有価証券報告書-第161期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/23 16:13
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有報資料

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
① はじめに
当社グループは、持続的な成長を確かなものにするため、常に10年程度の長期的な展望が不可欠であると考えています。2020年に策定した長期ビジョン「E-Vision2030」のターゲット期間が残り5年となったことから、同ビジョン以降に顕在化した社内外の環境変化を10年先の展望に反映させ、新たな長期ビジョン「E-Vision2035」を策定しました。
② E-Vision2030の進捗と課題
E-Vision2030の進捗については、社会・環境価値の提供及び経済価値の創出の両面で順調に進展しています。「6億人に水を届ける」や「CO₂約1億トン相当のGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)削減」、「14Åへの挑戦」といったマテリアリティ解決に向けた取り組みが着実に進捗したほか、売上収益1兆円以上、ROIC10%以上といった経済価値についても想定を上回る水準で進捗しています。
一方で、既存事業については、「ソリューションプロバイダー」へのシフトを掲げ様々な試みを通じ、一定の成果を創出しましたが、今後に向けては課題が残る状況です。新規事業については、水素関連事業プロジェクト、新事業開発部門による様々な種まきにより新たなビジネスの芽が生まれており、この実現のため、2025年以降刈り取りを行っていく必要があります。経営基盤の面では、コーポレートの各機能は、CxO制導入により対面市場別カンパニーに機能軸の横ぐしを通す基盤を構築しました。機能別横ぐし施策を通じて、グループとしての価値向上に結びつけていくことが課題です。こうした状況を踏まえ、E-Vision2030で定めた価値創造ストーリーは、より解像度が高く、荏原らしいものへと進化させる必要性が認識されるようになりました。
③ 価値創造ストーリーとスローガン Essential EBARA. Everywhere.
事業領域やコア技術の視点から、当社グループが「持続可能性」の解決に本業を通じて直接的に貢献できる立ち位置にあることを踏まえ、目指すべき「価値創造プロセス」の具体性と解像度を向上させるべく、改めて以下のとおり「価値創造ストーリー」を設定しました。

(2)2035年にありたい姿
① 2035年にありたい姿とその実現のための事業ポートフォリオ
2035年にありたい姿として、グローバルエクセレントカンパニーとして、持続可能な社会の実現に欠かせない企業となっている状態を目指します。
ありたい姿実現のための事業ポートフォリオにおいては、当社独自のポートフォリオで事業間シナジーを創出しつつ、全体最適を追求し、事業の総和を超えた企業価値を創造します。具体的には、グローバルビジネスセグメント(精密・電子、エネルギー、建築・産業)は、会社を支える3本柱として、一定以上の事業規模と高い収益性・効率性を実現します。また、日本起点ビジネスセグメント(インフラ、環境)は、課題先進国としての日本におけるソリューション提供ノウハウを、世界の必要な地域にも価値として提供することを通じて、安定したビジネス基盤を構築します。
(参考)E-Vision2035事業ポートフォリオ

② 事業ポートフォリオの合理性
2035年にありたい事業ポートフォリオがグループの中長期的な企業価値最大化に資する合理的な構成であると、以下に基づき判断しています。今後においても、この構成が当社グループにとって最適解であり続けるかを常に検証し、事業環境の変化に応じて、ポートフォリオの入れ替えを含めた柔軟な経営判断を行う姿勢を保持します。

③ ありたい姿実現のためのマテリアリティ
E-Vision2035におけるマテリアリティは、本業を通じた“社会の持続可能性への貢献”と、そのための“事業基盤の強化”の観点から「持続可能な社会づくりへの貢献」「進化する豊かな生活づくりへの貢献」「環境マネジメントの徹底」「人材の活躍推進」「ガバナンスの更なる革新」の5項目とします。結果的にE-Vision2030のマテリアリティと同一の項目ですが、それぞれの概念がもつ普遍性に鑑み、継続して注力すべき課題として設定しています。

