有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。
当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、新技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、3ヵ年の中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定しております。中期経営計画では、① 差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、② 利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築、③ グループ経営促進による連結収益力の向上の3つを骨子としております。
① 差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革では
1) リスクの大きな事業を抑え、安定的な利益を確保できるビジネスモデルへ転換
2) 市場環境の変化に即応したリソースの機動的配置による事業構造の改革
3) 新たな重点開発領域の発掘と挑戦
を実施し、技術・実績等を基に市場優位性のあるビジネスモデルを構築し、安定的な利益を確保できる事業に転換して行くことを目指してまいります。
② 利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築では
1) 売上規模拡大に偏重せず、獲得利益を基に受注・事業・経営判断を実施することを徹底
2) 営業利益率に加えROEの目標値を導入、資本効率の向上で市場評価を高める
ことで、安定した収益基盤の獲得を目指してまいります。
③ グループ経営促進による連結収益力の向上では
1) 本体と子会社との事業連携を強化し、グループでの効果的なバリューチェーンを構築
2) 本体と子会社との連携強化によるリソースの有効活用
をはかり、当社が建設した設備のメンテナンスを子会社が実施することで、連結収益力の向上を行ってまいります。
(3) 経営環境
(エンジニアリング事業)
プラント事業においては、新型コロナウイルスの影響による設備投資計画の見送りが多く、受注案件が減少いたしましたが、第3四半期頃よりIT関連産業を中心に回復の兆しが見られ、国内では、老朽化設備の更新需要の増加、海外では、新型コロナウイルスの影響が限定的な東南アジア諸国で設備投資に積極的な動きがみられました。
水素関連においても、工業用向けでは新型コロナウイルスの影響による設備投資計画の見送り、延期がありましたが、需要は底堅く推移いたしました。また、気候変動への対処として脱炭素社会の実現に向けた動きが世界的に加速しており、脱炭素社会に向け水素に対する期待が高まっていると同時に、水素のCO2フリー化が求められており、製造、貯蔵、運搬などにおける技術革新が更に進展することが望まれております。
環境事業においては、主力の下水処理分野において新型コロナウイルスの影響を受け、発注スケジュールに一部遅延がみられたものの、大幅な延期や中止に至った案件はなく、廃棄物分野においては最終処分場を中心に堅調な需要が継続いたしました。
(単体機械事業)
SOx(硫黄酸化物)規制においては、一般海域を航行する全ての船舶を対象に、2020年1月より硫黄分0.5%以下の燃料油使用、または、スクラバの設置が義務化されておりますが、従来燃料と規制燃料との価格差の縮小が継続しており、スクラバの採用に慎重な状況が続いております。
また、NOx(窒素酸化物)規制においては、3次規制により、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の需要が堅調に推移いたしました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染が変異株の出現等により再拡大し、本年4月には3度目の緊急事態宣言が発出される等、先行きは依然として不透明であり、企業の設備投資への慎重姿勢が続くことも懸念され、景気の先行きは予断を許さない状況が続くものと見込まれます。
このような状況の下、当社グループは、3ヵ年の中期経営計画の最終年度にあたり、同計画の骨子である①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、②利益指標を最重視し安定的な高収益体制を構築、③グループ経営促進による連結収益力の向上に沿って、事業環境に細心の注意を払うとともに必要な感染症対策を講じつつ事業を展開してまいります。今後の具体的な取り組み課題は、次のとおりです。
①営業利益の確保
当社グループは、引き続き最重要課題である営業利益の確保に向けて、受注の確保及びコスト改善に努めてまいります。2020年度に受注が大きく減少した結果を踏まえ、今後の売上高及び利益の展開も考慮した引き合い対応及び受注活動により、手持ち工事を確保していくことが必要となることから、引き続き当社グループの施工実績や強みのある技術の活用と工事採算確保を重要視した案件の選別・取り組みを行うとともに、リスクや工事損益を見極めつつ新規顧客・案件の開拓・獲得にも注力し、重要案件の必注に努めてまいります。また、投資優先順位の比較的高いメンテナンス及びアフターサービス案件の掘り起こしも強化してまいります。手持工事及び進行中の工事につきましては、工程管理、納期管理及び品質管理にこれまで以上に注力し、工事採算の改善・確保に努めてまいります。
