有価証券報告書-第121期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
事業を取り巻く経済環境は、国内においては、官公需による下支えや輸出の持ち直しの効果により緩やかな回復が継続しております。個人消費は雇用環境が堅調な一方、賃金の伸び悩みから足踏みしておりますが、企業部門では生産、出荷は持ち直しの傾向が出ております。海外においては、欧州経済の緩やかな回復や米国経済の好調さがみられ、中国をはじめとする新興国経済も回復の傾向にあります。しかしながら、中国経済失速のリスクや中東及び東アジアでの地政学上のリスクなど不透明な状況が続いております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループが経営の基本とするのは住友の事業精神であります。住友の事業精神に掲げられている「信用を重んじ確実を旨とする」「浮利に趨り軽進すべからず」の二点は、時代・景況の如何を問わず、いかなる環境においても事業のあるべき姿を示しております。当社グループは、この精神に則り、着実に事業構造の改革を進め、強固な企業体質を築いてまいります。
当社グループは「顧客価値創造」に徹してお客様の長期的信頼を得ることが、当社グループの持続的な発展と企業価値向上につながり、株主の皆様及び従業員・地域社会の期待に応えることになると考えております。
世界を舞台としてレベルの高い安定的な成長を確実なものとするため、一流商品を継続的にお客様に提供する「組織的知識創造型企業」をめざします。マーケティング、開発、生産効率を強化して、究極の「ものづくり」に取り組んでまいります。
(2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題
① 「中期経営計画2016」総括
平成26年度からスタートした「中期経営計画2016」は、精密機械セグメントをはじめとする商品力強化、三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社の搬送システム事業の統合効果のほか、異次元金融緩和による円安、国内景気の下支えがあったことから、当初の2年度は財務目標を達成いたしましたが、中国をはじめとする新興国経済の低迷などにより、最終年度の財務目標を達成することはできませんでした。しかしながら、基本コンセプトである「グローバル化」、「イノベーション」及び「グループ内の連携シナジー」の下で、グローバルサプライチェーンの再構築やグループ内連携の強化による競争力の強化のほか、新製品を市場投入するなど、持続的成長のための施策を着実に実行してまいりました。また、各事業の成長のために機会を捉えて、日立住友重機械建機クレーン株式会社の連結子会社化や真空ロボットを製造販売するPersimmon Technologies Corporationの株式取得による子会社化など、積極的に事業再編、M&Aを行ってまいりました。
これらの施策を成果として結実させるべく、当社グループは「中期経営計画2019」を策定いたしました。
② 「中期経営計画2019」
「中期経営計画2019」では、平成31年度に売上高8,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標としております。なお、ROICを引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACCの達成を継続するとともに、ROIC7.5%以上の確保をめざします。
上記の目標達成のため、①「着実な成長」の実現、②「高収益企業体」への転換、③「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出、④積極的な「M&A及び事業提携」等の実施、⑤「CSRの積極推進」を計画の基本方針に掲げ、一流の商品とサービスをグローバルに提供し、ステークホルダーの評価、信頼を通じて社会に貢献してまいります。
注力する分野としては、当社グループの広範囲な事業領域の中でも、エネルギー環境分野及び搬送システム分野を注力領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。
計画遂行においては、引き続き財務規律を維持するとともに、強化された財務体質を活かして成長に向けた投資を積極的に行ってまいります。具体的には「中期経営計画2016」における投資計画を370億円上回る、1,320億円の設備投資、開発投資を3年間で実施する計画であります。
なお、中期経営計画期間3か年における配当性向は30%を目標に設定しております。
③ 平成29年度の重点課題
「中期経営計画2019」のスタートとなる平成29年度は、計画達成に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(a) 「着実な成長」の実現
事業拡大に向けた施策として、それぞれの事業の役割に応じて投資を重点的かつタイムリーに実施し、グループ全体として着実な成長を図ってまいります。
