めていきます。
また、社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものと考え、全世界の社員を対象にグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、地域・組織ごとの強み・課題を反映した人事諸施策の整備に取り組んでいます。今後も継続的に社員エンゲージメントを把握・分析することで、刻々と変化する課題に対応しながら、社員一人ひとりが、よりいきいきと活躍できる環境の実現を目指していきます。

(iii) デジタル人材/オープンイノベーション推進人材の育成
デジタル人材の育成について、2019年度からスタートした「AI人材教育」に加え、2022年度には「DX人材教育」を国内でスタートし、基礎知識習得をねらいとした入門教育から、業務やプロジェクトでの実践による課題解決を目指した実践教育まで、社員のレベルに応じたカリキュラムを設け、人材の育成を推進しています。「DX人材教育」の入門教育では、DX概論講義動画を全社員向けに公開するなど、より幅広い社員のリスキリングにもつながる取り組みを展開しています。
また、オープンイノベーション推進人材の育成について、産官学連携をより加速させるため、社内・社外のプログラムの実施・活用などを進めています。ダントツ商品はもちろんのこと、お客様へのダントツサービス、ダントツソリューションの実現を担う人材の育成に向けた取り組みを、今後も継続的に進めていきます。
上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2022」P.49~P.53、P.56~P.59を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/-/media/home/ir/library/annual/ja/2022/kmt_kr22j_print.pdf