④ 全社方針
(i)資源配分方針
資源配分については、過去に実施した成長投資の成果を刈り取りつつ、中長期的な企業価値最大化に資する成長分野に積極的に投資することで、回収・投資・成長の好循環を生み出すことを基本方針とします。上記前提のもと、成長投資については、目指す事業ポートフォリオ実現のため、精密・電子、エネルギー、建築・産業のグローバルビジネスセグメントに経営資源を優先的に投下します。併せて、グローバルで効率的なオペレーションを実現させるための基盤構築に投資します。
(ii)人事・情報システム・技術に関する方針
a.人事に関する方針:今後の当社グループに求められる人材像を「自らの意思で考え、行動するキャリアオーナーシップを発揮する“人財”」と定めます。このような個人と会社が互いに選び合い応え合う関係を通じて、価値創出の好循環の実現を目指します。その実現のために、個の成長と多様性を支えるグローバル人事基盤を整備するとともに、“人財”を「増やす」、「活かす」、「適切に評価する」ことを基軸とした環境を整備します。
b.情報システムに関する方針:AI技術と情報分析を新たなコア技術と位置づけIT機能を高度化させます。また情報基盤を整備し、オペレーショナルエクセレンスによって全体最適に寄与します。
c.技術に関する方針:流体解析・制御、振動・騒音制御、界面制御といったコア技術を掛け合わせることで社会・環境課題を解決していくとともに、事業の経験を通じ新たなコア技術を蓄積し、さらに新たな課題解決に活かす好循環を実現します。
(iii)事業方針
a.事業共通方針
各事業はそれぞれの対面市場に向き合い、データから価値を生み出す枠組みを高度化することで、システム全体の最適化を目指します。当該方針の下、対面市場別の当社製品インストールベースをビジネス上の資産とし、適切にマネジメントするために必要なデータを収集・分析・活用し、顧客の省エネ・脱炭素化のサポート、故障予兆管理・稼働保証等のサービスを提供するソリューションプロバイダーを目指します。また、積極的にM&Aや外部パートナーとの共創・協業を検討・推進していきます。
b.グローバルビジネスセグメント
精密・電子:半導体顧客の迅速な開発と効率的な生産を支える多様なソリューションを提供することで、先端半導体の発展に貢献するとともに、顧客の省エネ・脱炭素化をサポートし、サステナブルに進化するAI社会を支える業界で唯一無二の存在となります。
エネルギー:流体圧縮移送技術、アフターサービス、グローバルオペレーションを中核に据えた技術指向型ソリューションプロバイダーを目指します。人類の発展に資するエネルギー・基礎材料の安定供給に貢献すべく、既存市場において存在感と収益性を高めつつ、新エネルギー・サステナビリティ領域では、脱炭素化のトレンドをリードする技術・ソリューション開発を積極的に行い、収益基盤の一角として育成します。
建築・産業:「業界の『初』の要求を叶える機器・ユニットを届ける新機能メーカ」「既設を含む顧客設備に『初』の価値を提案する省エネ・省人化メーカ」「機器・技術の壁を越えて『初』のサービスを提供する安定稼働実現メーカ」の3つの姿を目指します。成長市場(データセンター・電子デバイス等)でトップの地位を獲得します。ポンプ・冷熱製品とIoT技術を組み合わせたソリューション提供による付加価値向上と、生涯収益を最大化するサービス事業への進化を図ります。同時に、継続的な事業・拠点の整理・統廃合と、高収益な分野・ビジネスモデルへの経営資源のシフトにより、事業構造全体を効率化します。