また、機種ごとに培った固有技術に加え、材料、制御などの共通技術のブラッシュアップによる商品力強化を進めてまいります。さらに、平成29年4月に技術本部に設置した生産技術センターにおいて、グループの生産技術を戦略的に統括し、ものづくり力強化を進めてまいります。
(b) 「高収益企業体への転換」
ポートフォリオ・マネジメントを継続し、グループ内での役割のもと、各事業の成長段階や外部環境を踏まえて目標利益と重点課題を明確にし、経営資源の再配分と事業構造改革を推進してまいります。機械コンポーネント事業や精密機械事業などの当社グループをリードする事業群においては、高い目標を設定して高成長高収益を牽引するとともに、全ての事業部門、機種、地域において達成すべき目標を設定し、その達成を通じて高収益体質への変革、事業の骨太化を図ります。
(c) 「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出
(ア) 製品品質の向上
本社と事業部門が協業し、総力を挙げて製品品質の向上に取り組むなど、引き続き品質第一の経営を実践してまいります。また事業部門間連携の施策として、アフターマーケット事業の強化をグループ共通課題と位置づけ、顧客ニーズをグループ内で共有し積極的に活用するための営業プロセス変革を推進してまいります。さらに技術開発部門、情報システム部門を中心に、ICT、IoTプロジェクトを進め、必要なインフラ整備にも取り組んでまいります。
(イ) コンプライアンスの徹底
当社グループは、コンプライアンスの徹底を引き続き最重要課題の一つとして捉え、当社及びグループ各社の役員及び社員に対してコンプライアンス教育を継続して行い、グループ全体にコンプライアンス意識の一層の周知徹底を図ってまいります。また、内部通報制度の整備と活用がコンプライアンス経営の推進に寄与するものと考え、従来当社グループ各社が個別に運用していた内部通報制度を、外部業者の通報窓口を利用した当社グループ共通の仕組みに統一してまいります。
(ウ) 安全への取組み
当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成29年度から平成31年度まで第三次実行計画として安全衛生諸活動に取り組みます。計画の目標達成に向けて、安全衛生管理力の強化、労働災害撲滅、健康管理の推進に取り組んでまいります。
(d) 積極的な「M&A及び事業提携」等の実施
グループ内での事業間シナジ-の効果を実現すべく、必要に応じて組織統合や組織間連携を図る一方で、各事業の成長のために積極的に機会を捉えて、M&A及び他社との事業提携、協業も実施してまいります。
(e) 「CSRの積極推進」
当社グループでは、中期経営計画と連動する形でCSR中期計画を策定しました。平成29年度から本格的に活動を推進するに当たり、「商品・サービス」、「環境」、「社会」、「人材」の4つを重点取組分野に定めました。
「商品・サービス」では、経済的、技術的発展に寄与する商品とサービスの提供を通じて社会課題の解決と企業価値の向上に努め、持続可能な社会の実現をめざします。事業を通じた全員参加の活動により、当社グループならではの価値を創造してまいります。
「環境」では、地球温暖化問題の最重要課題である温室効果ガス削減やグループの第五次環境中期計画の基本方針を踏まえ、商品ライフサイクル全体での環境負荷軽減に取り組みます。
「社会」では、社会から信頼を獲得できるよう、グループ取引先に調達ガイドラインや各種法令及び社会規範等の浸透を図り、持続可能な関係を構築してまいります。また地域支援、貢献へ主体的に携わることで、当社グループと地域のつながりをより強いものにしてまいります。
「人材」では、心身ともに健康な職場作りをめざし、新たに「健康経営」に取り組んでまいります。また、多様な人材が組織の中で活躍できる基盤を整備して社員、組織を活性化し、事業の持続的成長に結び付けるため、ダイバーシティ推進、中でも女性の活躍推進とワークライフバランスの促進に取り組みます。
これらの取組みを統合的に社内外へ発信し、当社CSR活動の浸透に努めてまいります。
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
1 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方については、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様のご意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案(以下「大規模買付行為」といいます)の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
2 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指すとともに、誠実を旨とし、あらゆるステークホルダーから高い評価と信頼を得て、社会に貢献するという企業使命のもと、上記基本方針を実現するため、中期経営計画の策定及びその実践に加えて、以下のとおりコーポレートガバナンスの充実に取り組んでおります。
