有価証券報告書-第156期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/26 14:14
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(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績
及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、国内においては、世界経済の先行きに対する不透明感が
あるものの、企業収益は改善しつつあり、設備投資の穏やかな回復が見られました。海外においては、保護主義
的な政策の拡大や地政学的リスク等、景気の下振れが懸念されるものの、緩やかな景気回復の動きが見られまし
た。
このような環境の下で当社グループは、持続的な成長を目指すために「安定収益基盤の構築」、「成長基盤の構築」を基本方針とした中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)を策定・公表し、事業活動を展開してまいりました。
水環境事業においては、国内上下水道設備の増設更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事等の営業活動を展開してまいりました。また、設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*1)、DBO事業(*2)や、FIT(*3)を活用した発電関連分野への営業展開を進めてまいりました。
なお、PFIでは当連結会計年度より愛知県企業庁の犬山浄水場と尾張西部浄水場の2浄水場施設の運営・維持管理業務を行う尾張ウォーター&エナジー株式会社を新規に連結いたしました。
一方、産業事業においては、設備投資需要を取り込むために国内外におけるプラントおよび単体機器、さらには環境関連設備の営業活動を幅広く展開してまいりました。
また、戦略的投資の一環として下水汚泥からの創エネルギー技術開発や単体機器の更なる改良に注力するとともに、提携企業との協業による提案活動により顧客層の拡大を図ってまいりました。
さらに、平成29年7月3日に株式を取得した三進工業株式会社およびその子会社を第2四半期連結会計期間より新規に連結いたしました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
受注高は1,119億63百万円(前期比50.4%増)、売上高は850億95百万円(前期比21.8%増)となりました。また、損益面につきましては、営業利益は44億30百万円(前期比26.3%増)、経常利益は47億59百万円(前期比23.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は29億40百万円(前期比35.5%増)となりました。
*1:PFI(Private Finance Initiative)
施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み
*2:DBO(Design Build Operate)事業
事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式
*3:FIT(Feed-in Tariff)
再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度)
当社グループは、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理等の環境関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
事業区分主要な事業内容
水環境事業1)浄水場・下水処理場等プラントの設計・建設
2)上記プラントに使用される脱水機、乾燥機、焼却炉等各種単体機器の設計・製造・販売
3)浄水場・下水処理場におけるPFI、DBO事業
4)浄水場・下水処理場設備の運転・維持管理・補修およびこれらに付随する業務
5)下水処理場における消化ガス発電事業
産業事業1)化学、鉄鋼、食品等プラントの設計・建設
2)廃液・排水・固形廃棄物処理等プラントの設計・建設
3)上記プラントの補修およびこれらプラントに使用される晶析装置、酸回収装置、ろ過機、分離機、乾燥機、ガスホルダ等各種単体機器の設計・製造・販売
4)真空技術応用装置および関連部品の設計・製造・販売
5)一般・産業廃棄物処理事業
その他1)大型図面・各種書類等の印刷・製本
2)事務所ビル・駐車場等の不動産管理・賃貸

当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの経営成績をより適正に評価管理するため、当社の共通費等
の配賦基準を見直し、事業セグメントの利益の算定方法の変更を行っております。
このため、前連結会計年度の各セグメントの営業利益については変更後の算定方法により組替えて比較を行っ
ております
(水環境事業)
水環境事業においては、国内の水インフラ関連投資は比較的堅調に推移しておりました。また、複数年および包括O&M業務(*4)や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業等の発注は増加する傾向にありました。
このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道用汚泥処理設備の増設・更新需要を取り込むために、下水処理場向け汚泥燃料化設備、汚泥消化設備、浄水場向け排水処理設備などの汚泥処理設備の営業活動を推進してまいりました。また、O&M業務においても補修工事および包括O&M業務の営業活動を展開してまいりました。その結果、汚泥処理設備では、汚泥燃料化設備、鋼板製消化タンクの受注を果たしました。O&M業務では、業務請負範囲の拡大や複数年のO&M業務の受注を獲得するなど、受注の拡大を推進してまいりました。さらに、FITを活用した汚泥消化ガス発電事業においても複数の案件を獲得し、長期安定収益事業の比率を拡大する取り組みを推進してまいりました。
その結果、当連結会計年度における水環境事業の受注高は622億83百万円(前期比39.5%増)、売上高は461億46百万円(前期比11.9%増)、営業利益は28億73百万円(前期比7.2%減)となりました。
*4:包括O&M業務
設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品等の供給も含めた包括的な維持管理業務
(産業事業)
産業事業においては、国内では世界経済の先行きに対する不透明感があるものの、企業収益は改善しつつあ
り、設備投資の穏やかな回復が見られました。海外においては、保護主義的な政策の拡大や地政学的リスク
等、景気の下振れが懸念されるものの、緩やかな景気回復の動きが見られました。
このような状況の下で当社グループは、国内外における各種プラント設備および乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ等の単体機器の営業活動を展開してまいりました。特に国内外の食品、化学、鉄鋼分野における設
備投資需要や更新需要の取り込みに注力してまいりました。また、環境関連においては、国内および海外向け
に廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス処理設備等の営業活動を展開してまいりました。
その結果、当連結会計年度における産業事業の受注高は496億3百万円(前期比66.9%増)、売上高は388億72百万円(前期比36.2%増)、営業利益は14億87百万円(前期比306.5%増)となりました。
(その他)
その他においては、当連結会計年度における受注高は76百万円(前期比3.9%増)、売上高は76百万円(前期比3.9%増)、営業利益は69百万円(前期比54.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は271億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ、17億77百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、6億43百万円となりました(前連結会計年度は119億70百万円の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上54億84百万円およびたな卸資産の減少額42億49百万円等の増加要因があったものの、売上債権の増加額63億3百万円、前受金の減少額23億円および法人税等の支払額22億58百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、37億47百万円となりました(前連結会計年度は19億80百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出19億95百万円および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出14億90百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、23億34百万円となりました(前連結会計年度は13億84百万円の獲得)。これは主に、長期借入金の返済による支出10億18百万円および配当金の支払額7億56百万円等があったものの、長期借入れによる収入37億76百万円等があったことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結グループは、生産実績の表示は困難であります。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