c.日本起点ビジネスセグメント
インフラ:「水と共に」人を・生活を・社会を支え、未来を創ります。製品とサービスのイノベーションを通じて社会・産業インフラを効率的で強靭なものにします。国内は国土強靭化・老朽化対策等に貢献し、安定的な収益と揺るぎないブランド価値を確立します。海外はグローバル供給網全体の効率化を図り、収益の安定化とグローバルブランド価値の向上を実現します。
環境:廃棄物を高付加価値の資源に変える「アップサイクラー」として、リニア経済から循環経済への移行をリードします。中核事業の高収益化と資源循環、脱炭素、ネイチャーポジティブ領域へのドメイン拡大を目指します。ケミカルリサイクル(ICFG技術)を社会実装し、資源循環処理の重要プレーヤーとなります。
d.新規事業
水素エネルギー領域のソリューションで世界トップシェアを獲得し、未来の水素社会の構築に貢献します。加えて、その他の水素利活用領域をはじめ、航空・宇宙や医療・バイオ、フードテック領域などの有望市場において、新たなビジネスを確立します。
(ⅳ)E-Vision2035で目指す、社会・環境価値と経済価値
E-Vision2035の中では、「グローバルエクセレントカンパニーとして、持続可能な社会の実現に欠かせない企業になる」ことを10年後のありたい姿として設定し、世の中に社会・環境価値を提供しつつ、同時に経済価値の最大化を目指します。
[社会・環境価値の代表例]
脱炭素社会
・エネルギートランジションをリードする
・CO₂約2.5億トン相当のGHG(温室効果ガス)を削減
安心・安全なくらし
・気候変動に伴う水害リスクから人々の生活を守る
・世界で8億人に水を届ける
進化する豊かなくらし
・半導体製造における高集積化とサステナビリティを支え、AI社会の進展に貢献する
[経済価値]
売上収益 :2兆円以上
営業利益率:20%以上
ROIC :20%以上
ROE :25%以上
企業価値向上の目安:時価総額6兆円規模
(3)中期的な経営戦略と目標とする経営指標
① E-Plan2028の位置付け
E-Plan2028は、E-Vision2035実現に向けた最初の3か年を担う中期経営計画として、2035年の「ありたい姿」からのバックキャストと、E-Plan2025の振り返りから見えた課題を踏まえて策定しました。
② E-Plan2025の総括
全社指標及び事業別指標については一部課題が残る項目もあるものの、全般に良好な進捗となりました。
[全社]
指標E-Plan2025目標2025年度実績
収益性営業利益率10%以上11.9%
ROIC10%以上11.9%
ROE15%以上15.6%
成長性売上収益CAGR7%以上12.1%
健全性D/Eレシオ0.3~0.5
(管理目安)
0.44
財務方針成長投資
(3か年)
成長投資 1,800~2,250億円
研究開発投資 650億円
成長投資 1,748億円
研究開発投資 619億円
基盤投資
(3か年)
500~850億円818億円
株主還元
(3か年)
連結配当性向35%以上
機動的な自己株式取得
連結配当性向35%以上維持
自己株式取得200億円