当社は、当社グループの企業価値の増大を図り、あらゆるステークホルダーからの評価と信頼をより高めていくため、効率的で透明性の高い経営体制を確立することを目的として、「住友重機械コーポレートガバナンス基本方針」を制定しております。また、平成11年の執行役員制の導入、平成14年以降の社外取締役の選任、平成19年の取締役任期の2年から1年への短縮、さらに平成27年からは社外取締役を複数名選任するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。
具体的には、社外取締役は、経営陣から独立した立場で経営を監督し、ステークホルダーの視点を適切に反映させる役割を担っております。また、執行役員制度の導入により、迅速・果断な業務執行を可能とする環境を整備する一方で、重要な経営課題及びリスクの高い経営課題については、取締役会において経営陣から適宜報告を行うものとすることにより、取締役会は、経営陣及び取締役に対する実効性の高い監督を行っております。さらに、取締役会は、会社法その他の関係法令に基づき、内部統制システム及びリスク管理体制を適切に整備するとともに、その年度計画及び運用状況について内部統制部門からの報告を受け、必要な指示を行うことにより、その運用を適切に監督しております。
社外監査役は、各分野における高い専門知識や豊富な経験を、常勤監査役は、当社の経営に関する専門知識や豊富な経験をそれぞれ活かし、実効性の高い監査を行うとともに、取締役会及び執行責任者会議等において経営陣に対して積極的に意見を述べております。また、監査役をサポートする部門として監査役室を設置し、専任の使用人を配置することにより、監査役業務の支援及び監査役に対する円滑な情報提供を行っております。さらに、当社及び関係会社の監査役による関係会社監査役会議を定期的に開催し、監査に関する情報交換、グループとしての監査機能の充実を図っております。また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。
さらに、当社は任意の委員会として、指名委員会、報酬委員会及び倫理委員会を設置しております。指名委員会は、取締役・監査役候補の指名、取締役・監査役の解任、役付取締役・代表取締役の選定・解職等について取締役会の諮問を受けて審査・答申するとともに、最高経営責任者等の後継者計画について毎年確認し、その進捗を取締役会に報告しております。報酬委員会は、取締役及び執行役員の報酬制度、報酬水準等について、取締役会の諮問を受けて審議・答申を行っております。また、倫理委員会は、グループ経営を倫理的観点から監視、指導し、取締役会の企業倫理に関する監督機能の強化・補完の役割を果たしております。
3 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を頂き、その後、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行ったうえで、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することにつき、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認を頂きました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。
しかしながら、当社は、平成29年6月29日開催の第121期定時株主総会の終結の時をもって有効期間満了を迎える本プランの取扱いについて検討した結果、現在の経営環境下においては、中期経営計画に掲げる目標の達成に向けた施策を着実に実行することにより、持続的な成長を確保し、株主の皆様をはじめ、広く社会、市場、ステークホルダーの皆様からの社会的信頼に応えていくこと、及びコーポレートガバナンスの更なる整備・強化に取り組むことこそが、株主共同の利益の確保、向上につながるものであって、本プランを継続することが必要不可欠なものではないと判断し、平成29年5月26日開催の取締役会において、かかる有効期間満了をもって本プランを継続しないことを決議しました。
もっとも、当社は、本プランの有効期間満了後も引き続き、当社株式に対して大規模買付行為を行おうとする者に対しては、当社の企業価値、株主共同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の開示を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、適切な措置を講じてまいります。
4 基本方針の実現に資する取組みについての取締役会の判断