水環境事業62,28339.577,71826.2
産業事業49,60366.939,05237.9
報告セグメント計111,88650.5116,77129.9
その他763.9--
合計111,96350.4116,77129.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
水環境事業46,14611.9
産業事業38,87236.2
報告セグメント計85,01921.8
その他763.9
合計85,09521.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり
ます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財政状態および経営成績に関する主要な点は以下のとおりであります。
a.当社グル-プの売上高は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。
b.退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。したがって、実際の年金資産運用収益が前提条件に基づく期待運用収益に満たない場合等は、認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
c.当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討しております。当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得の見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(受注高)
当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ50.4%増加の1,119億63百万円となり、過去最高の受注高と なりました。これは、M&AやPFI事業における特別目的会社(SPC)の事業開始に伴う新規連結効果に加えて、海外受注高が前連結会計年度に比べ、40.4%増加したこと等によるものであります。なお、セグメント別の受注状況につきましては、「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ21.8%増収の850億95百万円となり、過去最高の売上高となりました。これは、M&AやPFI事業における特別目的会社(SPC)の事業開始に伴う新規連結効果に加えて、水環境事業における補修工事の売上高が好調に推移したことや、海外売上高についても前連結会計年度に比べて増収を確保したことによるものであります。なお、セグメント別の売上高につきましては「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
当連結会年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ26.3%増益の44億30百万円となりました。これは、M&Aの一時費用を販売費及び一般管理費に計上したことや、新規連結の影響により販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べ9.8%増加し124億97百万円となった一方で、増収効果により売上総利益が前連結会計年度に比べ13.7%増益の169億27百万円となったことによるものであります。なお、セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、支払利息等の営業外費用を2億80百万円計上した一方で、受取配当金等の営業外収益を6億10百万円計上し、経常利益は前連結会計年度に比べ23.9%増益の47億59百万円となりました。また、のれん償却額等の特別損失を28億69百万円計上した一方で、従業員の福利厚生の一環として退職給付信託を設定したことに伴う退職給付信託設定益等の特別利益を35億94百万円計上したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ35.5%増益の29億40百万円となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は1,189億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ122億80百万円増加しました。これは主に、のれんの一時償却等によりのれんの減少21億12百万円等はあったものの、受取手形及び売掛金が53億12百円増加したことと仕掛品が44億34百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は538億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ84億34百万円増加しました。これは主に、退職給付信託を設定した影響により退職給付に係る負債の減少35億66百万円等はあったものの、支払手形及び買掛金が26億23百万円増加したこと、長期借入金が25億68百万円増加したことおよび前受金が22億11百万円増加したこと等によるものであります。
純資産合計は651億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ38億46百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が21億78百万円増加したことと株式等時価評価によりその他有価証券評価差額金が11億53百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は54.2%(前期比2.7%減)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力製品は個別受注生産であり、様々な外部要因によって、売上高および利益が計画どおりに
計上されない可能性があります。
なお、詳細は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ②キャッシュ・フ
ローの状況」をご参照下さい。
当社グループの運転資金および定常的な設備投資・研究開発につきましては、主に営業活動によるキャッ
シュ・フローおよび自己資金にて賄われております。また、一部の子会社の運転資金、PFI事業資金および一部の
M&Aにかかる投資は借入金により賄われております。翌期以降に実施予定である研究所移転に伴う設備投資等につ
きましては、金融機関からの借入金等にて対応する予定であります。
なお、当社グループ内における余剰資金は、当社へ集約することで資金の効率化を図っております。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の景況感につきましては、雇用・所得環境の改善などを背景とした回復基調が期待されるものの、保護主義の台頭など世界経済の不確実性の高まりに留意する必要があります。
国内の上下水道分野においては、水インフラ関連の投資は堅調に推移していくものと推定されます。民間の設備投資においては、国内は経済の緩やかな回復基調を背景に改善方向で推移することが見込まれます。海外は資源価格動向や保護主義的な貿易・政策による不確実性が懸念されるものの、緩やかな成長が期待されます。
このような状況のもとで当社グループは、持続的な成長を目指すために、「安定収益基盤の構築」、「成長基盤の構築」を基本方針とした中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)を推進するとともに、事業の選択と集中により経営の効率化を図り、計画達成に取り組んでまいります。
こうした取り組みを通じて、平成31年3月期の連結業績見通しは、売上高900億円、営業利益63億円、経常利益65億円、親会社株主に帰属する当期純利益43億円を見込んでおります。
*上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があることをご承知置きください。

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