[事業別]
指標E-Plan2025目標2025年度実績
収益性
営業利益率
精密・電子17%以上16.9%
エネルギー12%以上11.9%
建築・産業7%以上6.3%
インフラ6%以上8.2%
環境7%以上13.3%
成長性
売上収益CAGR
精密・電子15%以上15.5%
建築・産業6%以上7.7%

[非財務]
指標E-Plan2025目標2025年度実績
環境(E)CDP評価(気候変動カテゴリ)B以上を維持A-
Scope 1,2 GHG排出量(CO2換算)2018年比32%削減149千t排出
(2018年度比46.3%削減)
(速報値)
Scope 3/削減貢献量/他(バリューチェーン)(注)1バリューチェーンにおけるGHG排出量の合理的測定手法の確立バリューチェーンにおけるGHG排出量の合理的測定手法の確立とそれぞれの指標に対する目標設定
社会(S)競争し、挑戦する風土へ変革し、多様な社員が働きやすさを感じて活躍できる環境づくりを目指す
・グローバルエンゲージメントサーベイ
83以上81
グローバルモビリティの向上を目指す
・Global Key Position(GKP)における非日本人社員比率(連結)
30%以上26%
男女の賃金差異解消
①GKP女性ポジション比率(連結)
②女性基幹職比率(単体)
①8%以上
②8%以上
①8%
②8.6%
性別に関係なく仕事と育児を両立できる企業風土を醸成
・男性育児休業取得比率(単体)
100%100%
障がいのある社員の活躍促進
・障がい者雇用比率(単体+グループ適用会社4社)
2.6%以上2.57%
サプライヤ向けの人権DDの結果に基づく必要な施策の実施国内外サプライヤへのCSR調査・教育と実地改善を通じた人権DD推進による事業継続リスクの最小化
ガバナンス(G)取締役会のパフォーマンスの深化とG to Vへの貢献取締役会実効性評価:評価プロセス(注)2 100%実施
社外取締役支援活動:社外取会議12回/視察2回
社外取締役によるステークホルダーとの対話:2件