②次世代成長分野の推進
クリーンエネルギー関連、バイオガス利活用及び船舶環境規制対応機器を次世代成長分野として、研究開発投資を継続してまいります。クリーンエネルギーにつきましては、2050年の脱炭素社会の実現を目指す政府方針により水素への注目がより高まっており、既存製品である都市ガス・LPガス利用の水素製造装置に加え、水の電気分解による水素製造や、水素の貯蔵、水素発電等の研究開発を継続し、「水素社会」の実現を目指した取り組みを進めてまいります。バイオガス利活用につきましては、引き続き「高効率消化システム」実証の取り組み、各自治体へのPR活動及び拡販・普及に向けた取り組みを進めてまいります。船舶環境規制対応機器につきましては、今後の市場動向及び顧客ニーズに中長期的視点で的確に対応してまいります。
③企業体質の強化
全社的には、業務効率化、間接コストの改善、財務体質の強化等による企業体質の強化施策を継続してまいります。コロナ禍による先行き不透明な状況下、様々な事象を想定しその影響を早期に未然防止・低減するためのリスクコントロールに努めるとともに、さらなる働き方改革の取り組みを通じて、生産性向上とダイバーシティの推進をはかり、しなやかな組織運営に努めてまいります。また、役割等級制度に基づく成果・実力主義の人事制度のさらなる定着と改善をはかり、組織の活性化と次世代を担う人材育成に取り組んでまいります。加えて、2012年の油清浄機新工場竣工・稼働に続く川崎製作所建替事業の再開について検討を進めるとともに、現在川崎地区において3拠点に分散している本社機能を2拠点に集約し、業務効率化、管理体制強化及び人材登用強化等をはかります。
併せて、次世代成長分野への投資継続をはじめとした中期経営計画に基づいた事業活動を通じて、低炭素・循環型社会に貢献するモノづくりとエンジニアリングを行う企業集団として、ESGの観点から事業活動を行っていくことによりSDGsの目標達成に貢献するとともに、安全の確保に一層注力してまいります。また、社会的により信頼される企業集団を目指して、引き続き法令遵守の徹底と、会社法及び金融商品取引法に対応した内部統制システムの適切な運用に努め、コーポレート・ガバナンスにつきましても一層の充実をはかってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、中期経営計画において定めている連結売上高、連結営業利益、営業利益率及びROEとしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として採用しております。
(1) 経営方針
当社グループの一貫した基本方針は、「モノづくりに根ざした確かな技術と徹底した品質管理に基づく高品質な製品・設備を提供すること。」であります。
当社グループは、これまで培ってきた技術、経験、ノウハウを活用し、絶え間ない新製品、新技術の開発、改良により、エンジニアリング、化学工業機械等の分野において、新しい時代のニーズに応えるとともに、既存の製品・技術にとらわれない新しい事業分野にも積極的にチャレンジし、顧客のあらゆる要望に応える製品、技術、サービスの提供を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、3ヵ年の中期経営計画(2019年度~2021年度)を策定しております。中期経営計画では、① 差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、② 利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築、③ グループ経営促進による連結収益力の向上の3つを骨子としております。
① 差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革では
1) リスクの大きな事業を抑え、安定的な利益を確保できるビジネスモデルへ転換
2) 市場環境の変化に即応したリソースの機動的配置による事業構造の改革
3) 新たな重点開発領域の発掘と挑戦
を実施し、技術・実績等を基に市場優位性のあるビジネスモデルを構築し、安定的な利益を確保できる事業に転換して行くことを目指してまいります。
② 利益指標を最重視し、安定的高収益体制の構築では
1) 売上規模拡大に偏重せず、獲得利益を基に受注・事業・経営判断を実施することを徹底
2) 営業利益率に加えROEの目標値を導入、資本効率の向上で市場評価を高める
ことで、安定した収益基盤の獲得を目指してまいります。
③ グループ経営促進による連結収益力の向上では
1) 本体と子会社との事業連携を強化し、グループでの効果的なバリューチェーンを構築
2) 本体と子会社との連携強化によるリソースの有効活用
をはかり、当社が建設した設備のメンテナンスを子会社が実施することで、連結収益力の向上を行ってまいります。
(3) 経営環境
(エンジニアリング事業)
プラント事業においては、新型コロナウイルスの影響による設備投資計画の見送りが多く、受注案件が減少いたしましたが、第3四半期頃よりIT関連産業を中心に回復の兆しが見られ、国内では、老朽化設備の更新需要の増加、海外では、新型コロナウイルスの影響が限定的な東南アジア諸国で設備投資に積極的な動きがみられました。
