有価証券報告書-第152期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 9:40
【資料】
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【項目】
135項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「水と空気と環境の分野で、優れた技術と最良のサービスを提供することにより、広く社会に貢献する」ことを企業理念としています。社会に安全・安心と快適さを届けるための製品を提供し、それが最も効率よく使われるためのサービスとサポートを提供し続けることによって、企業としての価値を向上させていきます。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
<中長期的な会社の経営戦略>当社グループでは、2017年度から2019年度を計画対象期間とする中期経営計画「E-Plan2019」を策定しました。特に風水力事業の収益性改善が不十分であったという前中期経営計画の総括を踏まえ、当該期間においては、E-Plan2019完了時に世界規模で事業展開し成長する産業機械メーカへとさらなる発展を目指すために、全事業の収益性を徹底的に改善することを目標とし、「成長への飽くなき挑戦」を実践する期間と位置づけています。
E-Plan2019では、グループ基本方針として以下の5つを策定しました。
1. 当社グループの収益基盤を市況変動によらない強固なものとし、さらなる成長を図ります。
1) グローバル市場において安定的な成長と収益が期待できる事業は、着実な成長と収益性改善を図ります。
2) 市況変動の影響を大きく受ける事業は、市況の底においても安定して収益を計上できる事業構造に変革します。
2. 全自動化工場を核として生産プロセスと業務プロセスの刷新を図り、製品競争力強化と収益性改善を実現します。
1) IoT、AI、ロボティクス技術の導入を拡大し、E-Plan2019期間中に、標準ポンプ事業と精密・電子事業において、生産効率を画期的に高め全自動化された生産工場を立ち上げ、さらには生産工場を核として販売、サプライチェーン、サービス&サポート(S&S)等の業務プロセスを革新します。
2) 既存機種の絞り込みを進めたうえで、設計・生産・サプライチェーンを根本から見直すことにより、製品リードタイム短縮と製造原価低減を実現します。
3) 従来の業務プロセスを見直し、受注、生産、販売、S&Sが一体となった事業運営と業務システムの刷新を図ることにより、業務効率を大幅に改善し、固定費の圧縮を図ります。
4) 新製品は、ターゲット市場を明確にしたうえで顧客ニーズを確実に反映し、革新した生産プロセスを活用して迅速に市場投入します。
3. 収益性の改善と安定化のためにS&S事業を拡大します。
1) S&S事業の拡大のために、サービス拠点の拡充と拠点機能の強化を進めるとともに、IoT、AI等の新技術を取り入れた新サービスの開発と市場投入を行います。
2) 特に市況変動の影響を大きく受ける事業においては、売上高・営業利益におけるS&S事業の比率を高めることにより、収益性の改善と安定化を図ります。
4. 安定した成長と収益が期待できる事業においては、海外市場シェア向上と製品ラインナップ拡充を目的として、市況変動の影響を大きく受ける事業においては、S&S事業の領域拡大を目的として、M&Aを有効な手段として活用します。
5. 各事業のグローバル展開を支えるため、コーポレートの戦略的機能を強化するとともに、全グループにおいて定常的な業務の集約・効率化を図ります。
<目標とする経営指標>当計画では投下資本利益率(ROIC)、各事業における売上高営業利益率を経営指標としています。
最終年度における目標値は以下のとおりです。
ROIC8.0%以上
売上高営業利益率グループ全体9.0%以上
風水力事業8.5%以上
ポンプ事業8.0%以上
コンプレッサ・タービン事業11.0%以上
冷熱事業7.0%以上
環境プラント事業11.0%以上
精密・電子事業12.0%以上

(注) 1 ROIC = 親会社株主に帰属する当期純利益 ÷{有利子負債(期首期末平均)+自己資本(期首期末平均)}
2 5,000億円以上の売上高を前提とする
(3) 経営環境
中期経営計画E-Plan2019を策定する上で前提とした経営環境は以下のとおりです。
当社製品はいずれも世界各国のGDP 成長、経済発展による生活レベルの向上により需要が確実に拡大する製品です。従って、世界経済の影響により短期的には市場が変動する可能性はありますが、長期的には各事業において成長が望めると想定しています。
そのような中で、各事業の市場成長に一定のリスクを織り込み、売上規模拡大に依存しない計画を策定し実行します。
なお、当連結会計年度における経営環境については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」及び「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) セグメント別の状況」をご参照ください。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、平成31年度を目標年度とする3ヵ年の中期経営計画「E-Plan2019」に基づき、世界規模で事業展開し成長する産業機械メーカへとさらなる発展を目指すために、全事業の収益性を徹底的に改善することを目標とし、「成長への飽くなき挑戦」を実践していきます。
また、当社グループはその実践に向け、競争し挑戦する企業風土へと変革するため、人事制度を改定し、年功性を排除することにより人材登用の活性化と実力主義・成果主義を徹底するとともに、組織については、大型化・フラット化を実行し、組織数を半減させ、組織運営の効率化を推進していきます。