(注)1. 2023年11月に表記変更。
WBCSD (World Business Council For Sustainable Development)が2023年3月に発行した、Guidance on Avoided Emissionsを踏まえ、バリューチェーンにおける目標の記述に
「削減貢献量/他」を追記しました。「他」には、当社グループ製品が無害化する
GHG排出係数の高い排ガスのCO₂換算相当量などを含んでいます。
2. 評価プロセス:質問票、議長による個別インタビュー、取締役の自己評価・相互評価、議長の評価、課題の抽出、結果の開示
[5つの重点領域]
評価評価理由
対面市場・顧客起点対面市場別組織は概ね定着し、製品横断の受注が増加するなど統合シナジーが発現。顧客起点での開発(例:建築・産業のセットメーカ営業等)も端緒につくも刈り取りは今後の課題である
新たな価値創発水素関連事業プロジェクト、マーケティング部門による新規事業探索、建築・産業におけるEBARAメンテナンスクラウド等、顧客に入り込んだ新たな価値創出について萌芽がみられるも十分ではない。さらに顧客との共創が求められる
グローバル事業基盤の確立拠点の新設・統廃合を進め、グローバルでの製造・サービス体制の最適化を推進した
経営インフラの高度化ROIC経営による投資判断は深化した一方、ERPは計画より遅延しており早期挽回を図る。CxO制による機能軸運営は導入を完了し、具体的成果創出のフェーズへ移行する
ESG経営の更なる進化E(環境)はScope1,2に関するGHG削減目標を達成した。また、製品・サービスを通じた顧客のGHG削減に貢献した。S(社会)は、社会課題解決に向けた事業展開を推進したほか、人材の活躍促進に向けGKP比率向上やHCM(注)1 導入、サクセッションプランの再構築を推進した。また、サプライチェーン人権DDを実施した。G(ガバナンス)は2023年にコーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーを受賞も、事業拡大に伴うグループガバナンス体制の再構築、下請法違反事案等の再発防止に向けた内部統制強化が課題である

(注)1. HCM:Human Capital Management
③ E-Plan2028における事業環境
E-Plan2028における事業環境は以下のように認識しています。
精密・電子(市場CAGR:CMP・ドライポンプ8.0%):生成AIが市場を牽引し、AIサーバー向け投資が加速し、先端パッケージング技術の重要度が増します。米中対立によるサプライチェーンの二極化が進む一方、インド等の新市場が台頭します。また、半導体工場においては、省エネやPFAS規制への対応ニーズが増加します。
エネルギー(市場CAGR:LNG6.0%、エチレン3.0%):低炭素燃料であるLNGは、液化・輸送・再ガス化に至るプロセス全般で堅調な需要が継続します。水素・アンモニア・CCUS等の新市場が本格形成され、脱炭素市場が拡大します。また、設備の老朽化・人員不足を背景に、保守・遠隔監視等の省人化ニーズが増大します。
建築・産業(市場CAGR:建築・産業向けポンプ3.5%):生成AIの普及により、データセンターの冷却需要が急増します。グローバル市場は緩やかに成長する一方で、中国市場は低迷が続きます。国内の人手不足を背景に、設備のIoT化やメンテナンス省人化のニーズが高まります。
インフラ(市場CAGR:国内ポンプEPC 横ばい):新たな国土強靭化中期計画が始まり、インフラ老朽化に伴う更新需要がさらに大きく高まります。インフラDXにより、維持管理分野でのAIやロボット等を活用した自動化・省人化が進展します。
環境(市場CAGR:一般廃棄物焼却施設の新設 横ばい):国内の一般廃棄物処理施設の老朽化に伴う延命化対策が進む一方、建替案件は広域化などにより、長期的に漸減します。廃棄物処理分野においては、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が促進されます。
④ E-Plan2028のテーマ・基本方針
2025年度は5期連続で過去最高の連結業績を達成しましたが、各カンパニーにおいては個別最適の追求が進む一方、急激な事業拡大に対応した共通基盤の整備に課題があります。全体最適による成長余地がある中で、その実現に向けた経営インフラの拡充が必要な局面にあることを踏まえ、E-Plan2028のテーマ及び基本方針を以下のとおり定めます。