水素関連においても、工業用向けでは新型コロナウイルスの影響による設備投資計画の見送り、延期がありましたが、需要は底堅く推移いたしました。また、気候変動への対処として脱炭素社会の実現に向けた動きが世界的に加速しており、脱炭素社会に向け水素に対する期待が高まっていると同時に、水素のCO2フリー化が求められており、製造、貯蔵、運搬などにおける技術革新が更に進展することが望まれております。
環境事業においては、主力の下水処理分野において新型コロナウイルスの影響を受け、発注スケジュールに一部遅延がみられたものの、大幅な延期や中止に至った案件はなく、廃棄物分野においては最終処分場を中心に堅調な需要が継続いたしました。
(単体機械事業)
SOx(硫黄酸化物)規制においては、一般海域を航行する全ての船舶を対象に、2020年1月より硫黄分0.5%以下の燃料油使用、または、スクラバの設置が義務化されておりますが、従来燃料と規制燃料との価格差の縮小が継続しており、スクラバの採用に慎重な状況が続いております。
また、NOx(窒素酸化物)規制においては、3次規制により、欧州及び米国の規制海域(ECA)を航行する船舶向けの環境規制対応機器の需要が堅調に推移いたしました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの感染が変異株の出現等により再拡大し、本年4月には3度目の緊急事態宣言が発出される等、先行きは依然として不透明であり、企業の設備投資への慎重姿勢が続くことも懸念され、景気の先行きは予断を許さない状況が続くものと見込まれます。
このような状況の下、当社グループは、3ヵ年の中期経営計画の最終年度にあたり、同計画の骨子である①差別化技術を持つ成長事業中心の企業体への変革、②利益指標を最重視し安定的な高収益体制を構築、③グループ経営促進による連結収益力の向上に沿って、事業環境に細心の注意を払うとともに必要な感染症対策を講じつつ事業を展開してまいります。今後の具体的な取り組み課題は、次のとおりです。
①営業利益の確保
当社グループは、引き続き最重要課題である営業利益の確保に向けて、受注の確保及びコスト改善に努めてまいります。2020年度に受注が大きく減少した結果を踏まえ、今後の売上高及び利益の展開も考慮した引き合い対応及び受注活動により、手持ち工事を確保していくことが必要となることから、引き続き当社グループの施工実績や強みのある技術の活用と工事採算確保を重要視した案件の選別・取り組みを行うとともに、リスクや工事損益を見極めつつ新規顧客・案件の開拓・獲得にも注力し、重要案件の必注に努めてまいります。また、投資優先順位の比較的高いメンテナンス及びアフターサービス案件の掘り起こしも強化してまいります。手持工事及び進行中の工事につきましては、工程管理、納期管理及び品質管理にこれまで以上に注力し、工事採算の改善・確保に努めてまいります。
②次世代成長分野の推進
クリーンエネルギー関連、バイオガス利活用及び船舶環境規制対応機器を次世代成長分野として、研究開発投資を継続してまいります。クリーンエネルギーにつきましては、2050年の脱炭素社会の実現を目指す政府方針により水素への注目がより高まっており、既存製品である都市ガス・LPガス利用の水素製造装置に加え、水の電気分解による水素製造や、水素の貯蔵、水素発電等の研究開発を継続し、「水素社会」の実現を目指した取り組みを進めてまいります。バイオガス利活用につきましては、引き続き「高効率消化システム」実証の取り組み、各自治体へのPR活動及び拡販・普及に向けた取り組みを進めてまいります。船舶環境規制対応機器につきましては、今後の市場動向及び顧客ニーズに中長期的視点で的確に対応してまいります。
③企業体質の強化
全社的には、業務効率化、間接コストの改善、財務体質の強化等による企業体質の強化施策を継続してまいります。コロナ禍による先行き不透明な状況下、様々な事象を想定しその影響を早期に未然防止・低減するためのリスクコントロールに努めるとともに、さらなる働き方改革の取り組みを通じて、生産性向上とダイバーシティの推進をはかり、しなやかな組織運営に努めてまいります。また、役割等級制度に基づく成果・実力主義の人事制度のさらなる定着と改善をはかり、組織の活性化と次世代を担う人材育成に取り組んでまいります。加えて、2012年の油清浄機新工場竣工・稼働に続く川崎製作所建替事業の再開について検討を進めるとともに、現在川崎地区において3拠点に分散している本社機能を2拠点に集約し、業務効率化、管理体制強化及び人材登用強化等をはかります。
併せて、次世代成長分野への投資継続をはじめとした中期経営計画に基づいた事業活動を通じて、低炭素・循環型社会に貢献するモノづくりとエンジニアリングを行う企業集団として、ESGの観点から事業活動を行っていくことによりSDGsの目標達成に貢献するとともに、安全の確保に一層注力してまいります。また、社会的により信頼される企業集団を目指して、引き続き法令遵守の徹底と、会社法及び金融商品取引法に対応した内部統制システムの適切な運用に努め、コーポレート・ガバナンスにつきましても一層の充実をはかってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、中期経営計画において定めている連結売上高、連結営業利益、営業利益率及びROEとしております。当社グループでは、利益指標を最重視しており、安定的高収益体制を構築するため営業利益率を、また、資本効率の向上で市場評価を高めることを目的としてROEをそれぞれ収益性の指標として採用しております。