有価証券報告書-第156期(2024/04/01-2025/03/31)
(2) 戦略
近年、外部環境が大きく変化し、不確実性がますます高まるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラル、ダイバーシティ&インクルージョンなどの潮流をビジネス機会と捉え、事業の成長につなげることが重要と認識しています。当社では、中期経営計画において成長戦略を通じた社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長の実現を基本的な考え方とし、その策定に際しては、当社グループの事業活動による社会・環境への影響と、社会・環境から受ける当社グループのビジネスへの影響の2側面から当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を分析し成長戦略に反映させています。
※上記のマテリアリティの分析に関する詳細は統合報告書「コマツレポート2024」P.16~P.17を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=17
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のマテリアリティの一つである気候変動関連については、TCFD最終報告書のリスクと機会の例を参照し、主に建設・鉱山機械に影響する16のリスク・機会を抽出しています。次に、売上げや収益などへ影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因で評価したうえで、重要な4つのテーマとして、「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社グループに与える影響を計るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
重要な4つのテーマ
② 労働安全衛生に関する基本方針
当社は、社員の行動指針として、「Safety & Health(安全衛生・健康)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」を掲げ、安全衛生・健康をすべてに優先しています。更に「安全衛生に関する社長メッセージ」をもとに、当社グループ全体で、社員が安全で安心して働くことのできる職場環境の確保、及び、社員の健康の維持・増進に努め、その実現に向けて、社員全員が一致協力して積極的な安全衛生・健康管理活動を推進するという「安全衛生方針」を掲げています。
この方針のもと、リスクアセスメントの実施による労働災害の未然防止活動や、過去に発生した労働災害の再発防止策を当社グループ全体で展開し、潜在的な災害要因の除去と再発防止に努めるとともに、当社で定める「安全基本作業15箇条」の順守などを通じ、社員の安全意識の向上・啓発に取り組んでいます。
また、健康管理活動については、当社及び国内連結子会社では、健康づくりに関する中期計画のもと、社員がより良い人生を送るために必要な事項を自ら考え行動できる「健康文化づくり」に着手し、社員ヘルスリテラシーの向上を目指した様々な取り組みを推進しています。このほか、海外連結子会社とも連携をすすめています。
※上記の戦略に関する詳細は、「ESGデータブック2024」P.61~P.70を参照ください。
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=62
③ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社では、グローバルに発展し、持続的に成長していくため、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観として「コマツウェイ」を2006年に明文化し、世界中の社員への浸透を図っています。2025年1月には、6年ぶりとなる改訂を行い、社内外の環境変化も踏まえ、当社グループ社員にとってより理解・実践しやすい内容としています。今後も、このコマツウェイを土台としながら、人材育成に関する取り組みを継続していきます。
また、2024年度までの中期経営計画では、「多様性に富む人材基盤の充実化」を重点活動として掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上」「デジタル人材、オープンイノベーション推進人材の育成」をはじめとした施策を展開してきました。今後も引き続き、事業成長を支える人材の獲得・活躍の推進に向けて、人的資本の価値を最大限に引き出す取り組みを加速させていきます。
(i) ダイバーシティ&インクルージョンの推進
多様な人材がお互いの個性や能力を認め合い、活かし合うことができる環境の実現が、イノベーションの創出、ひいては会社全体の成長につながっていくものと考え、継続して「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組んでいます。
全世界で事業を展開し、海外売上比率が約9割、海外で働く社員が約7割を占める当社グループにとって、グローバルリーダーの育成が成長の大きな鍵を握ります。海外現地法人では、ナショナル社員(現地社員)がトップマネジメントとして経営を担うケースが多数を占めるだけでなく、主要な海外現地法人のトップについてはその地域のみならず連結経営の一端を担う「グローバルオフィサー」に任命しています。更に、グローバルオフィサーの中でも経営の中核を担う人材を当社の執行役員に任命しています。
また、ジェンダー・ダイバーシティ推進にも積極的に取り組んでおり、女性比率の向上に関するKPIを掲げ、採用、育成、キャリア継続のための環境整備などの諸施策を進めるとともに、中核人材としての活躍も推進しています。
(ii) 多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上
