有価証券報告書-第157期(2025/04/01-2026/03/31)
(2) 戦略
当社では、中期経営計画において成長戦略を通じた社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長の実現を基本的な考え方とし、その策定に際しては、当社グループの事業活動による社会・環境への影響と、社会・環境から受ける当社グループのビジネスへの影響の2側面から当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を分析し成長戦略に反映させています。
※上記のマテリアリティの分析に関する詳細は統合報告書「コマツレポート2025」P.22~P.23を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/-/media/HOME/ir/library/annual/2025/ja/kmt_kr25j_print.pdf#page=23
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループの事業に関わる気候変動関連の短期、中期及び長期にわたるリスクと機会の特定に際しては、「TCFD最終報告書」のリスクと機会の事例を参照し、当社グループの事業全般を対象としつつ、特に影響の大きい建設・鉱山機械事業を中心に16のリスク・機会を抽出しています。収益等に影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因を評価したうえで、4つのテーマ(「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」)にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社グループに与える影響を測るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
4つのテーマ
② 労働安全衛生に関する戦略
当社は、社員の行動指針として、「Safety & Health(安全衛生・健康)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」を掲げ、安全衛生・健康をすべてに優先しています。更に「安全衛生に関する社長メッセージ」をもとに、当社グループ全体で、社員が安全で安心して働くことのできる職場環境の確保、及び社員の健康の維持・増進に努め、その実現に向けて、社員全員が一致協力して積極的な安全衛生・健康管理活動を推進するという「安全衛生方針」を掲げています。
この方針のもと、リスクアセスメントの実施による労働災害の未然防止活動や、過去に発生した労働災害の再発防止策を当社グループ全体で展開し、潜在的な災害要因の除去と再発防止に努めるとともに、当社で定める「安全基本作業15箇条」の順守等を通じ、社員の安全意識の向上・啓発に取り組んでいます。
また、健康管理活動については、当社及び国内連結子会社では、健康づくりに関する中期計画のもと、社員がより良い人生を送るために必要な事項を自ら考え行動できる「健康文化づくり」に着手し、社員ヘルスリテラシーの向上を目指した様々な取り組みを推進しています。このほか、海外連結子会社とも連携を進めています。
※上記に関する詳細は、「ESGデータブック2025」P.69~P.78を参照ください。
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2025_jp.pdf#page=70
③ 人材の育成及び社内環境整備に関する戦略
当社では、人材を「新しい価値を生み出す重要な経営資源」と位置づけ、経営戦略と連動した人的資本投資を推進しています。2025年度よりスタートした中期経営計画においては、成長戦略の一つである「経営基盤の革新」の一環として、「事業成長を支える人材の獲得・活躍の推進」に取り組んでいます。
この考え方のもと、「グローバルに多様な人材が一つのチームとして、事業の成長に貢献できる環境の実現」というグローバル人事方針を掲げ、会社と個人の双方の成長の好循環による持続的な企業価値向上を目指しています。具体的には、①持続的な人材確保、②適所適材の実現、③次世代リーダーの育成、④適切なコスト管理という会社視点と、①魅力ある職場への入社、②やりがいのある仕事、③継続的な個人の成長、④エンゲージメント向上につながる褒賞という個人視点の双方を踏まえ、「コマツらしいキャリア形成(Employee journey)を通じた社員が得られる感情・認識・経験(Employee experience)の最大化」を目指しています。
この実現のために、「多様な個性が地域のみならずグローバルに輝ける環境の実現」を人事・教育部門の重点活動として位置付け、この取り組みを支える基盤として、「心身共に安全な職場の実現」、「HR DX推進」、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」に継続して取り組んでいます。また、定期的なエンゲージメントサーベイを踏まえ、アクションプランを策定・実行するとともに、その効果を把握し、次の活動に活かしています。また、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観を「コマツウェイ」として行動様式で表現し、世界中の社員への浸透を図っています。

人材戦略の各種施策は、グローバル全体で横串を通して展開する取り組みと、各地域や事業の特性に応じて効果的かつ効率的に進める取り組みに区分し、それぞれ推進しています。
グローバルベースで推進している施策は主に以下の3つとなります。
1.サクセッションプランの強化
全世界で事業を展開し、海外売上げ比率が約9割、日本以外で働く社員が約7割を占める当社グループにとって、グローバルリーダーの育成が成長の大きな鍵を握ります。主要な地域の現地法人のトップについては、その地域のみならず連結経営の一端を担う「グローバルオフィサー」に任命しています。更に、その中から経営の中核を担う人材を当社グループの執行役員に任命しています。また、グローバルで約700の主要なポジションを「グローバル・キー・ポジション(GKP)」として位置付けてサクセッションプランを策定し、毎年ローリングを行うとともに、今後の育成プランに関する議論を行っています。サクセッションプランと連携する形で、経営層やその候補者を対象としてGlobal Management Seminar(GMS)も定期的に開催し、コマツウェイに根ざした経営を実践できるグローバルリーダーを育成しています。
