有価証券報告書-第124期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績の概況
①当連結会計年度の概況
当期における当社グループを取り巻く経営環境は、国内においては、企業業績は全体として底堅く推移しましたが、製造業で機械投資に弱い動きが見られ、海外においては、米国は景気回復が継続したものの製造業で通商問題の影響などがあり、中国では景気に緩やかな減速傾向が現れるなど、全世界的に機械需要が調整局面を迎えることとなりました。また、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び為替相場の変動に加え、新型コロナウイルスの感染拡大など、不透明感が増すことにもなりました。
このような経営環境のもと、当社グループは「中期経営計画2019」を推進し、設備や研究開発などの成長投資の実施及びCSRの積極推進などの重点施策を推進してまいりました。
この結果、当社グループの受注高は8,262億円、売上高は8,645億円となりました。
損益面につきましては、営業利益は568億円、経常利益は527億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は328億円となりました。また、税引後のROIC*は7.3%となりました。
*ROICとは、投下資本税引後利益率であり、投下資本(株主資本と有利子負債の合計金額)に対してどれだけ利益を出しているか、資本のコストに見合う収益性があるかを示す指標です。
②部門別の状況
各部門の経営成績は次のとおりであります。
(a) 機械コンポーネント部門
中小型の減・変速機やロボット用精密減速機の需要減少により、受注、売上ともに減少しました。また、売上の減少に加え、費用の増加及び機種構成の変化により、営業利益も減少しました。この結果、受注高は1,265億円(前期比6%減)、売上高は1,305億円(前期比2%減)、営業利益は55億円(前期比50%減)となりました。
(b) 精密機械部門
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要低迷や、国内及び欧州の需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が堅調に推移したことから、受注、売上、営業利益ともに増加しました。この結果、受注高は1,898億円(前期比1%減)、売上高は前期並みの1,850億円、営業利益は149億円(前期比16%減)となりました。
(c) 建設機械部門
油圧ショベル事業は、アセアン地域の需要減少や中国市場での伸び悩み、台風被害の影響で部品の調達問題が発生したことなどから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。建設用クレーン事業は、国内や北米地区の需要が減少したことなどから受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は2,595億円(前期比15%減)、売上高は2,728億円(前期比6%減)、営業利益は171億円(前期比22%減)となりました。
(d) 産業機械部門
運搬機械事業は、電力、港湾向けの需要が引き続き堅調であったことなどから受注は前期並みでしたが、受注残の納期が翌期以降であるものが多かったことから売上は減少しました。また、売上の減少や機種構成の変化により、営業利益も減少しました。その他産業機械事業は、一部の産業用機器が前期に比べ減少したことから受注は減少し、前期末の受注残が少なかったことから売上、営業利益も減少しました。この結果、受注高は884億円(前期比3%減)、売上高は870億円(前期比7%減)、営業利益は71億円(前期比21%減)となりました。
(e) 船舶部門
船舶市況は引き続き低迷しておりますが、当期は前期と同じ3隻の新造船を受注しました。売上は前期と同じ4隻の引渡しでしたが、船舶修理案件の減少もあり減少しました。また、売上の減少に加え台風被害の影響もあり、営業損失となりました。この結果、受注高は301億円(前期比6%減)、売上高は329億円(前期比21%減)、営業損失は21億円となりました。
(f) 環境・プラント部門
エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電設備の大型案件が前期に比べ減少したことから受注は減少したものの、受注残があったことから売上、営業利益は前期並みでした。水処理プラント事業は、排水処理装置の案件が前期に比べ減少したことなどから受注は減少しましたが、受注残があったことから売上、営業利益は前期並みでした。この結果、受注高は1,247億円(前期比35%減)、売上高は1,490億円(前期比1%減)、営業利益は119億円(前期比6%減)となりました。
(g) その他部門
受注高は71億円(前期比2%減)、売上高は72億円(前期比1%減)、営業利益は24億円(前期比9%増)となりました。
(2)財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末と比べて、有形固定資産が198億円、現金及び預金が135億円、たな卸資産が119億円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて411億円増の9,952億円となりました。
負債合計は、設備投資とM&Aの実施による固定資産増加と現預金の積み増しにより、有利子負債が514億円増加(対総資産比率は12.5%と4.8ポイント増加)したことなどにより、前連結会計年度末に比べて285億円増の5,175億円となりました。
純資産は、利益剰余金が184億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて126億円増の4,776億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比0.9ポイント減少し、46.7%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億円増加し、836億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、363億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ189億円の減少となりました。これは、税引前利益の減少及び、法人税等の支払額が増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、578億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ28億円支出が増加しました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出が減少したものの、投資増加に伴い有形固定資産及び無形資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、360億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ493億円収入が増加しました。