有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 14:52
【資料】
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【項目】
176項目
③戦略(経営戦略と人材戦略の連動)
当社は、中期経営計画における事業ポートフォリオの進化(GX事業の確立等)を実現するため、必要な人材の確保・育成・最適配置を一体的に推進する人材戦略を策定しております。これにより、当社の競争優位の源泉である技術力をGX領域へ展開し、新たな収益機会の創出および事業ポートフォリオの高度化を支える人材基盤の強化を図っております。また、当該人材戦略は中期経営計画と整合させ、事業戦略の進展に応じて見直しを行っております。
当社は、高い技術とプロ意識を持ち「人の和」と「ルールの遵守」を重視する人材を育成、一体感のある職場風土を醸成、安心・安全・健康的な職場環境の整備を人材理念として掲げております。その理念に基づき以下の取り組みを行っております。
人事理念に基づき、期待される成果を創出するための行動(プロセス)を評価し処遇に結び付ける役割行動主義に基づく人事制度を2018年に導入し、環境の変化に対応できる自律型人材の育成を進めております。また、次世代経営陣幹部の育成に関しては、サクセッションを意識した人材プール・育成プランを策定するとともに、これに続く人材の育成に向けて次のとおり人材育成プログラムを展開しております。
1)各部門において日常業務を通じて継続的に行われるOJT及び職場内教育
2)人事部門において計画的に実施する新入社員研修・若手フォローアップ研修
3)人事制度上の役割等級に応じた研修である階層別教育訓練・職能別専門教育訓練や次世代経営人材の選抜研修
4)従業員が自発的に受講することのできる通信教育や自己啓発支援金制度
5)業務を通じての能力発揮機会の提供
これらを組み合わせて継続的に実施していくことで、当社の経営ビジョンの実現を目指し、風土改革活動など、他の施策と併せて広く人材戦略を実施し、経営戦略の実現に資する人材の確保・育成を通じて企業価値向上を図っております。特に中核技術の継承については、OJTおよび計画的育成を通じて体系的に推進しております。加えて、2025年度から新たに経営課題に対する提言に向けたディスカッション形式の研修を立ち上げ、中長期的な経営展望と経営センスの早期育成を図ることとしております。
なお、国内連結会社における2025年度の教育訓練費実績は52百万円(前年比:111% ※前年度:47百万円)であり、中長期的な競争力強化に向けた戦略投資として、教育訓練投資を継続的に拡充しております。
また、当社は、中期経営計画における事業ポートフォリオの進化(GX事業の確立等)を実現するため、人的資本に関しては以下を重点課題としております。
a.事業戦略実現のためにGX事業の人材育成強化
b.技術継承と人材獲得
c.従業員エンゲージメント強化
これらを実現するため以下の人事戦略を推進しております。
a.事業×専門性による人材ポートフォリオ管理とGX事業へのリソースシフト
b.新卒採用・経験者採用の継続・強化と外部組織との連携
c.GX関連の研修・トレーニング数の増加と若手人材の活躍促進
d.経営ビジョンの浸透促進、仕事・生活の両立した職場への制度改革、風土改革活動の継続
これらの取り組みの進捗については、事業別・専門領域別に人材ポートフォリオを可視化できるよう取り組みを進め戦略領域への人材シフトを図るとともに、従業員エンゲージメント調査結果や教育・研修の実施状況等の指標により進捗を定量的に把握し、施策の改善につなげております。
経営ビジョンの実現に向けて事業領域のシフト・拡大を推進するとの観点から、行動力・実行力、自律性、高い技術力及び倫理観等の能力を備える人材を育成することが必要と考え、自らの役割を主体的にとらえて創造性を発揮する自律型人材の育成を進めるべく、各人の役割から具体的に導かれる遂行実績(成果)とそれを創出するための行動・プロセスを評価する人事制度、及び自律的な教育訓練・リスキリングを支援する研修制度を導入しております。
また、働き方改革や職場風土改革の活動を通じて自由闊達で一体感のある職場風土を醸成し、社内に異なる経験・技能・属性を有する多様な人材が活躍できる職場環境を整備し、会社の持続的な発展に努めております。
これらの取り組みは、GX事業の推進および技術継承を支える人材の確保・定着・活躍を実現するための基盤整備として位置付けております。具体的な取り組みについては、以下のとおりです。特に、働き方改革、エンゲージメント向上、多様性確保に関する取り組みは、高度専門人材の確保および定着を通じてGX人材基盤の強化に寄与するものと位置付けております。
ⅰ)働き方改革・ワークライフバランス(働き方・エンゲージメント向上)
2019年度に働き方改革PJチームを設置し、ダイバーシティと生産性向上の取り組みを継続して推進しております。従来から実施しているフレックスタイム制度に加えて、テレワーク勤務制度、電子化の促進、Web会議システムの導入等、柔軟かつ多様な働き方を実現できる環境整備を行っております。また、新しい働き方に対応すべく事務所の集約・移転を実施いたしました。加えて、現在進めています川崎製作所の建替えにあたっては、より一層の働き方改革につながるようワークプレイスコンサルを起用し、若手従業員が中心となって検討に参加し、エンゲージメントの向上も目指しております。
ⅱ)育児休業等取得のための環境づくり(両立支援)
次世代育成支援の取り組みとして、仕事と育児を両立させることのできる働きやすい職場環境づくりを進めております。法定の育児休業等に加えて、産前産後の配偶者の特別休暇制度、失効年休積立による看護・介護休暇の有給化、育児短時間勤務制度、ジョブリターン制度等を整備しております。女性従業員はもとより、特に男性従業員の育児休業取得率の向上を目標に施策を実施しており、2025年度の実績では男性育児休業の取得率は80%となっております。