⑤ 事業別基本方針
精密・電子:ドライ真空ポンプ・CMP・パッケージめっきで市場シェアトップを目指し、テープ研磨装置等、新装置市場の確立・シェア拡大を図ります。他セグメントのコア技術も含めたOne Ebaraでのユニークなソリューション・パッケージ提案による競合との差別化を図ります。
エネルギー:脱炭素社会の実現をリードし、エネルギー市場向けのアンモニア、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)、水素、SAF(持続可能な航空燃料)、地熱、そして遠隔監視・故障予知などサステナビリティ領域への取り組みを推進します。また、世界の人口増加、生活水準向上に不可欠な、エネルギーの安定供給を支え、COTC(Crude Oil to Chemicals:原油から化学品へ)を含めたエチレンを中心とした石油化学分野でのリーディングポジションを確立します。これらを実現するため、人材開発、技術製品開発、DX領域への重点的な投資を積極的に行い、競争力を確保・強化します。
建築・産業:マーケットインの視点でポンプ・冷熱機器等のソリューションを提供しつつ、成長産業(データセンター・電子デバイス市場)で新市場を開拓し、迅速に供給体制を確立します。積極的にサービス事業を展開するため、各種機器・サービスを一体で提供し、メンテナンスクラウドを中心に新しいビジネスモデルを展開します。これらを支えるグローバルな製販/地域間連携体制とSCM最適化に向け、ERP活用など事業基盤のデジタル化を進め、組織の連携と業務の効率化・変革を推進します。同時に、事業・拠点の整理・統廃合を進め、事業全体の効率性を改善します。
インフラ:国内はトップシェア維持と、守りのDXによる業務効率化・ロスコスト削減で生産性を最大化し収益力を高めます。国内インフラ老朽化、気象災害、インフラDX等の社会的要請に対しプレゼンスの強化に向けた製品・サービス開発体制の強化と市場投入の迅速化を図ります。海外は拠点との連携深化と安定収益市場へのアクセス拡大で事業規模を拡大します。
環境:既存中核事業(EPC/DBO、O&M)では、官需・民需の案件パイプラインの確実な形成による安定受注と、自働化・予兆保全によるO&Mの更なる収益性向上を図ります。既存事業と並行して、リニア経済から循環経済への移行を捉え、ICFG技術、資源循環、脱炭素に資する技術・サービスの社会実装に向けた取組みを強化し、新規事業領域を通じた成長の道筋を明確にします。
⑥ コーポレートの基本方針
全事業オペレーションを一段高い視座から俯瞰して全体最適を追求します。その実行機能を、全社全体最適の実現を通じて企業価値を高める「純粋な本社機能」と、専門サービス提供・業務支援/代行を通じカンパニーを支援する「本社の拡張機能」の2つとして定義します。「純粋な本社機能」を強化しグループ経営を牽引します。また、「本社の拡張機能」は、受益者のニーズを踏まえて実施します。
ガバナンス:コーポレートガバナンスにおいて、取締役会はサステナビリティ経営を重視し、「執行」と両輪となって、将来を見据えた議論を一層強化します。グループガバナンスにおいては、事業の成熟度と市場の特性に応じた適切な権限委譲を通じて対面市場の対応力を高めるとともに、グループ会社の取締役選任プロセスを含む株主エンゲージメントと取締役会を通じた経営への関与により、執行としてのグループ会社監督機能の強化を進め、グループ全体のリスクを低減します。
成長投資の管理・推進:成長投資の確実な実行に向け全社的な検証プロセスを強化します。特に新規事業開発予算及び精密・電子セグメント中心の研究開発費予算は、戦略的な設定とモニタリングにより投資機会を逸することなく計画を完遂します。
EBARAソリューションプラットフォーム構築:世界中に展開されている製品群の運転データを「共通資産」と捉え、事業や製品の枠を超えて価値に変えていくための「全社的なデータ活用環境」を構築します。
⑦ 財務方針
E-Plan2028をさらなる成長期間と捉え、過去に実施した成長投資の成果を刈り取りつつ、中長期的な企業価値最大化に資する成長投資を優先的に実施します。残余のキャッシュは原則として株主還元に振り向け最適な資本構成を保ちます。
投資戦略と規律:投資の優先順位は、EVA=(投下資本)×(ROIC-WACCスプレッド)の増加を判断基準とし、営業活動キャッシュフローを考慮のうえ、投資総額を決めます。
財務規律:格付「A」維持を前提とし、D/Eレシオ0.4~0.5かつ月商1.5~2か月の現預金保持を規律とします。
株主還元方針:配当は連結配当性向35%以上を維持しつつ、必要な投資を行い且つ財務規律の範囲内であることを前提に、ROE目標に沿った適正な自己資本水準への調整として自己株式の取得を継続的に実施していきます。これらをふまえ、3年間累計のフリーキャッシュフロー(資産売却・圧縮によるキャッシュインフローを除く)の100%以上となるよう株主還元(配当・自己株式取得)を実施します。
⑧ 目標指標
財務数値目標及び管理目安
[全社]
分類指標2025年度実績2028年度目標
収益性・効率性ROIC(WACC)11.9%(5.0~6.0%)13.0%以上(8.0~9.0%)
ROE15.6%18.0%以上
営業利益率11.9%14.5%以上
規模・成長性売上収益9,582億円1.2兆円規模
健全性D/E レシオ0.440.4~0.5(管理目安)
手元現預金水準(月商)1.85か月1.5~2.0か月(管理目安)