2.グローバルモビリティの拡大
当社は長い歴史のなかで、多くの日本人駐在員を全世界に派遣してきましたが、日本から海外だけでなく、よりボーダーレスな適所適材の実現に向けて、グローバルモビリティ、つまり地域間の人事異動を推進しています。制度として、2024年度より開始したのが、鉱山機械事業における次世代人材の育成を目的とした研修プログラム「グローバル・マイニング・タレントプログラム」です。グローバルモビリティの推進を通じて、各地域の将来を担う人材に対して、国境を越えた実務研修の機会を積極的に提供し、社員の成長を促すことで、事業全体の競争力強化につなげています。
3.イノベーション創出のための人材育成
イノベーションによる価値共創に向けたデジタル人材育成については、教育を通じて目指す人材像を定めた上で、当社の全社員を対象とした基礎研修から選抜型の実践的なプログラムに至るまで、一気通貫の教育体系を設けています。具体的には、業務改革リーダーを育成する研修や、デジタル技術を用いた課題解決スキルを学ぶ研修、各受講者が自身に必要なスキルを自律的に学ぶ研修等を実施しています。また、DX推進や生成AI活用による業務効率化を目的としたグローバルなプロジェクトチームの活動の一環として、2025年度はグループ全社員向けに、生成AIを前提とした働き方に関するリテラシー研修を実施しました。これらの取り組みを通じて、全社員が生成AIを自分事として捉え、活用していく風土の醸成を進めています。

※上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2025」P.51~P.54を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/-/media/HOME/ir/library/annual/2025/ja/kmt_kr25j_print.pdf#page=52
当社では、中期経営計画において成長戦略を通じた社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長の実現を基本的な考え方とし、その策定に際しては、当社グループの事業活動による社会・環境への影響と、社会・環境から受ける当社グループのビジネスへの影響の2側面から当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を分析し成長戦略に反映させています。
※上記のマテリアリティの分析に関する詳細は統合報告書「コマツレポート2025」P.22~P.23を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/-/media/HOME/ir/library/annual/2025/ja/kmt_kr25j_print.pdf#page=23
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループの事業に関わる気候変動関連の短期、中期及び長期にわたるリスクと機会の特定に際しては、「TCFD最終報告書」のリスクと機会の事例を参照し、当社グループの事業全般を対象としつつ、特に影響の大きい建設・鉱山機械事業を中心に16のリスク・機会を抽出しています。収益等に影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因を評価したうえで、4つのテーマ(「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」)にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社グループに与える影響を測るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
4つのテーマ
| テーマ | リスク | 機会 | 戦略 |
| 資源需要の変化 | ・化石燃料発電と使用への規制 ・石炭生産量の大幅な減少 ・石炭鉱山への投資意欲が減少 ・当社グループの石炭顧客向け売上げの減少 | ・化石燃料で動く機械が電動化へ急速に転換 ・電動化(モーター、バッテリー、燃料電池等)に必要な銅等の需要が増加 ・電動化が進み、当社グループの銅鉱山や銅関連顧客向け売上げが増加 ・鉱山の効率化のための投資が増大 | 中期経営計画に示す事業ポートフォリオに基づき、資源需要の変化がもたらす機会を開拓し、持続的成長を実現する |
| 低炭素製品への移行 | ・低排出規制による開発・設備投資コスト増加 ・顧客の電動化要望に対応できない場合の売上げ減少 ・技術開発と競争軸の急激な変化、新規競争者の参入 ・顧客主導により駆動コンポーネントが開発・製造されるようになり、長期的な技術優位性の低下 | ・電動建機や低燃費化、あるいはバイオ燃料に対応した建機の需要増大により売上げが増加。先行市場・顧客の変化に対応することにより、いずれ来るほかの市場の変化にも迅速に対応できる ・循環型経済への移行で再生(リマニュファクチャリング)事業が拡大 ・低炭素化に効果があるソリューションビジネスの需要が増加 ・蓄電池等高品質なコンポーネントを量産効果で安定供給できる提携・調達先を確保することで、製品の信頼性が高まる | カーボンニュートラルを達成するための活動を実施し、世界が求める低炭素製品への移行に応える |
| 製造コスト | ・化石燃料、排出CO2に対する課税 ・購入品の価格上昇 ・CO2排出量が少ない生産設備への投資によるコスト増加 | ・CO2排出量を削減する生産技術で競争力の向上 | CO2削減目標や再生可能エネルギー目標達成でコスト上昇緩和、環境負荷の低い生産工場を実現 |
| 自然災害 | ・異常気象による大雨・洪水の頻度や強度の増加 ・当社グループ工場での被災による操業停止 ・サプライヤーが被災した際の部品供給の遅れ | ・治水工事等の国土強靭化に向けた需要の増加 | バリューチェーン全体で大雨・洪水対策を行う(物理リスクに対応) |
② 労働安全衛生に関する戦略