これは、有利子負債が増加したことなどによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社は事業活動に必要な手元流動性について、現金及び現金同等物及びコミットメント・ラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。2019年度末の現金及び現金同等物の残高は836億円となりました。当社は複数の金融機関との契約によるコミットメント・ラインも保持しており2019年度末の未使用のコミットメント・ラインの総額は450億円です。当社の手元流動性は、現在の資金調達環境においても、十分に確保されていると考えております。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料および部品の購入などの運転資金需要です。
資金の調達については、調達コストの低減と資金の安定調達の観点から、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接金融と銀行借入等の間接金融の比率や、調達期間の分散を図っており、2019年度も複数の調達手段を組み合わせた資金調達を行いました。その結果、有利子負債残高は前連結会計年度末より514億円増加し1,247億円となりました。
(4)経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
当社グループは、2017年度を初年度とする3か年の中期経営計画「中期経営計画2019」に基づき、設備や研究開発などの成長投資の実施及びCSRの積極推進などの重点施策を推進してまいりました。この結果、「中期経営計画2019」の目標に対する実績は以下のとおりとなりました。「中期経営計画2019」についての分析・検討については、「1 経営方針、経営環境及び対象すべき課題等」の「(2)中期的な経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題」に記載のとおりです。
なお、セグメントごとの経営成績の状況は(1)経営成績の概況②部門別の状況に記載のとおりです。
(5)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。
また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、特に当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は以下のとおりです。
①工事進行基準
当社グループは、当連結会計年度までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては、工事進行基準(工事の進捗率の見積もりはプロジェクトの工事種別ごとの見積総工数及び見積工事期間に占める発生工事等を複合的に合算して算出した進捗率を用いた出来高基準又は原価比例法)を、その他の工事につきましては工事完成基準を適用しております。将来の不確実な経済条件の変動やプロジェクトごとの進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を与える可能性があります。
②受注工事損失引当金
当社グループは、未引渡工事のうち、期末時点で大幅な損失の発生する可能性が高いと見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌期以降の損失見積額を受注工事損失引当として計上しております。受注工事損失引当金の見積りを行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動やプロジェクトごとの進捗状況等により、受注工事損失引当金の金額に影響を与える可能性があります。
③固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力やタックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の発生状況等に基づき判断しております。当該見積り及び当該仮定において、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に影響を与える可能性があります。
⑤貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。また、貸倒懸念債権及び破産更生債権につきましては、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、貸倒引当金又は貸倒損失の金額に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、特に受注後リードタイムが短い機械コンポーネント、精密機械及び建設機械部門では今後売上が大きく減少することを想定しておりますが、同感染症の影響は下期から緩やかに回復すると仮定して会計上の見積りを行っております。
同感染症による影響の長期化やロックダウンの実施などにより見積の前提に大きな変化が生じた場合、大物受注品の多い産業機械、船舶及び環境プラント部門においては、工事進行基準、受注工事損失引当金に影響を与える可能性があります。また、当社グループ事業全般において、固定資産の減損、繰延税金資産及び貸倒引当金に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績の概況
①当連結会計年度の概況
当期における当社グループを取り巻く経営環境は、国内においては、企業業績は全体として底堅く推移しましたが、製造業で機械投資に弱い動きが見られ、海外においては、米国は景気回復が継続したものの製造業で通商問題の影響などがあり、中国では景気に緩やかな減速傾向が現れるなど、全世界的に機械需要が調整局面を迎えることとなりました。また、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び為替相場の変動に加え、新型コロナウイルスの感染拡大など、不透明感が増すことにもなりました。
このような経営環境のもと、当社グループは「中期経営計画2019」を推進し、設備や研究開発などの成長投資の実施及びCSRの積極推進などの重点施策を推進してまいりました。
この結果、当社グループの受注高は8,262億円、売上高は8,645億円となりました。
損益面につきましては、営業利益は568億円、経常利益は527億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は328億円となりました。また、税引後のROIC*は7.3%となりました。