ⅲ)職場風土改革の実践(風土改革)
2014年度より風土改革推進委員会を設置し、全従業員にエンゲージメント調査(エンゲージメントに影響する項目に係る全従業員の意識と組織状況を調査。)を行い、その結果に基づいた風土改革活動を継続して実施しております。2025年度は前年比で「理念・戦略への理解」「評価・給与への納得感」などの項目において大幅な改善が見られました。これらの改善はタウンホールミーティングの実施や社長をはじめとする経営層からの継続的なメッセージ発信、給与等の待遇改善といった施策が寄与したものと認識しており、従業員エンゲージメントの向上を通じた人的資本の強化につながっていると考えております。一方で、ベンチマーク企業群との比較では「成長機会」や「発言・意見への承認」に関するスコアが低い傾向にあり、従業員の自律的な成長や挑戦を後押しする要因には課題が残っております。従業員一人ひとりが当社の従業員として誇りと責任を持ち、イキイキと働き、仕事を通して更なる自己実現ができる企業風土へと変革させ、多様な人材の活躍を価値創造につなげることができるよう、今後もこの活動を継続してまいります。
ⅳ)ダイバーシティ&インクルージョン(多様性確保)
経営ビジョンの実現に向けての事業領域を推進・展開していくためには、多様な背景や価値観を持った従業員が共通の目的の下でさまざまな役割を担い業務活動を行っていくことにより組織全体の成長力を高めることが必要であり、多様性は当社にとって重要な財産であると考えております。多様性確保のため、女性従業員数・外国人従業員数の拡大、キャリアを中断させない仕組みづくり、障がい者雇用の促進を図っております。
ⅴ)社内公募制度(キャリア自律支援)
従業員が当社における自らのキャリアを主体的にデザインし、自己研鑽や早期育成の促進を図る仕組みを整備しております。また、本人希望や適性をマッチングさせたジョブローテーションや育成等に資するため、キャリアデザインシートによる自己申告を実施し、従業員のキャリア開発を支援しております。これに加えて2022年度からは、社内公募制度を開始し、従業員がより自律的、かつ積極的にキャリアを形成し、キャリアオーナーシップを持って働くことのできる環境を整備しております。これによって、従業員は自己の能力を最大限発揮し、多様な役割を経験する機会を得ることができ、やりたい業務に従事できることから組織力の強化にも好影響をもたらしております。
ⅵ)人権尊重の取り組み(人権尊重)
当社グループは、社会の課題解決に積極的に取り組み、環境保全を含む持続可能な社会の実現に貢献することを経営ビジョンに掲げております。当社グループは、自らの事業活動において影響を受けるすべての人々の人権が尊重されなければならないことを理解し、「三菱化工機グループ行動憲章」並びに2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「三菱化工機グループ人権方針」を定め、当社グループ全体で人権尊重の取り組みを推進しております。
ⅶ)安全衛生に関する取り組み(安全衛生)
安全・衛生は経営の基盤であり、すべての事業活動に優先するという基本理念の下、安全で安心して働くことができる職場環境の実現に向けた活動を継続して実施しております。工場・建設現場での安全確保に関する取り組みはもとより、心の健康を守るための産業保健スタッフによる面談や研修を行うとともに、ハラスメント防止にかかる制度を導入し、2024年4月には安全衛生を専任とする部門を設置し、活動の強化と充実を図っております。
ⅷ)従業員向け株式報酬制度の導入(インセンティブ・エンゲージメント向上)
当社は、従業員が企業価値向上を自らの成果として実感できる仕組みとして、以下の従業員向けの株式報酬制度を導入しております。
・三菱化工機従業員持株会の会員に奨励金に加えて特別奨励金の支給
・管理職層に対する業績連動型株式交付制度として、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託と称される仕組みの採用
当社の企業価値向上に向けて従業員のモチベーションとエンゲージメントの向上を図るとともに、従業員が当社の経営をより身近なこととして関心を持つことによる経営意識の早期醸成と多くのステークホルダーと株主価値を共有することを通じて、当社経営ビジョンの実現につなげることを目的としております。
ⅸ)外部ベンチマークを踏まえた報酬水準の設計(競争力ある報酬水準の確保)
当社の給与水準および報酬設計は、同業他社、事業特性や職務内容が類似する企業との状況を鑑みて定期的に検証・見直しを行っております。これにより、当社人材戦略と整合した競争力ある報酬水準を確保し、人材の確保・定着および持続的な事業成長につなげることを目指しております。また、人材確保および従業員エンゲージメントの向上、ならびに中長期的な企業価値向上を図るため、近年、継続的な賃金改定(ベースアップ)を実施しております。賃金改定の状況については、人的資本戦略の重要な指標の一つとして継続的にモニタリングしております。
※参考:賃金改定の状況(人的資本に関する主要指標)
年度2022年度2023年度2024年度2025年度2026年度
ベースアップ(円)010,00010,00020,00017,000
初任給(円)220,500230,500240,500260,500277,500
賃金改定率(%)1.644.584.395.575.99

(注)1.2022年度の初任給は、10月の人事制度改正による改定後の額
2.賃金改定率は、主として組合員を対象とした月例賃金の改定(ベースアップ及び定期昇給)を示す指標であります。一方、平均年間給与の増減率は管理職を含む全従業員を対象とし、時間外手当、賞与等の変動要素を含む年間支給総額に基づき算定しております。また、管理職層に対する株式報酬は当該平均年間給与には含まれておりません。これらの要因により、両指標は必ずしも一致するものではありません。

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