有価証券報告書-第157期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 15:26
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(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、国内においては、世界経済の先行きに対する不透明感があるものの、企業収益の改善の影響を受け、設備投資の増加が見られました。海外においては、緩やかな景気回復の動きが見られるものの、貿易摩擦の深刻化による世界経済の減速リスクに留意する必要がありました。
このような環境の下で当社グループは、2016年度を初年度とする3カ年の中期経営計画の最終年度として、「安定収益基盤の構築」、「成長基盤の構築」を基本方針として事業活動を展開してまいりました。
水環境事業においては、国内上下水道設備の増設更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事等の営業活動を展開してまいりました。また、設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*1)、DBO事業(*2)や、FIT(*3)を活用した発電関連分野への営業展開を進めてまいりました。
一方、産業事業においては、設備投資需要を取り込むために国内外におけるプラントおよび単体機器、さらには環境関連設備の営業活動を幅広く展開してまいりました。
また、戦略的投資の一環として下水汚泥からの創エネルギー技術開発や単体機器の更なる改良に注力するとともに、提携企業との協業による提案活動により顧客層の拡大を図ってまいりました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は次のとおりとなりました。
受注高は1,076億32百万円(前期比3.9%減)、売上高は977億68百万円(前期比14.9%増)となりました。また、損益面につきましては、営業利益は77億96百万円(前期比76.0%増)、経常利益は81億36百万円(前期比70.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は49億96百万円(前期比69.9%増)となりました。
*1:PFI(Private Finance Initiative)
施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み
*2:DBO(Design Build Operate)事業
事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式
*3:FIT(Feed-in Tariff)
再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度)
当社グループは、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理等の環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
事業区分主要な事業内容
水環境事業1)浄水場・下水処理場等プラントの設計・建設
2)上記プラントに使用される脱水機、乾燥機、焼却炉等各種単体機器の設計・製造・販売
3)浄水場・下水処理場におけるPFI、DBO事業
4)浄水場・下水処理場設備の運転・維持管理・補修およびこれらに付随する業務
5)下水処理場における消化ガス発電事業
産業事業1)化学、鉄鋼、食品等プラントの設計・建設
2)廃液・廃水・固形廃棄物処理等プラントの設計・建設
3)上記プラントの補修およびこれらプラントに使用される晶析装置、酸回収装置、ろ過機、分離機、乾燥機、ガスホルダ等各種単体機器の設計・製造・販売
4)一般・産業廃棄物処理事業
その他1)大型図面・各種書類等の印刷・製本
2)事務所ビル・駐車場等の不動産管理・賃貸

当連結会計年度におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。
(水環境事業)
水環境事業においては、国内の水インフラ関連投資は比較的堅調に推移しておりました。また、複数年および包括O&M業務(*4)や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業等の発注は増加する傾向にありました。
このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道用汚泥処理設備の増設・更新需要を取り込むために、下水処理場向け汚泥脱水、乾燥、焼却設備、浄水場向け排水処理設備などの汚泥処理設備の営業活動を推進してまいりました。また、O&M業務においても補修工事および包括O&M業務の営業活動を展開してまいりました。その結果、汚泥処理設備では、次世代型汚泥焼却システム、海外向け下水処理設備などの受注を果たしました。O&M業務では、業務請負範囲の拡大や複数年のO&M業務の受注を獲得するなど、受注の拡大を推進してまいりました。さらに、FITを活用した汚泥消化ガス発電事業においても複数の案件を獲得し、長期安定収益事業の比率を拡大する取り組みを推進してまいりました。
その結果、当連結会計年度における水環境事業の受注高は636億23百万円(前期比2.2%増)、売上高は543億22百万円(前期比17.7%増)、営業利益は37億34百万円(前期比29.9%増)となりました。
*4:包括O&M業務
設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品等の供給も含めた包括的な維持管理業務
(産業事業)
産業事業においては、国内では世界経済の先行きに対する不透明感があるものの、企業収益の改善の影響を受け、設備投資の増加が見られました。海外においては、緩やかな景気回復の動きが見られるものの、貿易摩擦の深刻化による世界経済の減速リスクに留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、国内外における各種プラント設備および乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ等の単体機器の営業活動を展開してまいりました。特に国内外の食品、化学、鉄鋼分野における設備投資需要や更新需要の取り込みに注力してまいりました。また、環境関連においては、国内および海外向けに廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス処理設備等の営業活動を展開してまいりました。
その結果、当連結会計年度における産業事業の受注高は439億32百万円(前期比11.4%減)、売上高は433億69百万円(前期比11.6%増)、営業利益は39億96百万円(前期比168.7%増)となりました。
(その他)
その他においては、当連結会計年度における受注高は76百万円(前期比0.8%減)、売上高は76百万円(前期比0.8%減)、営業利益は66百万円(前期比4.3%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は281億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ、10億37百万円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、66億91百万円となりました(前連結会計年度は6億43百万円の支出)。これは主に、売上債権の増加額46億88百万円等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益の計上77億1百万円および仕入債務の増加額32億93百万円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、87億47百万円となりました(前連結会計年度は37億47百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出115億43百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、31億71百万円となりました(前連結会計年度は23億34百万円の獲得)。これは主に、長期借入金の返済による支出10億92百万円および配当金の支払額7億56百万円等があったものの、社債の発行による収入50億円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結グループは、生産実績の表示は困難であります。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