*ROICとは、投下資本税引後利益率であり、投下資本(株主資本と有利子負債の合計金額)に対してどれだけ利益を出しているか、資本のコストに見合う収益性があるかを示す指標です。
②部門別の状況
各部門の経営成績は次のとおりであります。
(a) 機械コンポーネント部門
中小型の減・変速機やロボット用精密減速機の需要減少により、受注、売上ともに減少しました。また、売上の減少に加え、費用の増加及び機種構成の変化により、営業利益も減少しました。この結果、受注高は1,265億円(前期比6%減)、売上高は1,305億円(前期比2%減)、営業利益は55億円(前期比50%減)となりました。
(b) 精密機械部門
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要低迷や、国内及び欧州の需要が減少したことから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。その他精密機械事業は、半導体関連の需要が堅調に推移したことから、受注、売上、営業利益ともに増加しました。この結果、受注高は1,898億円(前期比1%減)、売上高は前期並みの1,850億円、営業利益は149億円(前期比16%減)となりました。
(c) 建設機械部門
油圧ショベル事業は、アセアン地域の需要減少や中国市場での伸び悩み、台風被害の影響で部品の調達問題が発生したことなどから、受注、売上、営業利益ともに減少しました。建設用クレーン事業は、国内や北米地区の需要が減少したことなどから受注、売上、営業利益ともに減少しました。この結果、受注高は2,595億円(前期比15%減)、売上高は2,728億円(前期比6%減)、営業利益は171億円(前期比22%減)となりました。
(d) 産業機械部門
運搬機械事業は、電力、港湾向けの需要が引き続き堅調であったことなどから受注は前期並みでしたが、受注残の納期が翌期以降であるものが多かったことから売上は減少しました。また、売上の減少や機種構成の変化により、営業利益も減少しました。その他産業機械事業は、一部の産業用機器が前期に比べ減少したことから受注は減少し、前期末の受注残が少なかったことから売上、営業利益も減少しました。この結果、受注高は884億円(前期比3%減)、売上高は870億円(前期比7%減)、営業利益は71億円(前期比21%減)となりました。
(e) 船舶部門
船舶市況は引き続き低迷しておりますが、当期は前期と同じ3隻の新造船を受注しました。売上は前期と同じ4隻の引渡しでしたが、船舶修理案件の減少もあり減少しました。また、売上の減少に加え台風被害の影響もあり、営業損失となりました。この結果、受注高は301億円(前期比6%減)、売上高は329億円(前期比21%減)、営業損失は21億円となりました。
(f) 環境・プラント部門
エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電設備の大型案件が前期に比べ減少したことから受注は減少したものの、受注残があったことから売上、営業利益は前期並みでした。水処理プラント事業は、排水処理装置の案件が前期に比べ減少したことなどから受注は減少しましたが、受注残があったことから売上、営業利益は前期並みでした。この結果、受注高は1,247億円(前期比35%減)、売上高は1,490億円(前期比1%減)、営業利益は119億円(前期比6%減)となりました。
(g) その他部門
受注高は71億円(前期比2%減)、売上高は72億円(前期比1%減)、営業利益は24億円(前期比9%増)となりました。
(2)財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末と比べて、有形固定資産が198億円、現金及び預金が135億円、たな卸資産が119億円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて411億円増の9,952億円となりました。
負債合計は、設備投資とM&Aの実施による固定資産増加と現預金の積み増しにより、有利子負債が514億円増加(対総資産比率は12.5%と4.8ポイント増加)したことなどにより、前連結会計年度末に比べて285億円増の5,175億円となりました。
純資産は、利益剰余金が184億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて126億円増の4,776億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比0.9ポイント減少し、46.7%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億円増加し、836億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、363億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ189億円の減少となりました。これは、税引前利益の減少及び、法人税等の支払額が増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、578億円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ28億円支出が増加しました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出が減少したものの、投資増加に伴い有形固定資産及び無形資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、360億円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ493億円収入が増加しました。これは、有利子負債が増加したことなどによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性
当社は事業活動に必要な手元流動性について、現金及び現金同等物及びコミットメント・ラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。2019年度末の現金及び現金同等物の残高は836億円となりました。当社は複数の金融機関との契約によるコミットメント・ラインも保持しており2019年度末の未使用のコミットメント・ラインの総額は450億円です。当社の手元流動性は、現在の資金調達環境においても、十分に確保されていると考えております。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料および部品の購入などの運転資金需要です。
資金の調達については、調達コストの低減と資金の安定調達の観点から、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接金融と銀行借入等の間接金融の比率や、調達期間の分散を図っており、2019年度も複数の調達手段を組み合わせた資金調達を行いました。その結果、有利子負債残高は前連結会計年度末より514億円増加し1,247億円となりました。