当社では、各分野でのプロフェッショナルになるための教育の充実、各階層に求められる知識やスキル習得の支援など、多様な能力開発機会の提供に取り組んでいます。次世代リーダー層の育成においては、国内・海外の主要ポジションを「グローバルキーポジション」として位置づけてサクセッションプランを策定し、グローバルでの計画的な育成プログラムを展開しています。更に、社員の主体的なチャレンジ・自律的なキャリア形成を支援するため、「CDP(Career Development Program)」を2023年度から展開し、各種人事施策と社員のキャリア形成支援の連携・連動を高めていきます。
また、社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものと考え、全世界の当社グループ社員を対象にグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、地域・組織ごとの強み・課題を反映した人事諸施策の整備に取り組んでいます。今後も継続的に社員エンゲージメントを把握・分析することで、刻々と変化する課題に対応しながら、社員一人ひとりが、よりいきいきと活躍できる環境の実現を目指していきます。

(iii) デジタル人材/オープンイノベーション推進人材の育成
デジタル人材の育成については、教育を通じて目指す人材像を定めた上で、当社の全社員を対象としたベーシックな教育から選抜型の実践的なプログラムにいたるまで、一気通貫の教育体系に整理しました。具体的には、業務改革リーダーを育成する研修や、デジタル技術を用いた課題解決スキルを学ぶ研修、各受講者が自身に必要なスキルを自律的に学ぶ研修等を実施しています。また、DXの推進や生成AIの活用による業務効率化を目的としたプロジェクトチームの活動の一環として、当社グループ全社員のDXリテラシー向上を目指すe-Learningを作成しました。本教材では、DX推進に不可欠な組織風土の理解を深めるとともに、生成AIの基本を学び、業務活用へつなげることを目的としており、当社グループ全体へ展開しています。更に、オープンイノベーションを推進する人材の育成について、産官学連携をより加速させるため、社内・社外のプログラムの実施・活用などを進めています。
※上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2024」P.46~P.50を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=47
近年、外部環境が大きく変化し、不確実性がますます高まるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラル、ダイバーシティ&インクルージョンなどの潮流をビジネス機会と捉え、事業の成長につなげることが重要と認識しています。当社では、中期経営計画において成長戦略を通じた社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長の実現を基本的な考え方とし、その策定に際しては、当社グループの事業活動による社会・環境への影響と、社会・環境から受ける当社グループのビジネスへの影響の2側面から当社が取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を分析し成長戦略に反映させています。
※上記のマテリアリティの分析に関する詳細は統合報告書「コマツレポート2024」P.16~P.17を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=17
① 気候変動に関する戦略(TCFD提言に基づく情報開示)
短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のマテリアリティの一つである気候変動関連については、TCFD最終報告書のリスクと機会の例を参照し、主に建設・鉱山機械に影響する16のリスク・機会を抽出しています。次に、売上げや収益などへ影響する内的要因及びシナリオ下で想定される外的要因で評価したうえで、重要な4つのテーマとして、「資源需要の変化」「低炭素製品への移行」「製造コスト」「自然災害」にグルーピングしています。
気候変動のリスクと機会が当社グループに与える影響を計るため、上述の4つのテーマに対してシナリオ分析を実施しています。
4つのテーマに関するリスクと機会、それに対する戦略は下表のとおりです。
重要な4つのテーマ
| テーマ | リスク | 機会 | 戦略 |
| 資源需要の変化 | ・化石燃料発電への規制 ・石炭生産量は大幅に減少 ・当社グループの石炭顧客向け売上げの減少 ・石炭鉱山への投資意欲の減少 | ・化石燃料で動く機械が電動化へ急速に転換 ・電動化(モーター、バッテリー、燃料電池など)に必要な銅などの需要が増加 ・電動化が進み、当社グループの銅鉱山や銅関連顧客向け売上げが増加 ・鉱山の効率化のための投資が増大 | 中期経営計画に定める成長戦略により、資源需要の変化がもたらす機会を開拓し、持続的成長を実現する |
| 低炭素製品への移行 | ・低排出規制による開発・設備投資コスト増加 ・顧客の電動化要望に対応できない場合の売上げ減少 ・技術開発と競争軸の急激な変化、新規競争者の参入 ・顧客主導により駆動コンポーネントが開発・製造されるようになり、長期的な技術優位性の低下 | ・電動・低燃費・バイオ燃料機械の需要増大により売上げが増加 伝統市場の変化に対応することによりいずれ来る戦略市場の変化にも迅速に対応できる ・循環経済への移行で再生(リマニュファクチャリング)事業が拡大 ・低炭素化に効果があるソリューションビジネスの需要が増加 ・蓄電池など高品質なコンポーネントを安定供給できる調達先を確保することで製品の信頼性が高まる | カーボンニュートラルを達成するための活動を実施し、世界が求める低炭素製品への移行に応える |
| 製造コスト | ・化石燃料、排出CO2に対し課税 ・購入品価格上昇 ・CO2排出量が少ない生産設備への投資によるコスト増加 | ・CO2排出量を削減する生産技術で競争力向上 | CO2削減目標や再エネ目標達成でコスト上昇緩和 環境負荷の低い生産工場を実現 |
| 自然災害 | ・異常気象による大雨・洪水の頻度増加 ・洪水リスクが高い当社グループ工場の被災リスク ・サプライヤーが被災した際の部品供給遅れ | ・治水工事等の需要増加 | バリューチェーン全体で大雨・洪水対策を行う(物理リスクに対応) |
② 労働安全衛生に関する基本方針
