有価証券報告書-第125期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 13:01
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の概況
①当連結会計年度の概況
当期における当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国内においては、緊急事態宣言の発出やその後の経済活動の停滞が見られ、海外においては、パンデミックによるロックダウンやそれに伴う経済状況の低落が見られるなど、機械需要は全世界的に下降局面を迎えることになりました。また、これに加え、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び原油価格の変動と低迷など、不透明感も増すことになりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、従業員の安全確保や社会的要請への最大限の協力など新型コロナウイルス感染に対する対処を進め、罹患者発生時における生産維持などの短期的なBCP(事業継続計画)の実現や受注減少局面での事業維持、工場操業の確保などに取り組んでまいりました。
この結果、当社グループの受注高は8,139億円、売上高は8,491億円となりました。
損益面につきましては、営業利益は513億円、経常利益は495億円となり、特別損失として船舶部門等で58億円の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は268億円となりました。
また、税引後のROICは6.1%となりました。
②部門別の状況
各部門の経営成績は次のとおりであります。
(a) 機械コンポーネント部門
全世界的に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は1,241億円(前期比2%減)、売上高は1,222億円(前期比6%減)、営業利益は22億円(前期比60%減)となりました。
(b) 精密機械部門
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要の回復や欧米での需要の増加により受注は増加しましたが、受注から売上までリードタイムがあることから売上は減少しました。一方、機種構成等が変化したことから営業利益は増加しました。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が調整局面で受注は減少したものの、受注残があったことから売上は前年並みとなり営業利益は増加しました。この結果、受注高は1,623億円(前期比15%減)、売上高は1,769億円(前期比4%減)、営業利益は171億円(前期比15%増)となりました。
(c) 建設機械部門
油圧ショベル事業は、国内市場が堅調であったことや北米地区の需要が回復してきたことから受注は増加しましたが、受注から売上までリードタイムがあることから売上は減少し、売上の減少に加え品質コストの負担もあり営業利益も減少しました。建設用クレーン事業は、北米地区の需要が回復してきたものの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は2,537億円(前期比2%減)、売上高は2,487億円(前期比9%減)、営業利益は61億円(前期比64%減)となりました。
(d) 産業機械部門
運搬機械事業は、電力・港湾向けの需要や物流システムが堅調であったことから受注は増加し、受注残があったことから売上、営業利益も増加しました。その他産業機械事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は863億円(前期比2%減)、売上高は932億円(前期比7%増)、営業利益は85億円(前期比20%増)となりました。
(e) 船舶部門
船舶事業は引き続き低迷しておりますが、当期は前期と同じ3隻の新造船を受注しました。引渡しは前期と同じ4隻で、売上は増加しましたが、前年に引き続き営業損失となりました。この結果、受注高は293億円(前期比3%減)、売上高は340億円(前期比3%増)、営業損失は27億円となりました。
(f) 環境・プラント部門
エネルギープラント事業は、国内や欧州でバイオマス発電設備の大型案件を受注したことなどから受注は増加し、主に国内で受注残があったことから売上、営業利益ともに増加しました。水処理プラント事業は、排水処理装置の案件が前期に比べ減少したことなどから受注は減少しましたが、受注残があったことから売上、営業利益は増加しました。この結果、受注高は1,524億円(前期比22%増)、売上高は1,680億円(前期比13%増)、営業利益は181億円(前期比52%増)となりました。
(g) その他部門
受注高は59億円(前期比18%減)、売上高は60億円(前期比17%減)、営業利益は21億円(前期比13%減)となりました。
(2)財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末と比べて、現金及び預金が125億円、受取手形及び売掛金が115億円、有形固定資産が77億円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて346億円増の1兆307億円となりました。
負債合計は、油圧ショベル事業において品質コストが発生し、保証工事引当金が45億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて73億円増の5,258億円となりました。
純資産は、利益剰余金が231億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて273億円増の5,049億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比1.0ポイント増加し、47.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ126億円増加し、962億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、641億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ279億円の増加となりました。これは、たな卸資産の増加幅の縮小や仕入債務が増加したことなどにより運転資本が好転したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、437億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ140億円支出が減少しました。これは、前連結会計年度と比較して実施したM&Aが小規模であったことから、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出が減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、80億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ439億円支出が増加しました。これは、前連結会計年度には設備投資とM&Aの実施や現預金の積み増しに伴う借入等により有利子負債が大きく増加した一方、当連結会計年度は有利子負債がわずかに減少に転じたことなどによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社は事業活動に必要な手元流動性について、現金及び現金同等物及びコミットメント・ラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は962億円となりました。当社は複数の金融機関との契約によるコミットメント・ラインも保持しており、当連結会計年度末の未使用のコミットメント・ラインの総額は700億円です。当社の手元流動性は十分に確保されていると考えております。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料及び部品の購入などの運転資金需要です。
資金の調達については、調達コストの低減と資金の安定調達の観点から、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接金融と銀行借入等の間接金融の比率や、調達期間の分散を図っており、当連結会計年度も複数の調達手段を組み合わせた資金調達を行いました。その結果、有利子負債残高は前連結会計年度末より2億円減少し1,244億円となりました。
(4)経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
当社グループは、2021年度を初年度とする3か年の中期経営計画「中期経営計画2023」に基づき、あらゆるステークホルダーの期待に応え、企業価値を持続的に高めるため、ROIC経営を継続してまいります。
「中期経営計画2023」の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題」を参照ください。財務目標は以下のとおりです。
「中期経営計画2023」2020年度実績2023年度目標
売上高8,491億円9,700億円
営業利益率6.0%
(513億円)
7.2%
(700億円)
ROIC6.1%7.5%