[事業別]
分類指標2025年度実績2028年度目標
収益性・効率性事業別ROIC
(事業別WACC)
- 精密・電子21.0%(7.0~8.0%)25.0%以上(9.5~10.0%)
- エネルギー12.2%(4.5~5.0%)15.0%以上(8.0~8.5%)
- 建築・産業5.5% (4.5~5.0%)8.5%以上 (6.0~6.5%)
- インフラ10.3%(4.0~4.5%)12.5%以上(6.0~6.5%)
- 環境19.1%(4.7~5.2%)13.0%以上(6.5~7.0%)
営業利益率
- 精密・電子16.9%20.0%以上
- エネルギー11.9%14.5%以上
- 建築・産業6.3%9.0%以上
- インフラ8.2%9.0%以上
- 環境13.3%8.5%以上
規模・成長性売上収益CAGR(FY2022-2025)(FY2025-2028)
- 精密・電子15.5%15.0%以上
- エネルギー14.9%8.0%以上
- 建築・産業7.7%8.0%以上

[サステナビリティ]
マテリアリティ提供する社会・環境価値(2035年度)KPI(2028年度)目標
M1
持続可能な社会づくりへの貢献
8億人に水を届ける(注)1(建築・産業)水の供給状況75%(2035年の提供価値に対する達成率)
気候変動に伴う水害リスクから人々の生活を守る(インフラ)浸水回避換算流域面積(注)27,800ha(2026年~2028年の累計)
脱炭素化に伴うエネルギートランジションをリードする(エネルギー)サステナビリティ向け(注)3 受注構成比(製品事業)20%
CO₂削減と炭素の資源循環に寄与する技術を社会実装する(環境)ICFG®/EUP®(ガス化)の受注1件以上
(環境)ICFG®技術(油化)開発・社会実装進捗状況油化技術の確立
CO₂約2.5億トン相当のGHGを削減する(2023年~2035年の累計)(注)4当社製品・サービスによるGHG削減量(CO₂換算)(注)56,500万t削減(2023年~2028年の累計)
責任ある調達活動重要サプライヤにおけるCSR調達要件適合率75%
M2
進化する豊かな生活づくりへの貢献
“ダウンタイムゼロ“で世界の快適な暮らしの“流れ“を止めない(建築・産業)
遠隔監視サービスへの接続機器台数の成長率
(EBARAメンテナンスクラウド、RISSA、RISS、JES)
50%以上
(2025~2028年のCAGR)
半導体製造における高集積化とサステナビリティを支え、AI社会の進展に貢献する(注)6(精密・電子)
半導体の微細化
7Å世代の半導体製造技術に対応した要素技術の開発進捗率
75%(注)7
M3
環境マネジメントの徹底
事業活動に伴う環境負荷の最小化CDP評価(気候変動)リーダーシップレベル
(A、A-)を継続
GHG(Scope 1,2)排出量(CO₂換算)46%削減(2018年比)
GHG(Scope 1,2)主要事業の
売上収益あたり排出量 (排出原単位)(CO₂換算)
66%削減(2018年比)
GHG(Scope 3)カテゴリ11排出量(CO₂換算)20%削減(2021年比)
水使用原単位継続的な改善
国内における廃棄物の再資源化率95%以上の維持
M4
人材の活躍推進
多様な人財の活躍促進Global Key Position(GKP)を占める多様性
女性ポジション比率(連結)
国籍に関する多様性指標(連結)
11.0%
グローバルカンパニーとしての遜色のない水準
女性管理職比率(国内)11.0%
男性育児休業取得率(国内)100%
障がい者雇用比率(国内 単体+グループ適用会社5社)2.80%
安全・安心・健康な職場環境の推進グローバルエンゲージメントサーベイスコア85
死亡事故・重大災害ゼロ0件
健康経営優良法人の認定(注)8 (国内)認定取得
M5
ガバナンスの更なる革新
コーポレートガバナンスの実践取締役会の実効性評価の実施と課題対応議長インタビュー、自己・相互評価、議長評価、課題抽出・改革等
社外取締役を支える活動の実施社外取締役会議、事業所視察、勉強会等
社外取締役とステークホルダーとの対話の実施継続的な対話

(注)1. E-Vision2030で目指した価値提供「6億人に水を届ける」の更新
2. 2026〜2028年に新規・更新受注を目指す排水ポンプの総能力を基に試算した24時間連続稼働時に、浸水を床下浸水基準(50cm)以下に抑制可能な面積(東京都23区の約13%に相当)
3. CO2、アンモニア、水素、SAFなど
4. E-Vision2030で目指した価値提供「CO₂約1億トン相当の温室効果ガスを削減する」の更新
5. 当社製品の導入前後で削減できるGHG排出量をCO₂換算で算定。一部WBCSDのガイダンスを参照して算定した削減貢献量を含む
6. E-Vision2030で目指した価値提供「14Åへの挑戦」の更新
7. 7Å世代半導体製造技術の開発が完了し、商用化され、世の中の豊かな生活を支えている状態を2035年の目標と設定
8. 経産省と健康経営会議が主催する健康経営会議優良法人ホワイト500の維持および健康経営銘柄の認定
⑨ E-Plan2028期間におけるキャッシュ・アロケーション
更なる成長に向けた投資へ経営資源を優先的に配分し、残余のキャッシュは原則として株主還元に振り向け最適な資本構成を保持します。

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