当社は、上記基本方針を実現するための取組みとして上記2及び3の取組みを進めることにより、当社の企業価値、株主共同の利益の確保、向上につなげられると考えていると同時に、当社の企業価値、株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行うことは困難になるものと考えています。また、大規模買付行為を行う者が現れた場合も、その是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報及び時間の確保に努めるなど、適切な措置を講じてまいります。したがって、上記2及び3の取組みは上記基本方針に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループが経営の基本とするのは住友の事業精神であります。住友の事業精神に掲げられている「信用を重んじ確実を旨とする」「浮利に趨り軽進すべからず」の二点は、時代・景況の如何を問わず、いかなる環境においても事業のあるべき姿を示しております。当社グループは、この精神に則り、着実に事業構造の改革を進め、強固な企業体質を築いてまいります。
当社グループは「顧客価値創造」に徹してお客様の長期的信頼を得ることが、当社グループの持続的な発展と企業価値向上につながり、株主の皆様及び従業員・地域社会の期待に応えることになると考えております。
世界を舞台としてレベルの高い安定的な成長を確実なものとするため、一流商品を継続的にお客様に提供する「組織的知識創造型企業」をめざします。マーケティング、開発、生産効率を強化して、究極の「ものづくり」に取り組んでまいります。
(2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題
① 「中期経営計画2016」総括
平成26年度からスタートした「中期経営計画2016」は、精密機械セグメントをはじめとする商品力強化、三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社の搬送システム事業の統合効果のほか、異次元金融緩和による円安、国内景気の下支えがあったことから、当初の2年度は財務目標を達成いたしましたが、中国をはじめとする新興国経済の低迷などにより、最終年度の財務目標を達成することはできませんでした。しかしながら、基本コンセプトである「グローバル化」、「イノベーション」及び「グループ内の連携シナジー」の下で、グローバルサプライチェーンの再構築やグループ内連携の強化による競争力の強化のほか、新製品を市場投入するなど、持続的成長のための施策を着実に実行してまいりました。また、各事業の成長のために機会を捉えて、日立住友重機械建機クレーン株式会社の連結子会社化や真空ロボットを製造販売するPersimmon Technologies Corporationの株式取得による子会社化など、積極的に事業再編、M&Aを行ってまいりました。
これらの施策を成果として結実させるべく、当社グループは「中期経営計画2019」を策定いたしました。
② 「中期経営計画2019」
「中期経営計画2019」では、平成31年度に売上高8,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標としております。なお、ROICを引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACCの達成を継続するとともに、ROIC7.5%以上の確保をめざします。
上記の目標達成のため、①「着実な成長」の実現、②「高収益企業体」への転換、③「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出、④積極的な「M&A及び事業提携」等の実施、⑤「CSRの積極推進」を計画の基本方針に掲げ、一流の商品とサービスをグローバルに提供し、ステークホルダーの評価、信頼を通じて社会に貢献してまいります。
注力する分野としては、当社グループの広範囲な事業領域の中でも、エネルギー環境分野及び搬送システム分野を注力領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。
計画遂行においては、引き続き財務規律を維持するとともに、強化された財務体質を活かして成長に向けた投資を積極的に行ってまいります。具体的には「中期経営計画2016」における投資計画を370億円上回る、1,320億円の設備投資、開発投資を3年間で実施する計画であります。
なお、中期経営計画期間3か年における配当性向は30%を目標に設定しております。
③ 平成29年度の重点課題
「中期経営計画2019」のスタートとなる平成29年度は、計画達成に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(a) 「着実な成長」の実現
事業拡大に向けた施策として、それぞれの事業の役割に応じて投資を重点的かつタイムリーに実施し、グループ全体として着実な成長を図ってまいります。
また、機種ごとに培った固有技術に加え、材料、制御などの共通技術のブラッシュアップによる商品力強化を進めてまいります。さらに、平成29年4月に技術本部に設置した生産技術センターにおいて、グループの生産技術を戦略的に統括し、ものづくり力強化を進めてまいります。
(b) 「高収益企業体への転換」