(5)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
機械コンポーネント121,939△5.8
精密機械181,421△1.7
建設機械246,440△14.1
産業機械87,330△3.7
船舶34,3746.8
環境・プラント168,55313.9
その他6,245△5.7
合計846,301△3.7

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
機械コンポーネント124,063△1.935,0815.7
精密機械162,281△14.573,048△16.7
建設機械253,747△2.263,3258.7
産業機械86,253△2.490,171△7.2
船舶29,289△2.832,255△12.9
環境・プラント152,36422.1233,897△6.3
その他5,867△17.61,120△13.6
合計813,863△1.5528,898△6.2

(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
機械コンポーネント122,156△6.4
精密機械176,902△4.4
建設機械248,701△8.8
産業機械93,2387.2
船舶34,0453.3
環境・プラント167,98012.7
その他6,043△16.5
合計849,065△1.8

(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(重要な会計方針)」に記載しております。
また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、特に当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は以下のとおりです。
①工事進行基準
当社グループは、当連結会計年度までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては、工事進行基準(工事の進捗率の見積もりはプロジェクトの工事種別ごとの見積総工数及び見積工事期間に占める発生工数等を複合的に合算して算出した進捗率を用いた原価比例法又は出来高基準)を、その他の工事につきましては工事完成基準を適用しております。当初想定できなかった経済情勢の変動やプロジェクトごとの進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を与える可能性があります。
②受注工事損失引当金
当社グループは、未引渡工事のうち、期末時点で大幅な損失の発生する可能性が高いと見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌期以降の損失見積額を受注工事損失引当として計上しております。受注工事損失引当金の見積りを行っていますが、当初想定できなかった経済情勢の変動やプロジェクトごとの進捗状況等により、受注工事損失引当金の金額に影響を与える可能性があります。
③有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として、有形固定資産、のれん及びその他無形固定資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力やタックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の発生状況等に基づき判断しております。当該見積り及び当該仮定において、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に影響を与える可能性があります。
⑤貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。また、貸倒懸念債権及び破産更生債権につきましては、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、貸倒引当金又は貸倒損失の金額に影響を与える可能性があります。

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