水環境事業63,6232.287,02012.0
産業事業43,932△11.439,6151.4
報告セグメント計107,556△3.9126,6358.4
その他76△0.8--
合計107,632△3.9126,6358.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
水環境事業54,32217.7
産業事業43,36911.6
報告セグメント計97,69214.9
その他76△0.8
合計97,76814.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財政状態および経営成績に関する主要な点は以下のとおりであります。
a.当社グル-プの売上高は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
b.退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。したがって、実際の年金資産運用収益が前提条件に基づく期待運用収益に満たない場合等は、認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
c.当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討しております。当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得の見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(受注高)
当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ3.9%減少の1,076億32百万円となりました。これは、水環境事業において次世代型汚泥焼却システム、海外向け下水処理設備などの受注高が13億40百万円増加した一方、産業事業において前連結会計年度に三進工業㈱を新規連結化した影響等により56億70百万円減少したことによるものであります。なお、セグメント別の受注状況につきましては、「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ14.9%増収の977億68百万円となり、過去最高の売上高となりました。これは、豊富な受注案件を背景に複数の大口案件を売上計上したことによるものです。セグメント別には、水環境事業においては次世代型汚泥焼却システムや汚泥燃料化の大口案件の売上計上がありました。産業事業においては各種プラント設備や単体機器の販売が好調に推移しました。海外売上高についても前連結会計年度に比べて増収を確保しました。なお、セグメント別の売上高につきましては「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
当連結会年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ76.0%増益の77億96百万円となり、過去最高の営業利益となりました。これは、増収効果により売上総利益が前連結会計年度に比べ19.7%増益の202億59百万円となったことによるものであります。なお、セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、支払利息等の営業外費用を3億4百万円計上した一方で、受取配当金等の営業外収益を6億44百万円計上し、経常利益は前連結会計年度に比べ70.9%増益の81億36百万円となり、過去最高の経常利益となりました。また、市川工場および研究所の移転に伴う減損損失10億60百万円、移転費用14億6百万円など特別損失を31億58百万円計上した一方で、固定資産売却益27億21百万円など特別利益を27億23百万円計上しました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ69.9%増益の49億96百万円となり、過去最高の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
(財政状態)
財政状態の状況については、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております
当連結会計年度末の資産合計は1,319億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ140億32百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金が45億32百円増加したことと土地が63億81百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は635億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億11百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が21億31百万円増加したことと社債が50億円増加したこと等によるものであります。
純資産合計は684億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億21百万円増加しました。これは主に、株式等時価評価によりその他有価証券評価差額金が8億74百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が42億39百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は51.0%(前期比3.6%減)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力製品は個別受注生産であり、様々な外部要因によって、売上高および利益が計画どおりに計上されない可能性があります。
なお、詳細は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ②キャッシュ・フ ローの状況」をご参照下さい。
当社グループの運転資金および定常的な設備投資・研究開発につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュフローおよび自己資金にて賄われております。翌期以降に実施予定である設備投資等につきましては、金融機関からの借入金等にて対応する予定であります。
なお、当社グループ内における余剰資金は、当社へ集約することで資金の効率化を図っております。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の景況感につきましては、企業収益の改善の影響を受け回復基調にあるものの、貿易摩擦の深刻化による世界経済の減速リスクに留意する必要があります。
国内の上下水道分野においては、水インフラ関連の投資は堅調に推移していくものと推定されます。民間の設備投資においては、国内は引き続き堅調に推移することが見込まれます。海外は、貿易摩擦のさらなる深刻化に対する警戒感が高まっており、通商問題や金融政策の動向に引き続き留意する必要があります。
このような状況のもとで当社グループは、持続的な成長を目指すために、「経営基盤の強化」と「成長戦略の推進」を基本方針とした中期経営計画(2019年4月~2022年3月)を策定・公表し、事業活動を展開してまいります。こうした取り組みを通じて、2020年3月期の連結業績見通しは、売上高920億円、営業利益60億円、経常利益63億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円を見込んでおります。また、中期経営計画最終年度の2022年3月期の連結業績は、売上高1,100億円、営業利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益54億円を目指してまいります。また、自己資本利益率(ROE)として7%以上を目標とします。
*上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があることをご承知置きください。

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