当社は、社員の行動指針として、「Safety & Health(安全衛生・健康)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」を掲げ、安全衛生・健康をすべてに優先しています。更に「安全衛生に関する社長メッセージ」をもとに、当社グループ全体で、社員が安全で安心して働くことのできる職場環境の確保、及び社員の健康の維持・増進に努め、その実現に向けて、社員全員が一致協力して積極的な安全衛生・健康管理活動を推進するという「安全衛生方針」を掲げています。
この方針のもと、リスクアセスメントの実施による労働災害の未然防止活動や、過去に発生した労働災害の再発防止策を当社グループ全体で展開し、潜在的な災害要因の除去と再発防止に努めるとともに、当社で定める「安全基本作業15箇条」の順守等を通じ、社員の安全意識の向上・啓発に取り組んでいます。
また、健康管理活動については、当社及び国内連結子会社では、健康づくりに関する中期計画のもと、社員がより良い人生を送るために必要な事項を自ら考え行動できる「健康文化づくり」に着手し、社員ヘルスリテラシーの向上を目指した様々な取り組みを推進しています。このほか、海外連結子会社とも連携を進めています。
※上記に関する詳細は、「ESGデータブック2025」P.69~P.78を参照ください。
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2025_jp.pdf#page=70
③ 人材の育成及び社内環境整備に関する戦略
当社では、人材を「新しい価値を生み出す重要な経営資源」と位置づけ、経営戦略と連動した人的資本投資を推進しています。2025年度よりスタートした中期経営計画においては、成長戦略の一つである「経営基盤の革新」の一環として、「事業成長を支える人材の獲得・活躍の推進」に取り組んでいます。
この考え方のもと、「グローバルに多様な人材が一つのチームとして、事業の成長に貢献できる環境の実現」というグローバル人事方針を掲げ、会社と個人の双方の成長の好循環による持続的な企業価値向上を目指しています。具体的には、①持続的な人材確保、②適所適材の実現、③次世代リーダーの育成、④適切なコスト管理という会社視点と、①魅力ある職場への入社、②やりがいのある仕事、③継続的な個人の成長、④エンゲージメント向上につながる褒賞という個人視点の双方を踏まえ、「コマツらしいキャリア形成(Employee journey)を通じた社員が得られる感情・認識・経験(Employee experience)の最大化」を目指しています。
この実現のために、「多様な個性が地域のみならずグローバルに輝ける環境の実現」を人事・教育部門の重点活動として位置付け、この取り組みを支える基盤として、「心身共に安全な職場の実現」、「HR DX推進」、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」に継続して取り組んでいます。また、定期的なエンゲージメントサーベイを踏まえ、アクションプランを策定・実行するとともに、その効果を把握し、次の活動に活かしています。また、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観を「コマツウェイ」として行動様式で表現し、世界中の社員への浸透を図っています。

人材戦略の各種施策は、グローバル全体で横串を通して展開する取り組みと、各地域や事業の特性に応じて効果的かつ効率的に進める取り組みに区分し、それぞれ推進しています。
グローバルベースで推進している施策は主に以下の3つとなります。
1.サクセッションプランの強化
全世界で事業を展開し、海外売上げ比率が約9割、日本以外で働く社員が約7割を占める当社グループにとって、グローバルリーダーの育成が成長の大きな鍵を握ります。主要な地域の現地法人のトップについては、その地域のみならず連結経営の一端を担う「グローバルオフィサー」に任命しています。更に、その中から経営の中核を担う人材を当社グループの執行役員に任命しています。また、グローバルで約700の主要なポジションを「グローバル・キー・ポジション(GKP)」として位置付けてサクセッションプランを策定し、毎年ローリングを行うとともに、今後の育成プランに関する議論を行っています。サクセッションプランと連携する形で、経営層やその候補者を対象としてGlobal Management Seminar(GMS)も定期的に開催し、コマツウェイに根ざした経営を実践できるグローバルリーダーを育成しています。
2.グローバルモビリティの拡大
当社は長い歴史のなかで、多くの日本人駐在員を全世界に派遣してきましたが、日本から海外だけでなく、よりボーダーレスな適所適材の実現に向けて、グローバルモビリティ、つまり地域間の人事異動を推進しています。制度として、2024年度より開始したのが、鉱山機械事業における次世代人材の育成を目的とした研修プログラム「グローバル・マイニング・タレントプログラム」です。グローバルモビリティの推進を通じて、各地域の将来を担う人材に対して、国境を越えた実務研修の機会を積極的に提供し、社員の成長を促すことで、事業全体の競争力強化につなげています。
3.イノベーション創出のための人材育成
イノベーションによる価値共創に向けたデジタル人材育成については、教育を通じて目指す人材像を定めた上で、当社の全社員を対象とした基礎研修から選抜型の実践的なプログラムに至るまで、一気通貫の教育体系を設けています。具体的には、業務改革リーダーを育成する研修や、デジタル技術を用いた課題解決スキルを学ぶ研修、各受講者が自身に必要なスキルを自律的に学ぶ研修等を実施しています。また、DX推進や生成AI活用による業務効率化を目的としたグローバルなプロジェクトチームの活動の一環として、2025年度はグループ全社員向けに、生成AIを前提とした働き方に関するリテラシー研修を実施しました。これらの取り組みを通じて、全社員が生成AIを自分事として捉え、活用していく風土の醸成を進めています。

※上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2025」P.51~P.54を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/-/media/HOME/ir/library/annual/2025/ja/kmt_kr25j_print.pdf#page=52