ポートフォリオ・マネジメントを継続し、グループ内での役割のもと、各事業の成長段階や外部環境を踏まえて目標利益と重点課題を明確にし、経営資源の再配分と事業構造改革を推進してまいります。機械コンポーネント事業や精密機械事業などの当社グループをリードする事業群においては、高い目標を設定して高成長高収益を牽引するとともに、全ての事業部門、機種、地域において達成すべき目標を設定し、その達成を通じて高収益体質への変革、事業の骨太化を図ります。
(c) 「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出
(ア) 製品品質の向上
本社と事業部門が協業し、総力を挙げて製品品質の向上に取り組むなど、引き続き品質第一の経営を実践してまいります。また事業部門間連携の施策として、アフターマーケット事業の強化をグループ共通課題と位置づけ、顧客ニーズをグループ内で共有し積極的に活用するための営業プロセス変革を推進してまいります。さらに技術開発部門、情報システム部門を中心に、ICT、IoTプロジェクトを進め、必要なインフラ整備にも取り組んでまいります。
(イ) コンプライアンスの徹底
当社グループは、コンプライアンスの徹底を引き続き最重要課題の一つとして捉え、当社及びグループ各社の役員及び社員に対してコンプライアンス教育を継続して行い、グループ全体にコンプライアンス意識の一層の周知徹底を図ってまいります。また、内部通報制度の整備と活用がコンプライアンス経営の推進に寄与するものと考え、従来当社グループ各社が個別に運用していた内部通報制度を、外部業者の通報窓口を利用した当社グループ共通の仕組みに統一してまいります。
(ウ) 安全への取組み
当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成29年度から平成31年度まで第三次実行計画として安全衛生諸活動に取り組みます。計画の目標達成に向けて、安全衛生管理力の強化、労働災害撲滅、健康管理の推進に取り組んでまいります。
(d) 積極的な「M&A及び事業提携」等の実施
グループ内での事業間シナジ-の効果を実現すべく、必要に応じて組織統合や組織間連携を図る一方で、各事業の成長のために積極的に機会を捉えて、M&A及び他社との事業提携、協業も実施してまいります。
(e) 「CSRの積極推進」
当社グループでは、中期経営計画と連動する形でCSR中期計画を策定しました。平成29年度から本格的に活動を推進するに当たり、「商品・サービス」、「環境」、「社会」、「人材」の4つを重点取組分野に定めました。
「商品・サービス」では、経済的、技術的発展に寄与する商品とサービスの提供を通じて社会課題の解決と企業価値の向上に努め、持続可能な社会の実現をめざします。事業を通じた全員参加の活動により、当社グループならではの価値を創造してまいります。
「環境」では、地球温暖化問題の最重要課題である温室効果ガス削減やグループの第五次環境中期計画の基本方針を踏まえ、商品ライフサイクル全体での環境負荷軽減に取り組みます。
「社会」では、社会から信頼を獲得できるよう、グループ取引先に調達ガイドラインや各種法令及び社会規範等の浸透を図り、持続可能な関係を構築してまいります。また地域支援、貢献へ主体的に携わることで、当社グループと地域のつながりをより強いものにしてまいります。
「人材」では、心身ともに健康な職場作りをめざし、新たに「健康経営」に取り組んでまいります。また、多様な人材が組織の中で活躍できる基盤を整備して社員、組織を活性化し、事業の持続的成長に結び付けるため、ダイバーシティ推進、中でも女性の活躍推進とワークライフバランスの促進に取り組みます。
これらの取組みを統合的に社内外へ発信し、当社CSR活動の浸透に努めてまいります。
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
1 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方については、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様のご意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案(以下「大規模買付行為」といいます)の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
2 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、一流の商品とサービスを世界に提供し続ける機械メーカーを目指すとともに、誠実を旨とし、あらゆるステークホルダーから高い評価と信頼を得て、社会に貢献するという企業使命のもと、上記基本方針を実現するため、中期経営計画の策定及びその実践に加えて、以下のとおりコーポレートガバナンスの充実に取り組んでおります。
当社は、当社グループの企業価値の増大を図り、あらゆるステークホルダーからの評価と信頼をより高めていくため、効率的で透明性の高い経営体制を確立することを目的として、「住友重機械コーポレートガバナンス基本方針」を制定しております。また、平成11年の執行役員制の導入、平成14年以降の社外取締役の選任、平成19年の取締役任期の2年から1年への短縮、さらに平成27年からは社外取締役を複数名選任するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。