当社は、社員の行動指針として、「Safety & Health(安全衛生・健康)、L(コンプライアンス)、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)」を掲げ、安全衛生・健康をすべてに優先しています。更に「安全衛生に関する社長メッセージ」をもとに、当社グループ全体で、社員が安全で安心して働くことのできる職場環境の確保、及び、社員の健康の維持・増進に努め、その実現に向けて、社員全員が一致協力して積極的な安全衛生・健康管理活動を推進するという「安全衛生方針」を掲げています。
この方針のもと、リスクアセスメントの実施による労働災害の未然防止活動や、過去に発生した労働災害の再発防止策を当社グループ全体で展開し、潜在的な災害要因の除去と再発防止に努めるとともに、当社で定める「安全基本作業15箇条」の順守などを通じ、社員の安全意識の向上・啓発に取り組んでいます。
また、健康管理活動については、当社及び国内連結子会社では、健康づくりに関する中期計画のもと、社員がより良い人生を送るために必要な事項を自ら考え行動できる「健康文化づくり」に着手し、社員ヘルスリテラシーの向上を目指した様々な取り組みを推進しています。このほか、海外連結子会社とも連携をすすめています。
※上記の戦略に関する詳細は、「ESGデータブック2024」P.61~P.70を参照ください。
https://komatsu.disclosure.site/jp/csr/pdf/KomatsuCSR2024_jp.pdf#page=62
③ 人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社では、グローバルに発展し、持続的に成長していくため、文化や習慣の異なる全世界の社員が共有すべき価値観として「コマツウェイ」を2006年に明文化し、世界中の社員への浸透を図っています。2025年1月には、6年ぶりとなる改訂を行い、社内外の環境変化も踏まえ、当社グループ社員にとってより理解・実践しやすい内容としています。今後も、このコマツウェイを土台としながら、人材育成に関する取り組みを継続していきます。
また、2024年度までの中期経営計画では、「多様性に富む人材基盤の充実化」を重点活動として掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上」「デジタル人材、オープンイノベーション推進人材の育成」をはじめとした施策を展開してきました。今後も引き続き、事業成長を支える人材の獲得・活躍の推進に向けて、人的資本の価値を最大限に引き出す取り組みを加速させていきます。
(i) ダイバーシティ&インクルージョンの推進
多様な人材がお互いの個性や能力を認め合い、活かし合うことができる環境の実現が、イノベーションの創出、ひいては会社全体の成長につながっていくものと考え、継続して「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組んでいます。
全世界で事業を展開し、海外売上比率が約9割、海外で働く社員が約7割を占める当社グループにとって、グローバルリーダーの育成が成長の大きな鍵を握ります。海外現地法人では、ナショナル社員(現地社員)がトップマネジメントとして経営を担うケースが多数を占めるだけでなく、主要な海外現地法人のトップについてはその地域のみならず連結経営の一端を担う「グローバルオフィサー」に任命しています。更に、グローバルオフィサーの中でも経営の中核を担う人材を当社の執行役員に任命しています。
また、ジェンダー・ダイバーシティ推進にも積極的に取り組んでおり、女性比率の向上に関するKPIを掲げ、採用、育成、キャリア継続のための環境整備などの諸施策を進めるとともに、中核人材としての活躍も推進しています。
(ii) 多様な能力開発機会の提供とエンゲージメントの向上
当社では、各分野でのプロフェッショナルになるための教育の充実、各階層に求められる知識やスキル習得の支援など、多様な能力開発機会の提供に取り組んでいます。次世代リーダー層の育成においては、国内・海外の主要ポジションを「グローバルキーポジション」として位置づけてサクセッションプランを策定し、グローバルでの計画的な育成プログラムを展開しています。更に、社員の主体的なチャレンジ・自律的なキャリア形成を支援するため、「CDP(Career Development Program)」を2023年度から展開し、各種人事施策と社員のキャリア形成支援の連携・連動を高めていきます。
また、社員エンゲージメントの向上は、会社の持続的な成長に欠かせないものと考え、全世界の当社グループ社員を対象にグローバルエンゲージメントサーベイを実施し、地域・組織ごとの強み・課題を反映した人事諸施策の整備に取り組んでいます。今後も継続的に社員エンゲージメントを把握・分析することで、刻々と変化する課題に対応しながら、社員一人ひとりが、よりいきいきと活躍できる環境の実現を目指していきます。

(iii) デジタル人材/オープンイノベーション推進人材の育成
デジタル人材の育成については、教育を通じて目指す人材像を定めた上で、当社の全社員を対象としたベーシックな教育から選抜型の実践的なプログラムにいたるまで、一気通貫の教育体系に整理しました。具体的には、業務改革リーダーを育成する研修や、デジタル技術を用いた課題解決スキルを学ぶ研修、各受講者が自身に必要なスキルを自律的に学ぶ研修等を実施しています。また、DXの推進や生成AIの活用による業務効率化を目的としたプロジェクトチームの活動の一環として、当社グループ全社員のDXリテラシー向上を目指すe-Learningを作成しました。本教材では、DX推進に不可欠な組織風土の理解を深めるとともに、生成AIの基本を学び、業務活用へつなげることを目的としており、当社グループ全体へ展開しています。更に、オープンイノベーションを推進する人材の育成について、産官学連携をより加速させるため、社内・社外のプログラムの実施・活用などを進めています。
※上記の戦略に関する詳細は、統合報告書「コマツレポート2024」P.46~P.50を参照ください。
https://www.komatsu.jp/ja/ir/library/-/media/HOME/ir/library/annual/ja/2024/kmt_kr24j.pdf#page=47