(4)経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
当社グループは、2017年度を初年度とする3か年の中期経営計画「中期経営計画2019」に基づき、設備や研究開発などの成長投資の実施及びCSRの積極推進などの重点施策を推進してまいりました。この結果、「中期経営計画2019」の目標に対する実績は以下のとおりとなりました。「中期経営計画2019」についての分析・検討については、「1 経営方針、経営環境及び対象すべき課題等」の「(2)中期的な経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題」に記載のとおりです。
| 「中期経営計画2019」目標 | 2017年度実績 | 2018年度実績 | 2019年度実績 |
| 売上高:8,000億円(2019年度) | 7,910億円 | 9,031億円 | 8,645億円 |
| 営業利益率:7.5%(2019年度) | 8.8% (699億円) | 8.3% (752億円) | 6.6% (568億円) |
| ROIC:7.5%以上(2019年度) | 10.3% | 10.5% | 7.3% |
なお、セグメントごとの経営成績の状況は(1)経営成績の概況②部門別の状況に記載のとおりです。
(5)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 機械コンポーネント | 129,479 | △5.0 |
| 精密機械 | 184,649 | △6.3 |
| 建設機械 | 286,817 | △4.7 |
| 産業機械 | 90,727 | △3.1 |
| 船舶 | 32,197 | △20.5 |
| 環境・プラント | 147,967 | △1.9 |
| その他 | 6,623 | △8.7 |
| 合計 | 878,459 | △5.2 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 機械コンポーネント | 126,458 | △5.6 | 33,967 | △10.6 |
| 精密機械 | 189,815 | △0.9 | 87,388 | 5.8 |
| 建設機械 | 259,542 | △15.0 | 59,206 | △18.3 |
| 産業機械 | 88,409 | △2.6 | 97,193 | 1.5 |
| 船舶 | 30,146 | △5.7 | 37,190 | △7.0 |
| 環境・プラント | 124,742 | △34.8 | 246,500 | △9.0 |
| その他 | 7,116 | △2.1 | 1,296 | △8.6 |
| 合計 | 826,228 | △13.2 | 562,740 | △6.4 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 機械コンポーネント | 130,501 | △2.2 |
| 精密機械 | 185,010 | △0.4 |
| 建設機械 | 272,805 | △6.1 |
| 産業機械 | 86,981 | △7.2 |
| 船舶 | 32,946 | △20.5 |
| 環境・プラント | 149,009 | △1.3 |
| その他 | 7,238 | △1.3 |
| 合計 | 864,490 | △4.3 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。
また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、特に当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は以下のとおりです。
①工事進行基準
当社グループは、当連結会計年度までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては、工事進行基準(工事の進捗率の見積もりはプロジェクトの工事種別ごとの見積総工数及び見積工事期間に占める発生工事等を複合的に合算して算出した進捗率を用いた出来高基準又は原価比例法)を、その他の工事につきましては工事完成基準を適用しております。将来の不確実な経済条件の変動やプロジェクトごとの進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を与える可能性があります。
②受注工事損失引当金
当社グループは、未引渡工事のうち、期末時点で大幅な損失の発生する可能性が高いと見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌期以降の損失見積額を受注工事損失引当として計上しております。受注工事損失引当金の見積りを行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動やプロジェクトごとの進捗状況等により、受注工事損失引当金の金額に影響を与える可能性があります。
③固定資産の減損
当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産の回収可能性は、将来の収益力やタックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の発生状況等に基づき判断しております。当該見積り及び当該仮定において、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に影響を与える可能性があります。
⑤貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権につきましては、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。また、貸倒懸念債権及び破産更生債権につきましては、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財政状況の悪化等の事情によってその支払能力が低下した場合には、貸倒引当金又は貸倒損失の金額に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、特に受注後リードタイムが短い機械コンポーネント、精密機械及び建設機械部門では今後売上が大きく減少することを想定しておりますが、同感染症の影響は下期から緩やかに回復すると仮定して会計上の見積りを行っております。
同感染症による影響の長期化やロックダウンの実施などにより見積の前提に大きな変化が生じた場合、大物受注品の多い産業機械、船舶及び環境プラント部門においては、工事進行基準、受注工事損失引当金に影響を与える可能性があります。また、当社グループ事業全般において、固定資産の減損、繰延税金資産及び貸倒引当金に影響を与える可能性があります。