具体的には、社外取締役は、経営陣から独立した立場で経営を監督し、ステークホルダーの視点を適切に反映させる役割を担っております。また、執行役員制度の導入により、迅速・果断な業務執行を可能とする環境を整備する一方で、重要な経営課題及びリスクの高い経営課題については、取締役会において経営陣から適宜報告を行うものとすることにより、取締役会は、経営陣及び取締役に対する実効性の高い監督を行っております。さらに、取締役会は、会社法その他の関係法令に基づき、内部統制システム及びリスク管理体制を適切に整備するとともに、その年度計画及び運用状況について内部統制部門からの報告を受け、必要な指示を行うことにより、その運用を適切に監督しております。
社外監査役は、各分野における高い専門知識や豊富な経験を、常勤監査役は、当社の経営に関する専門知識や豊富な経験をそれぞれ活かし、実効性の高い監査を行うとともに、取締役会及び執行責任者会議等において経営陣に対して積極的に意見を述べております。また、監査役をサポートする部門として監査役室を設置し、専任の使用人を配置することにより、監査役業務の支援及び監査役に対する円滑な情報提供を行っております。さらに、当社及び関係会社の監査役による関係会社監査役会議を定期的に開催し、監査に関する情報交換、グループとしての監査機能の充実を図っております。また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。
さらに、当社は任意の委員会として、指名委員会、報酬委員会及び倫理委員会を設置しております。指名委員会は、取締役・監査役候補の指名、取締役・監査役の解任、役付取締役・代表取締役の選定・解職等について取締役会の諮問を受けて審査・答申するとともに、最高経営責任者等の後継者計画について毎年確認し、その進捗を取締役会に報告しております。報酬委員会は、取締役及び執行役員の報酬制度、報酬水準等について、取締役会の諮問を受けて審議・答申を行っております。また、倫理委員会は、グループ経営を倫理的観点から監視、指導し、取締役会の企業倫理に関する監督機能の強化・補完の役割を果たしております。
3 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を頂き、その後、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行ったうえで、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することにつき、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認を頂きました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。
しかしながら、当社は、平成29年6月29日開催の第121期定時株主総会の終結の時をもって有効期間満了を迎える本プランの取扱いについて検討した結果、現在の経営環境下においては、中期経営計画に掲げる目標の達成に向けた施策を着実に実行することにより、持続的な成長を確保し、株主の皆様をはじめ、広く社会、市場、ステークホルダーの皆様からの社会的信頼に応えていくこと、及びコーポレートガバナンスの更なる整備・強化に取り組むことこそが、株主共同の利益の確保、向上につながるものであって、本プランを継続することが必要不可欠なものではないと判断し、平成29年5月26日開催の取締役会において、かかる有効期間満了をもって本プランを継続しないことを決議しました。
もっとも、当社は、本プランの有効期間満了後も引き続き、当社株式に対して大規模買付行為を行おうとする者に対しては、当社の企業価値、株主共同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の開示を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努める等、適切な措置を講じてまいります。
4 基本方針の実現に資する取組みについての取締役会の判断
当社は、上記基本方針を実現するための取組みとして上記2及び3の取組みを進めることにより、当社の企業価値、株主共同の利益の確保、向上につなげられると考えていると同時に、当社の企業価値、株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行うことは困難になるものと考えています。また、大規模買付行為を行う者が現れた場合も、その是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報及び時間の確保に努めるなど、適切な措置を講じてまいります。したがって、上記2及び3の取組みは上記基本方針に沿うものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。